更別村議会 令和6年第1回定例会 2024年3月12日
奨学金の代理返還
2024年3月12日、更別村議会の一般質問で、斎藤憲議員が「奨学金の代理返還」について質問し、村長が答弁しました。
- 質問者
- 斎藤憲 議員
- 答弁者
- 村長
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 斎藤憲
議長の許可をいただきましたので、通告書に基づいて村長に奨学金の代理返還について一般質問をいたします。まず、全体的なことですが、大学で奨学金を受ける人が非常に増えております。給付の奨学金はまだまだ少なく、多くの人が貸与を受けていて、その返還が経済の停滞によって非常に大きな問題になっています。その代理返還をするという制度ができておりまして、これが例えば役場の人材確保、あるいは、住民に対するものなら移住、定住支援、あるいは、村内企業が行う場合に支援すれば、そういった採用活動の支援になるのではないかと、こういう趣旨であります。大学の進学率は、全国で6割に達して、北海道ではやや低いですが、5割に達しています。そのほとんどは4年制大学です。大学は、もはや一部の特別な人のものではありません。そして、大体、大学生の約半数が何らかの奨学金を受けていて、最も大きい日本学生支援機構、かつては日本育英会と言っていた組織ですが、その奨学金の貸与を受けている人が、大体、大学生全体の3分の1ほどになっております。給付型の奨学金もありますが、ほとんどは貸与で、金利はゼロであるか非常に低いとはいえ、それを卒業後十数年間にわたって返還していくということが大きな負担になっています。その負担ということについて、マクロの面とミクロの面からちょっと数字を追加して挙げたいと思います。昨年度の日本学生支援機構の貸与型奨学金を受けている人は、120万人おります。無利子のものが50万人、有利子が69万人、これは人数が重複して両方受けている人もいるかと思いますが、有利子奨学金のほうが制限が緩いので、金額的には有利子奨学金が全体の3分の2を占めています。その全体の事業費、ということはつまり1年間に貸しているお金、将来返してもらうお金ということですが、8,900億円です。単純に120万人で割ると1人74万円ということになって、仮に大学4年間で4倍すると約300万円ということになって、そうすると、大学を奨学金を受けて卒業した人は、卒業した瞬間に300万円の借金を負っているということになります。これを別の面でちょっと見てみて、幾つか確認していくと、大体、同じような数字になるのですけれども、大学生世代の1学年の人口というのは、大体、110万人ぐらいと。8,900億円を110万人で割ると1人当たり80万円、これは大学行っていない人、大学行って奨学金を受けていない人も含めますけれども、この世代は1人当たり80万円の借金を22歳の時点で負っていると。それは、もちろん大学に行って奨学金を受けたという一部の人のところに負担がかぶさっているわけです。やや脇道にそれますが、人材確保というようなことがこの一般質問の趣旨ですので、若年人口の減少、これは当然人材確保、採用において非常に人がいなくて困難になるということを意味するので、ちょっと統計数字を挙げておきます。国の人口推計では、一昨年の10月1日現在の21歳人口が124万3,000人、20歳人口は120万1,000人、これが、大体、来月大学を卒業する世代の人口ということになります。1学年当たり120万人少々。ところが、同じ一昨年10月1日現在で、16歳、17歳の人口はどちらも107万人台です。これは、今年の春大学に入る世代の人口ということで、今後4年間で120万人ほどいた1学年の人口が107万人まで減ると。皆様ご承知のとおり、昨年の出生数は何と75万8,000人という危機的な状況になっています。というわけで、新卒、あるいは20代の若い人の採用というのは、これから非常に困難になっていくと。こういうことを人材の確保という点で深刻な問題であるということを、ちょっと脇道にそれましたが、申し上げます。それで、奨学金を受ける人の割合は、過去に比べて増えております。1つは、経済がずっと停滞していて、保護者に余裕がなくなったことがありますし、また大学の授業料が上がっていると。国立大学の年間授業料は、20年前から変わっていませんが、標準額で53万5,800円、1年間に。ということは4年間で200万円です。30年前の1994年は、1年当たりの授業料41万1,600円、40年前は25万2,000円でしたので、今、50代以上の方がイメージされるご自分のもし大学を出ているとして授業料とは全く違う状況になっています。もちろん私立大学のほうはそれより授業料は高くて、文系でも現在は1年間に100万円程度、4年間で400万円ということになっています。それで、経済の停滞とも併せて奨学金を借りる学生が増えています。