小樽市議会 令和7年第3回定例会 2025年9月9日
公金受取口座登録制度の推進について
2025年9月9日、小樽市議会の一般質問で、白川貴城議員が「公金受取口座登録制度の推進について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 白川貴城 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 白川貴城
続いて、公金受取口座登録制度の推進についてお伺いします。本年7月には、参議院議員選挙が実施されました。日本では、長く続いたデフレから脱却を果たした一方で、物価高に直面し、大きな転換点に立ちました。そういった背景から、参議院議員選挙では、まずは目下の物価高を乗り越え、将来にわたる強い日本経済と社会保障をどう構築するかが問われました。我々公明党は、目下の対応では、減税も給付も総動員し、国民生活を支えていくとして政策を掲げ、結果、衆参両院で少数与党となっていますが、まずは約束した政策の実現に総力を挙げております。その中で7月29日、物価高対策として、自民党、公明党の両党幹事長が、参議院議員選挙公約に掲げた給付の実現へ具体的な制度設計を進める方針で一致したとの報道がありました。今後の詳細な設計はこれからになるとのことですが、ここから何点かお伺いします。まず、本市で実施された物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した給付金事業について、給付金名、支給額、対象者をお知らせください。また、給付金事業における事務費は、国が定める限度額を超過していたかどうかと、限度額内である場合、どのような対策を講じられたことによって限度額内に抑えられたのか、お聞かせください。次に、迅速な給付には、公金受取口座登録制度が有効であるとの見方があります。公金受取口座登録制度の概要をお示しください。次に、デジタル庁が公開しているマイナンバーカードの普及に関するダッシュボードによると、公金受取口座登録は、全国的には令和6年末時点で約5,000万件以上が登録されているとのことですが、本市における公金受取口座の登録数は市が把握できるものなのか、お聞かせください。公金受取口座に関しては、マイナンバーと銀行口座のひもづけについては様々な意見があり、誤解からくるネガティブな意見もあるため、改めて整理します。一つ目は、口座から国が税金を勝手に引き出すのではないかという点です。デジタル庁のFAQによれば「公金受取口座は、給付金等の受取のための口座として、登録していただくものです。そのため、公金受取口座の登録を行ったことによって、税金等が引き落とされるということはありません。」と明確に否定されています。二つ目は、預貯金額や取引履歴が国に知られるのではないかという点です。デジタル庁によれば、「金融機関名や口座番号等の口座の情報が国に登録されることとなりますが、預貯金残高等の情報が知られることはありません。」と説明されております。三つ目は、一部で、公金受取口座について平成30年に始まった預貯金口座付番制度との混同が生じていることです。預貯金口座付番制度は、税務や資産管理のためにマイナンバーと預貯金口座をひもづける制度を指します。この混同によって、公金受取口座は資産管理のための制度という誤解を生み出し、警戒感につながっているケースがあるようです。四つ目は、マイナンバーを知られたり、マイナンバーカードを盗難された場合、預貯金を引き出されたりしないかという点です。こちらについても、デジタル庁のFAQで「マイナンバーやマイナンバーカードだけで、預貯金の引き出しを行うことはできません。」と明記されております。次に、公金受取口座登録制度について、行政側と市民側におけるメリットについてお聞かせください。次に、公金受取口座登録制度は義務ではないものの、行政DXを進める上で欠かせないものであり、将来的に必要性が高く、重要なインフラになりつつあると考えますが、公金受取口座登録制度に対する市長の現状の評価について伺います。公金受取口座については、公的給付金を頻繁に受け取る方や、自動的に年金が振り込まれることから、年金受給者、定期的な児童手当の受け取りがスムーズになることから、児童手当を受け取る親に登録が有効であると言われておりますが、本市で既に対応している公金受取口座の利用が可能となっている給付事務についてどういったものがあるのか、お示しください。また、今後に向けて現在対応を検討している事務はどういったものがあるのか、対応開始予定時期についてお伺いします。現時点では、現場での作業において、公金受取口座登録制度は申請処理の簡素化が可能なほか、登録口座が本人名義1人1口座に統一されているため、自治体間での運用差が縮小され、給付対象者の本人確認が制度的に担保されており、不正受給リスクが低減することなど、平時の給付事務の効率化や標準化に寄与します。次に、任意制度である公金受取口座登録制度を市民へどのように推進していくか、工夫が必要と考えます。全国的には、マイナポイント施策で登録が進みました。公金受取口座の登録には、マイナンバーカードが必要となるため、まずは本市の令和7年7月末時点でマイナンバーカードの保有枚数と保有枚数率についてお知らせください。登録希望者が登録しやすい環境を提供することが大事ですが、デジタルリテラシーの違いにより、年代別へのアプローチが変わってくるものと考えます。例えば、高齢者へはその御家族や介護者への周知と金融機関との連携が効果的なのではないか、若年層へは出産や転居などのライフイベントに合わせたデジタル訴求が効果的ではないかということが挙げられると思います。また、そもそものところで、登録を希望する選択を促さなければ登録数に直結しないのではと考えます。そこで、ナッジ理論を活用した後押しを含めた広報施策が効果的ではないでしょうか。