洞爺湖町議会 令和元年6月会議 2019年6月17日
深刻な打撃を受けている前浜のホタテ漁に対して、漁業者の経営と暮らしを守る町行政の対応について
2019年6月17日、洞爺湖町議会の一般質問で、立野広志議員が「深刻な打撃を受けている前浜のホタテ漁に対して、漁業者の経営と暮らしを守る町行政の対応について」質問し、産業振興課長 田所昭博、経済部長 八反田稔、町長 真屋敏春が答えました。
- 聞いた人
- 立野広志 議員
- 答えた人
- 産業振興課長 田所昭博、経済部長 八反田稔、町長 真屋敏春
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 5番 立野広志
5番、立野でございます。おはようございます。それでは、これから通告に従って一般質問を行いたいと思います。まず最初に、深刻な打撃を受けている前浜のホタテ漁に対して、漁業者の経営と暮らしを守る町行政の対応についてということで通告させていただきました。昨年の夏場から続いている噴火湾地域の養殖ホタテ大量へい死問題は、町内の漁業者にとっても大幅な減産となり、関連する水産加工業、あるいは運輸業始め、耳吊り作業に伴う地域経済への波及効果も大きな影響を及ぼしているところであります。基幹産業である前浜のホタテ養殖漁業を守り、漁業者の営業と暮らしを支える行政の積極的な支援や対応を求めて、これから一般質問を行います。新聞報道によりますと、噴火湾全体では平成28年以降からへい死や台風被害などの影響で、漁獲量の減少傾向となり、特に30年10月から31年5月の生産は前年に比べて7割減となる見込みとされています。成貝のみならず、30年生まれの稚貝のへい死も確認されているという状況です。先だって胆振噴火湾漁業協同組合のほうにお邪魔させていただいて、平成30年度の決算状況について確認をさせていただきました。ホタテ養殖とホタテ養殖稚貝の漁獲量は、前年に比べて52.8%減少、金額にして54.5%の減額で、21億3,416万円だと伺いました。この数字は組合全体の数値ですので、虻田地区で見ますと貝類の漁獲量、金額はそれぞれ1,845トン、金額にして4億4,808万円となるそうであります。こういうふうに大幅な減収となっているということが話されました。そこで伺うのですが、このホタテ大量へい死の原因調査の進捗状況、特に、原因調査の実施責任がどこにあるのかということも含めて説明いただきたいことと、さらにどのような機関でこの調査が行われているのかということについて、まず最初にお答えをいただきたいと思います。
町の答え 産業振興課長 田所昭博(産業振興課長は2020年12月まで)
ホタテ養殖の歴史は、昭和30年代から試験研究、漁業者普及員によって天然手法から中間育成管理までの養殖試験が盛んに行われ、昭和40年ごろより噴火湾でも本格的な生産が見られるようになり、現在は耳吊り方式の養殖技術の導入や養殖許容量の適正化により、生産が安定しておりました。平成28年度には、台風10号被害などによるホタテ貝のへい死が発生し、国、道に対し、へい死原因究明について要望し、平成29年度から噴火湾における養殖ホタテ貝のへい死要因調査試験として、水産試験場、水産技術普及指導所、噴火湾の各漁業及び関連する市、町により3カ年にわたって環境調査を実施しております。今現在も水産試験場や関係機関と協力のもと、原因究明に取り組んではおりますが、原因の特定には時間を要する状況であります。このような状況の中、今年2月には北海道で「噴火湾ホタテ貝へい死対策会議」を立ち上げ、原因究明と対策について新たな取り組みとして、減耗が少ない漁業者の調査を始めております。平成29年度から3カ年にわたり、噴火湾において水中カメラを設置し、ホタテの生育状況、付着生物の養殖施設への付着状況、養殖施設の振動等の調査を実施しております。具体的には、ザラボヤの発生状況、稚貝生育情報や水温などのデータを集積し、へい死を防ぐ情報としての養殖技術開発、時化の際の潮の流れや貧酸素水の流入など、事前予測する技術の開発など、養殖管理への活用のための事業を実施しております。今年度には、へい死の要因の一つと考えられております養殖施設の振動について、試験結果に基づき、振動に関する管理マニュアルが作成され、漁業者に提供することができることとなっております。新たな取り組みとしましては、原因究明と同時にへい死対策について調査を開始します。このへい死対策につきましては、大量へい死が起こっている中でも減耗が少ない漁業者が確認されており、各作業工程などに共通点が見られることから、こうした養殖技術の有効性を検証し、養殖管理マニュアルを作成して、ホタテ貝の安定生産につなげる対策調査となっております。以上です。
議員の質問 5番 立野広志
