小樽市議会 令和6年第1回定例会 2024年3月5日
市政執行方針及び令和6年度予算編成について
2024年3月5日、小樽市議会の一般質問で、松岩一輝議員が「市政執行方針及び令和6年度予算編成について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 松岩一輝 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 12番 松岩一輝
自由民主党の松岩一輝でございます。冒頭に一言申し上げます。令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方々に対し、心より哀悼の誠をささげます。また、併せて被災された全ての方々にお見舞い申し上げます。また、羽田空港での事故で高い使命感と責任感を持って能登半島地震の救助活動に向かうために搭乗して亡くなられた海上保安庁職員5名に、心から哀悼の誠をささげます。それでは、令和6年第1回定例会に当たり、自由民主党を代表し、質問いたします。第1項目、市政執行方針及び令和6年度予算編成について、初めに、市政執行方針についてであります。迫市長においては、平成30年の小樽市長選挙において初当選されてから、混乱した市政の正常化を念頭に、就任直後に発災した北海道胆振東部地震により誘発された全道停電への対応や新型コロナウイルス感染症への対応など、これまでに経験のない状況にも丁寧に対応されてきました。令和6年度の市政執行方針では、本市の魅力を生かしながら人口減少対策を進め、活力あるまちを次世代へと引き継いでいくための三つの方針として、1点目に、人口の社会減を抑制し、将来に備える取組、2点目に、まちの活力を活かし、地域経済を活性化する取組、3点目に、安心・安全を確保し、市民の暮らしを守る取組を掲げられています。迫市長は、初めての市長選に立候補した際に、当時の市政では、将来のまちづくりの方向性が見えず、市政の停滞感や閉塞感を感じる中で、まちづくりを再起動し、人もまちも元気にしたいという思いを持っていたと過去に答弁されておりますが、令和5年度と比較し、令和6年度の市政執行方針は、迫市長の特色がより鮮明に表現されたように読み取りました。現在では完全に再起動が完了し、市政の停滞感や閉塞感を打破されたと考えますが、見解を伺います。三つの方針の1点目では、人口対策と次世代を見据えたまちづくりの二つの対策を進めるとし、子育て世帯の家計を支援するために、18歳までの入院・通院医療費の実質無償化をはじめとする様々な事業や、小樽公園の再整備など具体的に実感し、目に見えて分かりやすい施策が盛り込まれ、小樽の印象を大きく変える内容になっております。しかし、肝腎の若者、子育て世代に本市の施策が情報として行き届かなければ、効果は半減してしまいます。反対に、本市がこれまでとは大きく変わり、子ども・子育て世代に手厚いまちとしての印象をつけることができれば、相乗効果が期待できます。小樽で子供を産み育てたくなるような情報発信の在り方について伺います。市政執行方針の中で、人口減少を危機と表現する一方で、希望を感じさせる出来事として、小樽運河100年プロジェクト実行委員会の活動が挙げられています。当団体の母体は、市制施行100年を迎えた2022年に発足され、昨年は、小樽運河生誕100年を記念し、様々な分野で活躍されている150名ほどの若者が実行委員として参画し、1年を通して多数のイベントを行ってきました。また、令和5年11月27日には、当団体が主催し、市議会議員との意見交換会が行われました。その際のテーマは、新総合体育館の基本計画についてでありました。参加者の多くは、計画の全体を詳細に御存じない方が多く、私を含む参加した4名の市議らは、来場者の質問に対し、市議会の議論経過を丁寧に説明するとともに、基本計画に対して理解を求めました。これらの模様は全編がユーチューブ上で公開され、当日参加されていない市民らにも情報が広がり、情報リテラシーの高い若者を中心に、まちづくりに対する興味関心が深まっていると考えます。さらに、一般社団法人小樽青年会議所では、明るい豊かな社会の実現を目指し、1955年の発足以来、おたる潮まつりなどのボランティア参加や、まちづくりの自主事業を毎年企画しています。今年度は、初めての女性理事長である橋本喜生子氏を中心に、子ども議会を開催される予定であるなど、市政執行方針にある希望を生み出そうとしています。若年層の流出が課題とされておりますが、若者を中心に、小樽を諦めず盛り上げようとやる気に満ちた人材は多数存在しております。本市における両団体の位置づけと取組に対する本市のいわゆる、ヒト・モノ・カネの支援の考え方について伺います。次世代を見据えたまちづくりでは、観光面においては、根拠に基づく政策立案であるEBPMによる政策展開につなげるとありますが、観光以外の施策についてはEBPMをどのように考えているのか伺います。公共施設等の再編については、これからを生きる将来の責任世代の若者と、小樽の歴史と伝統を守り、築き上げてこられた世代では、各種アンケートの結果などから、優先順位の考え方や公共施設に対する要望が世代間で大きく異なっています。行政は公平性を重んじますので、できる限り多くの意見が反映されるべきですが、相反する内容の場合、どちらかの意見を重視しなければならない場合もあります。