新十津川町議会 平成29年第4回定例会 2017年12月13日
本町の鳥獣被害対策について
2017年12月13日、新十津川町議会の一般質問で、鈴井康裕議員が「本町の鳥獣被害対策について」質問し、町長 熊田義信が答弁しました。
- 質問者
- 鈴井康裕 議員
- 答弁者
- 町長 熊田義信
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 3番 鈴井康裕
議長の指示がございましたので、私の一般質問をさせていただきます。私は、町長に本町の鳥獣被害対策についての質問をしたいと思います。近年、シカやアライグマなどの野生鳥獣による農業被害が、本町でも多発しております。山間地の農地だけでなく平地でもその出没が認められ、作物が食い荒らされ大幅な被害減収をもたらしているところであります。本町では、平成28年に作成された鳥獣被害防止計画に基づいて、捕獲に関する取組みと防護柵設置に関する取組みを行っているところであります。ヒグマやエゾシカなどは銃器、くくりわなによる捕獲を行っていますが、猟友会会員の高齢化やわな免許取得者の減少で広範囲の捕獲が困難な状況にあります。また、アライグマについては、箱わなによって捕獲していますが、貸し出す箱わなの数が限られていることなどから、生息数に対する効果が現れているとは言いがたいところにあります。また、電気柵については、中山間直接支払い事業において一部地域で設置しているだけで、沢地帯が多い本町では設置経費がかかり、なおかつ維持管理が煩雑なことから、電気柵の整備は計画されておりません。このような状況下で本町の農作物が本当に守れるのか。増殖する野生鳥獣に対する施策としては余りにも脆弱でないのか。町長の見解を伺いたいと思います。
答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)
それでは3番議員さんの質問にお答えをさせていただきます。まず、本町の鳥獣による農作物被害額について具体的な数字を申し上げますと、平成28年度では総額で2,080万円。平成27年度が総額で3,690万円であり、大きな被害額となっているところであります。平成29年の捕獲頭数は、11月末現在でエゾシカが292頭、アライグマが89頭であり、平成28年度、前年度でありますが、エゾシカは201頭、アライグマは69頭でありましたので、捕獲数から推測すると、平成29年での農業被害額は、平成28年度よりも増加するものと予測してございます。平成29年度現在までのエゾシカの捕獲費用は約347万円、処理費用は596万円で合計で943万円となっており、アライグマの処分費用につきましても約38万円を支出しているところであります。また、ご指摘にありましたように、猟友会も高齢化などで会員数が減少していることから、有害鳥獣駆除体制の強化策として、猟友会への新規加入を条件に銃の所持免許などを取得する際の助成を行っており、今年1名がこの制度を活用して猟友会に入会をしたところでありますし、もう1名、さらに現在、狩猟免許を取得中でありますから、更に増えるということであります。町といたしましても、有害鳥獣対策として、多額の費用をかけ駆除に取り組んでいるところでありまして、捕獲体制強化の面でも支援を行っているところであります。農業者の皆様におかれましては、エゾシカのくくりわなの免許を取得されている方もいらっしゃいます。わな自体を枝や葉でカムフラージュすることで捕獲できる確率が高くなるようでありますし、アライグマの箱わなにつきましても、箱わなを設置する効果的な時期は、出産時期である3月、4月であると言われております。町におきましても、少しでも効果的な捕獲につながるよう、エゾシカやアライグマの習性やわなのかけ方についての講習会を開催しております。春作業で忙しい時期であったり、取得に少しく時間がかかるなど課題はありますが、自分の農地は自分で守るという考えのもと、農業者の皆様にも自衛策を工夫しながら取り組んでいただければありがたいと考えております。また、中山間集落では、中山間地域等直接支払い交付金を活用して、農作物の被害軽減に効果的なエゾシカ用の電気牧柵を3地区で15.3キロメートル敷設しておりますし、アライグマの箱わなは、現在まで各地域において34台購入をしていただいております。アライグマの箱わなはある程度長い期間設置することになり、町からの貸出台数も限られておりますので、それぞれの地域の皆様には、中山間地域等直接支払い交付金や多面的機能支払い交付金の活用による購入を、是非前向きに検討いただければと考えております。有害鳥獣対策につきましては、町といたしましても、猟友会や農業者の協力をいただきながら多額の費用をかけ取り組んでいるところでありますが、エゾシカやアライグマの生息数はなかなか減少いたしません。有害鳥獣の農業被害を減らすために、はやはり個体数を減少させていくとが重要でありますが、単独の町での対策にも限界があり、全国町村会、全道町村会や中空知定住自立圏においても有害鳥獣対策について問題提起をしているところであります。この鳥獣対策については農作物被害にとどまらず、市街地にまで拡大をしているなど、全国的な対策が急務であり、前段も申し上げましたが、町村だけで解決困難な、まさに災害と言うべきレベルに達しているものと考えております。したがいまして、町としましても、管内の連携や全道的な取組みに加え、国の支援策についても継続して強力に要請を行っているところであります。町は公助として有害鳥獣の駆除を推進してまいりますので、農業者は自助として、また地域は共助として農作物を守るため、それぞれの役割の中で協力し合いながら有害鳥獣対策に努めていただければと思っているところでございます。以上申し上げ、3番議員さんのご質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 3番 鈴井康裕
