新得町議会 平成27年第1回定例会 2015年3月16日
教育委員会制度改革への考えは
2015年3月16日、新得町議会の一般質問で、青柳茂行議員が「教育委員会制度改革への考えは」について質問し、教育委員長代理 飯田泰雅、教育長 斉藤仁が答弁しました。
- 質問者
- 青柳茂行 議員
- 答弁者
- 教育委員長代理 飯田泰雅、教育長 斉藤仁
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 青柳茂行
私は今回、教育委員会制度の改革についての考え方につきまして、お尋ねしたいと思います。1.教育委員会制度改革への考えは昨年6月、教育委員会制度を定める法律が改正されました。教育委員会制度は戦前の中央集権制度の歴史を反省し、1948年教育委員会法により、教育行政は首長から独立させ、住民が選挙で選んだ数人の教育委員に委ねることにしましたが、1956年に地方教育行政法により、教育委員は住民選挙ではなく、議会の同意を得て首長が選任する形に変わり、それでも当時の独立性はなくならず、教育委員会は首長と対等な行政組織として今日まで及んでいます。2011年の大津市いじめ自殺隠ぺい事件は、市教育委員会に対する強い国民的批判を招いたところは記憶に新しいところです。このことによって、教育委員会制度はいらない、いわゆる廃止論というものが浮上し、この間さまざまなところで論議が交わされたようでありますけれども、結果的に教育委員会制度は残されました。今回、改正された教育委員会制度について、具体的には、①首長任命による新教育長、②首長の教育大綱制定権、③総合教育会議(首長と教育委員との協議体) の3つが新しく加わりました。以上のことから、次の点でお尋ねいたします。1つは、これまでの現行制度と同様に、教育委員会の自主性・独立性・中立性が保たれるのか。その上で現状として、教育委員会は、次のような活動がどのようにされているのか。①教育委員が直接、住民の要求をつかみ、行政チェックする。②教育委員会が活動するための条件整備としての会議の公開、教育委員の待遇改善や支援。③憲法と子どもの権利条約を生かす活動が、具体的にどのように進められているのか、お尋ねいたします。
答弁 教育委員長代理 飯田泰雅
青柳議員のご質問にお答えいたします。今回の、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が、平成27年4月1日に施行され、新教育委員会制度が導入されることになっております。その概要といたしまして、4つの改正ポイントがございます。まず1点目は、教育委員長と教育長を一本化した新「教育長」の設置でございます。今まで教育委員会の代表者といたしまして、非常勤の教育委員長と、具体的な事務執行の責任者、また、事務局の指揮監督者といたしまして、常勤の教育長が任命されておりましたけれども、責任の明確化を図るために一本化され、新「教育長」として教育委員会の会務を総理し、代表することとなっております。経過措置いたしまして、平成27年4月1日現在におきまして、在任中の教育長は教育委員として任期満了するまで、またもしくは自らが退任するまで、現行制度の教育長として在職いたし、教育長が任期満了、もしくは退任した時点で、自動的に現在の教育委員長職は失職ということになります。2点目は、教育長へのチェック機能の強化と会議の透明化でございますけれども、新「教育長」により会議が招集され事務執行がされますけれども、教育委員によるチェック機能の一層の強化が図られることになっております。3点目につきましては、全ての地方公共団体に「総合教育会議」を設置することでございます。総合教育会議は首長により招集され、構成は首長と教育委員会でございます。教育行政の大綱の策定や教育の条件整備など重点的に講ずべき施策、児童・生徒の生命・身体の保護等、緊急の場合に講ずべき措置を協議することになっております。4点目は、教育に関する「大綱」を首長が策定することでございます。大綱とは教育の目標や施策の根本的な方針でございますけれども、総合教育会議におきまして、首長と教育委員会が協議・調整を尽くしまして、首長が策定することになっております。そこで、ご質問にございました、教育委員会の自主性・独立性・中立性が保たれるのかという質問でございますけれども、政治的中立性の確保といたしまして、教育委員会は引き続き執行機関としての役割を担い、総合教育会議で首長と協議・調整を行いますけれども、最終的な執行権限は教育委員会に留保されておりますので、自主性・独立性・中立性はこれまでどおり保たれることになります。また、教育委員会の活動といたしまして、1点目、教育委員会が直接、住民の要求をつかみ、行政チェックする活動はとのご質問ですけれども、各教育委員は教育関係団体や学校訪問等々での意見交換を行い、地域、町の声を教育委員会の会議等において反映するとともに、執行方法等につきまして意見、確認をしているところでございます。2点目といたしまして、教育委員会が活動するための条件整備として、会議の公開、教育委員会の待遇改善や支援についてでございますが、教育委員会の会議は随時傍聴可能でございます。待遇につきましては、特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例において定められ、現在月額報酬において、情勢に応じて随時改正されているところでございます。支援でございますが、各種研修のほか、町独自のテーマを持った研修も実施しておりまして、情報収集や教育委員としての知識の習得に努めるための予算措置がなされております。3点目といたしまして、憲法と子どもの権利条約を生かす活動が具体的にどのように進められているかでございますが、憲法においては国民の権利及び義務、子どもの権利条約においては「生存の権利」、「発達の権利」、「保護される権利」、「参加する権利」として保証されているところです。その考えのもとで、執行方針でもお示しいたしておりますように、教育環境の整備や安全安心の確保、いじめ・不登校等の指導、また体験活動の機会の充実、学力・体力の向上等々を図っているところでございます。[飯田泰雅教育委員長代理 降壇]
