当別町議会 令和2年第1回定例会 2020年3月12日
農業政策について
2020年3月12日、当別町議会の一般質問で、稲村勝俊議員が「農業政策について」質問し、町長 宮司正毅が答弁しました。
- 質問者
- 稲村勝俊 議員
- 答弁者
- 町長 宮司正毅
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 稲村勝俊
議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行います。ただいまは資料配付に議長のご配慮をいただき、ありがとうございます。資料のデータについては各市町村のホームページから拾ったものでございます。後ほど触れたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。提出した質問要旨は、具体性が不親切となっている通告要旨を申しわけなく思っています。質問の中に様々な視点からの農業課題を取り上げていますが、課題に対して答弁を求めるものでなく、立ち上がった当別町農業支援センターの課題克服の検討の中でそれぞれの立場で共有し、課題克服の推進が進むことを期待した趣旨ですので、ご理解をいただきたくお願いいたします。農業支援センター規約からの抜粋です。農業の担い手の確保と育成。持続可能な地域農業の確立、競争力の強化、農業者の所得向上、農業生産の拡大、地域の活性化を目的に当別町農業支援センターが設立されました。当別町農業10年ビジョンの連携、推進とともに目的が達成されることを期待しています。持続可能社会への大転換をマクロ的視点から見たものですが、化石燃料の枯渇が進む中、原発と化石燃料に依存した多投入、多消費産業社会の潜在的不安から、ドイツ連邦政府の諮問委員会の答申報告書の中で、これまで人類は3度の社会的大転換を経験してきたと指摘、最初の転換は人類が農耕と牧畜を発見し、広めた新石器革命であり、2度目は農業社会から産業社会へ移行した産業革命であり、そして3度目が今私たちが現在直面している産業社会から持続可能な社会への大転換とし、この3度目の転換は従来の転換と比較して大きな違いがあり、これまでの転換は人間の制御によらない長期にわたる進化過程の軌跡であったのに対し、私たちが直面する転換は認識と深慮と将来への配慮を働かせて包括的な改造を意識的、計画的に進めなければ達成されることはないと報告されています。これまでの国の新たな食料・農業・農村基本計画は、一方で農業生産性の向上と、そのための大規模経営化を目指し、他方で農業の多面的機能発揮、持続的発展、農村振興を目標とするという両立困難を掲げている中で、日本農業は縮小、再編過程に入っており、これまで農地の集積や集落営農で何とか水田農業を維持してきましたが、限界が見えてきました。当別町においても後継者不足問題が顕在化し、経営継承が大きな課題になっています。継承者確保で一番効率的なのは親元就農です。また、全国的に広がる第三者農業継承ですが、資産の取引を伴い、両者が納得できる資産評価や良好な信頼関係の構築など課題が多く、成功率は高くなく、特効薬ではないようです。いずれにしても資金調達面だけでなく、きめ細かな農地の確保、営農技術の習得等の支援の充実、地域ぐるみの支援が担い手の確保につながるものと考えます。北海道の新規就農者は毎年度600名前後ほどで、10年間の新規就農者の動向は新規学卒就農者の割合は35.3%、Uターンで就農者は42.5%、新規参入就農者22%となっており、新規就農者の半数は60歳以上です。新しい価値感やライフスタイルの実現といった目的が農業経営にマッチしにくい面もあると思います。新規就農者の成功例はよく公表されていますが、成功率は低いのが実態のようです。地域の実態感としては、学卒就職し、数年後に親の後を継ぐ新規自営農業就農が一般的な農業継承スタイルになりつつあります。人生経験を積む中で、利益のみでない農業への理解もあると感じています。親元新規就農者の支援を今後とも続けていくことが効率的、安定的な担い手の確保につながります。