全国的に建築資材や作業員の賃金が上昇し、建築費は上昇しておりますが、北海道においては半導体製造のラピダス株式会社が千歳市に5兆円規模の投資を行うことから、さらに影響を与えています。これらを踏まえ、公共施設等が将来世代の負の遺産とならないように、再編においてはEBPMをより重視し、大胆な方針転換が必要な場合もあるかと思いますが、見解を伺います。次に、令和6年度予算編成についてであります。令和6年度の一般会計の総額は約620億2,000万円で、平成18年度の約613億3,000万円以来、18年ぶりに600億円台となり、支出には、人口減少対策や公共施設の再編など、金額の大きいものが目立っております。平成18年1月の本市の人口は14万2,868人で、世帯数6万7,788世帯でした。令和6年1月の人口は10万6,341人で、世帯数は6万756世帯となっており、18年間で人口は3万6,527人、世帯数は7,032世帯も減少しています。初めに、人口と世帯数が大幅に減少したにもかかわらず、平成18年度と比較し、令和6年度の一般会計の総額が増額した理由について見解を伺います。同様に、歳入の状況はどのように変わったのか伺います。令和6年度予算全体のテーマは、「危機」に立ち向かい、希望が集まるまちづくりとなっております。令和5年度は、安心で、思いや希望がかなう「選ばれるまち」へでした。令和6年度のテーマ選定理由について伺います。令和5年に国立社会保障・人口問題研究所が新たに示した2050年における本市の人口は5万5,000人余りと、現在の半分程度になっているとの推計値が示されました。次世代に活力あるまちを引き継ぐために、人口半減社会という危機に立ち向かう必要性を市全体で共有しながら、小樽ならではの魅力と可能性を発揮して、人や企業、投資が集まるまちづくりを推進するとありますが、人口が大きく減少していくことによる悪循環が懸念されるため、危機であることは言うまでもなく、絶えず人口減少を食い止める施策を実施し続けることは重要です。しかし、国や道が中心となって、全国、全道的に総人口を増やす取組を行わなければ、本市が多額の予算と人員を配置し、幾ら効果的な施策を行っても限界があるのも事実です。令和元年に、総務常任委員会では、新潟県長岡市の長岡若返り戦略について視察に伺いました。長岡市は人口減少が見込まれる中で、将来を実際に担っていく若者を地方創生の主役に据え、若者が持っている様々な個性と力を生かし、10年、20年先の未来を担う、次の世代に投資する施策と、長期的な視点に立った戦略を立案しています。その中で、長岡に住み続ける若者、戻ってくる若者、新たに移住してくる若者をしっかりと確保し、人口減少を抑制し、愛着と誇りの持てるふるさと長岡をつくっていくことを目指しています。本市の人口減少問題の課題である若年層の社会減対策を図るためにも、長岡市の考え方をそのまま本市に変換し、若者主役のまちづくりを進めるべきであると考えますが、本市の見解を伺います。人口が減少していくという推測は極めて受け入れ難いものですが、発想を変えるとEBPMを踏まえた施策展開を行うことが可能になるとも考えられます。人口増加の取組は、効果が現れるのに数年から数十年かかると言われています。それを踏まえると、人口が減っていくことが明らかな中で、効果的な施策の実施と将来世代には多く望まれていない施策の再検討をする必要があると考えますが、見解を伺います。財政状況が理由で令和6年度の予算措置を見送った事業や施策があれば伺います。市長公約の実現に向けて、現在までの進捗、達成状況など、所感を伺います。市政執行方針や当初予算主要事業には、4月に新設される総合政策部の記述や予算がありません。庁内を横断した総合的な政策形成機能や民間事業者との連携を強化することを目的に新設する部署に対する市長の思いをお聞かせください。以上、第1項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
松岩議員の御質問にお答えいたします。ただいま、市政執行方針及び令和6年度予算編成について御質問がありました。初めに、市政執行方針についてですが、まず、現在の市政に関する私の見解につきましては、私は市政を前進させるため、1期目の就任直後から議会や経済界との信頼関係の正常化や市民の皆さんとの対話に努めてきたところであり、市政の停滞を脱して、人口減少対策をはじめとした課題解決に向けた施策や事業に着実に取り組むことができているものと考えております。次に、本市で子供を産み育てたくなるような情報発信の在り方につきましては、若い世代の大多数の方がSNSを利用していることから、それらの媒体を活用して積極的に発信をしていくほか、市のホームページをはじめ、様々なメディアを活用しながら、より効果的な情報の発信に努めてまいりたいと考えております。次に、小樽運河100年プロジェクト実行委員会と小樽青年会議所両団体の位置づけにつきましては、様々なイベントなどの取組を通じて本市のにぎわいを創出し、若い世代が中心となって地域の活性化や観光振興に貢献をされている団体であり、まちづくりの担い手として期待をしているところであります。