みんなの議会

網走市議会 令和元年第2回定例会 2019年6月25日

いわゆるリニューアルに向けた検討の進捗と方向性について

2019年6月25日、網走市議会の一般質問で、近藤憲治議員が「いわゆるリニューアルに向けた検討の進捗と方向性について」質問し、観光商工部長 後藤利博が答弁しました。

質問者
近藤憲治 議員
答弁者
観光商工部長 後藤利博

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 近藤憲治

-登壇- 志誠会の近藤憲治でございます。まず冒頭、過日山形で発災をいたしました地震によりまして、被災をされました皆様にはお見舞いを申し上げたいというふうに思います。それでは、通告に従いまして5項目お伺いをさせていただきます。まず1項目めでございますけれども、流氷館の展示改修、いわゆるリニューアルに向けた検討の進捗と方向性についてお伺いをさせていただきます。総論的に伺ってまいりますけれども、前段として本年度の当初予算で措置をした600万円の調査費について、一つ確認をさせていただきたいというふうに思います。そもそも、このリニューアルに至った背景として、まず1として建設時の経営見通しから5年に一度程度の展示内容の見直しを予定していた。2、経営見通しどおりに入館者数が減少傾向にある。3、リニューアル用の財源も準備しているという点を根拠として占めすやり取りが、さきの第1回定例会での答弁であったと記憶しております。しかし、受け取り様によっては財源を用意しているし、計画どおり入館者数が減ったのでリニューアルするとだけ聞こえてしまい、そのリニューアルの必要性や経緯について判然としないでありますとか、経営努力や現状の課題分析抜きで、漫然とリニューアルをしても意味がないとの御指摘を周囲からしばしばいただく場面がございます。改めて、この展示改修に踏み込んでいく背景と意義、狙いをわかりやすくお示しいただきたいと思います。

答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)

流氷館のリニューアルに至った背景と意義ということでございますけれども、網走市総合計画や今回、策定をいたしました観光振興計画の中で、観光消費額の拡大と質を向上することを目標の柱とするものの、観光入込客数の目標とする指標の一つではございます。まち・ひと・しごと創生総合戦略では、天都山周辺施設入り込み客数をKPIとしており、天都山展望台、オホーツク流氷館は、これらの目標を達成する上でも一定の役割を果たすものと考えております。また、総合計画や観光振興計画では、地域資源を活用した網走の魅力向上を掲げており、最もインパクトがあり、認知度や知名度も高い流氷を通年で観光客が体感し、感動し、楽しめる地域資源を活用した施設である。さらに、観光客の入り込みの維持、拡大を図り、そしてその入り込みを契機として、網走での観光消費拡大にする施設の一つであり続ける必要があると考えております。現状としましては、流氷館建てかえオープンをした平成27年度は、前年度より約6万人増加をし、19万3,000人の入館者となりましたが、翌年以降、徐々に減少し、平成30年度は胆振東部地震の影響にもより、入館者数の落ち込みがあり、約16万人の入館者となったところであります。このようなことから、新たな客層やリピーターの獲得、また市民の皆様の来館を促すような施設となるよう、展示物改修基本計画を策定したいと考えてございます。

質問 近藤憲治

意義と背景につきましては、今、御答弁をいただいた形で一旦認識として承らせていただきたいと思います。続いて、当初予算で盛り込んだ展示改修の検討事業600万円の最新の進捗状況と、今後のスケジュール感を明らかにしてください。

答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)

改修基本計画につきましては、プロポーザル方式で委託をする事業者の選定を行う予定としてございます。現在は、展示内容やターゲットの分析を進めるとともに、改修に向けたコンセプトのまとめについて、指定管理者とも協議をしながら検討しているところでございます。今後のスケジュールとしましては、今年度中に改修計画を策定し、来年度中に工事を実施し、完了させ、リニューアルオープンをしたいというふうに考えてございます。

質問 近藤憲治

また、この展示改修の事業の財源ですけれども、基本構想時には開館から4年間の積み立てを充当するという考え方であったというふうに承っているわけなのですけれども、積み立てられている金額を全て使い切ることを前提にこの検討が進んでいるのか、それとも、今後策定されるこの検討事業の結果のプランに応じて、必要な金額を支出するという考え方なのか、お示しをいただきたいと思います。

答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)

展示物改修に係る財源につきましては、現在、積み立てられている基金、約1億3,000万円ほどございますけれども、これを活用することとしておりますが、基金のうち約1億円程度を改修費とすることで計画提案の募集をしていきたいと思っております。