質問 青柳茂行
教育委員長代行の答弁、私の求めていた自主性・独立性・中立性について、ほぼ期待していた答弁が返ってきたんじゃないかなというふうに思っております。その上で再度確認したいと思います。おおむね答弁の中で答えられている点でございますけれども、今回、教育委員会制度の改革によって、新たに首長、新得町で言えば町長に新「教育長」、これの任命権、それから大綱を作成する権限といいますかを与えられたというところが特徴なのかなと思います。その上で、首長に権限が与えられたということはひとつあるんですけれども、では教育行政に関する決定権、最終決定機関はどちらにあるのかという点、ここを再度確認したいと思います。それで、昨年の7月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律についてと、通知が文科省から各行政区に配布されております。ここに都道府県知事、それから都道府県教育委員会、指定市長、指定都市の教育委員会の殿と書いてあるんですけれども、恐らく各市町村にも配布されているのではないかなと思うんですけれども。私が聞きたいのは、まずは最終決定権、それからチェック機能の強化の問題、それから透明化について、再度お尋ねしたいと思います。それで、この通知によると、まず教育委員会委員による、教育長に対するチェック機能の強化となっています。今の教育委員長代理の答弁にもチェック機能のことを申されておりましたけれども、ここには改正後においても教育委員会は合議制の執行機関であるため、その意思決定は、教育長および委員による会議において、出席者の多数によって決せられるものであり、委員の役割が引き続き重要なものであるということで、教育委員会の在り方の問題というのが、1つ述べられております。それから、チェック機能でありますけれども、「教育委員会の委員による教育長のチェック機能を強化するとともに」となっています。ということは、教育委員が教育長に対してチェックするというふうに、この通知では言われているわけですね。ですからその点で、ここで申し上げたいのは、さきほどの答弁の中で教育委員の研修も行われているということですけれども、いわゆる非常勤の教育委員のかたがなかなかチェックすると言っても、これは結構いろんな知識とか、情報とか、そういうのがかなり必要になってくるんじゃないかなと思うんですね。そうなってくると、やはり力をつけるといいますか、それにふさわしい研修というものをもっと強化していく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。その点、どのように進められていくのかということを1つお聞きしたいなと思います。それからあと、会議の公開制であります。傍聴制度を引いているということで、これは本当にたいへん結構なことだと思うんですけれども。もう1つ、会議の議事録が一体どうなっているのかなということです。それから、それがホームページ等その他で、議事録として残されているのかどうなのか。この点、お尋ねしたいなと思います。それからもう1つ、今回、町長が大綱を作成するというふうになっております。それでこれは、今回町長の権利として大綱が作成されているんですけれども、さきほどの最終決定権が教育委員会にあるという点と、町長のほうに決定権があると。どちらかといえば矛盾点を感じる点なんですけれども、この辺がどうなっていくのかという点をちょっとお尋ねしたいと思います。一般的に教育行政というのは、大きく分けて3つに分けられるというふうになっているようです。1つは、教育委員会の権限に属するものというのがあります。教育委員会の権限に属するものというのは、教科書の採択、それから学校の教育課程の編成、学習指導、生徒指導等、それから教職員、教育委員会の事務局職員の人事、生徒・児童の就学、入学、転学等、これが教育委員会の属するものというふうになっております。それから、首長の権限に属するものというのが、大学、私学、それから教育財産の収得、処分、契約、それから予算の執行です。これが町長に与えられている権限であります。それからもう1つ、教育委員会と首長の両方に権限がまたがっているもの、これはここに書いてあるのみでいえば、少人数学級の推進、それから学校統廃合などの教育委員会の権限に属するもの、それから新たな予算編成、予算の執行は町長でありますけれども、予算の編成というものはお互いに相互にあるというふうになっています。ですから、教育委員会制度が改革されましたけれども、この3つにまたがっているものは変わっていないということです。ですからそういう意味で、今回、その辺で大綱が策定されたわけですけれども、この通知の中でもこの大綱について述べられております。例えば、首長が教育委員会と調整のついていない事項を勝手に大綱に書いても、教育委員会はその部分の尊重義務は負わないと。教育委員会の判断で大綱と別の執行を行えるということですね。ですから、協議されていないものは、たまたま独自に書かれているものというか、描かれているものというのは、教育委員会としては尊重する必要はないというふうにも描かれております。