みんなの議会

士別市議会 令和2年第1回定例会 2020年3月4日

本市における介護従事者の確保について

2020年3月4日、士別市議会の大綱質疑で、十河剛志議員が「本市における介護従事者の確保について」質問し、介護保険課長 青木秀敏、健康福祉部長 田中寿幸、畜産林務課林務管理監 鶴岡明浩が答弁しました。

質問者
十河剛志 議員
答弁者
介護保険課長 青木秀敏、健康福祉部長 田中寿幸、畜産林務課林務管理監 鶴岡明浩

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 14番 十河剛志

次に、本市における介護従事者の確保について質問いたします。国は、人生100年時代において、介護は誰もが直面し得る現実かつ喫緊の課題で、住宅、施設サービスの整備の加速化や介護休業を取得しやすい職場環境の整備など、これまでも介護離職ゼロに向けた重層的な取り組みを進めています。介護人材を確保するため、2017年度予算においては、介護職員について経験などに応じて昇給する仕組みをつくり、月額平均1万円相当の処遇改善を行うなど月額4万7,000円の改善を行いました。また、昨年10月の消費税引き上げに伴い、介護サービス事業所における勤務年数10年以上の介護福祉士について、月額平均8万円相当の処遇改善を行っています。介護事業所の経営努力も相まって一定の改善が図られているものの、依然として他の産業や職種と比較し、賃金水準が低く勤務年数が短いという面があり、人手不足の分野となっています。国の第7期介護保険事業計画の介護サービスの見込み量などに基づき、追加に必要とされる介護人材は2020年で26万人、2025年で約55万人とされています。また、東京リサーチによると、人手不足などの影響で老人福祉介護事業の倒産件数は2016年から毎年100件台と倒産が高どまりしています。本市においても施設はありますが、介護従事者がいなく稼働できない。また、市内の施設に入所できないなどの声が多く聞かれます。市内の介護施設等などの稼働状況や募集状況、入居できずに待っている方などの状況がわかる範囲で教えていただけますか。介護保険料を支払い、いざ必要とされるときになって、必要なサービスを受けることができなくなるのではないでしょうか。そうならないように、本市でも介護従事者の確保に向けてさまざまな支援策を行っております。介護人材の確保の取り組み内容と実績をお知らせください。人材不足に対して、国が進めるロボット、AI、外国人材などには新たな投資をしていく必要もあると考えます。どのように考えているか、お知らせください。今後も介護従事者の確保には、他業種との賃金格差を埋めるような処遇改善加算や職場環境整備が必要と考えますが、本市のお考えをお知らせください。また、全国で老人福祉介護事業者の人材不足と人件費の上昇などで倒産が相次ぐ中、過去に平成21年に施行した中小企業金融円滑法などの金融支援で、平成22年度は倒産件数が減少した経過もあり、本市として老人福祉介護事業所に対し、運転資金を確保するような施策をとれないのでしょうか。昨年10月に士別市社会福祉協議会が中心となり介護事業所説明会を行ったところ4名の方が参加しました。少ない参加者ではありましたが、そのうち1名が就業につながったということなので、今後もこのような説明会を各事業所と協力して市内外で行いながら、少しずつでも介護従事者の確保につなげる努力が必要と考えます。本市も各事業所とは人材確保に向けた検討会を開催し、市の考えを説明するなど意見交換を行っています。さらにアンケート調査も行って市内事業所の意向も把握していると思います。今後も各事業所と連携して介護従事者の確保に向けた施策を行い、いつまでも士別市内で安心して住み続けられるようにお願いしたいと思います。最後に、今後の老人福祉介護事業に対する本市の考えをお聞きして質問を終わります。

