士別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月13日
手話条例制定について
2023年9月13日、士別市議会の一般質問で、加納由美子議員が「手話条例制定について」質問し、市長 渡辺英次が答弁しました。
- 質問者
- 加納由美子 議員
- 答弁者
- 市長 渡辺英次
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 5番 加納由美子
通告に従いまして質問いたします。手話条例制定について。士別市は、平成26年に手話言語法(仮称)の早期制定を求める意見書を議会で可決しています。その後、市議会において平成26年に谷口議員、28年に遠山議員が手話条例について質問されています。28年の回答は、当時の福祉部長が、道の手話以外のコミュニケーションを含めた手話言語条例の制定を見て、手話に特化した条例とすべきとの要望を受け、本市においても手話を使用しない聴覚に障害のある方が多い、今後も北海道の動向にも注視しながら、本市における条例の在り方について、検討、協議を行っていく必要があると考えますとあり、この間9年の検討、協議はどのようになっているのでしょうか。その後、平成30年に道の条例は、手話言語条例(正式名称北海道言語としての手話の認識の普及等に関する条例)と、意思疎通支援条例(正式名称北海道の障害者の意思疎通の総合的な支援に関する条例)の2本立てで構成されています。まずは、手話条例が士別市においても必要であるとの提案理由について述べます。手話が言語であると認められたのは、第61回国連総会決議で、障害者権利条約が採択され、日本においては平成20年に批准、発行となりました。日本は、権利条約の水準に国内法制を合わせる法整備がなされました。障害者基本法の改正や障害者総合支援法の制定等もあり、手話に対する差別や偏見は改善されてきました。過去、ろう者と支援する仲間の歴史を考えたとき、昭和38年に京都で初めて手話サークルがつくられました。手話を使う人を理解したい、よき友人となり、共に社会の差別や偏見と闘う仲間の輪が広まるきっかけとなりました。瞬く間にボランティア団体、手話サークルが全国各地で立ち上がりました。その後、ろう者を主人公とするテレビや映画が配信されるたびに、幾度かの手話ブームを経て、手話やろう者への理解は深まりました。手話は、特定の意味、概念等を手、指、顔の表情等により表現する独自の体系を持つ言語であり、聴覚障害者が自ら生活を営むため、大切に育んできた文化的財産です。士別市では、手話通訳派遣を依頼するときは、事前にろう者または会合の主催者が福祉課に申請します。急な派遣依頼に、現状では手話通訳登録者の仕事の都合や登録者5人では対応に限界があります。手話を言語としての認識を普及させ、聴覚障害者が手話を習得する機会の確保は重要です。言語としての手話の認識の普及等の施策としての実現を求めるものです。ろう者の9割は聞こえる親を持つと言われています。医学の進歩により、生まれたときから全く聞こえない人は減っておりますが、母語は手話と自認し、アイデンティティーを持つ人の多くは、家族と離れた寄宿舎生活をしてきました。教師からは手話を禁止され、講話だけの説明で内容が分からない授業を受け続けた事実があります。差別と偏見が根強い時代を生きてきたろう者たちと、支援者と呼ばれる私たちは、現在、手話が音声言語と同等であり、手話は言語と認められたことに大変うれしく感じています。私と同年代のろう者の方は、若い頃、喫茶店で友人と話をするときに、テーブルの下か、ほかの人から見えないように小さく手話をして会話をしたといいます。手話で会話をしていると、じろじろ見られたり、差別的な態度を取られた経験が何度もあるからだそうです。家族や自分の病気等の人生の重大な局面においても、詳しく説明されることはなく、医師は聞こえる家族に向かい説明をして終わりという場面が最近でもあると聞きます。運転免許を持ち、自由に移動し、生きることの喜びを満喫しているように見えても、交通事故を起こしたとき、トラブルに巻き込まれてしまったときは、警察や周りの人は、聞こえる人の話を聞きがちです。現場で双方の話を平等に聞くとはならない場合が多いものです。不測の事態が起こると突然ろう者は不利な立場となります。ろう者といってもいろいろな人がいます。弁護士や医師の資格を持ち、社会で活躍している人も多くいます。一方で、難しい言葉や長い文章が苦手で、自分の生活の中で、何が差別であるか、どのように改善すると自分らしい人生を送ることができるのかについて、うまく説明するのが苦手な人もいます。災害が少ないと言われていた士別市においても、ブラックアウトがあり、近年、毎年全国のどこかで起きる、昨日のような大雨や台風、爆弾低気圧等、今まで経験したことのない規模で、いつ何が起きてもおかしくない時代に入ってきました。市内に住むろう者の方は、電子機器を活用し、快適な生活を送っていても、停電が長時間になり、スマホの充電がなくなると情報を入手できません。暗闇では手話を読み取ることもできず、孤独感が一層増すことは想像に難しくありません。現在の状況で避難所が開設されると、音声言語により、皆が入手している情報をろう者が得る方法はボランティア頼りとなります。ボランティアは、できる範囲で無理なくというのが原則です。士別市の条例で、聞こえる人と同等の情報を得るのは、聞く権利と明記すべきです。災害が起きてから、ろう者の人権や差別を訴えるのでは遅いのです。聞こえる人と同じ情報をろう者の方々は自分に分かる言語で入手することを国が認めています。問題は、その情報が広まり、浸透していないということです。手話を広く浅く普及し、挨拶程度の手話を覚えている人が多くいることは重要です。士別市内に在住している人ばかりのためではなく、旅行の途中でけがや病気になる場合もあります。時代は変化しました。現在は道内において、ろう者が生活されていないまちにも手話条例があります。士別市においても、私たちの無意識の中にある差別意識や偏見をなくすための条例として明記し、理念としての手話言語条例の制定を提案し、市のお考えを求めたいと思います。今までの市議会での議論を踏まえて、当然協議が進められていると思いますので、改めて市のお考えを伺います。 (降壇)
答弁 市長 渡辺英次
加納議員の御質問にお答えします。初めに、手話条例の検討、協議についてです。市では、聴覚障害者やその支援者の皆様と、手話や要約筆記の普及、技術の向上、さらには支援の充実等を目的に、毎年意見交換会を開催しています。意見交換の中では、支援者を対象とした手話通訳と要約筆記の登録者応用講座や、市民手話講習会の開催に関すること、本年度に見直しを図った意思疎通支援事業などへの御意見もいただいているほか、手話言語条例に関しても、北海道や他市の状況等の情報共有を行ってきたところです。次に、手話言語条例の制定についてです。市では、これまでも手話に関して、登録者応用講座や市民手話講習会をはじめ、上川北部8市町村が主催する上川北部広域手話奉仕員養成講座の市民周知のほか、福祉課では朝礼に手話を取り入れるなど、普及と技術向上に努めているところです。また、現在策定中の次期障がい者福祉計画では、議員のお話しのありました手話通訳登録者を現状の5人から、令和11年には7人を目指すことで支援の充実に努める考えです。条例化の状況は、全国ろうあ連盟の資料によりますと、本年7月現在で全国の498自治体、道内では30自治体が制定し、手話を一つの言語とする理念の下、手話の普及や使いやすい環境づくりに取り組んでおり、多くの自治体で条例化が進む現状を見るときに、本市においても手話を言語の一つとして位置づけることは大切と考えています。国においては現在手話言語法案が継続審査中であり、原案のとおり法律が公布された場合には、市町村に新たな責務や計画策定の努力義務が課せられるなど、条例への影響も考えられることから、この法案の行方を見極めつつも、条例化に向けた規定内容の検討と関係する方々や機関とも協議をし、制定の準備を進めてまいります。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)