新得町議会 令和7年第1回定例会 2025年3月13日
本町において介護事業所の撤退・廃業の心配はないのか
2025年3月13日、新得町議会の一般質問で、青柳茂行議員が「本町において介護事業所の撤退・廃業の心配はないのか」について質問し、町長 浜田正利が答弁しました。
- 質問者
- 青柳茂行 議員
- 答弁者
- 町長 浜田正利
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 青柳茂行
今回は2つの項目の質問を通告しております。まず第1項目目でありますけれども、本町においての介護の事業所の実情についてお伺いしたいと思います。1.本町において介護事業所の撤退・廃業の心配はないのか今、全国的な問題として、介護の基盤が崩壊しているのではないかと。介護人材の不足、急増する離退職と志願者の減少、足りないヘルパー、進む高齢化、ケアマネも不足し介護が組めない、特養老人ホームでも職員不足で配置する職員がいないなど、介護制度を壊す深刻な状況になっているのではないかということが伝わってきております。国が決める、介護の公定価格である介護報酬は3年ごとに改定されますが、2003年度から2021年度に介護報酬の本体部分は消費税増税分対応分を除いた実質で5.74パーセント削減され、それが事業者・施設の経営逼迫(ひっぱく)を招く要因とされてきました。東京商工リサーチの調査によれば、2023年の「老人福祉・介護事業所」の倒産、1,000万円以上の経営破綻と休廃業・解散を合わせた件数は632社と、2010年との比較で6倍に増加。訪問介護の事業所は2019年から2023年度の5年間で全体の4分の1にあたる8,648カ所が廃止となり、2024年末現在、訪問介護ゼロの自治体は107町村、1カ所しかない自治体は277市町村にのぼっており、その要因は、2024年度の介護報酬の改定において、訪問介護の基本報酬の引き下げにあるといわれております。厚生労働省が実施した「介護事業所経営実態調査」(2023年11月)の中で、実際には訪問介護事業所の36.7パーセント、約4割が利益率ゼロ未満の赤字事業所であることを明らかにしております。本町の介護施設・事業所において、介護人材の不足、介護職員不足等で介護事業所の撤退・廃業の懸念はないのか、お尋ねします。
答弁 町長 浜田正利(町長は2025年6月まで)
青柳議員のご質問にお答えいたします。現在、町内で要介護者などへ介護サービスを提供する事業所は、地域密着型を含む特別養護老人ホームが3カ所あるほか、デイサービスを提供する地域密着型通所介護事業所が4カ所、ヘルパーが自宅へ訪問し支援を行う訪問介護事業所が3カ所、個々に適した介護サービス計画を作成する居宅介護支援事業所が3カ所、通所や訪問、宿泊などのサービスを一体化して運営している小規模多機能居宅介護事業所が2カ所、認知症型共同生活介護事業所いわゆるグループホームでありますが、こちらが2カ所ありまして、利用される方々のケースに応じ、適切な介護サービスを提供できる環境にあるというふうに考えております。各事業所が得る介護報酬は、介護保険制度の持続性を確保する観点から、介護保険料、公費負担、利用者負担とのバランスを考慮し、3年に一度の改定が行われます。ご質問にありましたとおり、令和6年度の改定については、令和4年度の全国の事業所の平均収支に基づき、赤字であった特別養護老人ホームの基本報酬は引き上げられ、逆に黒字であった訪問介護の報酬を引き下げる措置が講じられました。一方で、今回の改正では、職員給与の引き上げを目的とした処遇改善加算が見直され、訪問介護事業所においても処遇改善加算については、これまでより高い加算率が設定されております。その上で、ご質問の介護事業所の撤退・廃業の懸念についてでありますが、各事業所への聞き取りを行った中では、本町においては、慢性的な介護人材の不足や物価高騰のあおりを受け、事業所の運営は厳しいという状況にあると把握をしておりますが、現状では今後の状況については注視をしていくという、そういう必要性はありますが、介護人材の不足により、直ちに事業所の撤退・廃業にはつながらないというふうに考えているところであります。以上であります。[浜田正利町長 降壇]
質問 青柳茂行
