猿払村議会 令和5年第4回定例会 2023年12月12日
風力発電事業計画と自然保護について
2023年12月12日、猿払村議会の一般質問で、笠井哲哉議員が「風力発電事業計画と自然保護について」質問し、村長 伊藤浩一、産業課長 阿部真人が答弁しました。
- 質問者
- 笠井哲哉 議員
- 答弁者
- 村長 伊藤浩一、産業課長 阿部真人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は質問の本文をもとに当サイトで付けたものです
質問 笠井哲哉
次の質問にいきます。2番目の風力発電事業計画と自然保護について。(仮称)宗谷丘陵南風力発電事業(ジャパンリニューブルエナジー株式会社)が、稚内市、猿払村、豊富町に跨る1万8千ヘクタールにおいて、最大で出力35万4千キロワット、単体で4200から6千キロワット程度の風車を59基設置するという計画があります。それに対して公益財団法人日本自然保護協会では、同社に対し、「計画地は絶滅危惧種である幻の魚イトウの国内最大の産卵地で、事業によるイトウの生息への影響は免れず、甚大である。さらに、道北で数少ない自然植生が広範囲に見られる場所であり、自然林を保護するために事業を行うべきではない」との意見書を提出したところです。また11月24日に環境省は、それに対して、環境大臣意見を経済産業大臣に提出したところであります。内容につきましては、事業の位置の選定において、保安林や自然度の高い植生の存在が十分に考慮されていない懸念があるため、現地調査を含めた必要な情報と収集及び把握を適切に行い、事業計画等に反映させること。2、現地調査により自然度の高い植生等が存在する区域を明らかにした上で、自然度の高い植生等の改変を回避、または極力低減すること。3、想定区域及びその周辺には、生物多様性の観点から重要度の高い湿地に、選定されたイトウの生息地でもある河川や上水道の取水地点、保安林等が存在している。このため、適切に調査、予測及び評価を行うとともに、土砂及び濁水の流入を最小限に抑えること等により、水環境及び水生動物への影響を回避または極力低減することを求めています。これらの意見が出されていますが、村はこの計画内を縦覧して、庁内で問題視しているのか。意見書等を提出したのかを含めてこの事業に対する村の考えや対応をお伺いいたします。
答弁 村長 伊藤浩一
風力発電事業計画と自然保護についてということで答弁をさせていただきたいと思います。当該事業における計画段階環境配慮書につきましては、事業者より事業概要等の説明を既に受け、また本村の環境保全の見地から意見書についても10月31日付で北海道知事に提出しており、その中では未来に向け、水資源の保全や村民の暮らす環境を維持していくことを第一と考え、本事業計画の中止と建設箇所の再考を求めております。しかしながら、本村としては、地球温暖化対策を講ずるため、地球温暖化対策実行計画を基礎とした、再生可能エネルギーの活用、また地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減に寄与する事業を推進しておりますことから、風力発電事業を否定する考えは全くございません。また今回の計画内容の一部において、地域の自然環境や生活環境へ与える影響について懸念されることのないよう、よりリスクの低い方法をさまざまな視点から再考いただき、丁寧な説明を求める旨をあわせて意見としたところであります。以上です。
質問 笠井哲哉
今、村長がおっしゃったように、確かに風力発電というのは、再生可能エネルギーということで、国としても注目しておりまして、推進している立場であります。北海道が先進地ということで再生可能エネルギーの普及率の目標値を30年でしたか、までの目標値を今年中に38%に到達し、いち早く達成したということであります。また風車の建設によって、固定資産税1.4%ですか、ある程度の税収が見込めるということで、大変財政にとっても、いいことなのかなと思います。計画では、多くの森林を伐採し、山の尾根に風車を建設しますが、風力発電事業に伴って森林伐採を行う場合、風力発電によるCO2削減効果の低下は1%以内であると言われております。ですから、伐採による影響は少ないが、猿払川の上流に位置し、川への影響は免れないと思います。ですから、おっしゃったように、今後もきちんとその事業の成り行きを注視していく必要があろうと思います。その辺は、そういうような形でよろしくお願いしたいと思います。それと宮城県の加美町というところで、再生可能エネルギー地域調整促進税条例というのが可決されました。これは0.5ヘクタール以上の森林伐採を伴う開発に課税するというものであって、これによって、ある程度の抑止効果も見込めると思いますが、その辺の条例の制定等も踏まえて、村としても検討していってほしいと思います。では、次、2番目の自然保護について、本村は面積の約8割が山林や原野、宗谷丘陵を水源として、猿払川など6水系がオホーツク海に注いでおり、下流域には大小の沼や湿原を結成しています。また北オホーツク道立公園の中心に位置し、カムイト、モケウニ沼に代表される湖沼群、エサヌカ原生花園、王子の森などが手つかずの自然がいっぱい残っています。村内の山林の約3割を所有している王子ホールディングスや猿払イトウの会では、イトウの保護活動や環境保全に積極的に取り組んでいるところですが、村として自然保護や環境保全についての取り組みについてお聞きいたします。
答弁 村長 伊藤浩一
