みんなの議会

標茶町議会 令和7年第2回定例会 2025年6月3日

新規就農対策にとどまらない包括的な町の担い手対策が必要ではないかについて

2025年6月3日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「新規就農対策にとどまらない包括的な町の担い手対策が必要ではないかについて」質問し、町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚、副町長 牛﨑康人が答弁しました。

質問者
類瀨光信 議員
答弁者
町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚、副町長 牛﨑康人

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 11番 類瀨光信

通告に従いまして、2点お聞きします。まず1点目ですが、新規就農対策にとどまらない包括的な町の担い手対策が必要ではないか。経営環境の厳しさもあって、離農になかなか歯止めがかからない状況が続いています。酪農・畜産の持続的再生産を堅持できなければ、某研究所が言うように標茶町が消滅するという見立てが、より現実味を帯びてしまう状況です。よって、新規就農対策への期待というものは、いや応なしに高まっています。これまで、未婚者や非婚者でも新規就農者とするよう、さらには酪農、畜産以外の営農も認めるよう提案をしてきました。昨今の経営環境を考えれば、経営規模の制限の撤廃や兼業を認めることも必要ではないかと思います。小規模経営や兼業を認めることで、機械化が困難で生産性が低いとされる狭隘な農地を守ることにもつながるのではないでしょうか。一方、農業以外の業種でも事業承継や花嫁対策に課題を抱えていると思います。しかし、こうした問題に対応する組織はないという認識です。いまや担い手の確保は町全体の問題であることから「標茶町担い手育成協議会」と「ニューホーム推進協議会」を例えば統合して、業種を問わず未婚者のパートナー対策や新規就農、経営継承、事業承継、起業希望者とのマッチングに取り組んではどうでしょうか。

答弁 町長 佐藤𠮷彦

11番、類瀨議員の新規就農対策にとどまらない包括的な町の担い手対策が必要ではないかとのお尋ねにお答えします。初めに、これまで未婚者や非婚者でも新規就農者とするよう、さらには酪農・畜産以外の営農も認めるよう提案してきた。昨今の経営環境を考えれば、経営規模の制限の撤廃や兼業を認めることも必要ではないかとのお尋ねですが、町内での新規就農希望者の受け入れや認定につきましては、標茶町担い手育成協議会において議論をしていただいておりますが、現在は酪農・畜産以外の畑作についても基本的に受け入れしていくこととしております。また、未婚者等を新規就農者として受け入れるための検討も協議会で行っておりますが、国の新規就農支援制度において支援の対象にならない可能性があるケースについて、どう手当てするのかの研究を行っているところです。経営規模については、酪農では新規就農するに当たっては、就農先の施設や圃場の条件にもよりますが、担い手育成協議会で協議した結果、おおむね60頭程度で搾乳をしないと経営が安定しないと判断しているところです。小規模経営や兼業についても持続可能な経営計画を作成し、認定農業者として認定できるかどうかが判断基準とはなりますが、就農に当たって、初期投資をどう抑えることができるのかなど、いろいろなケースを想定し、新規就農者の希望や就農する牧場の施設要件などを考慮した上で判断していくことになると思われますので、ご理解をお願いいたします。次に、農業以外の業種でも事業承継や花嫁対策に課題を抱えている。しかし、こうした課題に対応する組織はない。いまや担い手の確保は町全体の課題であることから「標茶町担い手育成協議会」と「ニューホーム推進協議会」を統合し、業種を問わず未婚のパートナー対策や新規就農、事業継承、起業希望者のマッチングに取り組んではどうかとのお尋ねですが、商工業者の対策としましては、今年度よりGOGOチャレンジ支援事業に新たに事業継承支援のメニューを追加し、課題分析等のコンサルティング料、事業承継計画の作成、企業価値の算定といった経費を補助するという支援をすることとしております。また、商工会において親族内承継や企業内承継の機運醸成に資するセミナーの開催や、第三者承継に対する支援についても商工会と連携し、実施することとしております。農業者の対策については、担い手確保対策として標茶町新規就農者誘致特別措置条例に基づき標茶町担い手育成協議会を中心にその取組を展開し、事業承継に当たっては、国の補助制度を活用する対策を講じております。農業後継者パートナー対策につきましては、標茶町ニューホーム推進協議会設置要綱に基づき、現在は酪農に興味がある関西女性との交流をメインに取組を継続しておりました。ただいまご説明申し上げましたとおり、これまでは農業関係者、商工業関係者がそれぞれ対策を講じておりましたが、将来的にも人口減少が見込まれる中、現在の枠組みのまま対策を講じることが持続可能であるのか、あるいは効果的であるのかを検証する場面も必要であると考えており、今後、関係機関の意見を伺った上で、標茶町振興委員会などの場を活用し、新たな枠組みにより横断的な対策を講じることについても研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

