士別市議会 令和6年第4回定例会 2024年12月10日
訪問介護サービスにおける介護報酬改定後の影響は
2024年12月10日、士別市議会の一般質問で、佐藤正議員が「訪問介護サービスにおける介護報酬改定後の影響は」について質問し、健康福祉部長 東川晃宏が答弁しました。
- 質問者
- 佐藤正 議員
- 答弁者
- 健康福祉部長 東川晃宏
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 8番 佐藤正
次の質問に移ります。訪問介護サービスにおける介護報酬改定後の影響はということで質問をいたします。今年4月から介護報酬が改定され、今回の改定では訪問介護の基本報酬が2から3%引き下げられました。訪問介護は要介護状態となった場合において、その利用者が可能な限りその居宅において有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、生活全般を援助するサービスで、身体介護、生活援助、その両方がケアプランの合意に基づき提供され、在宅生活を根本で支える、なくてはならないサービスです。今回の介護報酬改定で、訪問介護は他の介護サービス事業所より高い利益を上げているという厚労省の調査を根拠に基本報酬を下げることが提示されました。しかし、国会審議では同じ調査で訪問介護事業所の約4割が赤字状態にあることが分かっています。昨年11月20日の北海道新聞電子版では、2018年以降、夕張市をはじめ6市町村の社会福祉協議会が訪問介護事業所を廃止しています。超高齢化社会で自分らしい生活を送るために、訪問介護は必須のサービスです。介護度の高い方、認知症の方はヘルパーさんなしでは在宅生活が成り立ちません。ヘルパーさんは、できるだけ自宅で過ごしたいという利用者の思いに寄り添った支援を行う存在で、在宅生活を支援する国の方針にも欠かせない事業です。また、自宅で過ごす上でできることを自分で行い、できないところの支援をすることを繰り返す中で、利用者のできることも増えることがあったり、生活の意欲が生まれたり、その人らしい生活を続けていく支援を行っている側面にヘルパーさんは貢献しております。在宅生活を支える根本とも言える訪問介護事業所の撤退は、より一層介護難民を生み出すことになりかねません。介護報酬引上げの再改定を早急に実施しないと、事態はより深刻になります。本市の訪問介護事業所数とヘルパー数、利用者数、経営状態を教えてください。事業所がなくなると、在宅で必要な介護が受けられず生活ができないことにつながります。在宅医療の前提も崩れてしまいます。道内の訪問介護事業所を市町村別に見ると、既に事業所がないゼロ市町村は14、1事業所の市町村は65、2事業所の市町村は39。こうした地域での閉鎖は深刻です。介護職員不足も深刻です。人材確保ができていない事業所は3割と言われています。訪問介護員は80%が女性で、平均年齢は50.5歳です。今後、介護職員が少なくなれば、事業の存続、拡充はできません。本市の訪問介護の課題、考え方をお聞きいたしまして、この質問を終わります。 (降壇)
答弁 健康福祉部長 東川晃宏
ただいまの御質問にお答えします。初めに、訪問介護の事業所数と訪問介護員、いわゆるヘルパーの人数についてです。事業所数については、市が事業所指定を行う基準該当サービス事業所を除き、北海道の指定を受けた3事業所がサービス提供を行っています。事業所ごとのヘルパーの人数は、1つ目が常勤3人、非常勤5人の計8人。2つ目が常勤2人、非常勤5人の計7人。3つ目が常勤4人、非常勤3人、計7人。合計では、常勤9人、非常勤13人、計22人となっています。次に、利用者数のお尋ねがありましたが、5年度5月から10月までの数字で申し上げますと、5年度は1,722人、6年度は5月から10月で1,961人となっているところです。次に、経営状況についてです。訪問介護の報酬改定後の給付費への影響は、本年4月から9月までの提供分と前年同期を比較しますと、利用者の増加に伴い提供件数、日数、給付費は全て増加していますが、1件当たりの給付費では1,276円、1.25%の減、一日当たりの給付費では251円、4.61%の減となっています。事業所への聞き取り調査を行った結果、2つの事業所では利用者の減少や報酬改定の影響を受け収支が悪化しているとのことで、特に報酬が高い身体介護が大きな影響を受け、昨年の同月比較で10万円以上の減収となる場合もあると伺っているところです。