また、望ましい傾向とは言えませんが、農家の後継者世代が親世代と別居し、市街地に居住する傾向があります。後継者世帯が別居する。家族経営では世代交代後に通い農家になると想定されます。それに対応できる地域農業の仕組みを変えていく必要があります。北海道農業の特質として、農家の世代継承性が低く、離農者を農地売却、離村形態で集落外へ他出としてきたことでの農業構造の変動により、規模拡大、効率的地域農業として集落が続いてきました。また、東京農業後継者がいる割合は低い水準にあり、団塊世代の後継者不在、高齢農家も多いことから、今後5年、10年先の動きとしても農家数の減少、農地の供給が急激に進むことが予想されます。今後とも離農と農地売却と賃貸により農村地域の構成員は一方的に減少し、残る後継者存在農家を中心に離農地の集積、一層の規模拡大が進みます。ただ、その行き着く先として集落内では少数の大規模経営農家と少数の土地持ち非農家のみが存続、居住する体制となり、営農者としては大規模経営しか残れないようなことが予想されます。こうした農業構造の下では農家数の減少が避けがたく、地域によっては農家数の減少が農家と農業と農村の存続を脅かします。そうした際、少数の大規模経営だけで大面積の農地と農業を担えるのか、安定した地域農業が展望できるのか、残った経営に経済面や世代継承面での問題が生じ存続できなくなったとき、地域の農業集落の今後の維持、持続可能性とその具体的な実態追求が必要です。また、規模拡大による生産費削減効果を弱めているのが特に規模拡大にするに従い、支払い地代、支払い利子の増大で大規模経営ほど借地率が高くなり、負担は多額になっていること、借入地の中には生産性の低い土地が多い実態も見られ、借入地の増加で圃場数が増加し、作業移動時間も増大するので、規模拡大効果が十分に発揮されない例も見られるとした指摘もあります。農地の集積による賃貸、賃貸料の課題について、これまで数回の質問を重ねてきましたが、改めて現状を紹介します。当別町の賃貸率につきましては、平成28年、水田で29%、30年度、42.3%、今年の直近のデータでは50%以上となりますが、公社事業、家族経営内の賃貸を除外すると26.4%と、賃貸率については忙しいところを部局にお願いをいたしました。過去継続した同一条件でのデータを取っていませんが、大きくは変わっていないようです。公社事業は売買確定ですが、賃貸されている農地も将来売買に向かうと予想できます。正確なデータを積み重ね、農家戸数集積結果などから将来の農地動向はより正確に推測できると考えます。賃貸料については、近隣市町村、主な自治体の資料を御覧いただければと思います。これまでの小作料は2009年の改正で廃止され、現在は農業委員会による賃貸料の実勢額の設定と参考資料としての公表で、それに比べて著しく高額である小作料に対する賃貸料に対する減額勧告ができるところまでで、賃貸料については当事者が協議し決定し、賃貸料決定の農業委員の関与は限定されています。これまでの標準小作料とは違い、改正後の標準額は拘束力はなく、賃貸決定の参考として提供されています。他町村では当別町と同じ地域分けの賃貸料情報もありますが、圃場整備の程度、共済収量のランク、圃場整備等、土地改良の費用の分担、水稲耕作、畑作に容易に転換できることなどの条件を区分分けとした参考賃貸料の公表値が決定されている例、算定の基礎になる面積条件が水張り面積を採用している例もあります。今後の賃貸料の在り方については条件の設定が全く異なりますが、北海道農業公社の農地保有合理化、売渡し事業の貸付け期間の賃貸料は、5年で買入れ価格の2%、5年以上では2.75%となっており、売買成立後には1%の支援もあります。10アール当たりの水稲収益の約50%と思われる賃貸料水準が合理的水準なのかどうか分かりませんが、他町村の情報も参考に現状の賃貸料に対する検討が課題と考えます。この課題は農業委員会、行政では検討の限界がありますので、農業支援センターでの課題検討が期待されます。静かなる危機と呼ばれる人口減少の国家的脅威に直面している中、10年後の2030年の目指すべき姿を描く新たな食料・農業・農村基本計画が進められています。