調査機関としては、そういうことで調査が進んでいるということではあるのですが、未だにその原因については明らかになっていないと。なかなか海の中のことなので、海流の問題もあって、あるいは稚貝の耳吊り作業の時期のことなども含めて、いろいろ調べているようですけれども、それにしてもやっぱり原因がまだわかっていないというような状況の中で、この今の調査状況、町は早急な原因究明に向けて、関係機関にどのような要請や対応を求めてきたのかということも、改めてちょっと伺いたいと思うのです。先ほども説明がありましたが、従来はザラボヤの付着による作業の遅れや、磁化による施設の振動などが影響しているとの視点で、道総研とか大学などとも連携して、国の事業を活用した生育状況のモニタリングですか、それから、磁化の影響を受けにくい水深帯、深さですね、それを明らかにする試験を進めて、関係先と連携してへい死の状況に関する情報共有に努めてきたというふうにされています。ただ、調査、分析作業はこういう状況で、いつ、いつまでにこの結果を明らかにするのか。あるいは原因を特定していくのかという点になると、まだまだこの見通しが、実は立っていないというような状況だというふうに伺っています。ですから、今のような体制だけで原因究明を進めるのが良いのかどうか。さらにこれを強化していくために、例えば国や道あたりからも、さらに予算措置も含めて早急に作業を進めていくための働きかけとして、地元の自治体としても漁業や、あるいは関係市町とともに連携して要請していくということが大事なのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
町の答え 産業振興課長 田所昭博(産業振興課長は2020年12月まで)
平成28年度の台風10号被害等により、ホタテ貝のへい死が発生し、国、道に対し、へい死原因究明について要望し、平成29年度から今の水中カメラの試験を始めております。29年度には一時回復したものの、平成30年12月にはそのへい死を受けて、噴火湾の各漁業と北海道及び関係機関、関連する市町で組織されております「噴火湾ホタテ生産振興協議会」で国、道に対し、へい死に係る原因究明等について再度要請を行っております。また、要望の内容としましては、国、道に対し、既存資金の返済期限延長や長期運転資金の確保、漁場環境観測施設、観測ブイの整備について支援要望を行っておりますが、今後さらに胆振噴火湾漁協と一体となって、強く要望してまいりたいと思います。
議員の質問 5番 立野広志
昨年の12月には、今お話のあった地域の八つの漁協で構成される噴火湾ホタテ生産振興協議会、会長は長万部の漁協組合長だそうですが、北海道に対して今のようなホタテの安定生産に向ける要望等を行っているということで、来年あたりは室蘭から伊達、そして長万部、あるいは砂原の3地区で、水温やクロロフィル、それから塩分濃度など6種類の計測を実施するためのブイも投入されると、このような話も伺っています。それにしても、今これはあくまでもへい死に伴うその原因究明という、いわば海の中の環境がどうなっているのかということと、調査結果が出たら、次はやっぱり対策なのですよね。調査結果が出て、対策がされて、そしてその対策をして1年、2年後にようやくその成果が現れるのかどうかわかりませんが、そういうふうに見ますと、この現在の前浜の漁師の方々が苦境に立たされている状況というのは、まず原因の究明がなされて、その後対策され、そしてその結果が出るまでには、また数年かかるということになってしまうのだと思うのですね。そういった点では、町内の漁業者の中には繰り返されるこういう大量へい死による加重債務を余儀なくされて、危機感を募らせている漁師の方も幾人かお出でになると。私も漁師の方々、何件か回ってお聞きしたところ、そのようなお話をされている方もおりました。漁業の衰退は、漁業者のみならず、地域の経済活動にも影響を及ぼすだけに、漁業者の経営と暮らしを守ると、そういう立場から、それでは町としてはどういう対応を今後していこうとしているのかと。その調査だけをやるだけではなくて、当然、今補正予算ではまた出ますけれどもね。そういった対策もしていますが、個々の漁業者の暮らしや経営を守ると、こういう対応もまた同時に必要なのではないかというふうに思うのですが、その辺の認識を伺いたいと思います。
町の答え 産業振興課長 田所昭博(産業振興課長は2020年12月まで)
第一の窓口である漁業協同組合が漁業者の経営指導や資金面の相談窓口として現在、対応しております。現在のところ、漁業協同組合から町に対しましては、そういう部分では要望は来ておりませんが、今後も漁業協同組合と一体となって、漁業者個々の事業面等の把握に努めてまいりたいと思います。以上です。
議員の質問 5番 立野広志
