小樽市議会 令和6年第4回定例会 2024年12月10日
人口減少のもとでのまちづくりについて
2024年12月10日、小樽市議会の一般質問で、小貫元議員が「人口減少のもとでのまちづくりについて」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 小貫元 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 小貫元
次に、人口減少の下でのまちづくりについて質問します。まず、小樽市立地適正化計画についてです。これまで、基本方針、13拠点、基幹的公共交通軸の設定などの基本方針骨子について協議が行われてきました。このたび明らかにされたのは、居住誘導区域や都市機能誘導区域の設定です。そもそも小樽市立地適正化計画は、集客施設や住宅を中心市街地に誘導・集約し、郊外は公共交通ネットワークで結ぶ政策です。ところが、中心市街地への誘導ばかりが計画され、郊外への公共交通路線を整備せず、交通不便地域のまま放置するケースがあります。一般論として、小樽市立地適正化計画を進めることにより、郊外にばらばらと家が残り、理念とは逆に非効率な市街地が形成されることが懸念されると考えませんか。また、住み慣れた地区を離れるのであれば、居住誘導区域よりもっと便利な大都市へ転居するなど、市外への転居者を増やし、予想以上の人口減少を引き起こすことにつながるのではないですか。人口が減少する場合、空間的には余裕ができます。生み出された空間を不足している公共空間の整備、例えば公園や歩道の整備、雪押場などに充てれば、住み慣れた地域に暮らし続けることができ、公共空間の改善も進めることができます。この意見に対する市長の考えを示してください。具体的に、小樽市の計画について伺います。第1に、新幹線新駅周辺を都市型居住推奨区域としていることについてです。新幹線のアクションプランでは、新駅周辺における定住人口確保のため、公営住宅の整備やマンションの誘致を検討とあります。一方、公営住宅の小樽市公共賃貸住宅長寿命化計画では、市営住宅目標管理戸数の設定として、2040年には約2,000戸まで縮減することを掲げています。新駅周辺以外の市営住宅をなくして、新駅周辺に市営住宅を建てるという計画を持っているのですか。それは、居住誘導区域のほかの地区から新駅周辺への転居も含まれることになり、立地適正化とはならないと思いませんか。新幹線新駅周辺は用途地域としては、第一種住居地域と工業地域に指定されています。工業地域では、どんな工場を建ててもオーケーになっているので、危険性や環境の悪化のおそれがあります。そのため、学校や病院、ホテルなどを建てることはできませんが、住宅や店舗の建築は可能です。どんな工場も立地可能なため、この地域に普通に家を建て居住することは、かなり熟慮が必要です。ましてや天神地区の区域を囲むように土砂災害警戒区域があります。都市型居住推奨区域が掲げる集合型の住宅での居住を主体とした利便性の高い安心・快適な暮らしを享受したい方を対象にすることにはならないのではありませんか。第2に、小樽市独自に地域特性活用居住区域なるものを定めています。居住推奨エリアとするけれども、法に基づく居住誘導区域ではない。何とも不安定な位置づけです。特に、蘭島、塩谷、高島です。これらの地区は、小樽市の第一次産業を支えている地区です。そして、蘭島や塩谷は国道に住宅が連なっているところです。これらの地区は、居住誘導区域ならば適用される国の補助事業の対象から外れることになるのか、確認します。また、蘭島、塩谷、高島地区が果たしている役割について、市長はどのように思っていますか。いずれは、学校も保育所もサービスセンターもなくしていくような悪巧みは許されません。そのような意図はないと否定できますか、お答えください。コンパクト・プラス・ネットワークというのであれば、一次産業を支えているこれらの地区を、法に基づく区域から外すことは、ネットワークの崩壊と産業の衰退を企図しているのではないですか、お答えください。第3に、都市機能誘導区域について、中核がJR小樽駅、南小樽駅、小樽築港駅を中心とした周辺区域、準中核がJR銭函駅を中心とした周辺区域、副次都市機能誘導区域を長橋十字街、朝里十字街を中心とした周辺区域等としています。長橋十字街周辺において、子育て機能等を検討するとしています。歴史的には手宮地区が該当すると考えていました。子育て機能の面でも、小学校があり、保育所、幼稚園も存在する。長橋にこれらの機能を移転することを今後、考えているのですか、お答えください。一般都市機能誘導区域でも蘭島を除いていることは問題です。消防支所の廃止をもくろみ、この計画でも、都市機能の集約を行わないとする。これでは、蘭島地区の方からは、市長は蘭島地区を見捨てたと思われても仕方がないと思いませんか。今年の冬もバスの減便が行われました。コンパクト・プラス・ネットワークのネットワークをどのように維持していくのか、この方策が見えてこなければ、居住誘導区域以外の区域は孤立し、札幌市に転居していきます。