丁寧な答弁、誠にありがとうございました。様々な対策をされていることは十分に承知しております。ただ、野生鳥獣の行動の範囲の広域化、また急増する個体数に対策が追いついていっていないことは明らかであります。アライグマについては、12月3日の道新の滝川支局の記者がその実態を記しております。道内の捕獲数は初の1万匹台に上り、農業被害額が1億円に届く勢いで、管内別では空知管内に最多の3割が集中しているということです。1年に4、5匹産む繁殖力の高さが問題で、何もしなければ10年で50倍にも増えるそうであります。試算では、捕獲数が全体の4割以下だと増加傾向を抑制できず、5割以上捕獲しないと減少しないということです。先ほど申されましたように、貸し出し34個の箱わなということでしたが、限られた数ですとあまり効果が上がらず、抜本的な対策を講じないと被害の増加は免れない状況であります。本町では、アライグマ駆除協議会を発足させ、その対策に乗り出したというふうな報道もありました。協議会も大切でありますが、私は、地域ぐるみでこの問題に対処していかなければいけないのでないかと、そういうふうに思っております。また、ヒグマやエゾシカについては、銃器、くくりわなによる捕獲にも大幅な増加は見込めないと思います。やはり、その生態をよく分析した上で、予防となる電気柵の設置が重要ではないかと考えております。本町では、今まで被害が少なかったことからその設置が遅れて、先ほど町長の発言にありましたように、電気柵では15.3キロくらいであります。近隣の市町村では、鳥獣被害交付金によって100キロ単位、400キロを設置されているところもございます。現在では中山間地域事業でしかその対応をしていないところでありますが、地域でも農家戸数の減少もあり、春先の電線張り、夏の周辺の草刈り、秋の電線改修という維持管理の作業負担が増大しているところであります。若手担い手農家の努力によって被害を抑えていると、そういうのが現状であります。このような状況を改善するためにも、新たな取組みが必要と考えるわけです。町全体で鳥獣害に対する取組みがとれないか、電気木柵の設置管理作業の協力が得られないかと思うわけであります。農水省のホームページに、このようにあります。進入防止柵の設置にかかわる自衛隊の協力を防衛省でも検討しているということです。是非このようなこともですね、自衛隊協力会をとおして滝川駐屯地に要請できないものでしょうか。また、先ほどのアライグマの話に戻るわけですが、平地でもアライグマの出没が認められております。少しでもアライグマの個体数を減らすことを目標に、箱わな購入費の補助、前やっておりました半額補助の復活、または捕獲の奨励金とでも申しますか、1頭捕獲すれば3,000から5,000円という例が本州の自治体にもございます。このような制度を本町でも取り入れる必要があるんではないかと、そういうふうに思うのですが、町長はどう思われるか見解を伺いたいと思います。
答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)
鳥獣被害の関係では、先ほどちょっと説明をしておりませんでしたけども、うちでは猟友会、捕獲する方は少ないんですけども、捕獲頭数は非常に多い状況になっております。空知管内を見ますと、芦別と新十津川が一定程度捕獲をしているという状況で、ほかの市、町はどちらかというと、やっぱり猟友会などの人数、高齢化のことから捕獲頭数は少ないという状況になっております。幸いうちでは、本当に少ない人数の中で捕獲を積極的にしている方がいて、そういった部分では農業被害の軽減に努めているという状況にある中で、様々ないろんな対応が必要になってくるというふうに考えておりますが、先ほどもちょっと説明をさせていただきましたけども、町だけでやるには限界がどうしても出てくる。動物には町界がないので、どこでも行ってしまうというのが現状でありますので、今までの状況でいくと、隣り町から来てるのが、今、新十津川で捕獲してるのかもしれませんし、そのことは全然予測しがたいことになっているわけでありますけども、ただ、そういうことはやはり今、農業者が一番被害を受けないように、新十津川のエリアに来ている有害鳥獣を積極的に猟友会の方々の協力によって捕獲をしていただき、さらに猟友会の人数も増やすように努力をしていただいているところでございます。アライグマの捕獲をした後の協議会、これは町の独自な体制中で処理体制を円滑にできるという形を誇示させていただいているところであります。これもいろんな地域ぐるみの中の一環ということで取り組んでいる一つだというふうに考えているところでありますけども、今、地域ぐるみでは農業者が個人で自分の農地に入る分は自分でできる限り捕獲をしてもらって、中山間などで箱わなを買って共助で捕獲をしてもらって、自分の土地にしかけたわなについては役場の方に持って来ていただくと、あとはうちの方で処理をする協議会で対応しているという状況になっております。