組合を通じて、漁業者の方々の声を把握するというようなことで、行政がこれまでかかわってきたという話なのですが、確かに事業者団体ですから、その団体が漁業経営指導や、それから生活面でのいろいろな漁業者の実情を把握しているのだろうとは思うのですが、そこに任せるだけではなくて、この前浜の漁業の個々の事業者の方々の実情を、行政としてもやっぱりしっかり把握していくということが私は大事だと思っています。その点では、今、組合からはまだそういった要望等については上がってきていないという話なのですが、事業者個々の事業面や生活面での要望把握を町として、これからする予定はないのかどうか、そのことについて伺います。
町の答え 産業振興課長 田所昭博(産業振興課長は2020年12月まで)
今ちょっと申し上げましたけれども、組合を通じて漁業者の個々の面や生活面について、町としては把握するよう努力します。以上でございます。
議員の質問 5番 立野広志
ですから、まあ良いです。それで、例えば今回の議会で、この後、議案が審議されることになりますが、その補正予算で提案されているカゴ洗い機とか自動耳吊り機などの助成を行うということが一応提案を予定されています。その目的は、人件費や労力削減のための支援ということのようですが、実は今、資金繰りの目途のない漁業者や小規模漁業者にとって、設備投資したくてもできないという声も聞いています。例えば今回、導入を予定しているかご洗い機は、数は19台、町とそれから漁協がそれぞれ負担をすることになっています。漁業の負担割合は16.7%ですが、カゴ洗い機1台当たりの単価にしますと129万円になります。もう一つ、全自動ホタテ耳吊り機というのが13基予定されています。これも同じ漁業の負担割合でいうと、16.7%で、これは1基当たり65万円になるのですね。実は、漁協で確認させていただいたら、漁協の負担分、この1基129万円のかご洗い機と、1基65万円の全自動ホタテ耳吊り機、これは漁協負担というふうになっているのですが、どういうふうに漁協はこの負担をされるのかというふうに伺ったら、個々の導入する漁家がこの負担をするということを説明されたのですね。それは年賦によって、一括払いではないようですけれども、それにしても1台129万円とか、1台65万円もするような、そういう機械を、これは漁師の方が実際的には負担をすると、導入する漁師ですね。ホタテ養殖漁家の戸数は、組合の資料を見ますと29戸です。そうすると、カゴ洗い機19台、全自動ホタテ耳吊り機13台ですから、到底全戸の漁師の方々には当たらないことになるのですね。必要がないのか、あるいは導入することができないのか、その辺はまだ定かではありませんが、少なくとも私が個々の漁師の方を回った限りにおいては、今、実際にはっきり言って生活資金も苦慮している状況だと、そういう中で、新たにこの設備投資をして、確かにあれば便利だと。例えば全自動ホタテ耳吊り機は、今まで3人必要だった耳吊り作業が一人で良いということですから、二人分の人件費が削減されるし、ホタテそのものもそんなにいじらなくて済むということで、ホタテへの負担も軽くなるということで、導入はしたいけれども、なかなかこういう資金を調達するというのは大変な状況があるのだというふうに話を伺っています。ですから、今ホタテが高値の時期の所得税の支払いにも困窮し、延滞金を払うよりは新たな資金を借りて払ったほうがまだ安いということを計理士の方に伺って、そういうふうにしようとしているのだというような漁師の方もいます。そのように、漁業の継続にも、日々の暮らしにも今、困窮している漁業者がいるということを、行政がどれだけしっかり把握しているかということですね。組合を通じて、個々の漁師の実情を把握する。あるいは、逆にその声を聞くということも必要なのでしょうけれども、同じ町民です。町民の暮らし、そして営業を守るということも行政の大きな役割ですから、漁業団体だけではなくて、やっぱり行政は個々の住民や漁師の方々の実際もつぶさに把握しながら、逆に言うと漁業組合と連携をして、そういう方々の支援も含めて、私は逆に町側から提案していくということも必要なのではないかと。とにかく、そういう実態把握をしっかりとやっぱりやるべきだと思うし、こういう中でやっぱり苦労している方がいるのだということを、ぜひ認識していただければなというふうに思うのですね。その点をどうお考えなのかということを伺いたいと思うのです。組合のほうに伺ったときにも、今年度水揚げが半減して経営が厳しいという状況は把握していると。それから、外国人就労者を入れて、外国人の住居も新築して、その経費がかかっている状況でのこのへい死の状態だということで、なおのこと負担が増えていると。それから、漁業者が身の丈に合った事業に努めているものの、若手漁業者にとっては1から借金をして努力してきたという方もいるのだそうです。