網走市議会 令和2年第4回定例会 2020年12月16日
1項目めは学校施設の長寿命化と子供たちの学びの環境の充実について
2020年12月16日、網走市議会の一般質問で、近藤憲治議員が「1項目めは学校施設の長寿命化と子供たちの学びの環境の充実について」質問し、学校教育部長 林幸一が答弁しました。
- 質問者
- 近藤憲治 議員
- 答弁者
- 学校教育部長 林幸一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 近藤憲治
-登壇- それでは、私からも通告に基づきまして質問をさせていただきます。2項目です。まず1項目めは学校施設の長寿命化と子供たちの学びの環境の充実についてであります。まず当市の人口ビジョンによりますと、2040年には小学校、中学校に通う、いわゆる年少人口は2010年に比べて47%減るとされています。具体的な人数としては5,061人いた子供たちが2,698人まで減るというのが示されています。これはおよそ現在の半分の数字でありまして、しかも現状としては人口ビジョンよりも早い速度で人口減少が進行しているわけですから、年少人口の減少は相当なインパクトとして地域に大きな変化を促すものであるということは明白であります。子供たちの学びを保障する場としての学校の機能をどう持続可能な形にしていくか。また、給食や部活動など学校に附帯する様々な要素をどのように維持していくのかが問われているというのが、まさに今であると考えています。ですから、小手先のびほう策ではなく、近い将来子供の数が半分になるという前提で学校と学校に附帯する機能をどう維持していくのかという、俯瞰的、総合的な議論が求められているのが、まさに今であります。一方で、公共施設の集約や長寿命化等を全体的に見渡す網走市の公共施設等総合管理計画では、網走、中央、西、潮見、南、西が丘、白鳥台の7つの小学校、それから第一、第三、第五の3つの中学校、そして呼人小中学校を維持継続として、その上で児童館や地域の拠点としての機能の集約と強化とうたっています。各学校の統廃合や集約の程度については、改めて本格的な議論をさせていただきたいと思うところでありますけれども、文部科学省から令和2年度までに学校施設の個別施設計画を策定するように求められているとのことであります。まず、各学校の校舎の築年数を含めて、個別施設計画の策定の進捗と内容等をお示しいただきたいと思います。
答弁 学校教育部長 林幸一(学校教育部長は2021年3月まで)
学校施設の長寿命化計画につきましては、令和2年5月に策定したところでございます。この計画における校舎の長寿命化の内容につきましては、建築後80年まで使用することを目標に、建築を20年と60年に大規模改修を、折り返しとなる建築を40年に長寿命化改修を実施することを基本としているところでございますが、社会情勢の変化や財政状況などを踏まえ必要に応じて見直しを行っていくこととしているところでございます。
質問 近藤憲治
まさに策定をしているというお話だと思いますが、学校施設の長寿命化と個別施設計画の中身との関連で踏み込んで伺いたいと思います。学校施設の長寿命化を検討する際に力を入れて改善すべき点として、児童生徒用のトイレをしっかりと位置づけるべきであるという点であります。老朽化が進んだ校舎でリフォームが行われていない学校で目立っている事例ではありますけれども、学校のトイレに対して子供たち、またその保護者の皆さんから様々な御意見を頂いている現状がございます。例えば、網走小学校では、保護者の皆さんから回答を集める学校評価アンケートにおいて、例えば平成28年度ですけれども、「トイレが汚い。大人でもあまりしたくないと思うのに子供たちもつらいことがあるようです。過保護かもしれませんがかわいそうだと思ってしまいます。毎日子供たちで清掃しているようですが、子供だけでは限度があると思います」という声ですとか、令和元年度には「学校でトイレを使う機会、運動会や参観日等があります。古くても掃除が行き届いており、子供たちの掃除が上手だなと感じます。それでも限界があると思います。ぜひトイレの修繕を学校PTAの総意で市へ強く要望していってほしいと思います」という形で、4年前から断続的にトイレの状況を指摘する声が上がっている状況がございます。そこで、私も幾つかの現場を見せていただいたり、他都市の調査を行ってみました。そこで明らかになったのは、全国各地で学校のトイレの更新がなされていないという課題であります。平成26年度までの10年間で老朽化した学校のトイレの改修がどの程度行われてきたかというテーマで、全国1,756自治体を対象に実施をされましたアンケート調査がございます。