小樽市議会 令和6年第4回定例会 2024年12月10日
国の施策等に関連して
2024年12月10日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「国の施策等に関連して」について質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 髙橋龍 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 18番 髙橋龍
次に、国の施策等に関連して伺います。いわゆる103万円の壁について伺っていきます。かねてより取り沙汰されてきた制度上の課題ではありましたが、本年10月の衆院選以降で、その動きは加速してきています。物価高騰に窮する声も日増しに高まり、現金給付等の策は断続的に講じられてきたものの、それはいわゆるカンフル剤的なものであり、恒常的な施策とはなっていなかったのが実情です。その中で、103万円の壁の引上げが実現すれば、可処分所得を増やし、購買・消費の意欲を喚起することで、市内経済にもよい影響が及ぶことは歓迎すべきであると考えます。他方で、本市の歳入などにどの程度の影響が出るのかということも考えておく必要があります。現在の103万円の壁は、1990年代に設定された基準であり、当時と比べて物価や生活コストが大きく変化した現代では、この基準が現実にそぐわないとの指摘があります。そもそも103万円の壁は所得税が発生する基準として設定されており、主に非正規労働者や主婦層が影響を受けていますが、その引上げによって起こるであろうことについて、この後、少し触れたいと思います。まず、労働力不足の解消についてです。言わずもがな、少子高齢化が進む日本では、労働力人口の減少が深刻な問題であります。パートやアルバイトなど非正規労働者が壁を気にせず働けるようになることで、労働参加率が高まると推測はできます。とりわけ、主婦層の中には壁を超えると課税されてしまうため、働く時間を抑えているという方が多くいらっしゃるため、現状の壁を解消すれば、より自由に働けるようになることが考えられます。また、経済の活性化も考えられます。働き控えが解消されることで収入増につながれば、消費が拡大し、地域経済へのよい影響が期待されるということです。反対に、解消すべき課題も存在するものと理解しております。一つ目の課題は、財政負担の増加です。所得税の基準を引き上げることで、結果として国や自治体の財政負担が増える可能性も指摘をされているところであります。そして、二つ目は、次なる壁の発生です。103万円の壁を引き上げたとしても、106万円、130万円といった別の壁が問題として浮上するということです。103万円の壁に関しては、詳細な制度設計が明らかになっていないものの、全国の市町村からは賛否それぞれの意見が報じられていることからも、以下伺ってまいります。まずは、税収への影響と非課税世帯の増加等についてということであります。103万円の壁が178万円に引上げが実現した場合、小樽市の住民税収にどのような影響が生じると見込んでいますか。非課税世帯の増加も予想される中で、具体的な増加率、そして、それが市全体の財政構造にどの程度の変化をもたらすかという点が注目されています。住民税分が減収になるのか、交付税措置がなされるのか、はっきりとしない中で、予算編成の時期を迎えているわけですが、今の状況が次年度の事業に与える影響について御説明ください。場合によっては、住民サービスが削られることなどもあり得るのでしょうか。あるいは、財政調整基金の取崩しなどにより、しのぐことができるのでしょうか。次に、税収とは別の観点で、市内の人材不足、労働力不足の解消について伺います。103万円の壁引上げが市内の中小企業が抱える人手不足の解消に一定の効果があると捉えますが、御所見をいただけますか。国との連携に関しても伺います。税収減になる可能性を鑑みれば、国に対して何らかの要望を出すことが求められます。103万円の壁の引上げが地方自治体に与える影響を踏まえ、小樽市として国にどのような措置を求めますか。全国市長会等を通じて要請などについての状況をお示しください。自治体の財政健全化に資するため、平成23年度以降、一般財源総額実質同水準ルールが設けられていることを考えれば、マクロ視点では減収分が補塡されると思いたいところですが、それについては、今後の議論の推移を見ていきたいと考えます。また、103万円の壁が引き上げられたとして、この項の冒頭で申し上げた106万円、130万円の壁の問題も存在します。