ネットワークの柱は、公共交通、特に路線バスです。ネットワークを40年にわたって維持していく保証はどこにあるのですか。市民に約束できるのですか。次に、北海道新幹線の札幌延伸についてです。日本共産党は、この計画について問題が山積みであり、工事は中止すべきと考えています。トラブル続きで、北海道新幹線の延伸時期の見通しが明らかになっていません。11月18日に掘削を再開した羊蹄トンネル有島工区は、19日に再び作業を停止しました。独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、工事が遅れていることから工期短縮に取り組むとされています。しかし、工期短縮に取り組むということは、手抜きをするわけにはいきませんから、お金をかけることで工期短縮を図ることが想定され、さらなる事業費の拡大が考えられます。工期の見通しが立たない工事であり、事業費負担の見通しがない工事に税金を投入することに、市長は心が痛みませんか。市の負担が幾らに増えようとも、工事を推進する立場ですか。第17回北海道新幹線並行在来線対策協議会後志ブロック会議でのJRTTの説明では、トンネルの掘削断面から水が大量に出ている、地質の不良が継続している、前面に岩塊が存在する、トンネルを掘ったときにもろくて崩れやすい性質を持っていたと工事の言い訳をしていますが、こんなところにトンネルを掘って、開業後の安全が保てるのでしょうか。市長はこの説明を聞いて、安全性について不安になりませんでしたか。10月には、建設部から石倉工区の斜坑ヤード造成中に、土壌に水銀が含まれていることが判明したと報告がありました。水銀については、水俣病の教訓から、水銀汚染防止法が制定され、特に注意が必要な重金属です。これまで北海道新幹線工事に関連して、基準値を超える水銀が検出された事例について説明してください。想定していない重金属が出たのに、仮置場に仮置きするという対応を取りました。本来ならば、工事をストップして対応を考えるべきだったと思いませんか。遅れているからといって、環境への影響を軽視していると考えませんか。張碓地区発注土受入地における気候のモニタリングによりますと、地下水の測定点の一つで、渇水のため採水できておりませんとされています。トンネル工事が原因ではと疑いますが、機構からは市にいつ報告があったのですか。原因は何と説明されていますか。並行在来線のバス転換についてです。並行在来線の存続を求めて質問します。第17回北海道新幹線並行在来線対策協議会後志ブロック会議が開かれ、バス事業者が口々に乗務員不足と車両の確保が難しく、現状の路線を維持していくだけでも大変との意見が出されました。北海道からは、様々なダイヤ編成が示されているのですが、乗務員確保についてどうするかは示されていません。今後、バス事業者の運転手確保に向けた取組を支援していくというだけです。北海道が主体となって乗務員確保に動かなければ、後で沿線自治体やバス事業者に丸投げ、ダイヤを増やしたければ、沿線自治体でお金を出しなさいということになるおそれがあるのではないですか。ブロック会議では、北海道から道路運送法第79条に基づく自家用有償旅客運送も想定していると発言がありました。並行在来線を代替する公共交通として、ふさわしくないと思いませんか。北海道として持続可能な公共交通を確保する対策が取れないなら、バス転換を白紙に戻すことも選択に入れるべきです。次に、子育て支援と福祉の充実についてです。市立保育所の廃止計画については、手宮保育所については、建て替えの方向で進めることになったことは歓迎します。人口問題と保育所問題をどう考えるかについて提案します。児童福祉法第24条第1項では、市町村は、保護者の労働または疾病その他の事由により、児童について保育を必要とする場合において、保育所において保育しなければならないと、市町村による保育の義務を定めています。一方で、同条第2項では、認定こども園などにより必要な保育を確保するための措置を講じなければならないことも定めていますが、市町村には第1項にある保育の実施責任が残されています。これまで、国は保育の質を犠牲にした量的拡大で、保育需要に対応してきました。人口が減るから保育所を減らしていくという考え方は、現在の保育環境を改善しないという考えです。利用者の減少に対応して、保育環境の改善の機会として捉えるべきではないでしょうか。具体的には、市独自に配置基準を徐々に改善し、1人の保育士が担当する子供の数を減らす。1保育所当たりの預かる子供が少なくなれば、子供1人当たりの面積が増えることにもつながります。保育士の負担も減らすことになります。保育所を減らすのではなく、1保育所当たりの保育士を変えずに、保育環境の改善に向かう方針へと切り替えることを求めます。お答えください。介護保険の介護支援専門員、いわゆるケアマネ資格に係る登録、更新の法定研修費についてです。