28年度、2年物で大体キロ500円だったホタテが、今へい死で価格も半減していると。1年や2年では回復しない状況にあるだろうというような話もしています。そういった漁業関係者の方々の声もありますし、それから個別の話の中では、2018年の収入から比べて1割程度にしかならないと、全体では5割から6割くらいの減収なのですが、前年から比べて1割程度にしかならないと、その収入が。そういう漁師の方もいるということを伺いました。そういうことで、先ほど言いましたけれども税金の支払いでも予定納税できなくて、延滞金を払うよりも借金してでも納付したほうが良いというふうにアドバイスを受けているとか、共済、漁済というのがあるのだそうですが、これ8月決定して12月に入ると、この漁済という漁業共済ですね。これも丸々補償されるわけではないので、借金の返済で事業資金に回せないというようなお話を伺っている方もいます。ですから、最終的にはこのまま漁師を続けていけるかどうかわからないというふうに不安を抱いている方もいるということ、この辺も私ちょっと何件か伺った中で、そういうお話をされている漁師の方もいました。ですから、その辺の実態をどの程度町がリアルに、そしてつぶさに把握し、対策しようとしているのかということを改めて伺いたいと思います。
町の答え 産業振興課長 田所昭博(産業振興課長は2020年12月まで)
平成28年度は台風10号などの被害により、ホタテへい死が発生しました。翌年の平成29年度は漁獲高も通常に回復したとはいえ、平成30年度には原因不明のホタテ貝のへい死が発生したということで、今、議員がおっしゃられた平成30年は、このへい死により水揚げが大幅に減少したことや、以前としてザラボヤが大量に付着するなど、漁業経営を圧迫していることを踏まえ、漁協と協議によりカゴ洗い機、平成32年度に要望がありました全自動ホタテ耳吊り機を前倒しすることとし、ホタテ貝へい死対策として特例で公立補助することにより、漁業者負担の軽減と生産性向上を図ることとしたことから、申し込み台数が要望より、当初増えたということで、漁業者にも十分理解していただいていると考えております。資金繰りにつきましては、組合独自の資金と道の制度資金を活用し、対応していると聞いております。今後につきましては、漁業協同組合と十分に連携を密にし、実態把握に努めます。以上でございます。
議員の質問 5番 立野広志
私が聞いていることに、ちょっとごめんなさいね。課長も初めてなので、あまり課長にどうこうということではなくて、むしろこれは行政のトップである町長自身が、この今のへい死問題含めて、この基幹産業であるホタテ漁業の養殖が、ホタテ養殖事業がこういう状況になっていて、個々の漁師の実態も私が紹介した程度ですけれども、大変困窮していると。こういう中で、今説明されたことは結局、例えば募集が多かったとはいえ、結局29戸あるホタテ養殖事業者、漁家に対して、それに満度にこの設備が行き渡るという状況でもなさそうですし、またその設備を導入した漁師にとってみても負担が大きいということもあるだけに、導入漁家がこの導入していない漁師もそうですが、この資金繰りに大変やっぱり苦慮しているという状況に対して、どういうふうに考えているのか。ちょっとこれは担当の課長ではなくて、むしろ町の責任者である町長が今の前浜漁業の状況や漁師の状況についてどう認識されているか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
町の答え 経済部長 八反田稔(経済部長は2020年3月まで)
私のほうからちょっと答弁させていただきます。立野議員が今までの話を伺っているとおりだと思っております。町としては、漁業というのは町の重要な一次産業というというふうに考えているところでもございまして、その中でその漁家が継続できないような、困窮している漁業者の方がいらっしゃるということは、やはり町の将来的なことを考えると、きちんと対応しなければならないと考えているところでございます。その点につきましては、やはり同じ言葉になりますが漁協としっかり相談させていただいて、漁業の衰退にならないように進めてまいりたいと考えているところでございますが、先ほど担当課長が説明させていただいた中で改めてもう一度言いますと、今回の補正予算の中身につきましても、通常よりも前倒しをさせていただきました。それから、漁業者の負担についても、昨年までは漁業者に対して、こういうものに対しては25%という割合を負担していただいたところだと思うのですが、今回はそれもさらに下げて16.7%に下げて、少しでも多くの漁業者の方たちに使っていただきたいというふうに考えていたところでございますので、そこら辺で当初の希望よりも倍以上の数が増えたということもご理解いただきたいと思います。それからもう1点、先ほど、やりたくてもやれないというようなお話があったかと思うのですが、その点も担当課長通して確認したところなのですが、残っている9漁家等につきましては保有しているかごの数が少ないということで、従来の対応でも可能であるから今回導入しない、全部ではないかもしれませんけれども、そういうことで確認させていただいているところでございます。以上でございます。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