答弁 介護保険課長 青木秀敏

私から、介護施設の稼働状況、それから介護人材確保の取り組みの内容、実績、それから人材不足を補うロボット、AI、外国人などの関係、それから職場の改善、環境改善の取り組み、それから運転資金の関係といったところで答弁をさせていただきたいと思います。初めに、直近の施設の待機状況についてですけれども、特別養護老人ホームで118人、介護老人保健施設で18人、介護付き有料老人ホーム等で29人、住宅型有料老人ホーム等で11人、グループホームで11人で、合計で190人となっていますが、これにつきましては、複数の施設に入所申し込みをしている方、それから既に施設に入所されている方もおりますことから、実数はこれよりも少なくなるものと考えております。また、入所定員に対する介護従事者不足などによりまして、受け入れ中止などを行っているものが30床程度ありますけれども、そのほかについてはほぼ満床となっておりまして、高い稼働率で推移しているものと認識しております。先ほど申し上げました各施設の入所定員につきましては、合計で約570床程度ということになっておりまして、30床程度が休止となっている状況から、現在では540床程度が稼働可能なものと考えております。しかしながら、施設における介護従事者の不足、その解消には至っておりません。先ほどもお話し申しましたが、一部の介護老人保健施設ですとか、グループホームのユニットで受け入れの休止などを行っておりまして、当面、同規模程度での受け入れ状況になるものと見込んでいるところですが、今後、団塊の世代の方が75歳以上となりまして、介護施設サービスなどの需要が見込まれることから、状況が改善されるように介護従事者確保の取り組みを進めていくこと。また、それを支えるための在宅生活を支えるサービスなどにおいても、その状況を注視していく必要があるものと考えております。次に、介護人材確保の取り組みの内容と実績についてです。まず、介護従事者の新規就労支援事業につきましては、こちらは受講費用の貸し付けといったような内容になっております。こちらについては平成28年度から30年度までに実務者研修の受講者37人、初任者研修9人、こういった受講者に対して貸し付けを実施しているところです。また、そのうちの10人が既に介護福祉士の資格を取得しておりまして、その3人、ほかの3人が継続して、また資格取得のために学習中ということで伺っております。令和元年度におきましても、既に10人貸し付けを実施しているところです。次に、介護従事者の研修費の補助事業、こちらにつきましては法人に対する研修を開催したときの費用の助成ということで、平成30年度に2法人に対して助成を実施してきております。また、令和元年度についても、2法人からの補助申請を受け付けているところとなっております。申請のあった事業者におきましては、高齢者の虐待防止、それから認知症、メンタルケアなどのさまざまな外部の研修などを受講しておりまして、介護従事者の資質、それからサービスの質の向上などにつながっているものと考えております。それから、そのほかの事業として30年度から制度を導入しました、介護ロボット導入支援事業ですとか介護実習生の受け入れ支援事業、それから新規介護従事者就労支援補助金、それから令和元年度から取り組みを始めたものでありますけれども、介護事業所と学校法人が連携して実施する移住・入学制度については現時点で実績等ありませんけれども、新年度に実施が見込まれる事業もありまして、一歩ずつではありますが、事業の効果があらわれてきているものと考えているところです。次に、人材不足を補うロボット、それからAI、外国人の関係についてなんですが、人材不足を補うロボットやAIなどの活用につきましては、本市においても、30年度から介護ロボット導入支援事業ということで導入してきておりますけれども、現在、国においても、効果の検証段階にあること。また、導入費用が高額となるなど、市内の事業所において意見交換などで現時点で活用に対する相談、照会等については寄せられていない状況となっているところです。また、外国人人材の介護現場への導入につきましては、経済連携協定EPAによる介護福祉士候補者の雇用といったことや介護福祉士養成校を卒業した在留資格、介護というものを持つ方の人材の雇用、それから技能実習制度を活用した技能実習生の雇用、また、在留資格、特定技能1号を持つ人材の雇用といったことで、こういった4つの制度がありまして、制度前に人材に求められる能力ですとか、在留期間、在留資格が異なったものとなっています。市内事業所においては、29年11月に外国人技能実習生制度が拡大されたということで、介護職種の外国人技能実習生の受け入れが可能となったことを受けまして、複数の事業所で受け入れを計画しておりましたが、現地の送り出し機関と日本国内の受け入れ機関との調整が難航したことから、技能実習生の受け入れは現在まで行っておりませんが、継続して検討されておりまして、早ければ本年4月に外国人技能実習生1人の受け入れを行う予定である旨、事業所のほうから報告を受けている部分があったところです。次に、処遇改善加算、それから介護の職場改善の考えについてですが、他業種との賃金格差解消など、介護従事者確保のため、介護保険における特定処遇改善加算が実施されておりますけれども、市内事業所においても加算の申請などがされているところでありまして、通所の介護の事業所、それから訪問介護事業所、こちらにおいては未申請となっている事業所があるなど、各事業所において、その加算の対応の状況がさまざまなものとなっているところであります。また、職場環境などについても、各事業所により状況は異なっているものとなっております。それぞれの事業所で職員向けの住宅の確保がされているところですとか、各種手当、住宅の手当ですとか夜勤の手当、そういった手当の有無、それから金額など法人によってさまざまなものとなっております。こういったことから一律の加算ですとか、そういった環境改善はなかなか難しいものと考えておりますけれども、今後も事業所との意見交換、それからアンケート調査などを実施する中で、事業所の抱える課題ですとか状況把握に努めまして、その対応について調査・研究をしてまいりたいなと考えております。それから、事業所のほうの運転資金の関係でございますけれども、さまざまな法人が介護保険事業については参入されているといったところで、事業所の運営形態というのが、例えば株式会社であったり、有限会社、それから合同会社、NPO法人、社会福祉法人、医療法人社団などさまざまなものとなっております。そういった法人の形態によって設置される目的が異なっているというところもありまして、また、株式会社ですとか有限会社、合同会社におきましては、規模にもよりますけれども、中小企業に該当するものもあるということで、士別市の中小企業振興条例の運転資金の貸し付けの制度が活用できるものもあるものと考えております。また、社会福祉法人ですとか医療法人社団につきましては、独立行政法人の福祉医療機構の融資制度といったことで経営資金などを活用できるものもあると考えています。現在のところ、市単独での施策は検討しているところではありませんけれども、市内事業所におきましては、介護保険の事業所の指定申請の際や更新申請の指定の際に、法人の資産状況なんかを書類として添付することとなっておりまして、そういった決算書の提出をいただいている事業所がございます。そういったことから、そういった経営状況にあわせて、事業所からの相談を受ける際などについて、既存制度の活用の周知ですとか、検討が必要な事項については協議していきたいなと考えております。以上です。

