網走市議会 令和4年第2回定例会 2022年6月21日
帯状疱疹について
2022年6月21日、網走市議会の一般質問で、永本浩子議員が「帯状疱疹について」質問し、健康福祉部参事監 永森浩子が答弁しました。
- 質問者
- 永本浩子 議員
- 答弁者
- 健康福祉部参事監 永森浩子
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 永本浩子
それでは、最後の質問になります。3項目め、帯状疱疹についてお伺いいたします。この帯状疱疹については、2年前の令和2年6月の一般質問で、帯状疱疹ワクチンの助成について質問させていただきました。そのとき説明させていただいた帯状疱疹の発症のメカニズム等は今回は省かせていただきます。前回はちょうど新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大し始め、全国一斉の臨時休業が行われ、大人から子供まで先行きが見えず大きな不安とストレスを抱える中、帯状疱疹を発症して私の薬局にも来局する患者が急増しておりました。核家族化によるブースター効果の減少に加え水痘ワクチンの定期接種化の影響もあり、帯状疱疹の低年齢化と患者の増加、さらに、かつては一生に一度と言われた帯状疱疹が二度も三度も発症するという状況が現実に続いておりました。その後は少し落ち着いていましたが、今年に入って、例年にない大雪で除雪の疲れが出たのとロシアのウクライナ侵攻が始まり、連日凄惨な戦争現場の映像が流され世界的に不安感が増す中で、再び帯状疱疹の患者数が増えてきたと、現場としては実感しております。国内ではまだ公式の統計は出ておりませんが、ブラジルではコロナ以前の2017年3月から2019年8月には100万人当たりの帯状疱疹患者数は30.2人だったが、コロナ以後の2020年3月から同8月には40.9人と35.4%も増加し、地域によっては77%以上も増加した地域もあったそうで、日本だけでなく世界的に増加傾向があるようです。その原因として考えられているのが、一つは新型コロナ感染により免疫細胞やその働きがダメージを受けたこと。二つ目には新型コロナワクチンにより、一時的に一つ目と同じような状況が生じたということ。三つ目にはコロナ禍の心理的ストレスにより免疫力が低下したという三つが考えられているようです。1については、アメリカで行われた最新研究がその裏づけとなっております。アメリカでは、2020年3月から2021年2月に約200万人を対象に行った医療費請求データに基づいた解析の結果、50歳以上の新型コロナウイルス感染者と非感染者の比較では、感染者は帯状疱疹の発症リスクが15%高く、感染して入院した患者では21%高かったという結果が出ており、発症リスクの高い状態は陽性の診断から最長で6か月間続いたという解析結果も出ております。意外なのは、2のワクチンの影響です。当然、コロナワクチンそのものが帯状疱疹を発症させるわけではありませんが、ワクチン接種後にも一時的に細胞免疫を担うリンパ球の減少が見られることがあるそうで、欧州ではファイザー製ワクチン接種後に4,103件、モデルナ接種後に590件、アメリカではファイザー接種後に2,512件、モデルナ後に1,763件の帯状疱疹の報告があったそうです。また、3の心理的ストレスについては、帯状疱疹の原因として以前から指摘されてきたところですが、2021年のデンマークの研究で、7万7,310人が参加した大規模追跡調査のデータを解析した結果、強い心理的ストレスと帯状疱疹のリスク上昇との関連性が示されたところです。こうした近年の帯状疱疹の増加傾向について、市はどのように認識されているのか、見解をお伺いいたします。
答弁 健康福祉部参事監 永森浩子
帯状疱疹の近年の増加傾向への認識についてでありますが、医療機関に対する調査等を行っていないため、市内における診療や患者の状況は把握しておりませんが、一部の医療機関では現時点で一概に増加傾向といった判断はできないとの意見もあります。アメリカのデータ分析による論文の一つに、新型コロナウイルス感染症に関連して50歳以上の場合、新型コロナウイルスに感染した人は感染していない人との比較において、帯状疱疹を発症するリスクが高まるとの結果について議員から御指摘がありました。また、外出機会の減少に伴う心理的ストレスにより交感神経が高ぶり、ストレスホルモンの過剰分泌が細胞性免疫の機能低下をもたらし、帯状疱疹の危険因子となる可能性を指摘するデンマークの研究結果が報道にありました。ただ、新型コロナウイルスワクチン接種の影響については明確な根拠はなく、水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化するメカニズムは明らかではありませんが、免疫力の低下が誘因ではないかと言われています。市として、現時点では帯状疱疹が増加傾向にあるとの明確な認識はなく、市内の状況につきましては、網走医師会との連携により把握に努めてまいります。
質問 永本浩子