質問 近藤憲治

またそれは具体的な中身が出てきた段階で、改めて議論をさせていただきたいと思いますが、先ほどこの展示改修の検討事業の中で、ターゲットの分析というような御答弁がございました。私は、あわせてやるべきなのは課題の整理だというふうに思っております。来館者数の減少傾向に歯どめをかけて、新たな顧客層を誘引すること、またその結果として、流氷館そのものの経営状況を改善していくことが大きな目的だろうというふうに思います。その目的から逆算をしますと、現状では何が問題なのか、課題の洗い出しをしっかりと行っていく必要があると考えます。例えば、網走観光のゲートウェイとする建設当時のコンセプトはどの程度達成されているかでありますとか、多様な客層の利用を促す施設づくりがどの程度実現できているか、これは基本構想では周遊団体ツアーに頼らない集客ということもうたわれておりました。また、多様化するインバウンド向けの対策はどの程度充実してきているのか。国、地域別動向の把握や対策はどの程度進んでいるのか。また、リピート率や館内の滞在時間はどの程度伸びてきているのか。入館料に対しての顧客満足度についての現状を把握しているか。天都山エリア内の施設との連動性は高まってきているのか。施設をPRするプロモーションの手法と効果について、どの程度整理ができているのか等々の課題を、きちんと整理をしていく必要があると思いますが、今述べた点について、どの程度整理がなされているか、御答弁いただきたいと思います。

答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)

まず、現状の課題とリニューアルについての改善点ということで、ゲートウェイとしての達成状況ということでございますけれども、建てかえオープンをいたしました平成27年度が19万3,000人、平成28年度、29年度ともに約18万人、平成30年度は約16万人の入館者を確保しております。インパクトが大きく、魅力に富んだ地域資源の代表である流氷を、季節にかかわらず1年中観光客が体感をし、感動し、楽しめる施設として観光客の入り込みを促進し、その入り込みを契機として、網走での滞在時間の増加と観光消費拡大を図る観光施設として一役を担っていると思っております。今後も網走を代表する観光施設の一つですので、観光客入り込みの維持・拡大に資する施設であり続けるために、観光客を呼び込む魅力ある施設となるよう、まず展示内容の研究をしていくことが一つと考えております。多様な客層の利用につきましては、団体観光客の利用がベースとなっておりますけれども、国内外、観光客の個人客が全入館者の約4割まで増加をしており、そのほかに修学旅行などの受け入れも継続的にされておりますので、さまざまな客層に利用されている施設であると認識しております。また、インバウンド向けの対応といたしましては、館内各種案内板など、外国語併記をしているほか、外国語対応可能なスタッフの配置などを行い、受け入れもしております。国や地域別の対応ではWi-Fiを活用した展示内容の説明や、館内案内について英語、簡体字、繁体字、ハングルの4言語までの多言語化を実施しており、今後に向けてはインバウンド受け入れ体制強化のため、キャッシュレス化などの利用しやすい施設にも整備をしていきたいと思っております。入館者数の平準化でございますけれども、流氷館だけでは入館者数を平準化することは難しいと考えております。閑散期に来場するイベントを開催するなど、入館者の落ち込む時期の来館促進に向けた取り組みも行っております。また、10月から1月までの閑散期は、特に入館者数が減少しますので、入館者増加のため、SNSでの情報発信やプロモーションなどにより、入館者の減少を最小限にとめたいというふうに考えてございます。網走への宿泊や入り込みが落ち込むシーズンの対策としまして取り組んでおります閑散期対策商品造成事業や、宿泊客増強対策事業、施設めぐり観光バス運行事業などの地域への入り込みや滞在時間の増加を促進する総合的な取り組みを考える必要があると思っております。次に、リピート率ということでございますが、リピート率の状況につきましては近隣の児童・学生などを含めた一定の道内観光客においては、リピーターがふえているというふうに感じてございますが、全体としてはリピート率がそれほど大きい施設とはなっていないというふうに感じております。滞在時間につきましては、建てかえによりフリースペースが広くなったことにより伸びているというふうに思っておりますが、今回の展示物改修によりまして、さらなる滞在時間の延長や、多くの方にリピートしていただける施設にしたいと考えております。顧客の満足度についてでございますけれども、指定管理者の網走観光振興公社が入館者に対するアンケートを実施をしております。回答をいただいているうちの約半数以上の方から満足との回答をいただいておりますけれども、展示内容の充実を求める声や、入館料が高いなどとの回答もございます。施設PRプロモーションにつきましては、市、観光協会、指定管理者と連携をした観光プロモーションを実施しているほか、SNSによる情報発信を行っており、団体、個人、国内外を問わず、PRができているものと考えており、さまざまなツールを利用し、より細かな情報発信をさらに進めていきたいと考えてございます。

質問 近藤憲治

多岐にわたる論点を御丁寧に答弁いただきましてありがとうございます。次に、このリニューアルの検討に向けて幾つかの提言をさせていただきたいというふうに思います。今後の観光産業は、インバウンドのさらなる増加、しかも先ほど御答弁にもありましたけれども、団体から個人へと大きくシフトしていく流れをどう受けとめていくか。また、人数ではなく、消費額の伸びを意識して、地域内に循環する資本の総量をふやしていくという二つの視点が極めて重要であると考えております。来日インバウンドの旺盛な需要を、この流氷館のリニューアルでどういうふうに取り込んでいくのか、中長期的な視点も含めてお示しをいただきたいと思います。