世界人口の3%の日本が13%の世界穀物量貿易量の輸入を続けていくことが世界規模の様々な異変の中で不安定化が予測できるなど時代状況が激変し、価値感が多様しつつある転換期に対応できる基本計画を期待していますが、平成13年に国では農業、農村の所得を10年間で倍増させると農業の成長産業化を宣言しましたが、現行の食料・農業・農村基本計画に定める食料自給率、品目ごとの生産努力目標、農地面積など、数値目標のほとんどが達成の見込みが立っていません。食料自給率目標は45%に対し、現実は過去最低の37%、農業従事者の平均年齢68歳、一方農村は人口減少と生産基盤の脆弱化がさらに進行し、高齢化と人口減少、貿易自由化拡大による輸入農産物の増加、米の消費減退その他で米は年10万トンの需要が減り続け、今後10年間で北海道と新潟県の合計量に相当する生産量が不要になり、需給と価格の安定には際限なき生産調整の拡大が伴うことが想定されています。水田活用の直接支払い交付金の確保にも不安があり、危機意識を持たなければなりません。大規模経営体も小規模農家も一緒に地域農政を考える時期に来たと考えます。地域の中心経営体に農地集積を進めると同時に、一方で激減が想定される農家戸数の減少を緩やかに進めるために農業経営を継続可能な環境を整えることも課題です。大規模経営の借地利用は、長期安定化傾向を示す反面、その借地関係はいずれ売買に移行する一時的な性格を持っています。また、土地持ち非農家は地域内居住としても一代限りであり、そこでの賃貸関係は安定的なものでなく、農地移動やその調整の在り方も変化しつつあり、売買したいから売買賃貸借の並行的展開へ変化し、集落を超えていることから、広域的な調整も重要になってきます。それとともに、これまで地域の農地移動を特徴づけていた地域代表による農地移動調整も交代し、担い手農家群による農地調整にシフトしつつあると指摘されています。今後は集落を超えた担い手農家間の調整が課題になってきます。平成24年から始まった人・農地プランですが、実績が進まないため新たに改編され、地域農業者の話合い活動、アンケート調査実施、農地の出し手、受け手の意向等の現況把握、中心経営体への農地の集約化に関する将来方針の作成、地域農業の将来ビジョンづくりが恒例必須業務となり、人・農地プランの実質化が進められます。それぞれの農家の情報を正確に集積するのは困難を伴い、我が家の将来の予測は本人も分からない時代と思います。地域農業の課題は多岐にわたりますが、整理、検証し、地域農業の将来像を広く関係者が参加し、積極的に議論し共有認識とすることが重要です。中心経営体に地域農業の押しつけ、高齢農業者の肩たたきにならないことも配慮が必要です。当別町では、転作の個別事由対応、農地の移動は相対で進むことが多い中、地域農業についてみんなで話し合い、地域の将来について議論を積み上げ、合意形成を図り実行することは、これまで積み上げてきたものとは相反する大きな方向転換となり、合意形成の困難が予想されます。まずはできるところから始めて地域の話し合いを続け、課題に対応できる地域農業に変えていくことが大切です。地域や農業を次代に引き継ぐため生産基盤を強化する取組を続け、これまで農業、農地について知的経済行為に重きがありましたが、これからは農業、農地政策上の公共事業に重きを置く方向に方向転換し、個々の農業者の個別的利益とは区分された地域農業の共益性の理解が共有認識とされるか大きな重要課題になります。当別町では、道内で比較的兼業農家に恵まれたことも要因と考えられますが、賃貸土地持ち非農家の高齢化が急速に進んでいます。該当農地継承者は、農業経営者としての農地継承はあまり考えられないことから、今後農地の流動化が活発になると想定されています。担い手農家による規模拡大が限界を迎えつつある中、受け手農家対策が重要です。大区画化、農地の集約化、交換分合などのこれからの大規模農業形態に対応した土地基盤整備が家族農業を中心経営体となるために必要です。