音更町議会 平成27年第4回定例会 2015年12月10日
林業振興に関する取り組みについて
2015年12月10日、音更町議会の一般質問で、鴨川清助議員が「林業振興に関する取り組みについて」質問し、副町長 高木収、経済部長 津本明伸が答弁しました。
- 質問者
- 鴨川清助 議員
- 答弁者
- 副町長 高木収、経済部長 津本明伸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 鴨川清助
質問の機会を得ましたので、それでは林業振興に関する取り組みについて、通告に従い質問させていただきます。林産業、森林産業は、種苗から育苗、植樹、成木になるまで数十年を要します。造林事業は、一朝一夕に成長し得るものではなく、木材を生み出すために長い時間を要します。これを川上といたしますと、製材所などの加工部門は川中となり、川下の家をつくる住宅産業へとつながらなければなりません。人工林の植種は、カラマツ、トドマツが多く植樹されています。しかし、カラマツ製材はねじれたり割れやすく、住宅建材としては扱いづらく、柱やはりといった主役に到底なり得ませんでした。そのカラマツ材にも、炭鉱の坑木として、電柱材として大いに活用され、町の基本財産として運用されてきた時代がありました。カラマツ造林が、将来町民税を徴収しなくても済むようにと考えられた時期があったようであります。このほど、地方独立行政法人北海道総合研究機構の「新たな住まい」と森林資源循環による持続可能な地域形成という戦略研究から生まれたコアドライなる新しい技術をきっかけに、新しいカラマツ材利用が始まろうとしています。国有林の払い下げを受け、現在音更町には、町有林面積1,758.1ヘクタール、池田町にある町有林面積191.2ヘクタール、私有林面積1万31.35ヘクタールの林業資源があり、今後どのように活用する考えであるか、以下の点についてお伺いいたします。一つ目、林業経営を助けるソフトが開発されているようですが、町有林の素材材積量予測は把握していますか。二つ目に、コアドライ材をつくる新しい技術を推進し、支援していく考えはありますか。三つ目、野ネズミ、先枯れ病などのカラマツの弱点を克服する新しい品種も開発されていますが、育苗、植樹支援の考えはありますか。以上3点を主にお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
答弁 副町長 高木収(副町長は2020年3月まで)
林業振興に関する取り組みについての御質問にお答えいたします。初めに、町有林の素材材積量予測の把握についてでありますが、本町では、北海道が地域森林計画策定の際に基礎資料として活用している森林調査簿をもとに推定蓄積量を把握しております。この推定蓄積量が御質問の素材材積量に相当するもので、これは、苗木の植栽後、樹種や経過年数等に応じて算出されたものであります。町有林の主な樹種はカラマツで、全体の約7割を占めており、平成27年3月末現在の推定蓄積量は、音更町内分で約34万9千立方メートル、池田町分で約4万3千立方メートル、合計で約39万2千立方メートルであります。町森林整備計画のカラマツの主伐時期につきましては植栽後50年を目安にしており、昭和40年台に植栽した材が大量に伐期を迎えることから、本年9月に関係機関の職員が現地に赴き、町有林のカラマツ資源調査を実施したところであります。今後、この調査結果をもとに推定蓄積量を含めた検討を行い、主伐時期の長伐期化に向けての計画策定を行うこととしております。なお、御質問にあります林業経営を助けるソフトにつきましては、地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場が開発した北海道版カラマツ人工林収穫予測ソフトのことと思われますが、このソフトは、樹高や直径などの調査データを入力することにより直径成長量をモデル化し、収穫予測を行うことによって計画的な間伐スケジュールの決定や施業体系図の作成に活用されるものと伺っており、北海道の森林普及部門や小規模な山林の所有者には有用なものと思われます。ただ、本町では、データを収集するための調査が別途必要となり、多額の費用を要することから、現状では活用は難しいものと考えております。次に、コアドライ材への支援についてでありますが、コアドライとは、道産カラマツ人工林材の弱点である施工後のねじれや曲がり、割れの発生を克服する新しい乾燥技術のことであり、地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場が開発を行い、平成26年3月に北海道木材産業協同組合連合会が商標登録を行ったものであります。この新しい乾燥技術を用いて生産したものがコアドライ材であり、平成27年11月末現在、道内では1事業者が認定を受けて生産を行っております。これは、カラマツの芯持ち材の中心部の含水率が15%以下になるまで高温で段階的に乾燥させたものであり、これにより、ねじれや表面割れ、内部割れの生じにくい高性能部材として使用することができるものであります。