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士別市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月10日

日米貿易協定について

2019年12月10日、士別市議会の一般質問で、西川剛議員が「日米貿易協定について」質問し、経済部長 井出俊博が答弁しました。

質問者
西川剛 議員
答弁者
経済部長 井出俊博

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。

質問 6番 西川剛

次に、総合的なTPP等関連政策大綱に基づく農林水産分野の対策の概要と本市における実施について伺います。国による影響額試算については、十分な国内対策を講じた結果、国内の生産量も農家所得も変わらないと国内対策の実施が試算の前提となっており、よって生産額減少は輸入農産物の競合による価格低下分のみとの考えに基づいて行われており、北海道もこの考え方を踏襲しているところです。この考え方については大きな疑義を持つところですが、一方では国の措置する対策事業をしっかり活用して体質強化を進めていかなければならないというのも現実です。これら対策については、平成27年11月25日に決定された総合的なTPP等関連政策大綱、この随時改定に基づき実施されていて、本市においてもこれまで事業が実施されていることと思いますが、今後においても市には万全の対応を求めるところです。そこで、国が示す対策事業の概要と本市においてこれまで実施している事業概要並びに今後の実施見込みについてお知らせください。この間の国による事業については、農業の体質強化を目的に、農地拡大を初めとする経営規模拡大、農業機械の高度化、高収益作物等の導入などコスト低減等に対し、また、新たな投資を前提としたものが多く、地域農業を守る、あるいは経営規模によらない営農の継続という視点があまりにも少ないと思います。生産額影響は、その作物を作付する全ての農業者に影響するものである一方、その対策事業がコスト低減等に向け投資のできる農業者に限定されているのは問題ありと考えます。その上で私は、現在の国の事業で言えば畑作物の直接支払交付金といった営農を直接支援する仕組み、こういった直接的な支援事業の拡充が望ましいと考えますが、経営規模によらず地域農業を守るといった視点において、今後の農業対策事業についての市の考え方、さらに、事業実現のためには農業者、生産者団体とも連携し、より一層国や北海道への働きかけも必要と思いますが、このことに対する見解を伺い、この質問を終わります。(降壇)

答弁 経済部長 井出俊博(経済部長は2021年3月まで)