質問 11番 類瀨光信

この質問の前段、要するに新規就農要件の緩和見直しの話をしたというのは、そこからもう随分時間が実際には経過しております。酪農・畜産以外の農業、畑作について受け入れることになったということ以外は、未婚者、非婚者、それから経営規模の見直し等というのは、まだまだ研究中で進んでいないと、そういう答弁なのかと思ったのですけれども、例えば、新規就農者の研修施設、農学校に新規就農を前提とした研修生が、今、皆無である。そういった状況を鑑みたときに、これは標茶町担い手育成協議会での議論というのは、もっと加速させる必要があるのではないかと思うのです。なぜかというと、人口減少も本当に勢いが止まらないわけで、その中で町としては移住対策とかいろんなことを進めているわけですけれども、新規就農自体は概ね移住だと思うのです。そういう意味では、そこのところ、あまり時間をかけてどんどんよそにそういう対象者を持っていかれるということにならないようにすべきだなと感じています。そして、協議会の中で検討した結果でありますので、そのことが良いとか悪いとかということを申し上げるわけではないですけれども、概ね60頭程度を搾乳しないと安定した経営ができないという根拠がわかりません。そもそも標茶は草地型の酪農を進めようと言っていて、広大な草地資源を生かそうと言っている中で、なぜ60頭搾乳しないと経営が成り立たないと考えているのかというところの根拠に乏しいのではないかと。というのは、町内の酪農家のうち、どれぐらいが60頭未満で経営をしているか、標茶町に限らず他の町村でもどのぐらいの割合で60頭未満で放牧を主体に経営しているかということを考えたとき、さらに離農していく方、なかなか止まらないですけれども、60頭未満の搾乳の人が離農しているわけではないですよね。だから、そこら辺の考え方というのは、もっと様々な事例を持って、きちんと検証されるべきではないかと私は思います。要するに、そうでなければ、そういった低投入型の草地型の小規模の経営を目指す人とか、それから和牛の生産であるとか、町が進めている綿羊生産農家をつくろうとか、そういったことを否定することにもなってしまうのではないかと思うのです。要するに、経営規模が小さいとできないのだという。でも、そういうことではないと思うのです。だから、そこのところ、町としてはどう考えているのか、担い手育成協議会の中でどういったことを町としては発言なりなんなり影響を与えられるのか、そこら辺についてお伺いしたいです。

答弁 農林課長 村山尚

担当課のほうからお答えさせていただきます。先ほど町長の答弁で、概ね経営が安定する頭数についても協議会の中で60頭ほどという説明をさせていただきましたが、この根拠というか、町内、議員おっしゃられるとおり、今、ちょっと資料は持ってきていないので、どのぐらいの戸数がいるかというのはお伝えできないのですけれども、確かに60頭未満でもっと少ない数で営農されている酪農家は存在しております。ただ、新規就農に限って言いますと、当然、新規就農に当たっては、施設整備だとか、機械の導入あるいは家畜の導入で多額のイニシャルといいますか、費用がかかるわけでございます。当然、それらについては、国の支援あるいは町、農協の支援がございますが、基本的にはそれで賄い切れない部分については、資金などの借入れをして償還をしていかなければならないというところを考えたときに、やはり20頭、30頭規模の搾乳では、その借金を返していくことが困難である。したがいまして、一定程度の頭数の規模の搾乳をしなければ、やはり新規就農が難しいと協議会の中では判断しているところであります。それから、受け入れ体制の間口を広げて、要は新規就農研修生を確保してみてはどうかという部分につきましては、町長の答弁でもご説明させていただきましたが、現在も協議会の中で議論をして、作業のほうは進んでおります。ちょっと具体的な話をさせていただきますと、現在、新規就農を検討していて相談を受けている方、何人かおるのですけれども、単身男性で将来的にも結婚の意思はないものの異性のパートナーがいる。要は、共同経営で新規就農したいということでございます。議員ご案内のとおり、今の町の新規就農者誘致特別措置条例の中では、その要件としまして共同経営の場合だと3名以上となっているのですけれども、こちらについては、共同経営の場合、人数の見直しが可能ということで、協議会の中で話をしております。あと、今、町長の答弁の中でございました国の支援がひょっとしたら受けられない部分についてどうするかというところなのですけれども、そこについては、例えば先ほど深見議員の一般質問でもありましたけれども、例えば同性同士のパートナーを受け入れるケースや、まるっきり単身の場合、共同経営者もいなくて単身で新規就農したいというケースの受け入れにつきましては、先ほどの話の繰り返しにはなりますけれども、やっぱり一定程度、新規就農するに当たっては頭数を搾らなければいけない。60頭搾るとなったときに、では1人でその作業ができるのかというところを協議会の中で話をしているのですけれども、協議会の中に実際、酪農経営を営んでいる方がおられますけれども、やはりちょっと1人ではその規模の搾乳を行うことが難しいということで、慎重な意見もございます。そこについての結論が出ていませんので、当然、受け入れの間口を広げるに当たって、先ほど言った条例改正等の作業が必要になってくるのですけれども、その辺の整理がつきましたら、概ね年度内に条例改正をして、新規就農の受け入れ体制の間口を広げるような体制が整うかと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