もちろんアルバイトをする学生、アルバイトがないと、遊びのためでなくて生活のためにアルバイトをしている学生というのは非常に増えていると。これは、数年前まで大学で教えていた私もすごく実感していたところです。マクロの数字でも、大体、奨学金を受けた人がそうすると北海道でも5割の人が大学に行く。その3分の1が奨学金を受ける。そうすると、6人に1人が、大体、300万円の借金を背負って22歳で仕事を始めるということは見えるわけですが、具体的に個々の例で考えてみますと、例えば、無利子の奨学金を受けることがなかなか難しいのですが、仮に受けられたとして月5万円、4年間受けると240万円です。これを卒業してその年の10月から返済を始めます。月額1万3,333円を15年間返すことになります。返し終わったときは37歳か38歳です。あるいは、私立大学に行ってもっと必要であるということで、それでも、無利子の奨学金の限度額いっぱい6万4,000円を借りて、さらに、有利子の奨学金を例えば2万円借りたとして8万4,000円だとすると400万円を超えます。
質問 3番 斎藤憲
本題前に深刻な状況であるということを申し上げます。(何事か声あり)
質問 3番 斎藤憲
そうですか。そうすると、何が起こるかというと、返還中の若者が結婚をためらう、子どもを持つのをためらう、あるいは1人持ったときも2人目が無理だと考える。何といっても返済の終了が30代の後半から40歳代になるのです。そういうわけで、大変これは少子化を助長しているという非常に大きな問題でもあります。しかし、本来は国が対応するべき問題ではありますが、それでも何とか村のほうで対応できることがないかと考えると、3年前の4月から日本学生支援機構の奨学金を雇用者が代理返還する、代理返還する場合は本人の所得にならないと。例えば1万5,000円を返すのに1万5,000円給料が増えても税金、社会保険がありますから、1万5,000円手取りが増えないわけです。しかし、代理返還であったら、その金額で本人の所得としないという制度ができて、2月7日の北海道新聞によれば、道内の99社がこの制度を利用しているということです。あるいは、自治体でも、いろいろな制限はありますが、羅臼町、雄武町、苫小牧市などがこういった制度を導入しています。それで、代理返還制度を村の役場職員に適用すれば、役場の人材確保に有効であると思います。あるいは、村内在住者に適用する、かなり思い切ったことになりますが、移住、定住促進策としては非常に効果的であると思います。代理返還をする村内企業に補助金を支出するということも考えられます。非常に困難な採用活動の支援となります。そのどれも少子化対策となります。少子化対策は、もういる子どもやその保護者に対する支援だけでなくて、やはり子どもをつくろうという、あるいは結婚しよう、という気持ちにしてもらうということでないと少子化対策はなかなか効果がないと思います。また、返還金額の全額を必ず支援しなくてはならないこともないので、比較的少ない予算でこの施策を施行することも可能です。こういった代理返還を検討する意向があるかどうかを伺いたいと思います。
答弁 村長
斎藤議員さんの奨学金の代理返還についてのご質問にお答えをいたします。教育費の負担軽減対策につきましては、令和5年12月に閣議決定をされたこども未来戦略におきまして、教育費の負担が理想の子ども数を持てない大きな理由の一つとなっているとの声があることから、教育の機会均等を図る観点からも着実に取組を進めていく必要があるとされ、利用可能な年収上限の引上げなど、奨学金制度の拡充などが図られることとなっております。また、内閣官房におきましても東京圏への一極集中傾向の継続により、若年層を中心として地方から東京圏に人口が流出していること等によって地方における生産年齢人口の減少に加え、消費市場の減少による地域経済の縮小化など、様々な社会的、経済的な問題が生じていることから、奨学金を活用した若者の地方定着促進要綱が制定をされ、地方自治体が行う奨学金返還支援に対する費用に対し、措置率0.5で特別交付税措置が行われることとなっております。議員ご提案のとおり、奨学金返還支援は、移住、定住、地域の働き手の確保、少子化対策に効果が期待できるものであり、制度創設に向け調査検討をしてまいりたいというふうに考えております。なお、国の財政措置の対象とするためには、まち・ひと・しごと創生法に規定されている総合戦略への位置づけが必要となっておりますので、令和6年度に作成をいたします第3期更別村デジタル田園都市国家構想総合戦略への登載を目指して進めてまいります。以上、お答えとします。
質問 3番 斎藤憲