一方で、収支が改善した事業所もあり、要因としては報酬の高い身体介護の利用者増加により安定した収入が得られるようになったとのことですが、役員報酬の削減や人員確保のために資格保有者の待遇を改善するなど、報酬改定によるものではなく事業所の経営努力によるものとなっていると伺っております。全ての事業所からは、訪問介護の減額改定に加えて処遇改善加算の算定はできますものの、該当する職員の人件費等をより多く支出することとなり、事業所の収益は上がらないとの苦しい現状も伺っております。最後に、訪問介護の課題などについてです。在宅生活を支える訪問介護は、生活習慣が異なる高齢者のニーズに対応した家庭内において、一対一でサービス提供を行うことから適応力のある人材確保が必要となります。また、初任者研修などの資格取得も必要な職種でありまして、人材確保も重要です。今回の聞き取りでも、一番の課題は人材確保であるとの回答であり、安定した人材確保には全産業平均の賃金を下回る介護職種の処遇改善や、ICT機器の導入などによる省力化など介護業種の魅力アップを図ることが必要だと思います。訪問介護のみならず深刻なこの介護人材不足に対応するため、今年度から実施している介護従事者確保緊急支援事業などを通じて人材の確保・定着に資する取組を進めますとともに、事業所と意見交換を行うなど連携を図る中で、継続したサービス提供が行えるよう努めてまいりたいと存じます。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)
再質問 8番 佐藤正
再質問をさせていただきます。今後、数年間は高齢者が増える傾向にあると思います。利用者数も増えてきておりますので、その傾向はあると思います。介護を受けられない状態に陥るのではないかと心配しているところです。介護保険料を払っても介護を受けられないということのないように、介護事業所、ヘルパーさんの確保に全力で取り組んでいくとともに、何らかの援助も必要ではないかと思います。先ほどもお話ありましたけれども、介護保険事業所からは常時募集をかけても集まらないという声も聞かれております。また、ある事業所では役員報酬を下げて、その分をヘルパーさんに還元している事業所もあると聞いております。本市の介護現場で働く人への支援制度はありますが、訪問介護の人は該当にならないということで、市からの援助も欲しいという声も聞かれております。訪問介護における具体的な市の援助の方法が、今実施されているものがあればお聞かせください。
答弁 健康福祉部長 東川晃宏
お答えさせていただきます。私たちのほうでも、介護人材の不足が深刻化しているという現状の認識の下、これまでも取り組んでいました、例えば研修を受けるときの貸付金でありますとか、事業所が研修する際の補助ですとか、実習生を受け入れるときの補助ですとか、そういったこれまで取り組んできたことに加えて、先ほど答弁で申し上げましたように、従事者確保の緊急支援事業のほうを実施して支度金ですとか家賃補助ですとか、再就職の支援とかといったことに取り組んで介護人材を一人でも多く確保できるようにということで取り組んできたところであります。今回、具体的には訪問介護に市からの援助をということでございますけれども、基本的にこの介護保険の事業所の在り方としては、サービス運営に係る部分、例えば建物や人件費等については基本的には介護報酬で担っていくというのが制度持続的な観点からも必要だと思います。その一方で、眼下の現状を見ますと、例えば老人保健施設協会などが発表しているところでは、24年の春闘の平均の賃上げは5.1%であったのに対して、介護職員のほうは2.52%にとどまっているということで、ただでさえ全産業平均を下回っているこの現状下において、さらに介護現場のほうが安くなり、価格差が広がっていくような現状が懸念されているところでもあります。市からの直接の補助ということは、報酬で賄うという点からいきますと、とても難しいこととは思いますけれども、今回国が出しています補正予算の中に、介護事業所の職場環境改善に向けて新たに補助金を創設して交付するということを打ち出しておりまして、現在その補正については審議をされているものと思います。もしもそういった補正予算のほうが通りましたら、来年早々にもそういった事業所のほうに御案内をされると聞いておりまして、これはもう訪問介護に限らず介護保険で処遇改善を行っているところ、加算を受け取っているところが対象となるということでもありますので、そういったような制度なども活用していただきながら介護現場で働く方の待遇の改善につなげていくことがいいのかなと感じているところです。以上をもって、答弁とさせていただきます。