また、急激な拡大に伴う農業機械の導入負担の軽減支援、同時に小規模農家、自給的農家の存続、維持が課題となります。また、今後迎える農村人口の激減、地域社会の衰退、農業の衰退に対応する地域の備えも共通認識とすることが大切と考えます。次に、2030年には次世代通信規格5Gが成熟期を迎えると言われ、農村では遠隔地医療、教育、自動運転など、農村の課題に対して解決手段が出てくる可能性があり、10年後の未来ビジョン、政策的な対応によって大きな地域差が生じると予想されています。農業の分野においてスマート農業の考えられる機能は、経営データ管理、栽培データ活用、管理、水田、畑の水管理、ハウスの温度管理などの環境制御、農機の運転アシスト等の自動運転、作業軽減、センシング、モニタリングなどの利用が考えられ、当別町においてもスマート農業の加速化を進めるとしています。スマート農業は、新規就農者や多様な担い手の育成、若手世代の取り込みなど地域農業の活性化が期待できますが、普及には機械や資材価格の引下げ、導入資金助成や低利の融資、農村地域の通信インフラ整備など、費用負担の軽減が必要です。また、使いこなすのは容易ではなく、安易に取り入れると過剰投資になるおそれもあります。個々の判断に任せるだけでなく、行政など周囲からの方向づけが必要と考えます。大事な技術なので、早急に普及させるべきとして個人にリスクを任せるのか、導入プロセスまで行政も考えていくのか、担い手の労働力不足をスマート農業で労働力を変えていくスマート農業の推進課題についても検討が必要です。様々な角度から課題と考えられる事例、中には整合性の取れないジレンマもありますが、紹介をいたしました。持続可能な当別町農業のために、農業支援センター、当別町農業ビジョンが連携した当別町農業の持続性確保のための担い手の育成、確保、農地の集積、集約化、経営基盤の整備、強化、スマート農業の推進などの農業政策課題推進について伺います。以上です。
答弁 町長 宮司正毅(町長は2021年6月まで)
稲村議員の一般質問にお答えをいたします。農業という業界の分析を非常に興味を持って聞かせていただきました。今お話しされた中で、ご質問のご趣旨というのは当別町農業政策の推進について、政策はどうなのだということ、そしてその中の一つとしてスマート農業の推進についての重要性についてもお話がありました。まず、当別町の農業政策の推進についてのご質問ですけれども、議員ご発言のとおり、10年ビジョンというものを実現するために、ここに書いてあります担い手の育成、農地集約、集積、あるいは経営基盤の強化、それの整備だとか強化です。スマート農業の推進、もちろんそれ以外にも恐らく法人化だとか競争力の強化とかいろいろなものがあると思いますけれども、要はもうかる農業を目指して、今回設立した当別町の農業総合支援センターを核としてこれを推進していくということだと思います。その中の一つとしてスマート農業の推進は大変私は重要だと思いますので、また我が町の大きな課題、担い手不足、この解消は必要不可欠だと思いますので、そのためにはインフラの整備、費用負担の軽減、あるいは導入資金の確保、若い世代の取り込みと、こういったものが必要だというふうに考えております。私も実は北海道農業・農村振興審議会という知事の審議会のメンバーになっておりますが、この中で今分析のご説明があった北海道の農業の課題、特に通告書に書いてあります担い手の育成、確保について、農地の集約、集積について、特に今の集積、集約化については土地の賃貸問題、あるいは売買問題、これも議論されています。それから、経営基盤の整備、強化についても法人化の問題だとか圃場の大区画化とか交換分合とかいろんなものが議論されています。それから、スマート農業の推進については誰も反対することなくこれからやっていく、そんなことをこの審議会でも、議論されていますけれども、議員が分析された、今日今お話があったことには私も同感でありますので、それをしっかり踏まえて、町も全力を挙げて、共同歩調して農業の展開に資する、あるいは期するものにしていきたいというふうに思っております。以上、議員への一般質問の答弁とさせていただきます。