みんなの議会

音更町議会 令和7年第1回定例会 2025年3月5日

J-クレジット制度の活用について

2025年3月5日、音更町議会の一般質問で、新村裕司議員が「J-クレジット制度の活用について」質問し、町長 小野信次、経済部長 重堂真一、農政課長 木谷康臣、副町長 宮原達史、町民生活部長 井原愛啓、環境生活課長 鎌田隆寛が答弁しました。

質問者
新村裕司 議員
答弁者
町長 小野信次、経済部長 重堂真一、農政課長 木谷康臣、副町長 宮原達史、町民生活部長 井原愛啓、環境生活課長 鎌田隆寛

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。

質問 20番 新村裕司

通告に従いまして、J-クレジット制度の活用について一般質問いたします。カーボンクレジットとは、CO2などの温室効果ガス排出の見込み量、ベースラインと比較して、省エネなどのプロジェクト実施によって削減された排出量を「クレジット」として認証し、売買できるようにした仕組みです。国連主導や二国間の取組、国内制度や民間主導によるものなど、様々ありますが、カーボンクレジットは、世界の脱炭素化計画で重要な役割を果たし得る手段です。日本では、国内制度として「J-クレジット」があり、現在まで、環境省、経済産業省、農林水産省によって運営されています。クレジット創出者のメリットは、事業のランニングコストの削減、クレジット売却益による投資費用の回収などです。一方、クレジット購入者の多くは大企業が想定されますが、そのメリットとしては、環境貢献企業等としてのPR効果、温対法などへの温室効果ガス排出量報告での活用、商品やサービスの差別化、ブランディングにつながることなどが挙げられます。さらには、クレジット売買によって、新たな経済活動の創造と、地域の活性化への効果も期待できます。カーボンクレジット制度の普及推進においては、企業、団体、地域の連携強化が重要であり、その中で、自治体の果たす役割は大きいものと考えます。今回の質問では、特にJ-クレジットに関して、ゼロカーボンシティ宣言をしている本町の見解を伺います。1、町がクレジット創出者となるための方法論、温室効果ガス排出削減、吸収に資する対象技術について規定したものには森林管理が挙げられると思います。町有林管理に関して、プロジェクトの登録及び審査からクレジット売却に至るまでの期間及び収益の試算は。2、本町における農業や商工観光業などの経済活動で、温室効果ガス削減等につながる方法論に該当する取組は、現時点でどのようなことが挙げられるか。3、プロジェクトの登録形態には、「通常型」と「プログラム型」の2つがあり、中小事業者や個人の小規模な活動には、プログラム型が取り組みやすいとされます。プログラム型において、個々の活動実施者を取りまとめる運営管理者に自治体がなることも想定されますが、町として実施する考えは。4、J-クレジットが始まってから10年以上たちますが、これまでは認知度不足、取引市場の成熟不足や費用対効果など、様々な課題から、制度の拡大は十分なものではありませんでした。しかしながら、今後は国際公約の実現に向けて、我が国でも一層の温室効果ガス削減の取組が求められ、カーボンクレジット需要が大幅に増えるとの予測もあります。クレジット売買はこれまで相対取引中心でしたが、令和5年10月には、東京証券取引所によるカーボンクレジット市場が開設されています。これらを鑑み、J-クレジットの活用に向けた町の考えは。以上、御答弁よろしくお願いいたします。