どうもご答弁ありがとうございます。大変前向きな答弁、大変心強く思います。また、私が不勉強で、この通告時点で知らなかったことなのですけれども、国のほうから特別交付税として半分が措置されるということで、村の負担は半分になるということで、ぜひ、今後この方向で制度の創設をご検討いただきたいと思います。ただ、1つ懸念していることがありまして、北海道の大学進学率は5割です。この村ではそれよりは低いのかもしれません。これは、進学率が上がってきて5割ですので、今、現在現役の世代が方々の時代はもっと低かったとなると、村内の村民の方々で大学卒業者というのはかなり少数である。その人たちからすると、一体何で奨学金を返すのを手伝わなければいけないのだという、何となく不公平感といいますか、そういう気持ちが出てくるのではないかと。これが何か大変心配で、非常に丁寧な説明なり、あるいは、生涯学習に関する別の方策なりを考える必要もあるのかということが少々懸念されます。私は絶対に必要なことだと思うのですが、村民の理解という点で村長のお考えをお聞かせ願えればと思います。
答弁 村長
斎藤議員さんおっしゃったとおり、大学進学だけではなくて、専門学校とかいろいろありますので、私は、今、部局に指示をしていまして、令和7年をめどに更別村における奨学金の代理返還を行いたいというふうに考えております。1年間かけて制度設計を行います。ただ、今、いろんな法令が出てきて、ちょうど更別村が特別交付税措置の内容ということで今までは0.3というところがあったのですけれども、若年層人口が流入超過の都道府県の区域内における条件不利地域を含む市町村、政令都市を除くところは0.5というふうに上がりました。これが国から措置をされているということは、そういう措置も考えろということでありますので、私も村長になったときからそういうことについては、大学だけではなくて、今、対象者については大学生高等教育、あるいは高校生等を含むのか、これについても検討しなければいけません。要件については、例えば、居住年数が何年村にいたのか、あるいは勤務先、更別村で勤務をするというのがどのぐらいの年数になるか、支援方法は、これも難しいのですけれども、本人への助成金にするのか、代理返還、今のところは代理返還、所得に上積みすると税金がかかりますのでということです。支援策、月額にするのか、年額にするのか、一部にするのか、全部にするのか、あるいは企業等でこういうものを支援していくとすればほかから更別村に就職してくる可能性が大になるわけですけれども、そんなにたくさんの方はないとは思いますけれども、でも、これは一つの起爆剤になりますので、私としては今日の答弁で、今は36都道府県695市町村がもう既に始めています。道内でも始めているところがありますので、月額1万円とか年額幾らかの何がしの金額を上限としてそれを支援する。10年支援をする、5年を支援する、あるいは終了まで支援するというようなこととか、いろんな細かいことを決めなければいけません。もちろんデジタル田園都市国家構想、総合戦略がそっちのほうに、私のところの総合戦略はデジタル田園都市国家構想の更別版の総合戦略に昨年変えましたけれども。それにも登載しないとこの交付金いただけませんので、それで、今回、斎藤議員がおっしゃっていただいたので、この機会を逃す手はないなというようなことを思っていますので、1年間、なるべく早く制度設計をしながら、更別村における奨学金の代理返還について着手をしたいというふうに思っております。以上であります。
質問 3番 斎藤憲
かなり具体的に踏み込んで制度設計をされるということで、大変心強く思っております。先ほどの質問で、2回目の質問で、しかし、村民の多く、大学を出ていない、あるいは奨学金は受け取っていないという方の不公平感という点について、もちろん漠然としたことではありますけれども、追加してご答弁いただければと思います。
答弁 村長
すみません、漏れていました。そのときに、この制度を設計するときに多分話題になるのは、大学進学していない子たちに対して、これはやっぱり公平感でいろいろ問題になるのではないかというようなことで、村民の納得を得られない場合もあるよというような話があって、それで先ほど言ったように対象者を高校、あるいは、代理返還という手もあるのですけれども、直接奨学金を支援している、例えば、うちの村ですと看護師さんですか、についてはかなり奨学金を要綱があって支援をしています。その方が村に戻ってくれば奨学金の返還はなしということでやっておりますけれども、そういうような方法とかで全体に将来にわたって、進学先は別にして、そういうふうなところで経済負担の軽減となるよう、やっぱり、大学だけではなくて専門学校、高校も含めた広い範囲の中でちょっと検討させていただきたいと思います。早急にいろいろと調べて検討したいですし、またこれについては議員各位の皆さんには全員協議会等、あるいは村民の皆さんにも順次ご説明申し上げて、制度設計をしていきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。以上であります。
質問 3番 斎藤憲
ありがとうございました。これで私の一般質問を終わります。