町長の答弁をいただきました。現状として本町においては、撤退あるいは廃止を懸念する材料はないというふうに伺いました。町長の答弁にもあったように、新得町は近隣というか、十勝管内でも、はっきり言って、福祉施設が非常に活発にやっているところだなという印象は私自身も持っております。何よりも社会福祉法人の厚生協会、ここを中心にして、町長が答弁したように、聴覚養護あるいは特別養護、訪問のやすらぎ荘を含めて、新得だけでなくて、鹿追町とか、清水町にもデイサービスを出しているということもあって、現状では、廃業なんていう心配も全くないというのは、私自身も認識しております。しかし、全国的には非常に、特に訪問介護の事業所が空白地域ゼロという、そういうところが107町村もあると。それから、残っているのが1つというところが、272市町村あるんです。北海道におきましては、ゼロ事業所というのが14町村あります。1カ所というところが68市町村、市では歌志内市が1カ所しかないという事例です。十勝管内におきましては、事業所ゼロというのが2つの町、清水町と陸別町です。1カ所が7町村ということで、隣町の鹿追町もこの7つの中に入っているということです。それで、2024年、昨年度になりますか、介護報酬が引き下げられたわけですけれども、これは私から言わせれば、完全に政府というか厚生省の完全な見込み違いがあったんじゃないかなというふうに思います。平均で7.8パーセント上回っているという見解を最初出したわけですよね。その後、23年11月に、上回っているけれども、実際の訪問介護事業所というのは36.7パーセント、約4割の訪問介護事業所が赤字だという、そういうことが厚生省の再調査で判明したわけであります。しかし、昨年引き下げた影響が、いまだに続いているというのが現状であります。なぜ、上回っているという判定をしたのかということなんですけれども、実際に訪問介護事業所というのは、これは恐らく大都市圏内にたぶん存在しているんじゃないかと思うんですけれども、大手の事業所というのは、それほどコストをかけないで介護の事業ができると。しかし、こういう山間部地域になってくると、1軒、1軒在宅訪問しながら、時間もかかり、コストもかかるということで、当然、赤字が出てくるということはいわれております。先ほど、町長の答弁では、こういう状況がさらに続くと、今ははっきり言って大丈夫だという見解ですけれども、今後、どのような状況になるのか。町長がひとつ、先を見るというのはなかなか難しいことなんですけれども、今後の方向性というか、そういうものをどのように把握されているか、その点、再度お聞きしたいと思います。
答弁 町長 浜田正利(町長は2025年6月まで)
お答えをいたします。この間、地域社会を維持していただいた先輩方がだんだんだんだんやはり年齢とともになかなか自分自身で思うような生活ができないという、そういう中でいくと、やはり介護保険サービスというのは私、必要だというふうに認識をしております。その上で、今回の質問にあたって、担当のほうで実際、介護保険のサービスをしている中でのメニューが何項目あって、新得でどのくらいのメニューの紹介をした上で利用ができるかまで調べさせていただきました。後ほど、状況によって、議員のほうにも同じ資料をお見せできればと思うんですけれども。そういった中で、将来に対する不安というのは間違いなく、今あります。1つはお金の問題をどうするかというのは、これは私もやはり国がもうちょっとしっかりしてほしいというのが基本的な考え方でありますが、その上で、若い世代の方々の負担も含め、利用者の負担もある。この辺もやはり国のほうでもきちんと交通整理をしていただきたいというふうには強く思っています。その次に、最も不安なのは、やはり人材不足に行き着くかなというふうに思っていまして、これは介護に限らずなんですが、全ての業種が共通している課題というふうに認識していますが、とりわけやはり介護なり医療の人材というのは、本当に今後どうなるかというのを危惧しているところであります。そういう危惧の中でも、地元として現状の把握に努めながら、どうしていけば持続可能な、そういう介護保険制度ができるかというのは、これはこれでわれわれ自治体として当然悩んでいかなくてはならないかなというふうに思っていますので、結論から言うと、事業者の方々とこれからも意見交換をしながら、課題というものを整理していきたいというふうに今、考えているところであります。以上であります。