答弁 町長 小野信次

J-クレジット制度の活用についての御質問にお答えをいたします。はじめに、1点目の、町有林管理に関するプロジェクトの登録及び審査からクレジット売却に至るまでの期間、及び収益の試算についてでありますが、J-クレジット制度とは、省エネ設備の導入や、再生可能エネルギーの利用による二酸化炭素などの排出削減量のほか、適切な森林管理による二酸化炭素などの吸収量をクレジットとして国が認証する仕組みで、認証されたクレジット取引することで資金の循環を促し、環境と経済の両立を目指すものであります。クレジットを創出するためには、プロジェクト登録とクレジット認証の2つの工程が必要となり、期間としては、計画書の作成や妥当性確認を行うプロジェクト登録に半年程度、データのモニタリングや収集、報告書の作成、検証を行うクレジット認証に2年程度かかるとされております。また、収益の試算につきましては、昨年度、町有林1,765ヘクタールのうち、J-クレジット制度における森林経営活動プロジェクトの対象となり得る788ヘクタールで試算しておりますが、吸収量は一定程度見込まれるものの、毎年実施している主伐により二酸化炭素排出量が計上されることや、調査、審査費用などの経費が発生することから、収益は見込めない結果となっております。なお、森林経営活動プロジェクトにつきましては、クレジットの創出拡大を図るため、手続の簡素化などの運用改善や森林経営の長期的な時間軸を踏まえたルール改正が行われていることから、今後の制度改正について注視してまいりたいと考えております。次に、2点目の本町における農業や商工観光業などの経済活動において、現時点で温室効果ガス削減につながる方法論に該当する取組についてでありますが、J-クレジットにおける方法論とは、温室効果ガスを削減する技術や方法ごとに排出削減量の算定方法やモニタリング方法などを定めたもので、昨年12月時点では、省エネルギーや、再生可能エネルギー、農業、森林などの6分類で、72の方法論が承認されております。農業に分類される方法論の項目としては、家畜へのアミノ酸バランス改善飼料の給餌や、水稲栽培における中干し期間の延長などの6つが承認されておりますが、本町においては、家畜排せつ物管理方法の変更に該当する取組のほか、再生可能エネルギー分類の再生可能エネルギー熱を利用する熱源設備の導入に該当する温泉熱や雪氷熱を利用した取組が行われております。また、昨年、町内の事業所を対象に実施したアンケート調査の結果によると、省エネルギー分類では、空調設備の導入や照明設備の導入、自家用発電機の導入などが、再生可能エネルギーの分類では、太陽光発電設備の導入などが、それぞれの方法論の項目に該当するものと考えております。次に、3点目のプログラム型によるプロジェクトを町として実施する考えについてでありますが、プログラム型プロジェクトとは、温室効果ガスの排出削減や吸収につながる複数の活動を取りまとめ、一つのプロジェクトとして登録する形態のことで、自治体が運営管理者となる事例としては、家庭用太陽光発電設備の導入に係る補助金の交付先を取りまとめるプロジェクトがあり、道内では、旭川市、帯広市、札幌市の3市が実施しております。本町では、太陽光発電設備の導入に係る補助件数が少ないことに加え、クレジット創出の対象が自家消費電力分に限られることから実施しておりませんが、先進自治体の取組を参考にしながら調査研究を行ってまいりたいと考えております。最後に、4点目のJ-クレジットの活用に向けた町の考え方についてでありますが、現在、本町においては、音更町地球温暖化対策実行計画に基づき、2030年度までの温室効果ガス46パーセント削減や、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指し、再生可能エネルギーの利用や省エネ機器の導入を支援する、町民みんなで推進するゼロカーボン事業補助金をはじめ、省エネ行動を推進する音更ゼロカーボン推進ポイント事業などを実施しながら、ゼロカーボンの達成に向けて取り組んでおります。J-クレジットを導入した場合には、これらの取組による成果などが、本町の温室効果ガスの排出量を削減する手段として使用できなくなるほか、温室効果ガスの排出削減量や吸収量に売却へ回すだけの余力が見込まれないことから、現時点では、J-クレジットを活用する考えは持ち合わせておりませんが、今後も情報収集や調査研究を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。以上、答弁とさせていただきます。

質問 20番 新村裕司

御答弁ありがとうございました。はじめにお伺いした森林由来のクレジットに関してなんですけれども、一応、御試算していただいたということで、なかなか大変だったのではないのかなと思います。ありがとうございました。まずはじめに、この試算のところで確認させていただきたいんですけども、クレジット創出の対象期間というのはどれぐらいの期間を想定して試算されたのか。補助金とかそういったことも見込んで計算されたのか。というのもJ-クレジットの中では対象期間、基本的に8年というところなんですけども、森林由来のものに関しては最長16年というようなところを私のほうでは認識しているんですけども、この対象期間というのは何年で御試算されたのか、その点を確認させてください。