コアドライは、現在実用化が始まったばかりの新しい技術でありますので、町といたしましては、林産試験場や振興局森林室など関係機関から情報を収集し、今後の需給動向等を注視してまいりたいと考えております。最後に、カラマツの弱点を克服する新しい品種に対する支援についてでありますが、新たな品種改良につきましては、地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場が、旧北海道立林業試験場の時代から、野ネズミ等によるカラマツの食害被害を克服するためにグイマツとカラマツを掛け合わせる研究を行った結果、現在では、グイマツ雑種F1、クリーンラーチ、スーパーF1の3品種が造林用として一般に流通しております。いずれの品種もグイマツより成長が早く、カラマツより材の強度と幹の通直性に優れているという特徴があり、枯れ木対策として有効なものと考えますが、これらの苗木は生産に手間がかかるとともに、その価格はカラマツと比較し1.5倍から2.5倍と高価なことから、現状では供給量も少なく、今後も大幅な増加は見込めない状況となっております。また、本町においても、野ネズミ等による被害の少ない地域では通常のカラマツのほうが低コストで成長が早いため、将来的にも現在のカラマツから全量が切り替わる可能性は低いものと思われます。御質問の植樹に対する支援につきましては、これら3品種ともに国の造林事業での植栽の補助対象となっておりますので、現時点では町独自の上乗せ支援策は考えておりません。御理解をいただきたいと存じます。以上、答弁とさせていただきます。
質問 17番 鴨川清助
自分の認識と同じようなと言ったら変ですけれども、私も林業、森林、造林、このことに対し深くわかっているわけではないわけですけれども、自分も知り得ている中で町有林、音更町にこれだけの面積を持っているという意味で、大きな資産、財産だと認識しています。そういった中で、今回、このカラマツ材を通して町の山に対する考え方を聞いていきたいと考えてございますので、よろしくお願いしたいと思います。先ほど開発されたソフトの件も、高額なものであるから、なかなか町として導入というようなことまでは考えられないというような答弁がございました。しかしながら、自分も今森林について話をするにとっても、今伐期に来ているもの、今製材となるものというのは当然50年前植林されたもの、また、少し前は35年ぐらいで製材となって出てきた部分というのが多かったかなと思うわけですけれども、今現在出ているものというのは、使い方も少しずつ変わってきたという中身がございます。そういった中で、今集成材という形で使われているというものもあるように認識はしているのですけれども、この新しい技術の中で、実質これを利用しようとするときに、加工する者も当然ですけれども、使う側がどう考えるか、そういったふうにも心配するところなんですけれども、その点、この今の森林事情といいますか、林業、産業に対して町は今どういうふうにまた考えられているか、その辺について触れていただければと思います。よろしくお願いします。
答弁 経済部長 津本明伸(経済部長は2017年3月まで)
答弁にもありましたように、本町の町有林の面積、御報告のとおりでございますけれども、町有林の7割程度がカラマツ林という形の中で、御質問にもありますように、カラマツ材の有効利用、これについては、私たちも、町の財産を預かる一部署として、重要なことなのだと理解してございます。それで、今、議員がおっしゃったように、カラマツ材、苗木から植林して成長していく過程で、大体十二、三年から5年ぐらい1回目の間伐がありまして、その後、また二十数年後また間伐という形の中で、3回ほどの間伐を持って最終的には主伐というような過程を組みながら管理していくような状態でございます。それで、カラマツ材そのものの利用については、非常に今新しい技術ということもありますけれども、材自体は非常に使いにくい材であることも事実でございますが、町といたしましては、先ほど答弁にもありましたように、単にこのソフトで、間伐の時期をソフトで算出するだけでない、地域事情というようなものもございまして、私どもの町には、そのカラマツ材を伐採して、出して受け入れていけるところが、第一次的には森林組合さんに受け入れてもらわなければならないという、生産者からの一つの出口先がそこになるわけでございます。そこの受け入れ体制のこともありますし、町の昭和40年当時、一斉に植林した時代のものがまさに今大量に主伐時期に入ってきているという形の中で考えますと、非常に受け入れと出す側の部分のミスマッチングも出るのも事実でございます。それで今、長期、長伐期計画というものを、計画を策定しながら今進めようとしているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、このソフトそのものにつきましては、町といたしましては、あくまでも経営上の部分では、有効か有効でないというような話でいけば、有効性はあるものとは理解はしつつも、現状、地域によって、必ずしもソフトのような状態で間伐から主伐計画までなかなかいけない部分がございますので、それに要する費用を考えると、今すぐ町としてこれに取り組んでいくというようなことにはならないのかなと考えているところでございます。それと、本町のカラマツ材の多くは、いろいろと、材の部分でございますけれども、やっぱりカラマツ自体は非常に使いにくい部分はございますけれども、今音更のカラマツが森林組合さんを通じていっている部分で、主には梱包材としての製材、またはラミナといいまして集成材の一部になる製材的なものがほとんど。あと、端の部分というのですか、余った部分についてはチップというような形で流通しているようなことと認識してございます。以上でございます。