答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)

平成30年度のインバウンドの入館者のうち、個人客が約17%となっております。これは前年度の9%を大きく上回っている状況です。インバウンドの個人化がやはり進んでいるのだろうというふうには認識しております。さらなる増加に向けて、キャッシュレス化などの利便性向上、またSNSを利用した情報発信を進めていきたいと考えてございます。インバウンドの需要取り込み策としましては、やはり国や地域別の特性を踏まえた効果的なプロモーション、それと展示内容の魅力向上を図る必要があると考えております。具体的にはウエブやSNSの活用などをするほか、BtoCからCtoCへの加速化の動き、また、受け入れ態勢については入館料や館内テナントでのキャッシュレス化なども推進したいと考えております。また、インバウンドが増加すると予想されますので、外国語対応可能なスタッフの常時配置など、受け入れ体制強化も進めていく必要があると考えております。

質問 近藤憲治

続きまして、館内の工夫についてお伺いをいたします。観光分野では一般的に滞在時間が延びれば消費額がふえると言われております。現状の流氷館の滞在時間、これは私自身の肌感覚でもございますけれども、現状だと30分程度かなというふうに受けとめております。そこを、約2時間程度まで延ばすことができれば、例えばレストランで食事をしようでありますとか、ソフトクリームやコーヒーでも買ってから次の場所へ移動しようという、消費の効果をより一層促すことができると考えます。そして、滞在時間の伸長には導線や展示内容の工夫が重要となってまいります。先ほど課題、論点を整理させていただきましたけれども、リニューアル時にはしっかりと来館客の満足度を高めて、滞在時間を延ばすためのしかけが必要だと考えておりますが、そのためには、やはりその運営サイドの戦略や意思が不可欠であると思います。日本全国の公共施設の建設や整備の状況を見ていて素朴に感じるのは、コンサルタント業者任せだけではうまくいかないということであります。発注者側の明確な戦略と意思が不可欠ですが、そういった認識はお持ちかどうか、お伺いをいたします。

答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)

今回の展示改修には滞在時間の延長、それから新規顧客の獲得、また来館者の満足度向上などを狙いとしておりますが、このことは流氷館だけで完結するものではなく、天都山エリアや網走市全体、また他の地域も含めた周遊観光なども視野に入れた中で、流氷館の来館をフックに網走への誘客を促進し、流氷館自身はもちろんのこと、エリアとしての滞在時間の増加や観光消費額の増加を図る取り組みも必要があるというふうに考えております。展示物改修のコンセプトにつきましては、これまでの課題やターゲットの分析等をしっかり行い、発注側として方向性を明確に設定した上で、発注をしていきたいと考えております。

質問 近藤憲治

さらに、消費額をふやすという点では、現在無料入館者として扱われている展望台だけでありますとか、レストランだけの利用者からの入館料徴収の可能性を検討することも大事な視点であると考えております。建設時には、無料スペースがあることで来館する団体ツアーがあるから無料部分を残したいというお考えを伺いまして、その部分を尊重させていただきましたが、一方で基本構想時でも既に団体に頼らないと明確にうたっているわけですし、新たな観光振興計画では消費額をふやすという方向性に大きく踏み込んだわけであります。消費額をふやすという点では、全館有料化が大きな一歩になると考えますが、現状での有料入館者と無料入館者の数を明らかにしていただきたいと思います。また、無料入館者がそのまま有料入館者に転嫁した場合の流氷館の経営に与えるインパクトについてもお示しください。あわせて、全館有料化に向けたお考えがあるのか、ないのか、ないのであればその根拠を改めてお聞かせいただきたいと思います。

答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)

平成30年度の有料入館者数は16万149人でございます。無料の入館者数は7万1,069人となっておりまして、施設全入館者のうち、約7割が有料の流氷館のほうに入館をしているという状況でございます。消費額をふやす方策の一つとしては、全館有料化もあると思いますけれども、そのことによる入館者の減少や、そのための金額設定については現在、検証しておりませんので、経営上のインパクトなどについては現時点ではお示しすることはできません。今年度取り組むこととしております展示物改修は、入館者の増加を目指すものと考えております。このことによりまして、観光客入込数を維持・拡大をさせ、観光業だけではなく、地域経済全体の観光消費額を増大させることになると考えておりますので、現時点では全館有料化に向けた考えは持っておりません。

質問 近藤憲治

現状でのお考えを伺わせていただきました。また、今後さまざまな形でリニューアルが進んでいくかと思いますので、改めて議論させていただきたいというふうに思います。

出典:網走市議会 令和元年第2回定例会 2019年6月25日 議事録 PDF(57ページ) 間違いを知らせる