これは学校のトイレ研究会という民間団体が調査したものなのですけれども、回答としてはトイレの更新、継続中が40%、これから着手が22%、一通り終了が14%だったのですけれども、残り22%は行っていないという回答であり、行っていない理由としては、「他に優先すべき事業がある」「予算が取れない」などが上がっておりました。一方7割近い自治体では、例えば「和式便所が多く児童が嫌がっている現状があったから」「臭いや汚れ等トイレの問題が悪化したから」などの理由でトイレの改修を実施してきた経過も明らかになりました。当市においても、校舎自体の建設時期の違いもあり、トイレの状況もそれぞれという点は認識しておりますが、学校のトイレの改修に対する政策的なプライオリティーとして、どのような考え方を持って今に至るのか、まずは総論的な認識をお聞かせいただきたいと思います。
答弁 学校教育部長 林幸一(学校教育部長は2021年3月まで)
児童生徒用のトイレの位置づけについてのお問合せでございますけれども、児童生徒用のトイレの改修につきましては、長寿命化計画の学校施設整備の基本的な方針等の中におきまして、長寿命化を検討していく施設の一つに位置づけているところでございます。
質問 近藤憲治
論点としては位置づけていただいているということでありました。学校のトイレを学校長寿命化の際に力を入れて改善すべき点として位置づけるように、私が主張する理由を以下に述べます。まず、学校のトイレのリニューアルを契機として、トイレをシンボルとしながら子供たちの学びの環境の充実へと昇華させることができるということ。それから、学校施設が避難所等防災拠点となる視点からも学校のトイレの快適性の向上は災害対応面でも課題があること。また、感染症予防の視点からもトイレの洋式化など衛生面に配慮した設備の充実が必要であること。それから、衛生管理、つまり掃除の仕方でありますが、この概念も過去の湿式清掃、つまり水をまいて掃除するという考え方から、今では乾式清掃へと転化してきている中で、より衛生的な清掃方法の変更に対応した設備とすることがあると、以上の4点でございます。学校のトイレというのは、日本建築学会計画系論文集第78巻に掲載された論文がございます。「学校トイレ改修の進め方の手法と課題に関する研究」という論文なのですけれども、この中では学校のトイレというのは6Kだと言われていると指摘されています。汚い、臭い、暗い、怖い、壊れている、窮屈、以上で6Kなのだそうですが、網走市の学校のトイレが全てというわけではございませんが、さきに紹介したアンケートの声からすると、そういった状況もあるものと推測されるわけであります。一方、この論文では、学校のトイレを単に排せつの場であるだけでなく、学校でほっとできる場、身だしなみを整える場としても児童生徒に認識されており、健康で安心感やゆとりある学校生活を送る上で重要な場所と定義しています。茨城県東海村の東海南中学校は、当時の村長の「トイレは学校のもう一つの顔である。日本一の学校トイレを目指す」という肝煎り施策として老朽化対策、臭い、怖いといった負の要素の改善、ブースの拡大、明るく安心というコンセプトで改修に臨んだそうであります。白色と木目で落ち着きのある壁、自然光を取り入れた柔らかい明るさ、緩やかな曲線を描いて配置されたきれいな備品類、生徒たちからは「ホテルみたい」「学校のトイレじゃない」との反応があり、あまりに居心地がよくトイレのブースが混雑するのが悩みというほどの話題になったそうであります。さらに子供たちからは、「きれいなトイレなのでもっときれいに使っていきたい」という声も出るようになったということです。また、三重県の一身田小学校ではトイレを明るくリニューアルした結果、子供たちの生活マナーも向上したという成果も出ているようです。トイレのリニューアルが子供たちの学校に向き合う意欲につながる好例だと思います。そのほか、さきに述べました理由も含めて、学校のトイレの積極的なリニューアルを学校施設の長寿命化とセットで明確に位置づけて推進していく必要があると考えますが、市の認識を伺います。
答弁 学校教育部長 林幸一(学校教育部長は2021年3月まで)
学校のトイレにつきましては、社会の成熟とともに商業施設のトイレや一般家庭の居住環境も快適化が進み、学校のトイレの快適さという観点で格差が生まれたと感じており、近年トイレの改修に合わせトイレを子供たちの憩いの場、落ち着く場、交流の場とする先進的な事例があることについては認識しているところでございます。また、学校施設長寿命化計画では、学校の求められる機能として避難所としての利用についてもうたっており、安全性として防災機能を備えた施設整備を目指しているところでございます。これまで市議会におきましても、学校トイレの洋式化については議論されてきましたが、建設当時から児童生徒数の減少により洋式便器の数は満たしているという認識でいるところでございます。また、トイレ清掃の概念も衛生的な設備の観点から計画の中でも、明るく楽しい色や仕上げとすることや床面は乾式の床への変更を検討することとしているところでございます。