質問 11番 類瀨光信

今後、新規就農者の間口が広がっていく方向で協議されていくという、そういう手応えを課長の答弁から感じたわけですが、いずれにしても、人口がどんどん減っていって、農家戸数も減っていって、しかし、1戸当たりの経営面積というか、草地資源というのは増える一方なわけです。そうしたら、それをどんなふうに有効に活用していくかということで、そういう資源を生かした標茶ならではのモデルというものをつくっていくということに取り組まなければいけないのではないかと思うのです。その際には、国の支援に対象にならなくても、小規模なわけですから設備投資等は少ないのです。少なくて済む。そういったことを考えながら、標茶ならではのモデルというのを作っていかないと農家戸数は増えないし、当然、農村部での人口が増えるということもないと思うので、ぜひ、そこは考えてほしい。現実に昼夜放牧で30頭搾乳で、ではそれで生活できないのかということを皆さんちょっと計算してほしいのですけれども、昼夜放牧、それから草地面積が少しあるので、粗飼料はある程度自給、でも残り全部、2つのバーンサイレージとか買い餌だとします。そうすると、30頭搾乳で1,500万円ぐらいは売上げとして稼げるわけです。全量粗飼料を購入したとして、それから光熱水費とかをかける、それから機械なんかは自分で採草しなければ最低限のもので除雪できればいいぐらい。そうすると、経費は1,000万円から1,200万円です。そうしたら、未婚者、非婚者1人であれば、30頭は1人で搾乳可能だし、300万円で生活できないかといったら、極端な話、それはできるのです。余った時間は冬の180日間の搾乳で1,500万円ぐらいになる可能性があるのです。残りの期間は兼業で何かで稼ぐという、そういうモデルがあったっていいのではないですか。そうしなければ、羊農家なんて成立しないですよ。今、牛のことで考えているからそういう60頭というところにこだわりが出てくるけれども、和牛農家だったり、綿羊農家だったりとか、そういうふうに間口を広げていかないと、なかなか都会から来てこちらで定住して何かしら食べていこうということにつながらないと思うので、今後そういった現状なかなかないモデルに関しても昭和30年代、40年代のモデルにしても、もう一度考えていただく。そういったことをしていただければなということと、最後に1点だけ、よその町村の新規就農者の研修施設では、その町で新規就農を希望している人ではない人、例えば標茶で言うと、弟子屈で新規就農をしたいのだけれども、研修施設がないので標茶で研修させてくれませんかという人を受け入れているところもあります。もしかすると、結局、標茶のほうで研修を受けてみて、いろいろ見たら、標茶いいねというケース出てくる可能性というのはあります。だから、そういうふうにして研修施設自体も柔軟な受け入れ体制をとってはどうでしょう。結局それが将来的に標茶での新規就農につながる可能性というのを捨ててはいけないのではないかと思います。それで、最後にと言ったのですけれども、もう1つ、農業だけではなくて商工業者も含めていろんな方のパートナー対策を進めることによって、実際に廃業しようと思っていたお店が継続したとか、そういう取り組みをしている自治体が釧路管内にもあります。今、新規就農のことに関する話が量的に多くなりましたけれども、そういった身近なところで行われている町全体の担い手対策というのをぜひ進めていただきたいと思います。