ナッジ理論は、判断を求められる機会がまれにしかないものの、その判断が難しく、また判断と結果との間に大きなタイムラグがある場合に有効とされております。ここで伺いますが、公金受取口座登録制度について、本市としてはこれまでにどのような広報・支援策を展開してきたか、お聞かせください。また、これからの広報・支援策についてどのように考えておられるのか、年代別へのアプローチやナッジ理論の活用などの可能性も含めてお聞かせください。現状で、公金受取口座登録制度を活用するには、市民の意思表示の取得、システム改修または連携、情報漏えいリスクの低減と組織内の情報管理体制整備などのためのPIA評価が必要となるため、全ての給付事業において、すぐに実現できるものではありません。しかし、今から準備を進めることで、人口減少社会において行政機関の人材不足が招く行政サービス低下を防ぐことは可能なのではないかと考えます。その長期的なメリットとして、マイナポータルと業務システムがAPI連携することで、照会・支給処理が自動化され、属人的な対応が不要になり、業務の標準化が図れること。一度登録された口座情報を児童手当や年金、医療費還付などに共通利用できるため、事務の重複が減り、複数給付への横断的な活用ができること。特定公的給付に指定された場合、マイナンバーと口座情報を活用して給付が可能となり、職員の手作業を減らせ、即応性が向上することが挙げられ、人員が限られる可能性がある本市において、業務効率化の基盤となり得るのではないでしょうか。この項目の最後に、公金受取口座登録制度は行政DXの実現に向けた重要なステップであり、人材不足や事務負担の軽減にも直結する仕組みであることから、さらなる推進を提案します。市長の見解をお聞かせください。以上、2項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、公金受取口座登録制度の推進について御質問がありました。初めに、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した給付金事業につきましては、令和5年度住民税非課税世帯を対象とした緊急生活支援給付金は、支給額は15億6,689万円、対象者は2万1,232世帯、令和5年度住民税所得割非課税世帯を対象とした物価高騰対策支援給付金は、支給額は2億5,635万円、対象者は2,432世帯、令和6年度新規住民税非課税及び所得割非課税世帯を対象とした、令和6年度新規非課税世帯等支援給付金は、支給額は2億1,915万円、対象者は2,030世帯、定額減税を補足する給付である令和6年度定額減税調整給付金は、支給額は7億3,885万円、対象者は3万1,917人となっております。また、事務費につきましては、令和5年度住民税所得割非課税世帯を対象とした物価高騰対策支援給付金は、件数が比較的少なく、委託せずに事務を実施することができたため、国の限度額内に納めることができましたが、それ以外の事業につきましては、限度額を超過いたしております。次に、公金受取口座登録制度の概要につきましては、マイナンバーカードを所有している方が、給付金等の受け取りのための口座として、国に任意で預貯金口座を登録していただく制度であります。登録できる口座は、本人名義で1人1口座となっており、マイナポータルや金融機関において登録することができるものであります。次に、本市における公金受取口座の登録者数の把握につきましては、公金受取口座の登録情報を管理しているのは国であることから、地方公共団体が市民全体の登録者数を把握することはできないものであります。次に、同制度のメリットにつきましては、まず、行政側のメリットといたしましては、給付事務を行う際、口座情報の確認や通帳の写しのチェックが不要となり、事務負担軽減につながることが挙げられます。また、市民側のメリットといたしましては、申請書の提出が省略できることや迅速な給付を受けられることが挙げられます。次に、同制度に対する本市の現状の評価につきましては、本市で利用できる給付事務も徐々に増えてきており、事務負担の軽減と市民の利便性向上のため、さらなる対象事務の拡大や、口座登録者数の増に努めてまいりたいと考えております。次に、本市で既に公金受取口座の利用が可能となっている給付事務につきましては、市民税の定額減税不足額給付金、税や国民健康保険料の還付金、児童手当、高額介護サービス費の支給等の業務などであります。また、今後に向けて対応を検討している事務につきましては、後期高齢者医療の医療費等還付事務について、令和8年度下半期以降からの対応を予定いたしております。次に、令和7年7月末時点のマイナンバーカードの保有枚数と保有枚数率につきましては、人口10万3,079人に対し、保有枚数は7万9,787枚であり、保有枚数率は77.4%であります。次に、同制度についての広報や支援策につきましては、これまでマイナンバーカードの交付時などに国が作成した制度周知用のリーフレットを戸籍住民課窓口で配布しているほか、希望者にはマイナポータル端末を使用し、登録手続のサポートを行っております。今後の広報等につきましては、議員から御指摘のありました年齢別のアプローチやナッジ理論なども参考に、効果的な方策について検討を行ってまいります。次に、同制度のさらなる推進につきましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、市民の皆さんにとりましては、口座情報の記載が省略できるなど、手続が簡単になり、早期給付にもつながることから、利便性向上に寄与するものであります。また、将来的に職員確保が難しくなっていく中、手続が簡素化されることで、職員にとりましても、事務負担軽減につながるものと考えておりますので、同制度のさらなる推進に努めてまいりたいと考えております。