質問 近藤憲治
問題意識としては、共有できるものというふうに承らせていただきました。一方で、学校のトイレの快適性の向上というのは、まとまった予算措置が必要であることも理解をしております。相場感としては、トイレというのは各校複数箇所でありますし、伺いますと配管が複雑なケースもあるということで、1校当たり約1億円かかるのではないかというようなお話も伺っているところであります。しかし、そもそもそのイメージがリアルなのかという点もありますが、仮にその相場感だったとしても必要な部分に必要な予算をつけるために常日頃のやりくりをしているわけですし、網走の将来を担う子供たちに網走で大切に育ててもらったという実感を持ってもらいたいと思います。そのためには、導水管の更新のようにきちんと計画を立てて順番を決めて、無理のない形で更新を進めていくという考え方が大切です。例えば、島根県の益田市というまちがございますが、このまちでは学校のトイレに対して、学校施設は児童生徒の学びの場であるとともに一日の約3分の1を過ごす場でもあります。この学校施設の中で、老朽化が著しい学校のトイレ設備について、臭気、臭いですね、等の衛生面に係る問題や生活環境の変化による洋便器化への対応が課題となっています。これらの問題を解消するべく、改修に係る整備水準を定め衛生面や機能面に配慮した整備を計画的に行うことを目的に、学校のトイレ改修計画というものを本年2月に策定をしています。その計画では、現在の生活様式に適応した洋便器化、また臭気等に対応するため衛生面等を考慮した乾式化、老朽化により劣悪環境にある間仕切りの改修、この3つを基本的な考え方として市内の9の小学校で、老朽化が著しい学校から優先する、年度内1校につき低学年のフロアから二、三校ずつ進めていく、期間は全体で5年とするというふうに定めています。こういった計画をまずは速やかにつくるべきだと思います。その上で、学校施設の長寿命化のための国の補助制度なども活用しながら着実に進めていくという認識を共有していただきたいと考えますがいかがでしょうか。
答弁 学校教育部長 林幸一(学校教育部長は2021年3月まで)
学校施設の整備に当たりましては、これまで耐震化など緊急性の高い学校施設の維持管理を優先的に進めてきたところでございますが、トイレの改修につきましては建築年数から見ても老朽化による改修の時期に来ている学校があることは承知しているところでございます。しかしながら、トイレ改修の費用は大型となりますことから、国の補助金や有利な起債などを活用し進めていかなければならないと考えており、老朽化の度合いや緊急性を考慮した中で計画的に改修が実施できるよう検討してまいりたいと考えているところでございます。
質問 近藤憲治
ぜひ検討を進めていただきたいと思います。とはいえ、そうこうしているうちに子供たちというのは成長してそれぞれの学校を卒業していっています。ぜひスピード感を持った取組を望みたいと思います。冒頭述べたように、子供たちの数は令和22年、2040年までに今の半分になります。私自身も網走市内の全ての学校をフルスペックで残していくという考え方には立っておりません。しかし、中長期的に学校としての機能を維持させることが明白であるところ、機能集約や強化の対象となるところについてはトイレ改修の計画の策定とともにスピード感を持って事業化に進んでいただきたいと考えるところであります。この計画の策定、またはその検討に向けた時間軸と考え方、改めて伺いたいと思います。
答弁 学校教育部長 林幸一(学校教育部長は2021年3月まで)
学校施設に求められる機能はICT環境整備のほか、避難所としての利用、学校開放事業など多様化しており、中長期的な視点により充実した環境を整備していくため、既存施設の計画的な改修が求められています。また、老朽化の状況を見ながら早期に部分的な改修を図ることができないかなど、中長期的な予算の平準化を図りつつ学校施設に求められる機能、性能を確保しなければならないと考えています。今後、学校規模の状況や児童生徒数の推移、学校周辺の公共施設の状況など各学校を取り巻く環境を総合的に判断した上で、必要な財源の確保に努めながら、子供たちが安全・安心に過ごせる整備に努めてまいりたいと思います。
質問 近藤憲治
この件につきましては、この後の経過もまた議論させていただきたいと思います。