扶養から外れて別途保険加入になることで、働き損になるとやゆされることもあります。さらに最近の議論では、2026年度から年間の給与が156万円未満の方には、雇用主が社会保険料を肩代わりするという厚生労働省の案も示されています。中小企業にとって大きな負担になることも考えられ、そうなると非正規の職員の雇い止めが起こるなど、新たな壁になることが課題視されます。本質的には、これらの壁の引上げや見直しにより、労働力不足の解消につながり、可処分所得を増やすことで働く人々の生活の質を向上させて、持続可能な雇用環境を整備するということが目指す姿であると考えます。さらには、購買意欲をかき立て、経済の好循環に向かうよう、国の議論を見据えつつ、市としても仕掛けられる策を効果的に講じる必要があると申し上げます。次に、マイナンバーカードと健康保険証の統合、マイナ健康保険証に関してです。これまでも関心事となってきたことではありますが、いよいよ先週12月2日より切替えになりました。マイナンバーカードを持たない方には、紙の健康保険証とほぼ同じ資格確認書で対応するということです。マイナ健康保険証への切替えについて、本市の国民健康保険に加入されている方のマイナンバーカードと、健康保険証のひもづけ率はどうなっていますか。また、特にマイナンバーカードの手続への理解が難しい御高齢の方々をはじめとした市民の方へ、マイナ健康保険証への切替えのサポート体制はどのようになっているのか、お答えください。次に、地域医療機関での対応状況です。マイナ健康保険証で受付が可能な市内の医療機関や薬局の件数を把握していますか。把握しているのであれば、対応可能な市内の医療機関及び薬局の割合がどうなっているかもお答えください。マイナ健康保険証のトラブルとして、カードリーダーで読み込めない、顔認証がクリアできない、パスワードは3回ミスでロックされるなどの結果、紙で処理するということも起きていると聞きます。そのため、新しい仕組みとアナログな対応が混在することで、現場は煩雑な処理に対応しなくてはならないという場面もあるとされます。この分野に限らず、DXは推進の立場でありますが、現状は肝腎の運用までのフローが中途半端なまま、マイナ健康保険証の制度開始に至っている感が拭えません。このように、切替えに伴うトラブルも報告されているところです。システムや通信の不具合などでマイナ健康保険証が利用できない場合はどうなりますか。加えて、本市の国民健康保険では、資格確認書の発行体制は整っていますか。次に、個人情報とセキュリティーの確保に関して、従前より懸念の声もありましたが、セキュリティーホールへの対策は一自治体で行うことは難しいことを承知しています。国は、マイナンバーカードのICチップにプライバシー性の高い情報は記録されておらず、個人情報保護について問題がないと説明をしていますが、市民の方には個人情報の保護に不安を覚えている方も多いと思います。国民健康保険加入者の方に、令和7年度以降も不安解消に向けた周知、啓発などを行う予定はありますか。また、本市の国民健康保険の窓口において、個人情報保護の不安について問合せがあった場合、どのような御説明をすることとなるのか、お答えください。また、マイナ健康保険証への切替えに関して、市の国民健康保険の窓口において、お問合せの対応が増加する可能性はあるかと思いますが、本市のマイナ健康保険証への切替えについての問合せ状況はいかがですか。それに伴う職員の負担軽減策や業務効率化の必要性はないのでしょうか。マイナ健康保険証も正しく使われれば、享受できる恩恵は少なくないのだと思います。しかし、先ほども申し上げたとおり、制度の進め方に対して、世の中の動きが必ずしも歩調が合っていなかったことから、不安の払拭に至っていないというのが現実なのでしょう。さらに、マイナ健康保険証には公費負担医療制度に対応しないという問題もあります。ひとり親家庭医療費助成や障害者医療費助成などを利用する際は、従来どおり受給者証の提示が必要であり、医療費助成の利便性は限られています。マイナンバー制度は社会保障や税、災害対策に使うことが原則ですが、医療分野での利用は、先ほど言ったように中途半端な状況なのです。医療保険の現金給付は、法律でマイナンバー仕様が規定されていますが、診療記録などの現物給付には規定がなく、マイナンバーが使えません。設計時にはプライバシー配慮が必要とされ、特別法制定の議論もありましたが、医療分野では現行の法律で対応するという状態が続いているのです。