答弁 経済部長 重堂真一

期間を何年で試算したかというようなお問合せですけれども、基本的な8年で試算を行ったところでございます。

質問 20番 新村裕司

当初8年というところだったんですけども、何年か前からは、今後16年まで拡大できるという、そういった情報もありますので、今後、もし改めて試算していただくケースがあるのであれば、そういったところも踏まえながら、お願いしたいなというふうには思います。それで、今回、森林のクレジットに関して試算をお願いしたわけなんですけども、過去に音更町議会でもカーボンクレジットに関して議論がありまして、それ、ちょっと調べてみますと、それが結構遡りまして、平成23年の12月議会で竹中元町議の一般質問の中で取り上げられたことがありまして、その当時はまだJ-クレジットではなくて、その前段のオフセットクレジット制度という、その下での話だったんですけども、そのときの会議録を見ますと、結構事細かく資産の額が載っていまして、それと比べて現在はどうなのかなという、そういった思いで今回、試算をお願いしたわけなんですけども、結果的には収益が見込めないということだったんですけども、その平成23年の議事録の中身を少しちょっと要約させてお話しさせていただきますと、その対象とする期間は平成19年から22年までの4年間で、対象とする森林の面積は324.8ヘクタールだということが残っています。単純に1年間で割り返すと80ヘクタールぐらいがクレジット創出の対象の面積ということになりまして、算定式に基づいて、その4年間で1,800トンのCO2が削減できるということで、当時、取引価格が5千円から8千円ということで、それに1,800を掛けて販売価格は900万円から1,400万円ということです。それに対して経費がどれぐらいかかるかということになると、結果的にいろいろ、プロバイダー委託料ですとか、モニタリング料ですとか、妥当性確認、いろいろな経費がかかるということで、全部合計しますと1,800万円というような数字が残っておりまして、計算しますと、900万円から360万円のマイナスという試算になるという、そういった議事録が残っておりました。ただ、今後、それからの制度改正や、補助金の活用ということも踏まえながら、調査、試算は続けていくと、そういった寺山元町長の答弁もあったところでありました。それから現在まで十数年たって、ここでお聞きしたいのは、町有林の状況、町内の森林に関する状況、私有林も含めてどのようにこの十数年間で変わってきたか、その点を教えてください。

答弁 経済部長 重堂真一

この間の町有林、それから、民有林も含めての町内の森林の状況でございます。本町におきましては、過去から計画的に、町有林にありましては施業を進めてきているところであります。それと、私有林のほうにつきましては、その間、森林環境譲与税も導入されまして、私有林に対する各種補助を町独自で予算付けていただきまして、いろんな工種ですね、下刈りですとか間伐だとか、そういったものにも補助をしまして、国の造林事業を実施した場合に、最終的な本人の手出しが6パーセントというような国の造林事業の手出しに合わせまして、国の補助事業の対象にならない工種に対しまして、市のほうで独自に補助をさせていただきまして、そちらの事業を活用することによって6パーセントの手出しで事業を実施するというような形で行っておりますので、私有林の整備につきましても、以前よりは管理が進められてきているところでございます。

質問 20番 新村裕司

特に近年は私有林についても適正な管理、森林環境譲与税の活用、そういったことも含めて、適正な管理に向けて動いているということは私のほうも承知しております。今、部長のほうからもありましたけれども、町の森林計画、今、令和6年から16年度の期間のもの、まず、それについても目を通させていただきましたが、事細かくいろんな項目について計画されていると、そのように認識しております。また先ほどの十数年前の議事録を掘り起こした話になってしまうんですけども、間伐することによって、クレジットの創出の対象になるということで、4年間で324ヘクタール、1年間で80ヘクタールというような記録が残っているんですけども、今もそういったことが可能なのかどうなのか、この点、教えてください。