ただいまの御質問にお答えいたします。初めに、協定発効による本市農業等への影響についてです。本年9月に日米首脳会談で最終合意、10月に協定書への署名が行われた日米貿易協定について、農林水産省は、日米貿易協定による農林水産物の生産額への影響について暫定版として試算結果を公表いたしました。農林水産省では、日米貿易協定の合意内容を踏まえつつ、早期の情報提供の観点から、これまで行ってきた算出方法により影響額を算出しており、具体的には個別品目ごとの合意内容の最終年における生産額への影響を算出し、この積み上げにより農林水産物の生産額への影響を試算しています。試算対象品目については、関税率10%以上かつ国内生産額10億円以上の19品目となっています。北海道においても国の算出方法に即し、国が試算対象とした19品目のうち北海道における生産額が1億円以上の13品目を試算対象とし、さらに、道内における生産額が大きいタマネギ、軽種馬を加えた15品目としています。試算結果として、協定発効による農畜産物の生産減少額は、全国で最大1,100億円、北海道では最大371億円と算出しています。本市においても、国の算出方法に即し、国が対象とした19品目と道が対象とした2品目を加えた21品目のうち、対象品目の作付及び飼養実績がある11品目を試算対象としました。試算の結果、主な影響額が見込まれる品目は、牛肉で約1億4,300万円、牛乳・乳製品で1億3,500万円、豚肉で3,700万円、小麦で約2,000万円となり、本市における生産額減少はその他の品目と合わせて最大3億4,000万円と算出しました。次に、関係機関との情報共有による試算、研究についてですが、昨年12月のTPP11の発効、本年2月の日EU・EPAの発効に続き、来年1月1日には日米貿易協定が発効される見通しですが、これらの協定発効による影響について、国・道は関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じるものの、体質強化策による生産コストの低減や品質向上及び経営安定対策などの国内対策の効果を見込み、国内生産量が維持されるものと見込んでおりますが、本市といたしましては、政府が講じる対策により国内生産が維持できるのか疑義を抱くとともに、長期的には農業所得や生産量に影響が生じるものと懸念しています。独自の方法により影響額が算出できないか関係機関と検討してまいりましたが、今後の消費動向が不透明なことや生産量や価格の変動が協定発効の影響によるものか判断できないことから影響額として算出することは難しく、現状としては輸入量や国内産価格の動向、市内における生産量や取引価格などを継続的に把握していくとともに情報収集に努め、影響について長期的に注視してまいります。本年の輸入量動向としては、財務省が公表する農産物輸入情報によりますと、本年9月末現在の輸入量は過去3カ年平均で比較すると、牛肉が8.4%、豚肉が7.4%、バターや脱脂粉乳などの乳製品が15%、小豆については68.5%の増加となっていますが、それ以外の米や小麦、ソバ、バレイショ、タマネギ、アスパラ、ブロッコリー、カボチャなどについては減少、大豆や砂糖類、でん粉はほぼ横ばいとなっているところです。牛肉や豚肉、牛乳・乳製品の増加は協定発効による影響のほか、在庫量の推移や需要の拡大など各種要因によるものと推測され、小豆の増加は平成28年の台風被害により在庫が減少したことに加え、昨年夏の低温などの影響により平成30年度産の収穫量が減少したことなどが輸入量増加の要因と考えます。次に、国内産価格の動向ですが、農林水産省が公表する農業物価統計調査によりますと、本年9月末現在の農産物の全国平均販売価格は、過去3カ年で比較すると、小豆は60キログラム当たり8,000円程度の価格増加となっていますが、それ以外の米や小麦、バレイショ、肉用牛、豚、生乳などはほぼ横ばいとなっているところです。今後は関係機関と連携し、市内における生産量や価格動向についても把握してまいります。次に、これまで実施している国内対策の実施状況及び今後示される国内対策の概要と本市での活用見込みについてです。これまで実施しているTPP等貿易協定に係る対策事業の実施状況ですが、主な事業として先進的な農業経営の確立に意欲的な担い手に対し、農業用機械、施設の導入を支援する担い手確保経営強化支援事業や意欲ある農業者の経営発展、産地の収益力向上などを後押しするための実質無利子化を措置する担い手経営発展支援金融対策事業のほか、施設整備や機械導入による地域の収益性向上を図る畜産クラスター事業などがこれまで活用している事業です。今後、総合的なTPP等関連政策大綱の改訂を行い、大綱に基づき国内対策が実施されるところです。日本農業新聞などによりますと、生産基盤の強化に重点を置いた大綱の改訂内容となっており、肉用牛の繁殖雌牛を増やす農家などを対象とした増頭奨励金の新設や畜産クラスター事業の利用条件の緩和のほか、条件不利地を含めたスマート農業導入の推進や堆肥を活用した全国的な土づくり対策などが報じられています。本市においてもこれらの国内対策について、農業者、関係機関などの動向をもとに、活用が見込める事業の効率的な実施に向け取り組みを進めてまいります。農業は安全で安心な食料を安定的に供給することに加えて、国土の保全、美しい農村環境の形成、伝統文化の継承など多面的機能の発揮を通じ、市民の暮らしの安全と向上に寄与する重要な役割を果たしています。日米貿易協定やTPP11、日EU・EPAにより農林水産物の価格低下などが懸念され、国内の農林水産業は新たな国際環境の中でこれまで以上に厳しい競争下に置かれることになります。農業を基幹産業とする本市において、地域経済、社会に甚大な影響を及ぼすことが懸念されることから、今後も引き続き輸入量の動きや国内需給、国産の価格動向などを注視してまいります。また、この間、国は経営安定対策として畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタ対策における本年産の麦及びてん菜の数量単価について、TPP11の発効を考慮した増額改定を実施したほか、令和2年産からのゲタ対策の交付単価の見直しに当たって、日米貿易協定やTPP11の発効に伴い生じる影響を考慮し、麦及びてん菜の交付単価に加算措置するなどの対策を講じていますが、本市としては、今後も北海道市長会や関係機関と連携を図り、さまざまな機会を捉えて本市農業の持続的な発展を図るための取り組みについて国・道などに強く求めてまいります。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)

出典:士別市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月10日 議事録 PDF(6ページ) 間違いを知らせる