また、両団体に対する支援につきましては、職員が実行委員やアドバイザー等として参画するとともに、国や道など関係機関への各種申請手続、備品等の貸出し、補助金の支出など団体が実施する事業等に対し様々な支援を行っており、今後とも必要な支援を継続してまいりたいと考えております。次に、観光以外の施策におけるEBPMの考えにつきましては、本市においてこれまでもアンケートや調査の分析データなどを生かしている事例がありますが、EBPMには政策の実効性を高め、また政策に対する市民理解も得られやすいなどのメリットがあることから、ほかの施策でもEBPMの考え方を取り入れる必要があるものと考えております。次に、公共施設等の再編による将来世代への負担につきましては、現行の公共施設再編計画においても、将来の更新費用やEBPMを考慮した計画の策定を行っており、当面は現行計画に基づき公共施設再編を進めてまいります。経済社会情勢の変化により、改訂が必要となった場合には、状況に応じた見直しが必要になると考えております。次に、令和6年度予算編成についてですが、まず、平成18年度予算よりも一般会計の総額が増となった主な理由につきましては、令和6年度においては、平成18年度に行っていた一般会計から国民健康保険事業会計や病院事業会計などへの貸付けによる諸支出金が約82億円、過去に借入れした市債の元利償還金である公債費が約36億円、それぞれ減となった一方で、近年の障害者福祉関連の扶助費が増加傾向にあることなどにより、民生費が約74億円、地方創生臨時交付金を活用した物価高騰対策事業やふるさと応援基金積立金の増などにより、総務費が約41億円、除雪費が約9億円、それぞれ増となったことなどによるものであります。次に、平成18年度と令和6年度における歳入の状況につきましては、歳入科目別の構成比率では、平成18年度は、地方交付税が25%、市税が24.1%、諸収入が18.5%、国庫支出金が13.7%、市債が5.1%の順であったのに対し、令和6年度は、地方交付税が25.1%、市税が22.2%、国庫支出金が20.5%、市債が7.9%の順となっており、平成18年度は諸収入が高い比率を占めておりました。これは一般会計が国民健康保険事業会計や病院事業会計などへ行っていた貸付金の元利収入があったことなどによるものであります。次に、予算全体のテーマの選定理由につきましては、人口減少の進行は商業環境の悪化や公共交通の維持困難化につながり、生活利便性の低下からさらなる人口減少を招く悪循環が懸念をされます。このことはまさに本市にとっての危機であり、市全体でその危機に立ち向かう必要性を共有していかなくてはならないとの意識を強くしており、本市ならではの魅力と可能性を生かし、人や企業、投資が集まるまちづくりを推進することで、次世代に活力あるまちを引き継いでいきたいとの思いから、テーマを「危機」に立ち向かい、希望が集まるまちづくりと掲げたものであります。次に、若者主役のまちづくりの推進に対する見解につきましては、社会減対策として、20歳から29歳までの若者世代の転出を抑制することが重要課題となっており、これまでも安心して子育てができる環境づくりを進めるとともに、事業、就業への支援などの取組を進めてまいりました。御質問にありました、長岡市が進める若者を主役としたまちづくりについては、本市の人口減少対策の考え方とも合致することから、事例を研究し、今後の取組に生かしてまいりたいと考えております。次に、施策の効果的な実施と再検討につきましては、施策の実施に当たっては、各担当部局において多様なニーズの把握に努めながら、不断に見直しを行っておりますが、新たな取組や再検討が必要な場合には、庁内での政策議論や予算議論などを得て、スクラップ・アンド・ビルドの視点を持ちながら、必要性や優先度を判断しております。次に、財政状況を理由として令和6年度の予算措置を見送った主な事業等につきましては、前年度よりも多額の歳出増が見込まれる厳しい予算編成の中にあっても、本市の最重要課題である社会減の抑制に向けた人口対策のほか、自治体DXの推進、脱炭素社会の実現、暑さ対策といった取組に予算を重点的に配分するため、実績等を踏まえ各事業に必要な経費の精査に努めたほか、老朽化した公共施設の建設事業費や維持補修費については、その緊急度やコストなどから優先順位をつけ、改修内容の一部または全部を次年度以降へ見送ることといたしました。次に、市長公約実現に向けた進捗などにつきましては、私の2期目就任からこれまでの約1年半の間、人口の社会減抑制に向け、保育料の引下げや、おたる移住・起業「ひと旗」サポートセンターの開設のほか、子供の居場所や学習環境の充実のため、銭函小学校の放課後児童クラブの建て替え、市内小・中学校の普通教室等における冷房設備の整備着手、拠点校方式による中学校の合同部活動などの取組を実現してまいりました。しかしながら、本市が抱える課題はいまだ数多くあることから、今後とも公約の実現を通じて、本市の課題解決に向けて努めてまいりたいと考えております。次に、新設する総合政策部に対する私の思いにつきましては、社会情勢の変化とともに行政ニーズが複雑・多様化し、行政の運営において、市民との協働や民間事業者との連携の必要性がますます高まっていることから、庁内を横断した政策形成機能と民間事業者等との連携を強化することで、より効果的な政策を実現し、本市が選ばれるまちとなることを目指すものであります。