答弁 農政課長 木谷康臣

今回試算をさせていただいた詳細というか、中身のほうをちょっとお話しさせていただこうかと思います。今回につきましては、対象面積としましては、町長が答弁いたしたとおりなんですが、1990年以降に施業をしている人工林の788ヘクタールとなります。森林の吸収量が3から5トンCO2という基準値があります。ヘクタール当たり。その森林のうち、カラマツが97パーセントを占める人工林ということになりますので、平均吸収量を、年間でいきますと4.5トンCO2ヘクタール当たりとして試算をしてございます。それに伴いまして、クレジットの創出量でございますけれども、年間3,540トンCO2となりまして、このうち3パーセントが保険というような形で、J-クレジットの制度管理者の預かりという形になります。そうなりますとクレジットの販売量というのが、年間でいきますと3,433.8トンCO2、これ、ヘクタール当たりとなります。これ、仮にクレジットの販売価格を、単価ですね、これが5千円/トンCO2とした場合に、収入見込みとしましては、年間で1,716万9千円。プロジェクト期間を、これ、8年で見てございますので、8年としますと合計で1億3,700万3,520円という形になります。一方、支出のほうなんですけれども、媒介手数料ですとか、それから外部の委託料、妥当性確認、審査費用、それからモニタリング審査費用などの諸経費がございますので、これが8年で2,623万5,200円という数字になってございます。収入と支出の差引きで申し上げますと、8年間ではプラスの数字がここは出てまいります。1億1,111万6,800円。ただ、町のほうでは毎年主伐を実施してございます。これが20ヘクタール程度行ってございまして、そのことを今回、試算をしていただきました仲介業者のほうにお伝えをしましたところ。業者さんのほうからは、主伐を行った場合に吸収量の約100倍の排出量になりますということで、クレジットの創出にはならないというようなことをお聞きしてございます。ここまでが仲介業者による試算ということになるんですけれども、その後、主伐と、それから再造林を当然してきますので、再造林を考慮した場合の試算についてということでお問合せをしてございますが、その中では今度、主伐後の再造林による吸収量というのが、排出量の10分の1になるとのことでございましたので、これらを考慮しますと、クレジットの販売量が、先ほど申し上げましたけども、3,433.8トンCO2で、主伐による排出量、これがマイナスという数字になってくるんですけども、マイナスの9千トンCO2、主伐後の再造林の吸収量、これはプラスの数値になるんですが、900トンCO2ということになりまして、差引きで申し上げますと、マイナスの4,666.2トンCO2ということになるものですから、森林経営活動によるクレジットが今回の試算では生じないということになってまいります。そのため、収益も見込めないというような答弁になったところでございます。以上になります。

答弁 経済部長 重堂真一

前回の試算の考え方と変わっておりますのが、御答弁にもありますように、1990年以降に施業している人工林ということで、当然、間伐だとか、植栽だとか、手をかけている森林が対象ということで、その中に当然、間伐をやっている森林でないとクレジット創出の対象森林に見込めないということになりまして、特に間伐をやったからプラスになるとかというのは、試算にはさせていただいておりませんで、当然、間伐を行っている森林を対象に、クレジットを創出、それから、課長のほうからありましたように、主伐をした場合には、排出で100倍の排出というのは計算で試算をしているところでございます。以上です。

答弁 副町長 宮原達史

実を申せば、前回の試算、実は私がやっています。専門業者へ頼んだわけではありません。いろんなものを調べて、ざっくりということで、質問者からも、ちょっと数字出してよということでやったんですけども、多分、当時の算式といいますか、出し方というのは、収益性だけが重要視したような、答弁もそうなっていると思いますけども、ちょっと今思い出すに、先ほどの1,800万円というのは覚えています。結局、J-クレジットという制度になって、排出量、吸収量、J-クレジット、森林分野については、やっぱりほかと違うのは、削減というよりも吸収のほうなんですよね。ですから、非常に複雑な計算になってくると思います。ですから、前回の試算と今回の専門業者がやっている試算と、あまり厳密に比べないでいただきたいなというような気持ちでちょっと聞いておりました。以上です。

質問 20番 新村裕司

すごく理解いたしました。数字のほうも、今回も課長のほうから詳しくお示しいただけたということで、後ほどゆっくり吟味させていただきたいなと思います。結論から言うと、なかなか収益性は見込めないということで、吸収より排出のほうが増えてしまうというような御答弁であったかと思います。それでも、今回、この質問をさせていただいたのは、十勝管内でも、近年、森林面積を多く有する自治体は、森林由来のJ-クレジットを始める、これから始めていく、そういった報道もあったもので、音更町も、森林面積、それほど多いわけじゃないんですけども、道内の全市町村の平均から比べたら多いということであるので、森林分野でのJ-クレジットの活用について、今回、伺わせていただきました。今後も引き続き調査研究ということでお願いしたいなと思います。それで、2つ目の民間の農業者や商工観光業などの経済活動の取組というところなんですけども、この質問については、ちょっと聞き方が悪かったというか、至らなかったというところもあるんですけども、J-クレジットの対象となる取組となるには、これまでのやり方を変えて、新たに脱炭素の取組をした場合に対象となることなんで、既に行っていることについては対象にならない。ですけれども、その方法論に該当する取組というのは、既にいろいろやっている、省エネ、再エネ、そして農業分野でもやっているということは答弁のほうでもお示しいただけたかなというふうに思います。そこで、お聞きしたいのは、町内事業者でクレジットの登録をして販売しているというところは現在あるのかどうなのか。恐らくないかと思うんですけども、登録に向けて動いているというような、そういったケースがあるのかないのか、そういったところを町のほうで把握されているのか、お伺いしたいと思います。