水産業、特に漁師の低所得対策等々でございますが、漁師の方だけではなくて、私どもの町は以前からお話しさせていただいておりますが、観光産業を飛行機で例えると胴体として、その両翼に農業、漁業があると。それぞれの各産業団体、特に観光、農業、漁業につきましては、私どもこれまでそれぞれの団体といろいろ協議をしながら、町ができる支援策を施してきたところでございます。観光につきましては、おかげさまで一昨年、昨年と年間70万人の観光客が宿泊していただいている。このかなり厳しい状況の中で、よく本当にここまで頑張ってきてくれているかなというふうに思っております。また、農業につきましても、これまで長芋選別機、小麦乾燥機、あるいはかご、そしていわゆる収穫したものを入れるかご、あるいはジャガイモ選別機、倉庫、そして今度人参選別機と、生産者の製品の向上拡大につながるようにということで支援をしてきたつもりでございます。漁業についても、これは漁協ともよく協議をしながら、今、漁業従事者の方々が何を求めているのか、こういうことに対しての協議をしながら支援をしてきたところでございます。今、部長が言うとおり、その漁業従事者、特にホタテ養殖事業者の事業規模に応じて、今、自分は洗浄機を持っているから良いですとか、あるいはかご、今これを使っているから良いだとか、そういうのはあろうかと思います。また、そんな中でホタテのへい死問題が出てきた、平成28年には台風10号でかなりのダメージがあった。だけれども漁業従事者、特にホタテ養殖事業者のたゆまぬ努力によって、平成29年にはかなりの回復が見られた。ここにして、平成30年度、へい死がまた再発し、そして今は今年の耳吊り状況の中では、今順調に成長しているというふうに言われておりますけれども、いろいろな要因、いろいろ調査をしていただいているのですが、まだ原因が残念ながら究明されていない。これが、というはっきりした原因が出ていない。そんな中、今年は何とか耳吊りも順調に言っていると聞いておるのですが、なかなか先の関係もありまして、9月くらいにならないと、なかなかその成果が判明しないかなというふうにも聞いておりますが、そんな中で、いろいろな各産業においてもやはり低所得、いわゆる所得の低い階層の方が私どもの町には結構いらっしゃいます。それは私どもも十分承知させていただいているつもりでございますが、今回もプレミアム商品券が国のほうで発行されるよう、その準備を進めておりますが、その対象となる方が私どもの町にはやはり相当数いらっしゃる。そんなことから、やはり町全体のことを捉えながら、事業を進めていかなければならないかな。残念ながら、申しわけないけれども、漁師だけ特化してというわけにもいかないかな。町全体のことを捉えながら対策を講じていかなければならない、そんなふうに考えております。
議員の質問 5番 立野広志
今、町長の説明を聞いて、ちょっと私がっかりしました。うちの町には漁業だけではなくて、ほかの産業もあるのだと。ですから、漁業で今、言われたように低所得と言いますか、そういう困窮している漁師の方がいることも承知しているけれども、全体のその産業に対する対応ということを考えていかなければいけないのだみたいな話だったのかなというふうに今、聞いていて、ええ、そうなのと。結局、今現在、事業をやっていて、本当に生活も営業も窮地にあるという状況があっても、それはうちの町はあなたがたばかり支援するわけにはいかないのだというような話をしているような気がするのです。それから、プレミアム商品券の話がありましたけれども、あれは消費税増税の対応なのですよ。ですから、消費税が上がれば、こんなプレミアム商品券があっても、結局は生活は困窮していくのですよね。そのようなことを考えると、何もそれと同じように扱って話のできる話ではないなと思います。ただ、いずれにしても前浜の漁業は町にとっては重要な基幹産業ですよ。その基幹産業が、今こういう状況にあると。説明をしましたよね。昨年から比べたら今年は順調だと、いくらか。ただ、耳吊りの漁全体は6割程度にしか入れていないという状況ですし、順調なのか順調でないのか、当然、今言われましたように9月以降でないとわからないと言っていますが、順調だと言われている漁師の方も、それは順調と言ったら良いのか、稚貝を入れてからこれまでの間の期間で、1センチくらいその貝が大きくなっているという点を言うと、順調に成長しているというふうに見る部分もあるのでしょうけれども、だけれどもそういう漁師ばかりではないのだというところも、私は見ていただきたいと。