なかなかはっきりした数値、そういったところが得にくいというところは確かにあるかもしれません。うちの薬局でも帯状疱疹で出るお薬と単純ヘルペスで出るお薬、投与量が半減しますけれども同じお薬が出たりもしますので、薬の量だけでも正確な数は把握できないというのは確かにあるかもしれません。ただ、私も薬局、薬剤師として勤務しており、その窓口でお薬を投与する、投薬する場合、本当に8歳の女の子が帯状疱疹で来たり、20代、30代の学生さんや若い方が帯状疱疹になったり、先日も若い男性が「もう僕これで3回目ですよ」という方もいらっしゃいまして、やっぱり現場感覚としては確かに増えているのではないかなということを感じているところでございます。そしてまた、帯状疱疹への対応策ですけれども、これは予防と治療ということで、まずはこの治療についてですが、先日、友人から「息子が帯状疱疹ではないかと思うがどうしたらいいか」という電話があり、もしそうだったら薬は発疹が出てから48時間以内、遅くとも72時間以内に飲めば軽くて済むので、土曜日でしたが休日当番の病院を教えて受診するように勧めたところ、やはり帯状疱疹との診断で薬も出してもらえたので本当に軽くて済んだと喜ばれました。反対に、友人の妹さんが顔面に、三叉神経のほうですけれども、発疹が出てぴりぴり痛かったが帯状疱疹とは思わず、病院に行くのが遅れてまぶたが下がってしまったということで、どうしたらいいかとの切実な相談もありました。治療薬の服薬のタイミングを周知することの大切さを痛感したところです。帯状疱疹の治療薬は抗ウイルス薬で、インフルエンザと同じですけれども、ウイルスが増えるのを抑える薬なので、早く飲んでウイルスの増殖が抑えられれば症状は軽くて済みますが、増殖してしまってから飲んでもあまり効果は見込めません。顔面の三叉神経に出る帯状疱疹は、薬の投与が遅れると、先ほどの方のように顔面麻痺や難聴、また失明してしまうこともあり、特に注意が必要です。今は1日1回飲めばよい治療薬も出ており、こうした治療薬と服薬のタイミング等の情報を周知できれば助かる人が増えると思いますが、こういった周知に関してはどのようにお考えでしょうか。
答弁 健康福祉部参事監 永森浩子
帯状疱疹治療薬の早期服用の啓蒙についてでありますが、帯状疱疹は発疹が現れてから3日以内に治療を開始することがポイントとされ、治療が遅れた場合は発熱や頭痛、さらには合併症として帯状疱疹後神経痛や目や耳の神経障害、また顔面神経麻痺などが生じる可能性があります。治療薬や服用のタイミングといった情報発信につきましては、専門的な知見がなく難しいと考えられますが、帯状疱疹に関する知識や症状がある場合の早期受診など、公共施設等へのリーフレットの設置や市広報紙、ヘルシー講座を活用するなど、情報発信に努めたいと考えております。
質問 永本浩子
私もここ最近で2回ほど、帯状疱疹についてパワーポイントを自分でつくってお話をさせていただく機会があったのですけれども、やはり3日以内、できれば2日以内ということを知らなかったという人も多かったですし、また冷やしてはいけないということとか、帯状疱疹の薬もなかなか高いのでしっかりお金を持っていったほうがいいよとか、いろいろなそんな情報提供もしながら、そういったことがまず知識として持っていることで、やっぱり防げるものというのは大きいので、ぜひそういった簡単なことでもまずは構わないので、飲むタイミングとかそういったことをぜひ周知していっていただきたいと思っております。次に予防ですけれども、前回も言いましたが、帯状疱疹で最も問題になるのが帯状疱疹後神経痛です。皮膚症状は治まっても治癒した後に強い疼痛が長期間残り、私の母もそうでしたが、亡くなるまで一生痛みと闘わなくてはならないのは本当に辛いことです。50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち約20%がこの帯状疱疹後神経痛になると言われており、80歳以上では約33%がなるというデータもあります。私が勤務する薬局にもたくさんの人が通っております。長期にわたる神経痛との闘いは、精神的にも身体的にも生活の質を落とし健康寿命を阻みます。医療費の増大にもまたつながってまいります。アメリカ等の海外では帯状疱疹ワクチンの接種が進んでおり、日本でも2016年から50歳以上の方に予防接種ができるようになり、現在、1回接種の生ワクチンと2回接種の乾燥組換え型の不活化ワクチンがあります。2年前にお聞きしたときは、市内でワクチンを接種できる医療機関は2か所でしたが、今は何か所あるのでしょうか。また、接種できるワクチンの種類と接種状況をお伺いいたします。
答弁 健康福祉部参事監 永森浩子
ワクチンを接種できる医療機関とワクチンの種類及び接種状況についてでありますが、現在5か所の医療機関において、水痘ワクチンと不活化ワクチンの2種類が接種可能となり、内容としましては、2種類のワクチンを取り扱う医療機関が3か所、1種類のみが1か所、残りの1か所については現時点で接種実績がない状況となっております。接種状況については、本年1月から6月までに33人が接種しており、内訳は水痘ワクチン24人、不活化ワクチン9人となっております。
質問 永本浩子
