みんなの議会

小樽市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月10日

空き家対策について

2024年9月10日、小樽市議会の一般質問で、白川貴城議員が「空き家対策について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
白川貴城 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 白川貴城

次に、空き家対策について伺います。本年8月8日、気象庁は19時15分に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表しました。15日17時をもって、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発表に伴う政府としての特別な注意の呼びかけは終了しました。しかし、大規模地震の発生の可能性がなくなったわけではないことから、日頃からの地震への備えについては、引き続き実施することを呼びかけており、いつ、何があるか分からない状況となっております。本市においては、災害が比較的少ないイメージがあり、危機感のなさがかえって危うさを感じ取れてしまう状況です。今回は地震でしたが、津波や風水害、土砂災害、雪害など、本市でも起こり得る災害に備えていかなければなりません。この災害に関連して問題となるのが、空き家、空き地問題です。災害と空き家がどう関係するのか、それは災害の多発化、激甚化によって著しく荒廃していなかった空き家でも、豪雨や豪雪、地震などで一気に荒廃し、地域住民の生命、身体または財産に危険が差し迫る状態になる事態が発生しています。災害と空き地の関係については後ほど触れます。日々の議員活動において、市民の方々から相談を受ける中、空き家に関してのものが増えてきております。この空き家問題については、過去10年の会議録を遡れば何度も議論されてきました。今から10年前の平成26年では、我が党の松田前議員が、当時、倶知安町と島牧村で、倒壊の危険性がある空き家の所有者に適正な管理を求める条例の制定に向けて動きがあったことを挙げ、小樽市での条例化を訴えておりました。それに対し、答弁では、自由民主党空き家対策推進議員連盟が中心となって、空家等対策の推進に関する特別措置法案が議論されていると聞いておりますので、その動きを見ながら空き家対策の検討を進めていく必要があるものと考えておりますとのことでした。平成25年時点で市内の空き家戸数は何戸あり、市内住宅総数の何%を占めていたのか。また、このときの結果は、道内で空き家率の多い順で見たときに何番目だったのか、お示しください。そして、空き家の危険度を把握するために、腐朽・破損があるのかないのかを分類していますが、腐朽・破損があるとされた空き家がそれぞれ何戸該当したのか、これも道内で割合が多い順で見たときに何番目だったのか、お示しください。第2次小樽市空家等対策計画を見ると、全国及び小樽市の空き家率の推移は、平成10年以降着実に全国平均を上回っている状況を考えると、当時の答弁では、危険な空き家への対応については大きな課題であると認識していながら、国などの動向を待つとありましたが、迅速な対応が必要だったのではないかと思います。本市の現在の空き家の状況を踏まえ、これについての見解をお聞かせください。その後、我が党のリードで制定された平成27年全面施行の空家等対策の推進に関する特別措置法は、倒壊のおそれがある空き家を自治体が特定空家等に指定し、現在までに空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく空き家の除却や修繕が各地で進められてきました。空家等対策の推進に関する特別措置法が施行となり、本市でどのような効果があったのでしょうか。特定空家が空家等対策の推進に関する特別措置法施行後に何戸あったのか、現在までに何戸減らせたのか、その実績と、この取組で新たに見えた課題などがあればお示しください。話を戻し、空き家の撤去が各地で進められているものの、今後も住居目的のない空き家が増える見通しであることを踏まえ、政府は特定空家になる前の段階での対策を強化することとし、空き家の管理強化や活用を促すために、自治体ができる対応策を拡充する空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律が令和5年12月13日に施行されました。状態の悪い物件の区分として、新たに管理不全空家を創設し、特定空き家等の予備軍として市区町村が所有者に是正を勧告した場合、固定資産税等の住宅用地特例の適用対象から除外する仕組みを設けました。総務省による平成30年時点の調査結果によると、賃貸・売却用物件や別荘などを除く、使用目的のない空き家は全国に約349万戸あり、平成10年からの20年間で約1.9倍に増えています。国土交通省は、このままのペースでは令和12年に約470万戸まで増えると推計しました。手入れをして活用可能な空き家を増やすなどして、同年に400万戸程度に抑える目標としております。本市において、令和5年2月6日放送の「明日へ向かってスクラムトライ!」では、本市の管理が不全な空き家に触れており、その数は400件以上あると想定しているとのことでした。そして、その数は今後も増える見込みで、深刻な社会問題であることは間違いありません。先ほど、使用目的のない空き家について、国での発生目標を令和12年に400万戸程度に抑えるとしておりますが、本市での目標と具体策をお示しください。そのほか、番組では、空き家発生予防の取組として空き家相談会、空き家セミナーを行うとのことでしたが、現在までに何回開催され、延べ人数で何名の方が参加されて空き家発生予防につなげられたのか、今後の相談会、セミナー開催予定も含めてお知らせください。