前浜でも場所によっては大分違ってきていますよね。豊浦側、あるいは有珠側とそれぞれ湾において、耳吊りしている箇所が違ってきています。そういう潮の流れなのか何かわかりませんが、そういうことで影響を受けているところがあるので、本当にだから全体を通して、トータルで言えば、漁協が発表しているような数値でいけば、前年から比べたら多少落ちても順調にいっていると言うかもしれない。だけれども、極端に悪いところも出てきているという状況、それに台風の被害でホタテの設備が傷つけられて、その修理のために借金もして何とか払い終わりつつある状況の中で、今回へい死という状況がまた起こって、結局前の借金もさらに大きな負担になっているというところも実はあるのですよね。ですから、トータルでものを考えるのではなくて、個々の漁師、漁家がどういう状況にあるのかということを、まず行政としてしっかりと見るということが大事だと思うのですよ。これは漁業だけではないですよ。農業にしたって、観光にしたってそうです。全体としてはこれだけの売り上げなり、これだけの入り込みがありますと言って、それで良しとはならないわけですよね。結局、個々の事業者の実情がどうなっているのかということを見なければ、行政としての対策は打てないわけで。そこで私は、例えばこれは担当の課長も調べていただいたのでちょっと出していただきたいのですけれども、関係市や町と連携して、既存の対策だけではなくて、災害と同じ認識で漁業者の経済的な支援とか生活支援などの対応をすべきではないかということで伺うのですが、設備投資への助成だけではなくて、金融面でも系統団体と連携して、起業資金の償還の据え置きとか返済期間の延長などを行って、運転資金も既存の漁業振興資金の活用と合わせて、市や町の構成自治体、組長での協議を行い、漁業者の事業と暮らしを支える支援を私は早急に進めていくことだと思っています。その点で、町独自の支援としても、例えば今言いました災害被災者の対応と同様に、税や各種料金の減免を進める。町の漁業を守る対応が必要ではないかと思います。これは既にやっている町もあるのですね。先進事例としては青森県平内町というところでは、こうした取り組みを進めてきた経緯があります。これは担当課長から直接、この町に資料の提供を求めていただいて、私もその資料をいただいているのですけれども、ちょっとその辺の概要、こういう町ではどういう対応をされてきたのかということをわかる範囲でちょっと説明いただければと思うのですが。
町の答え 産業振興課長 田所昭博(産業振興課長は2020年12月まで)
今の青森県でのへい死に係る支援制度でございますが、中身をちょっと調べさせていただきました。ホタテのへい死、ケタの施設だとかそういうものに対して破損した場合、県と町で補助したという部分と、漁済、先ほど言われました保険に対して助成しているという内容でございました。うちのほうでは、そういう支援制度は今のところございません。今後については漁業協同組合を中心に、そういった制度を勉強しながら関係機関と十分に協議してまいりたいと思います。以上でございます。
議員の質問 5番 立野広志
今日は漁協の方に伺ったら、道議会の委員会の方々が漁協組合のほうに調査に来られると伺っております。実は青森県平内町の取り組み、これは平内町の町だけではなくて、青森県も一緒になって助成をしている、そういう取り組みなのですが、ホタテ養殖を主要な産業としているこの町ですけれども、平成22年度から24年度にかけて、ホタテ貝の大量へい死が生産量の減少に直結するということで、災害に対する対応策と同様の対応を行っています。その目的は漁家経営の安定を図って、継続的な漁家経営の確立を図るということが目的になっているそうです。主な対策として、ホタテへい死災害利子補給金、またホタテ貝特定養殖共済補助金等の交付というふうになっていますが、これらもっと細かくあるのですが、その結果、平成23年度の水揚高が36億6,478万円だったのですが、その後62億円の生産高に回復しているというふうに言われています。そういうことから、全国の先進事例としてこれが紹介されているということなのですね。この事業には、青森県も補助をしているということなのです。大きく分けて六つの項目で事業が行われている。一つは再生産対策ということで、ホタテ貝の母貝確保緊急対策事業であったり、沿岸漁業構造改善事業という名目になっています。二つ目は雇用対策ですね。沿岸の漂着物の対策推進事業や、ホタテ貝殻敷設事業だとか密漁巡回監視などがありますが、三つ目は先ほど言いました漁災の関係で言うと、10%を補助すると。