ケアマネジャーは、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修終了後、3か月以内に介護支援専門員の登録申請を行うことで資格登録名簿に登録され、介護支援専門員証の交付を受けることで、実務に従事することができます。今年10月に実施した北海道介護支援専門員実務研修受講試験は、受講手数料が1万3,600円です。実務研修で7万6,950円と合わせて、初期費用として9万550円かかります。1回目の更新で、さらに5万9,000円、2回目以降の更新では2万6,000円、主任ケアマネの研修で5万7,000円、主任ケアマネの更新で4万3,000円、資格登録のみならず、数年に1度の更新に多額のお金がかかります。ある介護事業所では、ヘルパーの中でスキルアップしたい方がいても、お金がかかるから試験は受けないという方もいると、ケアマネになることをためらう方がいると言い、管理者としての研修は事業所持ちになるが、それ以外は自己負担で、重い負担になっていると話していました。市長は、登録に係る初期費用及び更新費用がこれだけかかることについて、どのような感想を持っていますか。私は、何度か介護人材確保について質問してきました。今年の第1回定例会では、事業者から意見集約も行っていて、他都市の取組も調査しているとのことでした。苫小牧市では、最大5万円まで助成を行っています。道外では、東京都三鷹市で上限10万円を助成しています。市として、ケアマネ資格取得、更新等の費用の補助を実施しませんか。新年度予算に反映することを期待します。法定研修の手数料は、北海道手数料条例で決められています。今年度に改定され、値上げされました。引き下げるよう、北海道に意見を上げるべきではありませんか。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、人口減少の下でのまちづくりについて御質問がありました。初めに、小樽市立地適正化計画についてですが、まず、計画を進めることによる懸念につきましては、居住誘導区域外においては、人口減少が進む中、住宅が点在し、一時的には非効率的な市街地が形成される可能性があると考えております。しかしながら、計画を進めなければ、将来にわたり、市内全域に対して、一律に行政サービスを提供しなければならず、人口減少下においては、持続的な行政運営に支障を来すことが懸念されることから、小樽市立地適正化計画は必要なものと考えております。また、計画を進めることにより、市外への転居者が生じる可能性も考えられますが、引き続き選ばれるまちを目指し、人口減少対策に取り組んでまいりたいと考えております。次に、空き地を活用した公共施設整備につきましては、将来の人口減少に鑑みると、持続可能なまちづくりを進めるためには、一定の区域に居住を誘導し、人口に見合った公共施設の適正配置を進めていくことが重要であると考えております。次に、新小樽(仮称)駅周辺における市営住宅の計画と居住誘導区域内での転居につきましては、北海道新幹線活用小樽まちづくり協議会が策定した、おたる新幹線まちづくりアクションプランでは、定住人口の確保と新駅の利用者増加の好循環を生み出すための施策として、公営住宅の整備を検討中でありますが、小樽市公共賃貸住宅長寿命化計画では、新駅周辺に市営住宅の建設の計画はありません。なお、小樽市立地適正化計画における居住誘導区域内での転居については、問題ないものと考えております。次に、新駅周辺での安心・快適な暮らしにつきましては、新駅周辺には、駅前広場や多目的広場の整備が進み、交通の利便性が高く、魅力的な空間が創出される予定であります。また、新駅の駅前にある工業地域につきましては、小樽市都市計画マスタープランにおいても、都市型工業と住宅の調和に努めることとしております。次に、国庫補助の対象につきましては、居住誘導区域外にあっては、国庫補助の対象とはなりません。なお、居住誘導区域であっても、小樽市立地適正化計画を定めることだけをもって、国庫補助を受けることはできず、国庫補助を受けるためには、別途都市の再生に必要な公共公益施設の整備等に関する都市再生整備計画を作成し、国の採択を受ける必要があります。次に、蘭島、塩谷、高島地区の役割などにつきましては、いずれの地区も、本市の農業や漁業の主要な地区であり、第一次産業の中心地であると認識しております。また、居住誘導区域に設定しないことと、行政施設などの存廃については個別に判断するものであり、関連性はありません。次に、コンパクト・プラス・ネットワークにつきましては、本計画では、蘭島、塩谷、高島地区を生活拠点として位置づけており、これら市内13か所の拠点間を基幹的公共交通軸で結ぶ都市の骨格構造の形成を目指していることから、ネットワークの崩壊や産業の衰退につながるとは考えておりません。