国土交通省の調査では、令和5年3月末現在、何らかの対応が必要であると市区町村が把握している空き家は約53.5万件ですが、このうち、特定空家等として把握されているのは約4.1万件にすぎないとの内容でした。特定空家等に至る前の段階にある状態のものが多くを占めていると見られ、そこへの対策に焦点を当てた今回の法改正により、実効性のある対応の進展が期待されるところです。そこで、本市では、今回の法改正により、どのように対応を進めていくのでしょうか。空き家率が高い本市にとって、空き家、空き地に生い茂る草木の越境による被害や冬場の空き家の屋根の雪が敷地内に大量に侵入する被害など、実際に現時点で不安や不満を抱えている市民の方々が注目する点であると思います。その具体策についてお示しください。そして、本年4月1日に相続登記の申請義務化が始まりました。これまでは不動産を相続しても登記は任意でしたが、申請義務化は土地の有効利用を阻む所有者不明土地をこれ以上、増やさないために必要な制度となります。そもそも所有者不明土地とは、不動産登記簿を見ても直ちに所有者が判明せず、判明しても所在不明で連絡がつかない土地のことを指します。不動産登記簿を見ても、直ちに所有者が判明しない土地の面積については、民間研究機関が平成29年に公表した推計では、九州の面積に相当するとのことです。これまで相続登記が任意であるがために招いた結果ですが、何世代も放置されたことで相続人はネズミ算式に増えてしまい、不動産登記簿を見ても所有者が判明せず、判明しても連絡が取れない所有者不明土地となります。所有者不明土地が起こす問題として、それは、かつて東日本大震災の復興事業が挙げられます。住居の高台移転をする際、宅地として確保したい土地があっても所有者を探索するだけで何か月もかかり、工事が遅延するという、迅速さが要求される復興事業で致命的なことと言っても過言ではありません。ほかの重要な公共事業でも同様のことが起きているとも言われております。これについて、ある市民から相談を受けました。ほとんど関わりのない亡くなった親族の不動産について相続権があることを市の通知書で気づき、どう対応したらよいか分からず困っていたとのことでした。このように、自分自身が所有している不動産の対応はできていても、自分が知らないうちに誰かの不動産を相続することは誰にでも起き得ることです。今回の義務化により、不動産を取得した相続人はそれを知ってから3年以内に登記申請をする義務を負うこととなります。義務化施行前の相続も未登記であれば義務化の対象となりますが、3年間の猶予期間があります。正当な理由なしに申請義務を怠ると10万円の過料が適用されます。また、申請義務化の簡易な履行手段として、相続人の申出で登記官がその人の氏名、住所などを職権で登記する制度もできました。政府は、自治体と連携したきめ細かい広報活動で、こうした負担軽減策の周知も進めてほしいとしています。本市では、この申請義務化についてどのように対応を進めているか、これまでの取組と今後の予定をお聞かせください。平成25年時点の総務省住宅・土地統計調査を基に作成された地方別戸建ての空き家予備軍率ランキングでは、北海道、東北地方で数ある市区町村の中で、本市は1位となっておりました。このランキングでは、高齢者のみの世帯が住む住宅を空き家予備軍と捉え、本市の空き家予備軍は1万2,320世帯で、戸建ての総戸数に占める割合が37.2%と非常に多い結果となりました。日本では、既に様々な専門書で指摘されているように、人口・世帯数の減少、新築志向の強さと新規住宅供給量の多さ、中古住宅供給システムの課題の多さ、空き家に対する所有者の問題意識の希薄さといった多様な要因で空き家が発生しています。さらには、定住意識が強いことも上げられます。それは長く住み続けたい人が多いことは、むしろよいことと思われますが、その結果、特に住宅地として開発されたエリアでは、老朽化すると若年層や子育て世代ニーズに合致せず、住み替えが進まないため、そのままエリアとして放置されることになりかねません。加えて、土地や建物などの所有権に対する権利意識が強い一方で、所有に対する責任や義務の意識が強いとは言えない空き家を放置するなど、土地が適切に利用されていなくても自分の土地の利用方法は自分の自由であるという考えが根強くあります。空き家対策の好事例として、エリアマネジメントを導入した住み替えシステムの確立をした千葉県佐倉市のユーカリが丘のような取組があります。中長期的な話にはなりますが、行政主導ではなく、市民、事業者、地権者等が主体となって、その地域をつくるだけでなく、育てるという協働のまちづくりにつながると考えます。エリアマネジメントの導入について、本市の見解を伺います。今、大事なのは、所有者や相続者が問題を先送りしないという意識を高めていく呼びかけが必要と考えます。そして、問題を先送りにさせない後押しやフォローを行政がやっていく必要があると考えますが、問題を先送りにしない、させないことについての方策は行っているか、お聞かせください。また、これからは家を購入する時点で、住まいの終活を見据えて解体、引っ越し資金の積立てを行う等の仕組みをつくることや早い段階で相続人を決めることを促す活動を行うなど、市独自の先進的な取組が必要ではないでしょうか、見解をお聞かせください。第2次小樽市空家等対策計画の空き家等対策の基本目標である「安全・安心で、快適に暮らせるまちづくり」が実現できれば、災害による被害拡大を最小限に抑えられる可能性が上がり、多くの命を救うことにもつながります。ふだんからの災害に負けないまちづくりの推進を強く望みます。以上、3項目めの質問を終わります。