質問 17番 鴨川清助
私も、先ほど冒頭申し上げましたように、それほど、わかっていると言ったら変ですけれども、熟知している部分ではないものですから、そのソフトに関しても安易に考えている部分があります。それは、例えば、10メートル以上の木が山に何本あるかということでインプットすると30年後の材積量が判明するといいますか、このぐらいの材積が出るんだよと。そういった中でその山の単価がわかっていく、そういうソフトが今できたということを聞いたわけですけれども、今現在、どうしても山の木の価値というのが下がっているといいますか、認識されていないといいますか、大変、1本幾らという高い時期があったわけですけれども、今はそうではなく、皆伐をしてもなかなか手元にお金が残らないような状態であります。そういった中で、山に対する思いというのが非常に下がっているといいますか、認識が自分たちも掘り起こせないといいますか、そういった状態にあるわけですけれども、今回新しくこのコアドライ材というのが出たわけですけれども、この材に関しては、本州方面の杉であるとか、またヒノキであるとか、そういった製材に負けないものであるという評価を得ていると聞いてございます。これは、極端なことを言うと、外材であるものに太刀打ちができる材質であるというようなことも言われているわけです。そういった中で、今までの木が、また、山の材木がなかなか価値観として見出せなかった部分があったものですから、自分たちもなかなか山に入って間伐をしたり枝払いをしたりということができなかったというのが現状でないかと思うのです。最終的には、冒頭申し上げましたように、つくる側、そして加工する側、それをまた利用する側、しっかりと利用されれば当然その価値も上がってくる中で、収入も得られるという部分が出てくるのかと思いますけれども、その部分で問題になるのは、やっぱり使う側、工務店さん等がどう思うかという部分が大きいかと思うわけですけれども、そういった中で、まだまだ十分認識をされてからというような答弁でございましたけれども、大きな意味で音更町の資産といいますか、それを活用していく中身では、いろんな中身でこういうものを町も発信していくべきじゃないかなと思うわけですけれども、その辺に関して御意見をいただきたいと思います。
答弁 経済部長 津本明伸(経済部長は2017年3月まで)
新しい技術のコアドライ材という部分でございます。議員おっしゃるように、つくっても、出口がきちんと定まっていかないと、なかなか加工する側の人も量産できないという仕組みなのかなと。町が一概に工務店さんに、こういう材ができましたからどんどん使ってくださいと言うのは、またこれちょっと難しい部分はあろうかと思いますけれども、この技術自体は特に私たちも否定するものでもないし、これがどんどん普及されることによってカラマツ材の価値が多分上がっていくのだろうなと。そうすると、本町に植林されている町有林の約7割のカラマツ材、ここに大きな付加価値といいますか、財産価値が生まれてくるのだろうなというように私どもも感じている部分でございます。ただ、森林組合さんともこのコアドライ材の部分についてお話も伺った経緯もございますけれども、組合さんも直接、道内にある一事業所、栗山のほうにございますけれども、視察等も行っているようでございます。残念ながら私どもまだ行っていませんけれども。それで、技術的には相当高いレベルまで来ていることは事実だというようなお話も受けています。ただ、先ほども議員おっしゃるように、使う側の工務店さん、これが今まで使っていた材をいきなりこのコアドライ材に使用できるかという部分についての、やはりその辺の工務店さん側の、何といいますか、例えば10年たったときに、ねじれが本当に生まれないでそのまま経過したのか。今は試験的にこういう状態だけれども、10年後に多少のひずみが出てきただとかという部分について、まさに住宅というのは、木造住宅であれば基本大体25年と言いますけれども、大体30年から35年は木造在来住宅は今存在いたしますので、その辺のリスクなんかも工務店さんなんかは相当検討、研究しなければならない部分がこれから出てくるのかなと思います。いずれにいたしましても、町といたしましても、この技術がどんどん普及されて、十勝管内にもこういう加工業者が生まれ、また、本町にあるカラマツ、これがこういう材に変わっていくという部分については、私たちも、支援をここにどうやっていくのかというのは別ですけれども、やっぱり前向きな形で私たちも見守っていきたいと感じているところでございます。