答弁 町民生活部長 井原愛啓

町内業者でJ-クレジットを推進している事業者があるかどうかということでございますが、このJ-クレジットを進めるに当たっては、やっぱり一定規模の排出削減量がなくては登録できない。当然、登録費用もかかりますし、補助金があったとしても、実際に売る場合においては1トン、2トンとか、CO2の削減量ではなかなか売れないものがありますので、町内の場合、中小企業がメインということもございまして、現在取り組んでいる業者はございません。それからあと、大きい企業でよつ葉乳業さんございますけれども、ちょっとそこは聞き取りをしたんですが、やはりよつ葉乳業さんは製造業ということもありまして、自分が削減することに精いっぱいですということで、J-クレジットを売るには至らないというお話でございました。だから、なかなかこのJ-クレジットというのは、大企業でないとなかなか取り組めないとか、先ほど言いました森林吸収の関係で大きな吸収が見込める方法論でなければ、なかなかJ-クレジットの創出は難しいのかなというふうに考えております。

質問 20番 新村裕司

なかなかまとまった削減量を見込めないと取組は難しい、そういった御答弁であったかと思うんですけども、それはあくまで分類が通常型とプログラム型と2つあるうちの、通常形の中でのお話かと思うんですけども、それで、ちょっと話が3点目のほうにもかぶってくるかとは思うんですけども、プログラム型であれば、それぞれの実施者が、小規模の事業者、あるいは個人でも取り組めるというふうには伺っていますが、小規模の取組でも、プログラム型であれば、J-クレジットに参画できる、そういった仕組みであろうかと思います。そこで、町がプログラム型の実施者になるという考えは、まだそういった考えは持ち合わせていないというような御答弁ではありました。それで、2番目の質問に戻りますけれども、クレジット創出の対象となる取組、省エネ、再エネ、そういったところはもちろんですけども、農業分野でも何点かあろうかと思います。答弁でもお示しいただいたとおり、何点かあります。それも、だけど、実際はなかなか農業者はじめ関係者のほうには伝わってないところもありまして、農協のほうにも確認したんですけども、今後、調査していくというようなお話を伺っております。例えば、バイオ炭というお話が、答弁ではそれはありませんでしたね。バイオ炭の農地施用ということも含まれているんですけども、これは木材やもみ殻や家畜ふん尿などのバイオマスをバイオ炭と、高温でつくりまして、それを土壌へまいて、炭素を貯留するという効果が認められるというような技術であります。これはなかなか十勝ではなじみがないというところなんですけども、道内では、北見のほうで、北見のタマネギの生産に関わってそういった取組をしているそうなんですけども、これも初期投資としてはそれほど大きくないのかなと。バイオ炭の入手経路とか、そういった問題もありますけれども、取組自体はやろうと思えばすぐできるのかなというように思います。あと、答弁にもありましたけれども、家畜排せつ物管理方法の変更というようなところでは、過去に僕らのほうでも、家畜ふん尿の処理施設をみんなで集約型のものをつくれないか、そういった話をしたこともあったんですけれども、なかなか採算が取れないというようなところで、これがJ-クレジット制度に絡めてやったらどうなのか、そういった思いもあります。あと、水田地帯の例もお示ししていただきました。あと、もう1点、家畜へのアミノ酸バランス改善飼料の給餌、そういったところもあるんですけども、あと、これに似た取組なんですけども、肉牛の肥育期間中にバイパスアミノ酸を給餌すれば肥育の期間を短くできる、そういった取組もあるんですけども、これは一昨年ぐらいに新しく追加された技術であるんですけども、これも実際、畜産関係者にしてみれば、既に結構実施されている、浸透している技術であるというようなことであります。そういったことも踏まえて、今後、農業関係のクレジット創出の可能性を是非調査研究をしていただければというふうに思います。いろいろ示していただいた事例なんですけども、音更町として地域性の高いCO2削減の取組についてはどのようにお考えか、見解をお伺いしたいと思います。