答弁 健康福祉部長 田中寿幸(健康福祉部長は2022年3月まで)

私からは、個々の老人福祉介護事業に対する考え方についてお答えさせていただきます。介護事業者の確保につきましては、国でもさまざまな施策が検討されておりまして、外国人の雇用などにおいては年々制度の変更が行われているといった中で、全国的にも即効性のある介護人材確保にはつながっていない状況ということで、効果、検証には一定の期間が必要になるものと考えています。こうした中、本市においても、先ほど御説明申し上げたとおり、多くの事業を実施しておりますけれども、従事者不足数については横ばいの状況となっています。介護従事者の裾野を拡大するために、訪問介護事業所などの身体介護を行わない生活支援中心の事業所職員向けの生活援助従事者研修というのが30年度から創設されておりますが、事業所との意見交換におきまして、この研修の市内での開催、それから介護従事者新規就労支援事業としての拡大の要望がありまして、令和2年度において、訪問介護事業所等の従事者の確保も、この制度で支援していきたいと考えています。また、介護福祉養成校を卒業し、介護という在留資格を持つ外国人の雇用に関しましては、30年12月に東川町で設立されました外国人介護福祉人材育成支援協議会に令和2年度から賛助会員として参加して、道内の施設、求人状況、外国人雇用の動向などの情報収集を行いながら事業所と連携する中で検討を進めていきたいと考えています。今後も少子高齢化の状況から労働人口は減少していくということが懸念されておりますが、事業所との意見交換を通じまして、引き続き各事業所の状況、課題をしっかりと把握する中で関係機関と連携して必要な対策を検討してまいりたいと考えています。

質問 14番 十河剛志

3つ目に移りたいと思います。森林環境譲与税について質問いたします。森林環境譲与税が平成30年度、税制改正の大綱において、パリ協定の枠組みのもとにおける我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止などを図るため、森林整備などに必要な地方財源を安定的に確保する観点から、森林環境税及び森林環境譲与税の創設が決まり、森林環境譲与税は昨年から自治体への譲与が開始されました。あわせて市町村が仲介役となって、林業経営者と手入れが滞っている森林を結びつける制度で、林業経営者は管理する森林が増えて事業が効率化され、持続可能な開発目標SDGsにも森林保全が掲げられており、企業も市町村や林業経営者を支援するSDGs達成に貢献できる民有林の集約促進の追い風と期待される森林経営管理法も施行されました。森林環境譲与税の使途については、市町村は間伐などの森林整備を担う人材育成、確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備の促進を行い、都道府県は森林整備を実施する市町村の支援などに充てなければならないとされ、使途の公表についても、決算終了後、速やかに公表することが定められています。本市の森林面積は8万3,162ヘクタールで、総面積の74%を占めており、そのうち市有林は2,240ヘクタール。市有林を除く一般民有林は1万2,729ヘクタールとなっています。この2つの制度の活用をどのように考えておられるかお示しください。昨年、森林環境譲与税の設立に当たり、森林環境譲与税の活用に向けた基本方針を示されております。その中で人材育成、担い手確保では、北海道林業事業体登録制度に登録している事業者は8社でありますが、就業者の高齢化が進むとともに新規就労者の確保が難しい状況にあります。このため本市では森林整備担い手対策推進事業を活用し、地域の林業事業体及び北海道と連携を図りながら新規就労者の確保や通年雇用化の促進、就業環境の改善など、林業就業者の安定確保に向けた取り組みを進めますとあります。新規就労者の確保や就業環境の改善、林業就業者の安定確保は、どのように取り組みを考えておられるか、お知らせください。また、平成29年の議会でも粥川議員が、森林整備担い手対策推進補助事業の年齢構成と森林整備に当たる森林作業員は充足されているのか、とお聞きしておりましたが、今年度の対象予定者の年齢構成と森林作業員の充足はどのような状況なのか、お知らせください。本市は、多くの産業で人材不足を抱えており、ハローワークや広告による求人募集だけでは新たな担い手を確保することは大変厳しいのが現状であります。森林整備の担い手対策が進んでいる地域では、地域おこし協力隊制度を活用し、地域林業の担い手として森林施業等などの技術を習得し、将来的には森林従事者、森林施業プランナーなどとして活躍してもらい、また地域にない視点を持った外部人材として、木材、山菜等の地域資源を活用した新商品の開発、販路開拓などを担ってもらい、森林資源をベースにした交流企画立案を行ったり、都市住民とのインターフェイスとして活躍してもらえるような教育隊を育てていくことができれば、林業従事者の確保ができ、移住促進にもつながると思いますが、本市のお考えをお聞きして質問を終わります。