質問 17番 鴨川清助
今答弁いただきましたけれども、実質、使う側の工務店さんが、最終的に家を建てて、あと5年、10年後にすき間が出たぞ、また、割れが出たぞというようなことでは、使い勝手がまだ十分担保されていないという中では、すぐこれがどうのということは自分もやっぱり難しいかなとは思うわけですけれども、ただ、この森林にかかわる現状といいますか、を鑑みるときに、今、認証制度というようなものもあって、その機能、持っている特徴であるとか、できたところであるとか、いろんなものもこれからは認証制度の中で十分利用されていくという部分があろうかと思うわけですが、現場的に、工務店さんは、今自分が認識していたのとはちょっと違うと言ったら変ですけれども、どうも、プレカット工法であったり枠組み工法であったり、もともと材を1本ごと無垢で使うという、その中身の使い方が今現状ではちょっと変わっているという部分があるかと思うわけですけれども、まだ工務店さんにもなかなか認知されていないという部分があって、ちょっと歯がゆい部分、カラマツのあり方というのはこれからなのかもしれませんが、ただ、今このことをきっかけに、当然森林の持つべき力というものを十分発揮する時期が来るのではないだろうか。当然、今利用している木もやっぱり40年、50年前の植林したものです。今価値がないからといって植林をしなければこの後物が生まれてこないというのも実際ですし、私的なことを言わせてもらえれば、自分のところにも、親たちは、自分が家を建てるときにはこの木を売れば建つはずだということで植えた木が、さっぱり足しにもならないような価格であったということではあるけれども、これからはまたいろんなグローバル的な考え方の中で、輸入材がどうなのかということもあれしながら、また、輸入材と対抗できるカラマツ材であるということも鑑みたときに、自分たちは、もう一度立ちどまってというよりも、認識し直して、町有林の人工林としてあるカラマツの利用というものに目を向けていくべきではないかなと思います。自分の思いはまだまだあるわけですけれども、なかなか上手には言えません。しかしながら、町側のこの今までのやりとりの中で考えることがあるとすれば、町側の意見を求めて質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
答弁 経済部長 津本明伸(経済部長は2017年3月まで)
町側の考えということでございますけれども、森林、林業につきましては、今、議員もおっしゃるように、長い年月を経てやっと利用価値が出てくるというものでございます。普通の農業で単年度で収益を上げて、その収益が翌年の再生産に結びつくというスパンを考えると、非常に、50年、場合によっては80年ぐらいのスパンで物事を考えなければならない部分なのかなと理解しております。そういうことも踏まえまして、私たちも、植えて育てて、また利用してまた植えるという、そういう循環のシステム、ここについてはこの先も多分変わらないのだろうなと。そういう部分に、上において、新しいこういうコアドライ材というような技術も一つだとは思いますけれども、こういう新しい技術とともに、私たちの町の森林が有効に今後も活用されていくような、また、森林を持っている方々が逆に自分の持っている森林に魅力を感じるような、また、そういうような形になるように町もその時々の施策を国とともに打っていきたいなと考えてございますので、御理解賜りたいと存じます。
答弁 副町長 高木収(副町長は2020年3月まで)
林業振興ということでいろいろお話をいただきました。今、経済部長からも御答弁申し上げましたけれども、一つの木を製材まで持っていくのに50年もかかるということになれば、当然一代ではできない。今音更町にこれだけの森林があるのは、結局先祖代々大事に守り育ててきていただいたおかげでこれだけの森林面積を保有しているのだと思います。ただ、その森林については、資産価値ということもありますけれども、やはり自然保全機能といいますか、二酸化炭素、CO2を吸収するというような、今は環境ということもあります。そして災害対策、災害に対する治山、そういうこともあります。非常に多面的な機能を持っていると思います。その森林の中にはまたいろんな生態系があったりします。私たちの身近なところにある森林が果たす役割は極めて大きいのだろうと思います。ただ、それを維持していくためには、やはり最後きちんと製材まで持っていって、そこで一定の収益も上げていかなければ更新されないと。育苗もされないと。植樹されないということになってしまいますので、今のいろいろな技術開発、そしていろいろな経営を助ける、なかなか人的な難しさもありますので、コンピューターソフトですとかいろんな技術開発もあるようです。こういったことを私たちも情報を逐一把握しながら、今後の音更町の林業振興ということに努力してまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。