本村の第1次産業と密接な関係にある豊かな自然環境を維持するためには、村民一人一人の環境意識の向上が重要でありますことから、前浜清掃をはじめとする村民参加による清掃活動や地域や学校単位でのゴミ拾いなど、環境美化活動への支援、不法投棄防止に向けた啓発看板設置のほか、村民に環境問題への意識づけをしていただくため、環境だよりを年5回ほど発行しております。また村内には多くの貴重な動植物が生息、生育しておりますことから、関係団体と連携をとりながら、そのほうに向けた取り組みを進めており、その一環として猿払イトウの会と連携し、イトウ釣りシーズンの始まりと終わりに、イトウ釣りに関する啓発看板の設置と撤去を行っているほか、保育児童や小学生をはじめ、村民やイトウ保全に関する関心のある村外の方々に向けて、イトウの会が製作した絵本やパンフレットに対する金銭的支援などの取り組みを実施しているところであります。以上です。
質問 笠井哲哉
村の観光パンフレット等を見ますと、美しい花々に囲まれて写っている姿の写真等が紹介されております。しかしながらこれ、おそらく20年近く前のものではないかと記憶していますが、現況をきちんと把握されているのかどうか、その辺をお聞きいたします。
答弁 村長 伊藤浩一
三つ折りの観光パンフレットなのですか、これ多分、先日、更新されたものができ上がってきたはずなので、私はまだ見てないのですけれども、前とどのように変わったのか比較できませんけれども、なるべく、今の現実に沿ったような、でき上がっていればいいなという思いも含めながら、もしなっていなければまた、どういうふうにするかということも検討しなければならない。今またホームページ検討委員会の中でもいろいろな形の中で、検討していきますので、そういう形の中で少し、現実に即した形の中で更新していきたいと考えております。
質問 笠井哲哉
新しいパンフレットを見る楽しみにしております。カムイト沼の遊歩道、先ほど、同僚議員からも質問があって、お答えいただきましたが、それとモケウニ沼の遊歩道についても老朽化して立ち入り禁止の状況になっています。ことにモケウニにつきましては、沼から結構離れております。あそこの沼の見どころというのは、水面に映る森林とか、それから河畔というか湖沼の花々を見ることにいい場所であると考えます。しかしながら、そこにはなかなか立ち入りできないということ。それと、エサヌカ原生花園、王子の森のほうも、大変植生が様変わりしてきております。外来生物のハンゴンソウあるいは、セイタカアワダチソウなどによって、侵食されている状況です。昔のような華やかなその植生をじかに見るようなこと、コケモモはどこいったらあるのだろうとか、ガンコウランはどうなのだ、すずらんの群生はどこへ行ってしまったのだろうというような状況です。エサヌカにつきましてはサケ釣りシーズン、先ほども出ていましたけれども、車によって、植生に車を乗り入れ、踏みつぶす。これはベニヤ原生花園も同様なのですが、これらについてたくさんの被害があると思うのですがその辺についてはどうお考えですか。
答弁 産業課長 阿部真人(産業課長は2024年9月まで)
ただいまの質問についてお答えをさせていただきます。モケウニ沼については、今年の春から立ち入りを禁止させていただいております。桟橋の老朽化もあったのですが、おととしの秋に、現地を確認したところ、通り道にクマが通った跡が間違いなくあったような状態なので、危険ということもありまして、立ち入り禁止という形をとらせていただきました。また遊歩道もかなり老朽化しているということと、お金もかなりかかるということもありますので、見合わせをしている状況でございます。またエサヌカ原生花園につきましても、植生もだいぶ変わってきたなと思っておりますが、そこは私も最近、把握をしていないものですから、辺りを把握させていただきたいなと思っております。特に今年の夏については、かなり猿払村も暑かったということで、植生についても、かなり変わってきているのではないかなと思いますが、その辺ついて来年の春以降に、エサヌカ原生花園の状況も見させていただきたいなと考えております。以上です。
質問 笠井哲哉
隣の豊富町にあります利尻サロベツ国立公園では、レンジャーが配置されておりまして、その人たちが中心となってボランティアを募りながら、植生保護のために、外来種を抜く作業、毎年行っております。ベニヤ原生花園でも、最近はどうかわからないですけども、外来種を引き抜くというか、駆除するという作業を行ってきたわけなのですが、村としては、それについてきちんとやるという考え、今のお答えですと、見てからという感じだと思うのですが、それについて一応、お伺いします。
答弁 産業課長 阿部真人(産業課長は2024年9月まで)
外来種につきましては、私もどのくらい植生されているのかを含めて、どうしたらいいか検討させていただきたいなと思います。以上です。
質問 笠井哲哉
私の記憶では、昔、自然保護監視員というのが存在していたと思うのですが、現状はどうなのでしょうか。
答弁 産業課長 阿部真人(産業課長は2024年9月まで)
自然保護監視員というのが、道のほうで認定していただていて、現在1人で監視していただいている経過がありますが、その方については、地域おこし協力隊のメンバーだったのですが、現在は退任されたので、新年度から誰か模索して探さなければいけないのですが、現状1名ということで自然保護監視員が巡回する形で活動しております。以上です。
質問 笠井哲哉
監視する人間というのは、本当に大事だと思うのです。専門にきちんと巡回していただいて、村の様子をしっかりと把握してもらう。で、自然環境についても、ただ見るだけではなくて、定点観測、一定部分の場所をピックアップして、それを毎年のように、きちんと同じような写真を撮って残して、状況を把握するというような方法もあると思います。そういうのも含めて検討していってほしいと思います。北オホーツク道立自然公園内のエサヌカ原生花園ではハマナス、エゾスカシウリなどの高山性植物が咲き、北方性植物を見ることができる日本の重要湿地500に環境省によって選定されています。それからポロ沼、カムイト沼、それからモケウニ沼ですか、それから浅茅野原野、猿払川なども、日本の秘境を100選に選定されており、日本でも有数の自然環境を小さいにも残すように、きちんと努力していってほしいと思います。