答弁 畜産林務課林務管理監 鶴岡明浩

お答えします。まず、森林経営管理法と森林環境譲与税の活用の考え方についてです。森林経営管理法の概要は、森林計画の対象となる私有林のうち間伐が行われていないなど、森林整備が適切に管理されていない森林について、市町村が経営計画を定め、山林の所有者より経営権を取得した上で、市町村または民間事業者に経営管理権を設定することにより、経営の効率化と森林管理の適正化を図り、森林の多面的機能の発揮を促進するもので、その財源は森林環境譲与税を活用するとされております。また、森林環境譲与税の使途につきましては、森林環境譲与税及び森林環境譲与税に関する法律では、議員お話のとおり、森林整備に関する施策、森林整備を担うべき人材の育成及び確保、森林の有する公益的機能に関する普及啓発、木材の利用の促進、その他の森林整備の促進に関する施策とされており、その使途の公表は、決算終了後、速やかに公表しなければならないとされており、本市につきましても、この制度に基づき適切な実施に努めてまいりたいと思います。今年度、国では各自治体に対し、森林経営管理法に基づく森林整備の取り組みを求めていることから、本市では市内を4地区に分割し、そのうち1地区をモデルとして、森林所有者への郵送による意向調査、調査後に現況調査及び所有者に対する提案書の作成などを実施することとし、その事業に係る経費として、委託料198万円を議会第3回定例会において計上したところです。その後、実施を進める中で、全ての地区の意向調査後に現地検査を実施することがより効率的に実施できることから、本年度に予定をしていた現地調査及び森林所有者に対する提案書の作成を取りやめるかわりに、全地域の意向調査を実施するとしたところです。また、意向調査につきましては、直営の実施が可能であることから、本議会において、意向調査に係る経費を除いた委託料の減額補正の提案を予定しているところです。次に、森林環境譲与税を活用した人材育成、担い手の確保についてです。まず、本年度における森林整備担い手対策推進事業の対策予定者の年齢構成につきましては、20代が3名、30代が3名、40代が9名、50代が7名、60歳以上が2名の合計24名となっており、平成29年第1回定例会において、粥川議員への答弁における平成29年度森林作業員就労予定者数は25名となっており、ほぼ同数と言えますが、新規採用では3社で5名となっていることから、事業体により雇用状況に差があるものと考えております。また、道が作成した平成29年度林業実態調査では、平成27年度調査に比べ、雇用者数及び年齢構想はほぼ同じであるものの、通年雇用者が増加していることから労働環境は改善されつつあると考えておりますが、大部分の事業体では労働者不足と回答しております。本市における担い手確保については、市内外を問わず広く募る必要があると考えておりますが、全道的にも人材不足であることから、作業環境や就労条件の整備など森林環境譲与税も活用した工夫が必要と考えております。また、本年4月に旭川市に道内初の林業専門学校である、北海道立北の森づくり専門学院が開校することから、卒業生は即戦力として大いに期待するものであり、卒業後の就労先として本市にも来ていただけるように対策を検討いたします。次に、地域おこし協力隊による活動につきましては、現在、上川管内で林業関係にかかわりのある地域おこし協力隊は当麻町と中川町で活動しており、主に森林ガイドや木育、商品開発などで活動していると伺っております。議員御提案の地域おこし協力隊の活用も有効な対策と考えておりますが、活動範囲が森林、林業全般となることから、林業関係者などの協力も必要と思われ、また、募集に当たっては森林林業の知識や技術の取得者など、一定の条件が必要かなど整理する必要があるものと考えております。以上です。

出典:士別市議会 令和2年第1回定例会 2020年3月4日 議事録 PDF(30ページ) 間違いを知らせる