次に、長橋十字街への機能移転につきましては、長橋十字街周辺は、塩谷や蘭島をはじめ、幸、オタモイの住宅団地など、後背圏に一定の人口規模を有することや、これら地区から中心市街地にある中核都市機能誘導区域まで距離が相当程度あることから、副次都市機能誘導区域に指定し、利便性を確保するものであり、子育て機能等を手宮地区から移転することを想定したものではありません。次に、蘭島地区の都市機能誘導区域の設定につきましては、蘭島地区は国道5号沿いに生活利便施設が点在しておりますが、海側には年間10万人以上が訪れる海水浴場があり、山側には自然豊かな山々や農地が広がり、それぞれ異なる特性を持っていることから、現在の都市機能を維持しながら、これらの特性を生かしたまちづくりを目指していくものであります。次に、公共交通の維持につきましては、行政のみの取組だけでは難しいため、今後の社会情勢の変化に応じた公共交通を官民一体となって維持していくよう努めていくことが重要であると考えております。次に、北海道新幹線札幌延伸についてですが、まず北海道新幹線の事業費増加に伴う負担増と工事の進捗、工事の推進につきましては、北海道新幹線の札幌延伸は、国内の高速交通体系にとって重要であり、本市にも大きな経済効果をもたらすため、工事の推進は必要と考えております。このことから、幅広い観点での新幹線建設財源の確保に努めるとともに、地方負担に対する財源措置の充実強化を図ることなどについて、北海道市長会を通じ、国に求めているところであります。次に、トンネルの安全性につきましては、事業主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から、地質状況に応じた適切な工法を選定し、工事を行っていると聞いていることから、トンネルの安全性は確保されているものと考えております。次に、基準値を超える水銀の検出事例につきましては、鉄道・運輸機構からは、北海道新幹線新函館北斗-札幌間の二ツ森トンネルで検出されたと伺っております。次に、重金属を含む土砂の仮置きにつきましては、仮置場には基準値を超えた重金属が敷地外に出ることがないように、アスファルト舗装や落水処理設備を設置するなど十分な対策を行っていることから、工事を中止する必要はないものと考えております。次に、水銀の検出による環境への配慮につきましては、事業主体である鉄道・運輸機構は、仮置きに関する対策を講じていることから、環境への影響はないものと考えております。次に、地下水の渇水等につきましては、鉄道・運輸機構から令和6年8月に報告があり、渇水の原因については、観測孔周辺の運搬路整備によるアスファルト舗装や、のり面のコンクリートを吹きつけで表面を覆い、地下への浸透が抑制されたためと聞いております。次に、並行在来線のバス転換に関わる北海道の主体性につきましては、令和6年8月に開催した第17回北海道新幹線並行在来線対策協議会後志ブロック会議で、乗務員不足や沿線自治体の負担などへの対応に関して、北海道が広域自治体としてどういった関わりをしていくのかなど、しっかり議論していかなければならないことを他の沿線自治体とともに提起させていただきました。次に、バス転換における自家用有償旅客運送の活用につきましては、他都市において、都市間の交通手段として、自家用有償旅客運送の実績があり、ドライバー不足の面からも代替交通手段の一つの候補であると考えております。次に、バス転換を考え直すことにつきましては、持続可能なバス転換の確保に向け、第17回北海道新幹線並行在来線対策協議会後志ブロック会議で協議を進めており、バス転換を白紙に戻す考えはありません。次に、子育て支援福祉の充実についてですが、まず、市独自に保育士配置基準を見直すことによる保育環境の改善につきましては、保育士不足を主な要因とする入所待ち児童が一定数いる現状の下で、市独自に配置基準を見直し、保育士をさらに確保しながら環境改善につなげることは大変難しいものと考えております。次に、介護支援専門員資格取得に関わる費用につきましては、介護支援専門員、いわゆるケアマネの資格を取得するための費用のほか、5年に1回の資格更新費用やキャリアアップのための主任ケアマネの資格取得の際にも費用がかかるため、これからケアマネを目指す方と既にケアマネとして働いている方にとっては、経済的負担が大きいものと考えております。次に、ケアマネ資格取得費用などを新年度予算に反映することにつきましては、今年7月に市が実施した市内の介護事業所等への介護人材確保施策に関する調査結果では、市内の介護事業所等では、ケアマネは不足しており、支援策として、介護の資格取得支援を望む声が多くありました。これらの調査結果と、他市の取組状況を参考に、介護人材確保策として、ケアマネの資格取得支援について、新年度からの実施に向けて検討しているところであります。次に、ケアマネ資格取得と更新に関わる法定研修費用を引き下げることにつきましては、ケアマネになる方を増やすとともに、既に働かれているケアマネの方の経済的負担を軽減することは重要であることから、北海道市長会を通じて、北海道へ法定研修費用の引下げについて要望してまいりたいと考えております。