ですから、それぞれ地域ぐるみの中で、それぞれの役割の中で対応していただいているのが現状かというふうに思います。提案のありました自衛隊の協力という部分であります。このことについては、今始まったことではなく、過去から有害鳥獣対策ということで、いろいろ検討を加えて対策をしているところでありまして、自衛隊の協力も全道的なことの取り扱いをまって要請をした経緯はございます。自衛隊の協力については、例えば、エゾシカをすぐ捕獲をする。銃を撃つということにはいたらないんですね。その道を確保したり、その周辺の事前の体制までしかいたらないので、現実的にはエゾシカなりの捕獲ができる状況にはなかなかなっていかないということになっております。今ほどご指摘がありました農水省のいろんな取組みの中で、国としてもう少しそういったことを北海道だけでなく、全国的にエゾシカ、アライグマ、サル、そういったものの有害鳥獣を進めていかなければならないということが、本当に災害と同じだというふうに考えているところでありますので、そういったものをもっと国の方の支援を積極的に要請をし続けていきたいと考えているところであります。それと電牧の話もありました。電牧については15.3キロあるわけでありますけれど、そのことについてはやっぱり地域の方がその電牧を外したり、また付けると、そうしながら自分達の農地を守るという、そういった精神の中でやって今の距離にあるのはご承知のとおりだと思います。ただ、これが違う自衛隊の手でやると、自分の農地であっても、やっぱり自助の気持ちが薄れる懸念もありますので、そのことについてどういうふうに自衛隊の協力を得られるかという部分もありますし、今後、そういったことはいろいろ検討を重ねていきたいというふうに思ってございます。それぞれ農業者が一生懸命頑張っていただいております。地域でも頑張ってもらってます。行政としては、しっかりと駆除をできる費用を捻出をしているところでありますので、今後においてはやはり、それぞれの限界を超える部分が多いので、やっぱり国なり北海道なり、そういったところで大きく舵をとっていただきながら、全道的に駆除をしていくようにしていかないと、このことは前に進んでいかないというふうに思っておりますので、繰り返しになりますけども、町以外のそういう体制の中で、積極的に有害鳥獣対策をまたいろいろ近隣町村と協議を重ねて検討していきたいということを申し上げたいというふうに思います。以上です。
質問 3番 鈴井康裕
今、町長の答弁の中にいろんな対策を施して、自衛隊についてもちょっと難しいようなこともございましたが、農水省の方でもこうやって出してますので、何らかの手はあると思います。自分達で設置するのは、だんだん、だんだん距離が、延長が大きくなりまして、非常に少ない人数では難しい状況になってきてるということをお知らせしたいと思いまして、先ほどの話をしたわけでございます。また、少ない人数で狩猟をして、新十津川ではこれだけの駆除実績があるということですが、限られた人数で本当に一所懸命やってる方はそうなんですけれども、その方がもし何かあったときはどうなるかという体制が非常に心配なところでございます。先ほど申されましたように、今年、免許取得者が1名、また猟友会に入られた方が、また1名増えたということで、非常に喜ばしいような状況ではあるんですが、このどんどん増加するケースに果たしてついていけるのかどうなのかと、その辺が非常に心配なところでございます。やはり野生鳥獣の生態、これを詳しく分析して、個体数が今現在どうなっているのか、その辺の状況も把握して、更なる鳥獣被害の防止計画を立てていかなければならないと、そういうふうに認識するわけですが、繰り返しになるかもしれませんが、もう一度、町長のお話を聞かせていただきたいと思います。
答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)
先ほどの前の質問中でちょっとお答えしてなかった部分があったかと思うんですけども、捕獲した費用に対して助成をしてはどうかという部分については、ちょっとお答えしてなかったんですけども、そのことについては、特に予定をしていないということを申し上げたいと思います。それと、今ほど生態の調査ということのご指摘かというふうに思ってございます。地方独立行政法人で、北海道立総合研究機構という組織がありまして、そこでは今、エゾシカの生態調査を積極的にしているところでございまして、来年度からは、アライグマの生態調査、これだけ多く増えているアライグマの実態を鑑みて、そういったことを検討していきたいということを聞いておりますから、さらに町からその機構にお願いをして、アライグマの生態調査をお願いをしていこうと考えております。その生態が分かることによって、先ほども春先の捕獲時期、そしてどういう経路でアライグマが生態として川のヘリを行動するのか、そういう捕獲場所も適切な場所が掌握しうるというふうに考えていますので、やはりそれぞれの動物の生態をしっかり把握することが、捕獲の確実性にも高まってくるというふうに考えておりますので、そういったことも依頼を積極的に進めていきたいということを申し上げ、お答えとさせていただきます。