当別町議会 令和4年第4回定例会 2022年12月9日
次代につなぐ農業政策を!
2022年12月9日、当別町議会の一般質問で、稲村勝俊議員が「次代につなぐ農業政策を!」について質問し、町長 後藤正洋が答弁しました。
- 質問者
- 稲村勝俊 議員
- 答弁者
- 町長 後藤正洋
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 12番 稲村勝俊
議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。本年度の3月定例会におきましても農業政策について一般質問をいたしました。重複部分もありますが、前回質問を前提として次代につなぐ農業政策を、持続可能な当別町農業のため質問通告書により(1)、(2)の2点についてお伺いいたします。(1)、地域農業の課題共有、課題解決の進め方について伺います。農業を取り巻く環境が厳しさを増しています。人口減少、コロナ禍などによる農産物の消費構造の変化により、将来的に続くと予測される需要の減少、農産物の輸入自由化、ウクライナ問題、円安等の影響による生産資材の高騰、よく言われています肥料は2倍、燃料は3割高、そのほかにもたくさんありますけれども、また農業機械、施設の更新費用など、農産物生産コストが暴騰してもコストを転嫁できない上に販売価格は低迷している状況です。さらに、米をめぐる政策は目まぐるしく変わります。このたびの極端な政策変更は、必要以上に精神的負担がかかり、想像以上に大きな影響を与えています。個々の水田の状況、これまで農家の考え方によって取り組まれ方が全く違うことから、営農の継続に関わるほどの影響からほとんど影響がないと考えている農家までいます。影響の格差が対応の格差になり、共通認識を持つための課題となっています。今後は当別町においても一定の当別町ルールを持つことも課題と考えます。日本の農業は、高齢化した稲作農家が急激に離農する時期が2030年までに確実にやってくると予想され、一定の混乱が起きることは避けられないと想定されます。ほぼ国内の市場だけを相手に営まれている日本の農業にはこれから市場の縮小と個々の経営規模拡大が同時進行します。これまでの勘と経験則の農業から科学と経営の農業に移行します。流れに乗り切れる農家は残念ながら多くはないのではという気がしています。農業関係者にとって厳しい環境ですが、このような変化は農業だけでなく、ほかの産業でも繰り返されてきたことです。助け合い、営農を進めていきたいというふうに考えています。持続可能な当別町農業のため、町、農業委員会、JA、農業改良普及所、土地改良区、農業者など再生協議会により課題協議をされてきていますが、これまで以上に進めることが必要と考えます。地域を支える人の価値観、考え方が多様化している中、共に生きていくために歩み寄っていかなければなりません。地域農業の課題共有、課題解決の進め方について伺います。次に、(2)の将来的な課題の対応策や今後の方向性を示す必要があるのではないかについての質問ですが、このたびの水田活用直接支払交付金見直しの政策大転換の対応について少なからず不安を持っています。冒頭にも申し上げましたが、想定される課題については前回質問の水田活用直接支払交付金見直しによって懸念される課題を前提とさせていただきたいと思います。戦後深刻な食糧難を背景とした国による強力な食糧増産の推進の下、昭和42年に米の自給が達成されました。科学や技術、人間の努力によるものでございます。その後米の消費量が増えていかない転換点となり、在庫処理対策のため昭和44年、減反の強制割当てが始まりました。私が就農した頃で、畑作から水田に移行するための地域農業の大事業が完成した時期でもあります。待ち望んでいた水稲作への転換期の中、減反政策は大きな不安を感じた記憶があります。当初減反政策は1年か数年間の緊急的措置と考えていましたが、昭和53年に水田利用再編対策として米作りを長期的に抑制が必要という認識が確立され、緊急的処置からの転換点となりました。減反政策が中長期的に続くと予想されるも、対策は毎年考えるという矛盾した対処が現在まで続いているとの指摘もあります。平成5年は、春から曇天が続く異例の冷夏となり、大冷害になりました。平成の米騒動から米の緊急輸入が行われ、その後米の完全自給方針から米も最低限の輸入機会を設けることになり、ミニマムアクセス米として輸入されることになり、米の完全自給方針の転換点となりました。ミニマムアクセス米は現在も続き、需給調整の課題となっています。平成16年、米政策改革が進められ、食糧管理法から食糧法に変わり、米の流通規制が撤廃され、自由売買となり、米の値段が下がり続けることとなりました。2度の政権交代もあり、水田フル活用が提案され、米農家の自主的な判断で米を作った上で補助金を増やし、負担感を弱め、米以外の農産物を作る魅力を増やし、米の作り過ぎを防ぐ政策を取りました。平成30年には民主党政権が掲げた水田に対する農業者戸別所得補償制度的な補助金が廃止され、減反も廃止されました。また、都道府県に米を作る量の目標を配分することも廃止しました。令和3年には水田フル活用ビジョンから水田収益力強化ビジョンに改められ、水田の畑作化によるもうかる農業から畑地化を推進されています。