答弁 町民生活部長 井原愛啓

音更町として、地域性の高いCO2の削減という取組ということでございますけれども、先ほど町長から御答弁させていただいたとおり、温泉熱という利用がございます。ただ、この温泉熱利用につきましては、泉源の問題がございますので、新たに掘ることができないと、そういった制約もありますので、なかなかこれは今後広がる可能性は少ないのかなというふうに考えております。あとは、地域性というのはなかなかなくて、先ほど委員がおっしゃいましたとおり、バイオ炭につきましても、現在の方法論では木質系でないと方法論に乗れない。それからアミノ酸の給餌という方法論につきましても、実は生産元がそれをJ-クレジットとして登録しています。だから、使っている側でそれをまた二重に排出で計上するというか、吸収で計上するということはできないので、なかなかそれも難しいというふうに思われます。音更らしい特別な取組というのは、現在のところ、温泉熱以外はないのかなというふうに考えています。

質問 20番 新村裕司

音更らしい地域性の高い取組、温泉熱というふうにお答えしていただいたんですけども、その点の答弁を期待していたわけなんですけども、それについてもなかなか拡大は見込めないというような御答弁でした。ただ、この温暖化対策実行計画の中身を見ますと、2030年とか2050年の音更の将来像、省エネの脱炭素化の将来像には、温泉熱利用の拡大というようなことも示されていたわけなんですけども、やっぱり拡大というのは今後難しいというものなんですか。ちょっと改めてお伺いしたいと思います。

答弁 町民生活部長 井原愛啓

新たに井戸を掘ることは、もう北海道の制約っていいますか、条例で縛られていますので、それは無理だというふうになっております。ただ、今使われている温泉を使った後の廃熱利用、使い終わった後の熱の回収という部分ではまだ可能性があるのかなと。実際にホテル等でも導入しているところがございますので、そういった部分では今後また、そういった部分でのCO2の削減の吸収といいますか、それについては可能性があるというふうに考えております。

質問 20番 新村裕司

分かりました。次に、このプログラム型の取組という部分なんですけれども、これについては、僕のほうで想定していたのは、町で取り組んでいる、みんなで進めるゼロカーボン事業でしたっけ、昨年度から始めていることだろうと思うんですけども、この取組をプログラム型の取組として、町が管理者となってやれないかと、そういった思いもあったわけです。それで、お聞きしたいのは、ゼロカーボン推進事業、令和5年度から始まって、令和6年度の状況、詳しい数字までは結構ですけども、傾向としては、どういったことが挙げられるのか。あと、加えて、令和6年度から新規のコージェネレーションシステムですか、コレモといいました、それについての利用状況についてお伺いしたいと思います。

答弁 環境生活課長 鎌田隆寛(環境生活課長は2025年3月まで)

令和5年度から開始いたしました、町民みんなで推進するゼロカーボン事業補助金なんですけれども、昨年度全体で190社、192の方から申請いただきまして、申請件数では261件というような形になっております。今年度も引き続き実施しておりまして、金額的には昨年度よりも少なくはなっているんですが、補助金額のほうは少ないんですが、申請者の数は昨年よりも、202ということで多くなっておりまして、補助件数のほうも255件というような形になっており、昨年度に引き続き利用していただいているような形になっております。なお、6年度から、コレモに対しての補助を開始したんですけれども、こちらのほう、今年対象として補助を出している件数はございません。以上です。

質問 20番 新村裕司

すみません、確認ですけど、コレモは今年度は対象、利用はなかったという、そういった捉えでよろしいですか。はい、分かりました。なかなか難しいところなのかなというふうに、そういった認識を持たせていただきました。ただ、こういった、町民みんなで進める取組、それを自治体や町の団体が運営管理者となって進めていくということも、一つ取組として大事なことであるのかなと、そういうふうに思っております。4点目の質問に移りますけれども、活用に向けた考えという部分なんですけども、まず、この課題として大きいものはどういったところがあるのか。答弁にもあったかと思うんですけども、制度上の問題も含めてということになりますけれども、課題としてはどういったことが大きく挙げられるか、お伺いしたいと思います。