2か所から5か所に医療機関扱っていただけるところが増えたということで、ちょっとうれしく思っております。やはりこういった形で扱ってくれる医療機関が増えてくると、そこを受診したときに、「あっ、ワクチンがあるんだ」とまずそのワクチンが、帯状疱疹のワクチンがあるということをまず知っていただくことが大切ですし、人数は少ないですけれども、少しずつでも受けていただいている方がいらっしゃるということで、状況を把握させていただきました。これから超高齢化社会を迎えるに当たって、健康寿命の延伸と医療費の抑制は大事な課題でございます。そのためにも、帯状疱疹は予防できるということとワクチン接種ができる市内医療機関の案内を積極的に周知して、接種を推進すべきではないでしょうか。最近では、テレビでこのワクチンのコマーシャルも流されるようになり、かなり周知が進むのではないかと期待しているところですけれども、市としても市のホームページや毎年全戸配布される「みんなの健康」への掲載、また健康マイレージのポイント項目に帯状疱疹のワクチンを加えていただくなど、またFMあばしりで放送するなど、周知の仕方は様々あるかと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
答弁 健康福祉部参事監 永森浩子
帯状疱疹ワクチンの周知と接種の推進についてでありますが、任意接種と定期接種で周知の方法が異なるため、現在厚生科学審議会で議論されている定期接種化の動向を注視するとともに、帯状疱疹に関する知識などについては公共施設等へのリーフレットの設置や市広報紙、ヘルシー講座を活用するなど、情報発信に努めたいと考えております。また、高齢者をはじめ市民向け健康講座においても、帯状疱疹を題材の一つに取り上げるなど取り組んでまいりたいと考えております。
質問 永本浩子
様々な形で取り組んでいただければうれしいです。そして、このワクチンですけれども、インフルエンザワクチンと同じく保険適用外なので、医療機関によって金額が違います。1回接種型のビケンの弱毒生ワクチンは6,000円から8,000円、網走市内だと7,000円のところが多いのではないかと思っております。2回接種型で世界初の組換えサブユニットの不活化ワクチン・シングリックスに関しては、1回2万円から2万3,000円、2回接種なので4万円から4万6,000円前後と大変高額になっておりますが、生ワクチンは効果の持続期間が3年から11年、また5年から9年と言われているところもありまして、なかなかちょっと不安定なのに対して、シングリックスは治験スタートから12年たっても効果が持続しており、効果のダウン率も少ないということで、どうせ打つなら2回接種のシングリックスのほうがいいのかなと薬剤師としては思っているところですけれども、今回、日本の疫学調査にのっとって出された推計値を調べてみたところ、令和3年1月1日の人口を基本にすると、網走市の50歳以上の人口は1万8,023名で、一生のうちに帯状疱疹に罹患する人は推計値として4,190人、帯状疱疹後神経痛になる人が927人、年間だと帯状疱疹罹患者は198人、帯状疱疹後神経痛は41人という推計値が出ております。これに帯状疱疹の治療費と帯状疱疹後神経痛の治療 費 を 掛 け る と 、 お お よそ で す け れ ど も 、 年 間1,190万4,676円という医療費が推計されます。網走市での公費助成導入時の、もしということですけれども、もし公費助成を導入したとすると、予算規模を半額助成で7割がビケンの生ワクチン、3割が不活化ワクチンのシングリックスとして、先行している名古屋市の目標接種率1%と同じく50歳以上の接種率を1%と仮定すると158万6,024円となり、かなりの費用対効果が見込めるのではないかと思われます。2022年4月時点で全国31自治体が何らかの公費助成を行っており、北海道でも幌延町、標津町、猿払村で助成を行っております。一人でも多くの市民が健康寿命を延ばし、人生100年時代を楽しんでいけるよう、当市でもぜひ公費助成を行っていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
答弁 健康福祉部参事監 永森浩子
帯状疱疹ワクチン接種への助成についてでありますが、現在厚生科学審議会において帯状疱疹ワクチンの定期接種化に向けた議論が行われておりますので、引き続き、国の動向を注視するとともに、医師会及び医療機関との意見交換により、御指摘のあったことを踏まえ、相談してまいりたいと考えております。
質問 永本浩子
国のほうでも今やはり問題として捉えていただいて、定期接種の方向性が検討されているということは私も認識しているところであります。ただ、シングリックスの場合は非常に金額がかかるので、もし国のほうで半額助成していただいたとしても2回打つと個人の負担が2万円から2万3,000円ということになりますので、国のほうが助成をしてくれることが決まったとしても、例えばそこに市として上乗せをして4分の1市が助成をしてくれると個人の負担が1万円から1万円ちょっとで済むということで、そうなると打とうかなと考えていただける方も増えるかと思いますので、そういったことも含めまして今後前向きに検討していっていただければと思います。以上で、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。