畑地化への補助金は、畑作物を作ることではなく、転作の補助金を受け取れない農地にするということです。令和3年11月には水田活用交付金見直しのルールの厳格化が突然打ち出され、牧草、麦、大豆など収益性が低く、補助金に頼って継続的に畑作物を作ってきた米農家ほど影響を受けると予想され、衝撃と混乱をもたらし、水田の切り捨てにつながります。食料の安全保障、自給率安定化にも不安があり、現場では今後の営農を左右する政策の行方を注視しているところです。米の自給100%を達成以来55年、生産調整開始から53年間を簡単に振り返ってみました。約50年の間に当別町農業においては結果的に高い転作率を維持してきました。このたびの政策変更は、転作率の高さから大きな影響があります。本当に求められているのは政策にできるだけ振り回されない経営の実現、効率的で柔軟な経営をつくり上げることです。米の生産抑制のため水田から畑に変える政策が進められ、水田の畑地化を推進し、支援を強化しています。当別町農業の米政策対応の結果は、転作率の自己選択、自己責任となっています。約50年間の国の水田、農業政策を振り返り、当別町の対応を考えてみますと、ある時点での判断で結果が大きく変わってくると考えます。水田活用直接支払交付金見直しのルールが定まっていない農業政策の転換期にあって、当別農業にとっても大きな転換期になります。これからも転作は自由選択でいいのか、急がれる集積対策としての農用地整備など、次代を担う農業経営者の中長期的な水田営農の展望を持てるように将来的な課題の対応策や今後の方向性を示す必要があると考えますが、お伺いいたします。以上で1回目の質問とします。
答弁 町長 後藤正洋
稲村議員の一般質問にお答えをいたします。初めに、地域農業の課題共有、課題解決の進め方についてのご質問でありますけれども、議員ご発議のとおり、水田活用直接支払交付金の見直し、コロナ禍の影響による米価の下落、農業資材や化学肥料の価格高騰など、農業者の皆さんを取り巻く環境は一層厳しくなっていると私も認識をしております。耕作放棄地や離農者の増加ということを危惧をしております。地域農業の課題を共有し、解決をしていくには、3月の定例会においても稲村議員の一般質問に対しお答えをしたとおり、農業者の皆さんが地域でしっかりと話し合っていただき、共通認識を持つことが何より肝要であると考えております。町といたしましても、農業再生協議会や農業10年ビジョンの見直しなど農業者や関係団体の皆さんとの意見交換をさせていただく機会がありますので、各地域、団体において課題の共有を図っていただくよう働きかけてまいりたいというふうに思っております。次に、将来的な課題への対応策や今後の方向性を示す必要があるのではないかとのご質問でありますが、私も今回の交付金の見直しは本町農業の大きな転換点になると考えており、将来的な課題への対応策ですとか今後の方向性を示すべく、農業10年ビジョンの見直しを進めております。農業10年ビジョンは、町だけではなく農業者や農業関係団体の皆さんと共に産地改革を進めていくため、当別町農業の将来像と経済成長への道筋を示すものでありますので、様々な課題を乗り越え、成長へつなげるべく関係者の皆さんと一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。以上、稲村議員の一般質問に対する答弁といたします。
質問 12番 稲村勝俊
答弁ありがとうございました。3月にも質問いたしまして、ほぼ同じということでございますけれども、3月のときにも感じたのですけれども、農業者、農業関係も含めてですけれども、農業者のほうの課題共有といいますか、課題をどうしたらいいのかというところ、一番そこが大事だというところが少し引っかかるといいますか、要するに今までそういうふうにやってきて、そして必ずしも今の当別町の農業の政策が近隣の町村ですとかを比べてみて、結果的にはご案内のとおり、この中でも話しておりますが、休耕率が非常に高いとか、それから個人間でばらばらになっているとか、そういったところが非常に自分では問題意識を持っています。ですから、今までと同じような考え方でいくと、同じような進み方をするということが懸念されるなというふうなことで、今一丸となってというお話もありましたけれども、そこのところをもう少し強く、どういうふうに今後その点についても展開していくのかというところを課題として持って煮詰めていただいて、そのことについてどう対応していくのかという、何でもかんでも対応するということにはならない、集中的なこれから選択が必要なのかなというふうに私は考えております。もしその点で答えれる範囲がありましたらお伺いしたいと思います。
質問 12番 稲村勝俊
はい。
答弁 町長 後藤正洋