組合員が払う共済掛金の10%を助成すると。それから四つ目は生活支援対策ということなのですね。これも生活支援補助金として、保証料分の0.85%を助成すると。あるいは、生活福祉金の貸し付けを行うと。加工業者の対策としては、経営安定化サポート資金として、融資額3,000万円から1億円を行うと。水産加工原料確保緊急支援事業と、これは加工業者に対しても支援を行うということで、原料の運搬や旅費の2分の1を補助するということなども行っています。その他の支援としては税の減免、それから就学援助ということで、かなり手厚い対策、対応がされていると。私は漁業者だけやれと言っているのではないですよ。こういう災害と同じような対応として、例えば観光であれ農業であれ、そういう対応をすることが大事だということで、漁業者だけやれと言っているわけではないのです。いずれにしても、この町内の町民の暮らしと経営をどう守るのかということが、行政としての最大の課題です。それは漁業であれ、農業であれ、観光であれ、そういう立場に立って町民の暮らしを守ろうという行政の姿勢が大事なのですよ。先ほど町長がいろいろ産業を挙げて、漁業だけというふうにならないのだという話をしたのだけれども、私はそんなこと決して言っていないです。漁業も農業も観光もなのだと。ただ、今回は漁業の問題で言うと、こういうへい死の問題が起こっているのだと。だから、そのことに対して、町としてもできるだけ支援をしながら、特にこの基幹産業ですから。それにかかわる加工や流通関係の事業者もいます。そして、先ほども言いましたけれども、春先になると耳吊り作業で大きく地域に経済効果を及ぼしているわけでしょう。町にとっても、漁業者個々の問題だけではなくて、町の経済でも、町民の暮らしにも大きな影響があるわけですよ。ですから、そういう産業をどう守るのですかということで私は取り上げているのですね。その点をしっかりと受け止めていただいて、改めてこれらの対策も、常に漁協と言いますけれども、漁協にも逆にこういう制度があるけれども、一緒に例えば北海道に対して、こういった制度の実施を、残念ながら、北海道はないのですよ。ですから、北海道に対して実施することを求めるとか、そういうことも含めて、なぜ地元の自治体の首長がそういう積極的な動きができないのかということを改めて私、質問したいと思います。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
先ほど私、プレミアム商品券のお話をちょっとさせていただきましたが、何かちょっと誤解しているようでございますけれども、プレミアム商品券の私どもの町には、その制度どうのこうのではなくて、その対象となる低所得者階層、そういう方々が私どもの町には非常に多いのだということをまず一つ理解していただきたいというふうに思っております。また、今、青森県のお話が出ました。青森県平内町は漁師の町だというふうに聞いております。主産業が漁業、水産業という中で、それはその町の方針でしょうから。ただ、私どもの町は先ほども申したとおり、観光もあり農業もあり漁業もある。ただ、その中で今、漁業従事者が非常に苦慮している。そのことは十分承知しておりますし、何としてもやはりホタテ生産物の向上につながるような施策をやはりしていかなければならないだろう。そのためには、漁業協同組合としっかりした歩調をとっていかなければならないだろうというふうにも思っておりますし、特に今、その何件かの漁師の方が苦慮しているというお話も聞きましたが、まずはその方の生産向上につながるよう、地域、あるいは漁協、そして私ども行政と一体となって、その方の技術向上、さらには生産力の向上につながるような支援もしていかなければならないのだろう。ただ、そのときには、あまり私どもからの押しつけだけではなくて、漁業者自らがやはり漁協なり町のほうに救いの手を伸べる、そういうふうな姿勢も必要なのではないだろうか。私どもが何も手をこまねいているわけではなくて、全然話が聞こえてこないという部分がありますので、その辺は議員のほうからもぜひ指導をしてもらいたいなというふうに思っております。以上です。
議員の質問 5番 立野広志