医療現場において、顔写真つきのマイナンバーカードを活用した本人確認のニーズもありますが、マイナンバー自体が使えないため、カード内の電子証明書シリアル番号を利用するという仕組みが導入されていて、被保険者番号やシリアル番号は変更されるため、二重管理が正確に行われる保証はありません。そして、現在、マイナポータルでは薬の情報を確認ができますが、即時更新にも課題が残されています。本市としても、デジタルデバイドをはじめとするこれら課題の対策などで、少しでもスムーズな運用となるよう御尽力をお願いするところであります。以上、第2項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、国の施策等に関連して御質問がありました。初めに、103万円の壁についてですが、まず103万円の壁が178万円に引き上げられた場合の個人住民税への影響額につきましては、仮に基礎控除額の引上げ幅を所得税と同様に75万円とした場合、令和5年度決算ベースでの機械的な試算となりますが、市税全体の約11.7%に当たる約16億4,000万円の減収になると試算しております。次に、103万円の壁の見直しによる本市の今後の予算編成に与える影響につきましては、先ほどの試算のように、単純に住民税が減収となる場合には、実施を予定している事業に必要な一般財源が不足することから、事業内容や規模に変更が生じる可能性が懸念されますが、現在、国において見直しの議論が行われている最中であり、詳細については現時点でお答えすることはできません。次に、人手不足解消への効果につきましては、いわゆる103万円の壁を意識せずに働けるようになり、働く時間が増えることで、人手不足の解消に一定の効果が期待できるものと考えております。次に、国に対する要請につきましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、税収減となることにより、事業内容や規模に変更が生じる可能性が懸念されることから、減収分の補塡については、国が責任を持って恒久的な財源により措置すべきものと考えております。全国市長会では、地方税財源に影響を及ぼすことのないよう、慎重な見直し議論を行うよう強く求める旨の意見表明を既に行っており、今後も議論の動向を注視し、北海道市長会を通じ必要な対応を行ってまいりたいと考えております。次に、マイナ健康保険証についてですが、まず、マイナンバーカードと国民健康保険証のひもづけ率につきましては、本市の国保加入者では、令和6年9月末時点で61.7%となっております。また、マイナ健康保険証への切替えのサポート体制につきましては、市役所別館1階のマイナンバー窓口、または国保後期高齢者医療制度の窓口で、マイナンバーカードと健康保険証のひもづけの手続を受け付け、職員がサポートしております。次に、マイナ健康保険証で受付可能な医療機関などの割合につきましては、令和6年10月末時点で、市内の病院、診療所は86%、歯科は88.9%、薬局は97.3%となっております。次に、マイナ健康保険証での受付ができない場合につきましては、医療機関等の窓口で、お持ちのマイナ健康保険証と一緒に保険者から交付される資格情報が記載された資格情報のお知らせ、またはスマートフォンでマイナポータルの画面を提示することで受付が可能であります。また、資格情報のお知らせやマイナポータルの画面が提示できない場合でも、被保険者資格申立書を記載し、提出すると受付が可能となります。資格確認書につきましては、12月2日より窓口で申込みのあった方に対し、迅速に処理を行い、原則、翌日に発送する体制を取っております。次に、マイナ健康保険証の個人情報保護の不安解消につきましては、国民健康保険の納付書発送の際、国保加入世帯にマイナンバーカードの安全性も含めたマイナ健康保険証利用啓発のチラシを同封する予定です。また、窓口で個人情報保護の問合せを受けた場合につきましては、顔写真入りのため、なりすましはできないこと、暗証番号を教えない限り他人が不正利用できないことや、マイナンバーカードのICチップには、医療情報などのプライバシー性が高い情報は含まれていないことなど、個人情報保護の安全性を説明し、それでも不安を訴える方には、マイナ保険証の利用解除の説明を行います。次に、国保のマイナ健康保険証への切替えにつきましては、多い日で十数件、窓口や電話で問合せがありましたが、現在、持っている健康保険証が来年7月末まで使えることや、マイナ健康保険証に切り替えなくても自動的に資格確認書が送られ、これまでどおり受診できることを説明すると納得する方が多く、過度の業務負担は発生いたしておりません。