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新得町議会 令和7年第3回定例会 2025年9月17日

地域農業の担い手の現状と今後の展望について

2025年9月17日、新得町議会の一般質問で、福原智幸議員が「地域農業の担い手の現状と今後の展望について」質問し、町長 湯浅真希が答弁しました。

質問者
福原智幸 議員
答弁者
町長 湯浅真希

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。

質問 福原智幸

地域農業の担い手の現状と今後の展望について、1項目質問させていただきます。1.地域農業の担い手の現状と今後の展望について新得町に限らず、少子高齢化による地方の人口減少が進み、それに伴い産業振興の核となる労働生産年齢人口は減少の一途をたどり、その傾向は今でも続いております。新得町の第2期創生総合戦略によると、昭和40年に今の人口よりも多い9,300人余りいた生産人口が、現在では3,000人程度と見込まれております。2025年問題に象徴されるように、人口の割合が一番多い団塊の世代と呼ばれる方々が、全員75歳以上になることにより、地域経済をけん引してきた方たちが後期高齢者になることになります。もちろん、今日、明日、全ての方がリタイアするわけではありませんが、働き方の多様化に加え、夏の猛暑に象徴されるような気候変動が進み、地域産業そのものの構造が変化していくことが予想されます。労働生産人口の減少率が著しい産業の1つとして農業が挙げられております。その生産額、雇用先の確保、建設、流通、エネルギーなど、幅広い地域経済への還元など町に対する貢献度は決して低くないと考えます。100余りの経営体で町内5,200ヘクタールもの農地を管理しておりますが、ほとんどの経営体は家族経営であり、個人事業主であるがゆえに、高齢化が進んでも事業承継が進まないケースも見受けられます。この何年かのうちに経営環境が激変する恐れがあります。基幹産業としての現在の担い手の経営の状況と、将来に向けての展望と支援の方針についてお聞きいたします。

答弁 町長 湯浅真希

福原議員のご質問にお答えいたします。新得町の農業を担う農業者の経営状況でありますが、農業を経営するにあたり、その事業から得られる割合を示した令和5年の農業所得率は、畑作経営では本町は20.9パーセント、北海道全体で17.5パーセント、酪農経営では本町で6.2パーセント、北海道全体では8.1パーセントの割合となっております。農業収入については年々増加しているものの、国際情勢の影響などによる農業資材等の物価高騰、それらに対応するための運転資金借り入れの償還圧により、農業支出も増加傾向であるため、畑作、酪農ともに経営状況においては、いまだにコロナ禍以前の水準を下回っており、厳しい状況にあると認識をしているところであります。将来の展望でありますが、持続可能な農業の継続や地域コミュニティを維持するためにも、農家戸数については一定数を確保する必要があり、この厳しい状況下においても、農家戸数の維持に向けた対策を同時に取り組む必要があると考えております。そのため、現在策定中の第9期総合計画案では、現状104戸の農家戸数を令和17年度時点で96戸と、できるだけ維持する目標としており、関係機関と連携して各種施策に取り組んでまいります。農業経営の維持のための支援は、本町の基幹産業であります農業を支える農業者が持続可能な農業を継続していけますよう、国や北海道による補助事業を活用したハード面の支援を継続するとともに、経営面積の拡大に伴う作業体系の在り方などの仕組み、再構築など、ハード・ソフトの両面に対する支援の在り方について、今後も関係機関と協議をしてまいります。以上です。[湯浅真希町長 降壇]

質問 福原智幸

ありがとうございます。農協が次期の振興計画を作成するにあたりまして、経営の概況と今後の動向について、組合に対し調査した集計結果がまとめられました。回答率86パーセントであるので、実態を反映した回答ではないかと思っております。現在経営する中で問題になっていることに対する設問では、複数回答ではあるものの、後継者がいない、高齢者で作業が困難、労働力確保が困難、負債の償還が困難の項目で、それぞれ回答者の6割近くが問題を抱えているとの回答し、また機械施設の不足、あるいは老朽化の項目では、8割近くの方が大きな問題もしくは問題であると回答しております。これらの課題は、農業に限らず、ここ数年での円安と物価高に加え、恒常化しつつある猛暑への対策、良質な労働力の確保などの状況は、町内の個人事業者の多くに当てはまる課題でもあると考えております。アンケート調査に戻りますが、5年後の経営に対する考え方では、農地面積、家畜頭数を縮小したいという項目と、経営を中止したいという項目の回答がそれぞれ3割にのぼりました。現在の減少した組合戸数から考えると、注目すべき数字といえます。8月23日の十勝毎日新聞の記事ですが、北海道の酪農戸数は令和2年に5,300戸ありました経営体ですが、今年2月で4,400戸弱であり、この5年間で平均毎年200戸以上が離脱をしております。離脱要因として、高齢化、後継者問題による離農が最も占めており、分母となる戸数を考えると、減少率の厳しさが伺えます。これに対して、親元就農あるいは外部による新規就農を合わせた新規就農の参入は、今年度わずかに15戸にとどまり、労働環境、所得率の低さなど、経営を取り巻く環境の深刻さを表しております。これに先ほどお話しをした2025年問題を含めた生産年齢人口の減少を考えると、地域経済を支える産業構造の変化が悪化する恐れがあります。農村部の町内会戸数は1桁の戸数で構成される町内会も多くなりました。今後も規模拡大の傾向はいや応なく進んでいくと思われますが、限界集落化が進み、地域のコミュニティが失われないような政策が望まれます。生産性の維持と農家戸数の維持との両立に向けた具体的な考えや取り組み等があれば、お聞きいたします。