漁業者から声が聞こえませんということで、今、町長最後にお話しになりましたけれども、漁業者の声は、これは漁業者だけではないのですけれども、声を聞こうという姿勢に行政なり、そういったところがなっていかないと、なかなか声は出しにくいですよ。例えば、今回のような場合でも、確かにホタテの高値の時期もありました。ですから、中には、なぜその高値のときに、へい死というのは大体6年から7年くらいのサイクルで繰り返されるのだから、高値のときにそのへい死で激減することを想定して、ちゃんと資金を貯めておけば良かったのだというふうに言う方もいるのですよ。それは農業で言えば台風被害のようなものです。そうしたら、台風があったら、あなたその良かったときにお金をちゃんと貯めていないからだめだったのだと言えるかといったら言えませんよ。でも、実際に漁師の方も言いたくても、結局、確かに自分たちの経営努力もあったでしょう。でも、今、現状としてこういう状況になったときに、では行政がどうやってこういう人たちを立ち上がらせるために支援するのかと。また支援を何が必要なのかということを逆に行政側が積極的に足を運んで、状況をまず把握するという努力がなかったら、やっぱり周りで儲けたときにちゃんとやっておかなかったからなのだなんていう話が出てくれば、言いたくても言えなくなってくるのですよ。そして、最終的には漁師を辞めざるを得ないというところにまで追い込まれる可能性だって十分あると思うのです。これは個々の漁家の問題ではなくて、この今、基幹産業である漁業そのものがそういう中でどんどんと衰退していって良いのかということを改めて行政が考えるべきだし、その声を待つのではなくて、そういう実態を積極的に入って掴んでいくと。そして、必要な対策が何なのかということを一緒になった考えていくということが大事だと思うのです。そういう行政の姿勢こそ、私は必要だというふうに思います。前浜のホタテ養殖は、先ほども言いましたが町の基幹産業です。地域経済にも大きな役割を果たしていると。生産現場に即したへい死の抑制対策、それから漁業者の経営安定を図るために、町としては漁業組合もありますが、個々の事業者の実態や要望をしっかりと踏まえて、管内の市長や町長などとも協議をし、また漁協とも協力して、地元でできる対策も取りながら、北海道に対しても必要な調査や金融支援を強く働きかけていく。まずそういう姿勢があるかどうか、改めて町長に伺います。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
私どもの町の置かれている状況というのは内浦湾でございまして、渡島のほうの漁業協同組合、そして胆振のほうの漁業協同組合、さらにはこの沖の室蘭の漁業協同組合、いろいろな協同組合がございます。その中で、個々の漁師の方々頑張っていただいているわけでございまして、いずれにいたしましても各漁業協同組合、そして各市や町の首長方とも連携し、今、資金の話も出ておりましたけれども、漁協独自の資金、あるいは道の融資制度、さらには日本政策銀行、こちらのほうも低利の融資制度というふうに聞いておりますので、何とかそちらのほうも受けられないか、今はそちらのほうに主眼を置いて担当のほう、またはその漁協、こちらのほうと調整をしていただいておりますけれども。まずは私は内浦湾のホタテが今、こういうふうなへい死状態が30年、31年、今年これからどうなるかわかりませんけれども続いている、早くにやはり原因究明をして、漁師の方が安心して前浜で漁できるような、そういうふうな体制づくりをとってやるのが一番大切かなというふうに思っております。また、金融の面につきましては、先ほど申しました日本政策銀行、こちらのほうの融資制度を何とか借りることができないのか、そちらのほうにつきましては私どもの町だけでは恐らく難しい話になってくると思いますので、関係する漁協、そして関係する市や町、こちらのほうとも十分協議はしていきたいというふうに思っております。
議員の質問 5番 立野広志
そういう対策を構成自治体として、洞爺湖町の首長がいわば率先して周辺の首長、あるいは道に要請していくという姿勢が必要なのだと思うのです。まず漁業者の実態把握。そして、何に一番、今苦慮しているのか。どうやったらそれを支援することができるのか。全国のいろいろな取り組みの事例などもよく学んで、そして他の県などで取り組んでいる教訓も、例えば北海道の中で取組ができないのかどうか。このようなこともやっぱり積極的に調査、研究して、最終的にはこの地元の事業者、漁業者の経営と暮らしを守ると、そのことに全力を傾けていくということが私は大事だと思っているのですね。全体的に平均化した数値だけを見たら、昨年に比べてこうなっていますなどというだけでは、漁業者の実態を掴んだことにはならないわけですから、その辺はやっぱり個々の事業者の実情を把握するために、町が積極的に実態把握のための取組を進めていただきたいし、その基本となるのはやはり基幹産業である漁業をいかにして守るのか、その中心となっている漁業者の暮らしをどう守るのかというところに行政が真剣に心を寄せて取り組むことが大事だと思っています。そういうことをぜひ私は町長に求めたいし、今までの答弁を伺っていると、やはりその辺はまだちょっと意識的にと言いますか、意欲的な部分というのはちょっと私は足りないなという気がします。その点は指摘をして、次の質問に移らせていただきたいと思います。