質問 青柳茂行
今後、非常に不安材料があると。特に人材も含めてあるという答弁だったと思うんですけれども。介護事業所が減っているというのは、全国的に減っているんですけれども、山間地域だけではないということなんです。特に東京都の中でも世田谷区、人口95万人ということです。65歳以上の高齢者世帯34パーセントが独居世帯のようです。新得町とどれほど変わるのかなというくらい非常に高齢者が多い。ここで、この1年間に7カ所、事業所が減ってしまったということです。ある団体が区役所に要請を出して、区議会に陳情を出して、何とかしてほしいという要請を出したと思うんですけれども、区議会では、陳情書、意見陳述を上げながら、全会一致で区民からの要望を採択したと。これを受けて世田谷区は、最近の話ですけれども、1事業所当たり88万円を救援したということなんです。介護事業所は約256カ所あります。ですから、ここに1事業所88万円の支援をしたということなんです。先ほど町長からも国もしっかりしてほしいということもありましたけれども、新得町議会も昨年の9月議会で、介護報酬の引き上げを求める意見書、これも全員賛成のもとで採択されまして意見書を出しておりますけれども、いずれにしても、議会も含めて、こういう問題についてはさらに取り組んでいかなくてはならないんじゃないかなと思っています。民間任せでは介護の事業を維持できないという判断をしたところもあります。特に、全国的にもあるんですけれども、北海道で言えば、浦河町です。町内唯一の特養老人ホームです。特養老人ホームを維持するために、浦河町から、ホームを運営する社会福祉法人に3年間で最大4,500万円の赤字補てんを決定しております。それから、中頓別町でも社会福祉法人が運営してきた、これも特養老人ホームですけれども、自治体が直接運営する町営に移管するという処置も取っております。少なくとも、この新得町における介護事業所において、今、こういう緊急事態になるとは考えられないわけですけれども、先ほどの町長の答弁にもあったように、今後の不安材料、いろいろありますよね。そういう点で万が一、これも仮定の話になってしまうわけですけれども、最終手段として、もしそういう場合が来たらどうするのかという、今、町長にそれ聞いてもなかなか返答が難しいと思うんですけれども、町長の腹づもりといいますか、その辺、最後お聞きしたいなと思います。
答弁 町長 浜田正利(町長は2025年6月まで)
お答えいたします。社会福祉法人の存在というのは、通常のいわゆる民間企業の経営とは私は違うという、そういう認識は持っています。その上で、この間の取り組みなんですが、医療もそうですが、福祉施設も基本的には初期投資は自治体が負担をしていくという、そういうスタンスで臨んできました。公設民営とはちょっと違うのですが、負担軽減という意味では、初期投資については、100パーセントかどうか別にして自治体が応援をしていくと。そういう中で臨んできた結果、運営はぜひ社会福祉法人でやっていただきたいということで臨んできました。さらにもう1つ、養護老人ホーム、昔、新得町でやっていまして、途中でやはり専門的な方のほうがいいなということで社会福祉法人にお願いをした、そういう経過もあります。その結果、将来に対する不安という、そこの切り口で次どうするかと、なかなか今、答弁しづらいのですが、ほかの町の状況というのは私、把握していないので、踏み込んだ答弁、無理なんですが、いずれにしても、最後、先輩方が、穏やかな日々を送るためのそういうサービスの提供というのは、私、やはり必要だという認識をしていますので、その結果がお金に行き着くとしたら、これはこれで、議員の話もありましたが、今の段階なかなか言いづらいのですけれども、選択肢の1つとして私は否定をしないと思っています。これは、介護に限らずなんですけれども、次どうするかという中で、公的なお金の問題をどうするかというのはわれわれもそうですが、ぜひ議会の中でも議論いただければ非常にありがたいなというふうに思っています。極めて不十分な答弁になるかもしれませんが、認識としては否定をしないというところで、答弁とさせていただきます。以上であります。
質問 青柳茂行
非常に前向きな答弁をいただいたなというような印象を受けております。