答弁 町長 湯浅真希

1次産業というものは、本町においては基幹産業であるということは間違いないというふうに考えております。ただ、生産年齢人口の減少によって影響を受ける産業というものは、ほとんどの産業で影響を受けるのではないかというふうに考えております。その上でなんですけれども、現在、町やJA新得町、農業委員会、普及センターのほうで構成する新得町農業担い手育成確保支援協議会というものが中心となりまして、農業における第三者継承計画の策定というものを進めております。この計画では、離農跡地や離農予定農場の把握から新規就農希望者の確保、就農研修および経営移譲までのスキームとサポート体制を構築した内容を想定しております。また、JA新得町さんで策定されております農業振興計画、第8次のものが令和2年から令和6年のものであります。この基本6要素の中に、農地の流動化と地域を守る持続的安定継承、そして、担い手や所得向上を実現する強い経営体づくり、そういった項目があります。今、第9次の農業振興計画に向けて、第8次の総合計画の総括というものをされるというふうに伺っておりますので、こういったところがどうだったのか、その総括というものを町としても受け止めながら関係機関と連携し、取り組みというものを進めてまいりたいというふうに考えております。

質問 福原智幸

後継者の対策というのは、農業に限らずどこの産業も思いは同じだと思います。農業は特に農村景観含め、管理する面積があまりにも広大でありますので、切実な問題は一層強いかなと思っております。新得町の産業は、鉄道と林業などの繁栄を経て、現在の農林業と商工観光業の姿になっておると思っております。古くからその経営を担ってきた人たちは、100年以上の歴史を刻んできております。利益率の低い業種であっても、時間の積み重ねと協働の力により、安定した経営を持続している方が数多くいらっしゃいます。かつての事業承継のほとんどを占めていた親子間継承から、第三者の継承へと形態も変わりつつあります。雄大な自然環境の中でスケールの大きさが魅力の業種ではありますが、初期投資の大きさと求められる経営能力の高さから、ハードルが以前にも増して高くなっており、研修の段階から、就農後のケアまで一貫して支える体制が必要と考えております。スマート農業と呼ばれる情報通信技術を駆使した次世代の先端技術は、アシストスーツなどの簡易的なものから、億単位の投資を伴う本格的なロボット機械まで、幅広い範囲にわたります。これらの最先端技術は、高額な機械ほど高性能で、生産効率を高めることに寄与しますが、一方で、過剰投資を引き起こす要因になるリスクもはらんでおります。地域コミュニティを維持しながら、少ない経営体で生産性を維持していくためには、機械施設を共同利用するための体制と仕組みづくりが重要と考えます。作業受委託と共同利用など、担い手の中心となる作業形態に経営を支援する取り組みを通じて、個別の利用から集団、あるいは協働への利用へと移行することが有効だと考えております。今年の4月に、食料農業農村基本計画が策定をされました。生乳、肉牛を含む主要作物の主産地に北海道が明文化されたことにより、食料基地としての役割が一層重要になりました。地域経済が強固であることにより、生活が安定をし子育てなどの充実や消費の広がりによってにぎわいが長く維持されることと考えております。今年の5月ですが、農林業の課題へ対して陳情ということで、中央要請に議員全員で農水省のほうに陳情に行ってまいりました。時間も限られることから、ある程度項目を絞りながら要請をしてきたわけでありますが、私どもが抱いている危機感と、中央の持っている感覚というのは、かなり乖離(かいり)があるんだろうなと思っております。中央に行くほど、そういう乖離(かいり)が激しくなっているような感じがしております。十勝は農業を軸に、いろんな商工業、観光連携を取りながら、独自の発展を続けてきた経緯もあります。この課題に対しては、ありとあらゆるチャンネルを使って、道あるいは国に引き続き訴える姿勢が必要かなと思っております。これらのことも踏まえまして、新規就農者や担い手に対する個人農家への支援も必要と考えておりますが、今後も経営規模の拡大が進む中で、新得町の在り方についての考えをあらためて最後にお聞きをいたします。

答弁 町長 湯浅真希

まず、スマート農業なんですけれども、私自身今回の選挙の公約に掲げていたところなんですけれども、リスクがあるとご指摘いただきましたので、真摯(しんし)に受け止めて、推進に関しましてはよく検討させていただきたいなというふうに思います。新規就農者であるとか、担い手に対する個人農家さんへの支援ということなんですけれども、現状でもこれまで行ってきた新規就農者支援であるとか利子補給制度、こういったものを活用していただきたいなと思います。また、国や道の補助策もありますので、そういったものを随時お知らせできるようになるといいのかなというふうに考えております。新得町の農業の今後の在り方というところなんですけれども、これは、実際に農業を担っている方の考えというものが大切になってくるのかなというふうに思っております。若い方はもちろんなんですけれども、現場の方の声というものを聞いて、町としては一緒に進んでいきたいなというふうに考えております。以上です。[福原智幸議員 降壇]

出典:新得町議会 令和7年第3回定例会 2025年9月17日 議事録 PDF(51ページ) 間違いを知らせる