答弁 町民生活部長 井原愛啓

J-クレジットの制度上の課題ということでございますけれども、議員も先ほど森林クレジットの関係でいろいろお話がございましたし、経済部長のほうからお答えもさせていただきました。まず、委託料とか、それから中間マージン、当然、取引に係る手数料かかります。そういった部分で、ある一定程度のお金がかかるというのが大きな問題点だと思います。それから、少額といいますか、先ほどからお話ししておりますけども、排出量が少ない場合においては、単価的にいきますと、再エネ、省エネでいきますと、トン当たり2千とか3千とか、少額になります。森林クレジットは5千円とか6千円で取引されているんですけども、そういった単価が安いという部分もあります。やはり大手の企業のほうでやられた場合には、なかなか太刀打ちできない部分があると。それから、町の立場で申し上げますと、今、カーボンニュートラルに向けていろいろな補助事業をやりながら、民間も含めて補助を出しながら削減に努めている中で、やはり、売るということができない。うちの町でいきますと、産業規模も一定程度ありますし、森林面積も25パーセント程度しかない。なおかつ、国有林も道有林もないと。国有林は一定程度ありますけど。そういった中では、なかなかうちの町では難しい部分があるのかなというふうに認識しております。

質問 20番 新村裕司

制度の複雑なところ、認証まで時間がかかるといったところが大きな障壁であるのかなというふうに思いますが、もう一つ、課題として挙げられているのは、まだ住民の認知度がとても低いというようなことかなと思います。住民の認知度が上がってくれば、機運が高まって、また状況も変わってくるのかなというような思いもあるんですけども、町としてこのJ-クレジット制度の周知啓発に対してはどのような姿勢で今後、臨んでいくべきとお考えでしょうか。

答弁 町民生活部長 井原愛啓

先ほどと同じような答弁になると思うんですけれども、うちの町としては、J-クレジットでほかの町、ほかの企業に転嫁されるというのは、極力やってほしくないというのが本音でございます。そういうこともありまして、そこら辺につきましては、町が積極的にJ-クレジットの創出に向けてPRするというようなことは、現時点では考えておりません。

質問 20番 新村裕司

分かりました。このJ-クレジットの制度の特徴としては、CO2削減に資する取組をして、それを売却したら、その取組した実績まで売却する、そういったことになろうかと思います。その点、そういったことが、計画に書いてある町全体の温室効果ガス削減目標との整合性が合わなくなってしまうと、そういったことにもなろうかと思いますが、この対応策としては、地元企業に買ってもらうというようなこともあるでしょうし、他の事例を見ますと、地域でそうしたクレジットを地場産品の付加価値として、地元の道の駅とかで販売するといった、そういった取組もされている自治体もあるかと思うんですけども、言うなれば、クレジットの資金の地域循環というんでしょうか、クレジットの地産地消みたいな取組をされている自治体があるんですけども、そこら辺の取組については、町のほうとしてはどういった見解をお持ちであるのか、その点をお伺いしたいと思います。休憩(午前11時57分)

答弁 町民生活部長 井原愛啓

クレジットの地産地消についての質問にお答えさせていただきます。あるかないかといえば、町内で取引されれば、音更町内での消費ということですので問題ないかと思います。ただ、これについては、やはり買う企業、売る企業が相対した中での成立が前提かなというふうに考えられます。町内の事業者に対して、カーボンニュートラル、温室効果削減ガスにつながる取組を昨年、調査しております。その調査の中では、まだまだ実際に着手しているような業者が少なくて、まだそこの認識にも至ってないということがまずありますので、まずは最初にこの削減につながる努力をしていただくというのは大前提かなというふうに考えております。近年、サプライチェーン全体で、カーボンニュートラルを目指す企業が増えておりまして、例えば中小企業、製品を納入する中小企業に対しても、同じように削減目標を掲げていただくというような要請も入ってきております。これに合わせてやっぱり本町も今後そういう対応を取らないとならない時代に入ってくると思いますので、まずは、温室効果削減につながる取組を進めていただくということを、本町としては進めていきたいというふうに考えております。また、町内で仮に、先ほど地産地消した場合にというお話でございますが、二酸化炭素の量ではやり取りでなくなるんですけれども、委託とか、取引手数料というお金がやっぱり域外に出るというものもございますので、そういったものを考えますと、まずは地元の温室効果削減を進めるほうに方針といいますか、そこら辺を進めるということで考えていきたいというふうに考えております。