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、空き家対策について御質問がありました。初めに、平成25年時点の空き家数などにつきましては、人口1万5,000人以上の市町村を対象とした総務省の住宅・土地統計調査によりますと、本市の空き家は、住宅総数6万3,980戸のうち1万1,020戸、空き家率17.2%で、道内では9番目に多い空き家率になっております。次に、腐朽・破損がある空き家の戸数などにつきましては、本市においては空き家総数1万1,020戸のうち3,220戸、その割合は29.2%で、道内では4番目に多い割合になっております。次に、危険な空き家への対応につきましては、平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行された後は、空き家対策を強化するため、建設部に空き家対策の担当部署を設置いたしました。平成28年度には空家等対策計画を策定、29年度には特定空家等32棟を認定し、法による措置を行うなど、危険な空き家に対する取組を強化してきたところであります。この結果、総務省の住宅・土地統計調査におきましても、平成25年までの空き家率の増加傾向が30年には、ほぼ横ばいに転じており、取組に対する一定の効果が発揮されているものと考えております。次に、特定空家等の認定等につきましては、現在まで52件を認定し、法に基づく措置を行った結果、13件は解消し、現在39件になっております。また、取組から見えた課題につきましては、相続人が多数の場合は、その調査に多くの時間を要すること、全員の合意がなければ売却、解体等ができないことのほか、所有者である企業が倒産した場合は、措置を促せないことなどが挙げられます。次に、使用目的のない空き家の抑制につきましては、本市においては使用目的がない空き家の目標戸数は設定しておりませんが、空き家問題の解決には、空き家ガイドブックの配布や、空き家セミナー、相談会を開催するとともに、流通困難な空き家を利活用させることを目的とした小樽市空家等流通プラットホーム事業を立ち上げるなどの取組を行っているところであります。次に、相談会等の取組につきましては、空き家相談会については令和4年度から2回開催し、延べ10名が参加しております。また、空き家セミナーについては令和5年度に1回開催し、32名が参加しております。今後も相談会とセミナーは、各年度に1回程度、開催してまいりたいと考えております。次に、管理不全空家等への対応等につきましては、昨年の法改正により、特定空家等に至る前の状態にある管理不全空家等の規定が新たに盛り込まれたことから、今年度中の認定基準策定に向け作業を進めているところであります。認定基準の策定後は、まず、空き家等の調査を行い、その基準に基づき、管理不全空家等を認定し、指導、勧告の措置を行うこととなります。次に、相続登記の申請義務化に伴う取組等につきましては、これまで空き家ガイドブックや広報おたるで周知してきたところでありますが、今後は市のホームページへの掲載のほか、空き家セミナーなどを通じてさらなる周知を図ってまいりたいと考えております。次に、本市におけるエリアマネジメントの導入につきましては、千葉県佐倉市では、エリアマネジメントの一環として住民、事業主などが主体となり、高齢者の住み替えをあっせんするなど空き家にさせない取組を行っております。このエリアマネジメントの導入により、快適な地域環境の形成や地域活力の回復増進につながることが期待されますが、主体となる住民、事業主などが自主的かつ継続的に活動していけるかが課題であると考えております。次に、空き家所有者等への問題意識の醸成につきましては、空き家に関する様々な問題を先送りさせないため、現在、空き家の管理や相続に関する情報などを記載した空き家ガイドブックなどを配布しているほか、空き家相談会やセミナーなど様々な機会を通じて問題意識の醸成を図っているところであります。次に、空き家対策に関する先進的な取組につきましては、今年度から空家等流通プラットホーム事業を創設し、流通困難な空き家の利活用に取り組んでいるところでありますが、今後は空き家の流通を行っているNPO法人などと連携を図るなど、先進的な取組について検討し、空き家対策の強化を図ってまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月10日 議事録 PDF(85ページ) 間違いを知らせる