法律では教育長、教育委員に大綱に異を用いることが求められているのが、首長が独自に書き込んだ大綱については、その限りではないというふうに、ここは明確に区別がされているわけです、この通知では。その辺のところ、はっきり線が引かれていますので、その辺も1つ確認したいなというふうに思っております。さきほどの行政のチェック活動、それから委員の待遇改善について、ちょっとお尋ねしたいと思うんですが。行政チェック活動は、ルールは教育委員長代理から述べられたとおりだと思うんですけれども、報酬についても今の報酬が新得町でいえば妥当なんだろうなと思うんですけれども、例えば長時間勤務というか、そういうふうになった場合はどうするのかな、そういうケースはないのかどうなのか。それから、場所によっては、教育委員の皆さんが仕事をしやすいように、自分の机とか、それからパソコンを用意されているところもあるというふうに聞いております。新得町については、パソコンはないというふうに、この間木村課長に伺ったんですけれども、その辺のところが、本当に必要ないのかどうなのか、再度確認したいなというふうに思っています。
答弁 教育長 斉藤仁(教育長は2016年6月まで)
お答えいたします。新たな教育委員会制度におきましては、首長は新「教育長」の任命責任を問うとともに、新たに総合教育会議を設置し、教育委員会と協議、調整して、教育に関する総合的な策を大綱で策定するなど、協議制による首長の役割を明確にしております。一方、教育委員会におきましては、引き続き合議制の教育機関として残され、執行権限も変更されていないことから、最終的な決定権限は教育委員会に保留されております。総合教育会議におきましては、町長と教育委員会が、教育委員会の権限に属する事務について、町長の権限と一応図りながら、連携して推進するために設けられております。このことによりまして、町長と教育委員会の意思の疎通の円滑化、総合連携の推進、町民の意見を反映した教育行政になるものと考えております。次に教育長に対するチェック機能の強化と、会議の透明性の関係でございますけれども、新制度におきましては、新「教育長」の判断によりまして、教育委員会への迅速な情報提供や、会議の招集が実現されておりますけれども、教育委員によるチェック機能の強化のために、教育委員の定数の3分の1以上の会議の招集の請求や、教育長に委任した事務の管理や執行状況の報告の起点につきましては、チェック機能の強化から設けられております。また、会議の透明性を図るために、これまで教育委員会の傍聴や会議録の作成、これについては作成しておりますけれども、ホームページ等では公表しておりませんので、これにつきましては、今度検討していきたいというふうに考えております。次に教育委員の研修の関係でございますけれども、これにつきましては、今後、必要に応じて実施していきたいというふうに考えてございます。次に大綱の関係でございますけれども、総合教育会議におきまして、首長と教育委員会が協議、調整をして、首長が大綱を策定することになりますけれども、それぞれに基づき、町長と教育委員会がそれぞれ所管する事務を執行することになります。次に教育委員の待遇改善でございますけれども、非常勤の職員ということで、長時間勤務はないのかなというふうに思ってございます。机ですとか、パソコンなどということのお話しもありましたけれども、これにつきましても、今後、教育委員会の中でも話をしていきたいなというふうに思ってございます。以上でございます。
質問 青柳茂行
現行の教育委員会が大きく変わるということでなくて、自主性・独立性・中立性が、今後保たれるということですけれども。私、一番大事な点は、やはり教育委員会の自主性・独立性、これをいかに発揮してもらうかということが、町民から信頼される教育委員会なんだろうなと思います。さきほど大津市のことを言いましたけれども、やはり教育委員会とか学校ぐるみで隠ぺい体質といいますか、いじめ事件が大きく発展してしまったということについては、やはり教育委員会の自立性といいますか、そういうものが相当欠落していたのでないかということも伝えられております。そういう意味で、教育委員会の存在意義を示すという点からも、今言った独立性・中立性・自主性、これはもう本当に貫いていただきたいなというふうに思います。新得町の教育委員会はそうだということでなくて、一般論として申し上げているんですけれども。その上で、現行の4月から実際に教育改革が施行されるわけですけれども、現在の新得町の教育委員会の、いわゆる教育長の任期の問題とか、そういうものが今後どのようになっていくのかという点と、それから条例とか規則とか、そういうものがどのように変わっていくのか、その点だけ、ちょっとお尋ねしたいと思います。
答弁 教育長 斉藤仁(教育長は2016年6月まで)
お答えいたします。教育行政の組織及び運営に関する法律の改正内容を踏まえまして、関係規定の改正に向けた作業を行っておりまして、新制度を円滑に導入するため、準備を進めているところであります。4月からは新しく「総合教育会議」を設置して、大綱の策定をするわけでありますけれども、これにつきましては、条例等の改正はありません。新制度には教育長に関する経過措置が置かれておりまして、現に現職の教育長は、その教育委員の委員としての任期中に限り、在職することとされております。教育長の任期満了や辞任のときに新制度に移行されますので、その時点で関係条例や規則の改正を行うことで考えております。以上でございます。[青柳茂行議員 降壇]