再質問ありがとうございます。先ほど稲村議員の一般質問の中の最後のほうに、今再質問でもありましたけれども、いわゆる自由選択でいいのでしょうかというお話も先ほどありました。基本的には稲村議員も一般質問の中でもご指摘をいただいていますように、個々の農家のいろいろな考え方というものがあって、それで今農業政策というのは進んできていると思いますし、それをまとめていただいているのが農業者をまとめているJAですとかそういった組織だというふうに理解をさせていただいておりますし、その上に立って町として農業者の皆さんの大筋の意見を聞いた上で町としてどういう政策を進めていくかということをこれまでずっと、先ほど稲村さんから五十数年の歴史も農業政策の推移ということもお話がありましたけれども、そのとき、そのときの政策判断を農業者の皆さんと町とが一定の理解の下に判断をして政策が続けてこられているというふうに思っております。確かに国の農業政策が大きくそのとき、そのときで変化をしてきたと、それに対応してきたという歴史も否めないというふうに思いますけれども、ただ大事なのは農業者の皆さんが農協を中心としてどういう方向でいきたいとか、あるいは自分たちはこれだけ頑張るので、国や町に対してどうしてもらいたいですとか、そういったことの意思表示をしっかりしていただくことが私は大事ではないかなというふうに思っております。いろいろな多様化を受け入れる社会に今なっていますので、そういった中で今国のほうから水田活用交付金のことについても大きな課題を投げかけられていますが、その課題をでは地域がどう解決できるのかという議論を地域でしていただいて、そして例えば土地改良区のエリアをどうするかですとか、そういったことも含めて農業者の皆さんが自分たちの農業を発展させるために将来どうあるべきか、今何をすべきかということをしっかりと議論をしていただいて、それを町なり国なりに、町と一緒になって国のほうに例えば要望を上げていくですとか、そういったことが私は大事ではないかなというふうに思っておりますので、価値観が多様化している中で町がこうだというふうに決めるということ自体がなかなか私は無理があるのではないかなというふうに思っております。いずれにいたしましても、例えば商店街の活性化でしたら商工会の皆さんといろいろな対話をしながらその方策を見つけていくということを今までもやってきています。農業に対しても農家の皆さんですとか、農業に携わる企業の皆さんですとか、そういった方たちともいろんな意見交換をする中で方向性を決めてきておりますので、まずはその努力をしていただくことが大事ではないかなというふうに感じておりますので、その点この中にも農業を中心とした議員の皆様おられますので、リーダーシップを発揮していただきたいというふうに思っております。以上です。
質問 12番 稲村勝俊
答弁ありがとうございます。それは今お話しいただきましたけれども、従来の方向性、姿勢とはあんまり変わっていかないのかなというお話だと思うのですけれども、ただ今の当別農業の結果を見て、それでよかったのかというところから始まったほうが自分としてはいいのではないかなというふうに思うのです。というか、例えば今後非常に離農が増えていくという環境に合っているのかなというふうに思います。今は汎用化とか農地を最大限活用しやすいようにするということを考えてみますと、それを次の時代につなげていくということなのですけれども、今の形が本当にいいのかというふうになると、周りのいいところばかり見るわけではないのですけれども、周りの町村から見ると差があるということが自分では感じていますし、そのこと自体がそれならばどうしようかということから進んでいくのかなというふうに思いますので、ただ今までの国の施策に対応してきたことが今の状況に、当別町にとって最良の状況になっているというふうに考えられないということもあって、そのときにはもう少し行政もそのことを大局的に考えて、こうしていく当別町の農業の姿というものを示すことも必要ではないかという、どこまでそれが、今当別町がこうしなさいというふうにはできないということではありますけれども、その中には例えば再生協議会の中に入って、しかも代表ですから、そのことは投げかけることはできるのではないかというふうに思います。質問にはなっていないかもしれませんけれども、まとめてみますと、今後本当に農地集積が急速に進みます。休耕率が高く、整備の行き届かない農地を多く抱えている、結果としてそういう当別町になっているということもあるのかなと思っています。少しでもいい状態で次につなげていくという努力が必要だと思いますし、残された時間はあまりないというふうに思います。その点についてお考えがあればお伺いいたします。
答弁 町長 後藤正洋
答弁させていただきます。稲村議員が懸念されていることについては、私自信もその課題は共有しているつもりでおりますし、再生協議会のトップという立場で農業をどうするかということの考え方は持たなければならないというふうに思っています。ただ、先ほども言いましたけれども、基本的に現実に農家の皆さんがどういう方向でいくのかということの選択は、私がトップでもってこうやるということも大事な場面もあるというふうには思いますけれども、今は多様化している中の意見をそれだけ集約をしていくということが大事かなというふうに思いますので、そのことを再生協議会の中でも議論をしたりですとか、いろんな意見をいただいて関係団体と協議をする中で方向性を出していくという努力は今後も続けていきたいというふうには思っております。ただ、町がこの方向でいくということをトップダウンでやるということは、私はなるべく避けたいなというふうに思っております。以上です。