答弁 農林課長 村山尚

ただいま議員のほうから3点ほど質問あったと思うのですけれども、私のほうから最初の2点についてお答えいたします。まず、頭数の規模の話でございますけれども、議員おっしゃられるとおり、うちの町ではないのですけれども、他の町では30頭、40頭ほどの規模で、実際に単身で新規就農をした方がおられるというのも関係機関の情報により得ているところでございます。具体的にどのような経営をしているのかというのはちょっとわからないですから、そこについては研究してまいりたいと思います。ただ、先ほどの答弁の繰り返しにはなってしまいますが、酪農情勢はただいま非常に厳しいものになってございます。何十年も酪農を続けている方が経営が厳しい中、新規就農の方は2年ほど研修して独り立ちするわけなのですけれども、ベテランの方がそうした苦労をしている中、新規就農されるということは、2年間学んだとはいえ、やはりまだまだ経験、知識も足りていないと思います。実際、受け入れしてくれる地域の支援を受けて、今、何とかやっているような状況であると考えております。協議会の中でも規模に関する議論はしていますけれども、やはりそういったところの結論を出すまでには至っておりませんので、実際にその頭数、少ない規模で新規就農して経営がうまくいっているという方もおられるということは関係機関から伺っておりますので、そこにつきましては引き続き研究してまいりたいと思います。それから、他町の新規就農希望者を研修生として受け入れてはどうかという部分についてなのですけれども、過去に管内の広域連携プロジェクトの中で農畜産にかかわるプロジェクトチームがあるのですけれども、そこで、今、議員がおっしゃられたことをテーマにして、研究をしたことがございます。実際に管内で言うと、酪農・畜産に係る研修施設を持っていない町村もございますし、逆にうちの町で言いますと、酪農・畜産にかかわる研修施設というものはございますが、畑作に係る研修施設というものはございません。今現在、受け入れ体制というか、制度のほうは受け入れられる状況にはなっているのですけれども、具体的にどのような形で受け入れを行うのかというところで言うと、もう少し研究が必要な状況です。そういったところを管内で畑作が主な基幹産業になっている市町村もございますので、そうしたところにお願いする逆のパターンです。そういったことを過去に研究したのですけれども、やはり例えば費用負担の面で、実際、具体的な話が進まず現在に至っているというような状況でございます。この件につきましても、今、普及センターさんが中心となって、管内3町村、具体的に言うと釧路町さん、弟子屈町さん、そしてうちの町で担い手にかかわるいろいろな協議をこれから進めるところでございます。その中で、他町村での研修生の融通といいますか、受け入れ体制についても研究することになっておりますので、まだちょっと具体的なお話はできませんが、そこについても、関係機関あるいは近隣の市町村と連携して議論を深めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。

答弁 副町長 牛﨑康人

3点目の部分などをまだお答えしておりませんので、含めてお答えしたいと思います。今、担当課長のほうから農業の分野のことについてお答えをさせてもらったのですけれども、議員おっしゃるように、30頭でも成立するといえば、するのだと思います。ただ、町をはじめ、担い手育成協議会を構成する各団体は、ケース・バイ・ケースの想定をしながら、最終的にその人が標茶町で新規就農して、そして継続して経営ができるかどうかという、そういう経営計画が成立するかどうかというところを見なければいけないというところで、やはり計算上は成り立つけれどもとか、あるいはちょっと計算上きついねというところで、最終的に本人とも相談しながらというような形で決めたり断念をしたりというケースがあろうかと思います。ただ、基本的には過去から同じ、例えば生乳で言いますと、同じ数量を生産するのであれば、より多い農家さんがいてくれたほうが望ましいと、それは地域のコミュニティーのことなどからそういう考えに至っているのですけれども、そういう考えを持っておりまして、それについては基本線は変わっていないのだろうと。経営形態については、社会情勢あるいは酪農家さんの経済情勢等々で変遷するものだと思うのですけれども、戸数に関しては変わっていない。そういう点で、新規就農に対しても基本ウエルカムというところで、あとは実際のご本人の希望であるとか、あるいはこちらの受け入れ想定する農地、施設等々の状況を見ながら、どんなことができるのか、どんな支援をして、そして成立する経営計画をつくるお手伝いをできるのかということでやってきております。ですから、この先のことで言うと、できるだけそういう私たちの町が持っている例えば支援の制度内容に合わないからとかというのではなくて、まず、農業をやりたいのなら標茶に相談してもらうというような、そんな形の宣伝ができたらいいなと考えておりますし、この先、担い手育成協議会の中でもそういった提案をしていきたいと考えているところであります。それから、農業だけにとどまらない横断型の対策については、冒頭町長の答弁で申し上げたとおりであります。既存の枠組みで言うと、標茶町振興委員会が最適かと思っているのですけれども、商工会等々とも関係するところと協議をしながら考えを聞いて、そしてできることについて研究をしていきたいと考えております。いずれにいたしましても、新規就農者にしても、それからそれ以外の事業承継についても、こちらのほうとしては何とか確保したい、そういったところがあるのですけれども、こちらを向いてくれる人がいなければ始まらないというところで、そういった環境づくりについては努力してまいりたいと考えております。

質問 11番 類瀨光信

いずれにしても、人口減少も農家数の減少も加速しておりますので、こういった取り組みについてもスピード感を持って、これからも研究なり対応なりしていただければなと思います。

出典:標茶町議会 令和7年第2回定例会 2025年6月3日 議事録 PDF(21ページ) 間違いを知らせる