質問 20番 新村裕司

今、部長から御丁寧な答弁をいただきまして、納得したところではあります。これまでの答弁の中では、J-クレジットの可能性は理解しつつも、現状としては、特に森林においては収益が見込めない結果、そして、それ以外の部分では温室効果ガスの排出削減量や吸収量に売却へ回すだけの余力が見込められないという、そういった御答弁いただいたところであります。その点については、理解はするところであります。クレジットに参画するしないにかかわらず、温室効果ガス削減に資する取組、そういったところに力を注いでいく、まずはそういったとこから始めていくというような、そういったことであろうかと思います。それで、最後にお聞きしたいのは、この実行計画の冊子、計画と、そして、これまでの実績も記載されておりますけれども、その途中経過ですね、区域施策編、これは町の産業部門や運輸部門に関する部分でありますけれども、2013年との基準年度と比べて、2019年度は16.9パーセント削減されたということであります。また、第4次事務事業編の部分では、これは令和4年度の目標としている数字としては、22パーセントということなんですけども、それも、これまでの議会の答弁の中では、達成できる見通しとの報告があったと、そのように確認しております。その辺の数字について、区域施策編16.9パーセント削減、そして事務事業編22パーセント削減を達成しているという、そういった結果の評価としては、今、町としては、どのように捉えておりますでしょうか。

答弁 町民生活部長 井原愛啓

現時点での削減効果といいますか、削減量についてでございますが、区域施策編につきましては、個別には算出、現在しておりません。中間見直しである令和8年度に、改めてその時点で状況を算定することとしております。以上でございます。

質問 20番 新村裕司

分かりました。一応、2030年とか2050年の目標に向けて順調に推移している、そういった捉えというのはお持ちなのか、その辺の確認だけさせていただきたいと思います。

答弁 町民生活部長 井原愛啓

順調に推移しているかといいますと、数字にちょっと表しておりませんので、ただ、町民に対して、ゼロカーボンに進めるに必要なっていいますか、補助事業をやりながら、いろんなことをやっておりますし、あと最終的には、先ほど言いました森林の関係も、もう一度算定し直して、一体どの程度削減できたのかというのも検証しますので、先ほども言いましたように、数字的には出ておりませんが、一定程度進んでいるという認識であります。

質問 20番 新村裕司

分かりました。今回は、J-クレジットに関わっては、ちょっと難しい、そういった内容だったかと思いますけれども、最後に、J-クレジットに取り組むメリット、その中の副次的なメリットと申しますか、それには地域活性化というようなことも含まれるかなというふうに思います。とりわけ農村分野においては、農業分野においては、これまで当初、農地・水・環境保全対策、今、多面的機能支払制度の下で、環境保全会として各地域で行っている取組が、地域の活性化につながっているように、J-クレジットにもそういった要素も含まれているのではないかと、そういったことも思うわけであります。いずれにしても、今後、調査研究はしていただくということは確認させていただきました。特に森林に関しては、なかなか本当に難しいなというところであります。しかしながら、このJ-クレジット制度も、環境を考えるインセンティブとしては有効な手段だと思います。現在のところでは、なかなか経営的にメリットとなる部分は少ないということですけれども、今後、様々な角度から、取り組みやすい方法論を追加するために研究、検証も進んでいくということです。環境負荷軽減に取り組みつつ、そこから利益を得たり、地域の資源が循環したりするJ-クレジットに、今後とも引き続き注視していただければというふうに思います。本当に、今、別にはやりだからというわけでもなく、これに取り組めば、夢物語が開ける、そういったことでは決してないかと思いますけれども、地域のメリットになるかどうか、そういったところも今後見極めていただきながら、まずは地域の特性に最適な脱炭素戦略、明確に描きながら、取り組んでいただければというふうに、音更町なりの取組を続けていっていただければと思います。最後になりますが、森林に関して、今回精度の高い調査、試算いただいたことに改めてお礼申し上げて、質問を終わりたいと思います。

出典:音更町議会 令和7年第1回定例会 2025年3月5日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる