小樽市議会 令和5年第4回定例会 2023年12月13日
(1)ヤングケアラーについて/(2)重層的支援体制整備事業の推進について
2023年12月13日、小樽市議会の一般質問で、橋本布美絵議員が「ヤングケアラーについて」「重層的支援体制整備事業の推進について」について質問し、市長 迫俊哉、教育長 林秀樹、こども未来部長 安部俊克が答弁しました。
- 質問者
- 橋本布美絵 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、教育長 林秀樹、こども未来部長 安部俊克
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 橋本布美絵
令和5年第4回定例会に当たり一般質問させていただきます。初めに、ヤングケアラーについて質問いたします。現代の子供たちの環境は、様々なストレスが取り巻き、時折、痛ましいニュースなどを見聞きすることがありますと大変心を痛めます。児童虐待など社会の認知度は高くありながらも、調査が開始された1990年代以降、相談対応件数は毎年、最多を更新し続けています。また、いじめや不登校の問題も、現場の教職員の方々が研さんを重ね、児童・生徒への丁寧な対応などを御尽力いただいており、大変感謝申し上げますが、まだまだ課題も多く、地域も含めて共に乗り越えていかなければならない問題であると感じております。そんな中、本年4月1日には、こども家庭庁が設置され、こども基本法が施行されました。子供や子育て中の保護者、家族が抱える様々な困り事への対応が一元化され、包括的なさらなる支援が今後、期待されます。こども家庭庁のサイトでも大きく取り上げられているテーマの一つにヤングケアラーがあります。これまで当会派の松田前議員がヤングケアラーについて幾度も質問してまいりました。本市においては、独り親世帯や老齢人口が他市に比べて大変多いことを踏まえ、ヤングケアラーへの支援体制の構築が必須であると取り組んできました先輩の思いを引き継いでまいりたいと思っております。ヤングケアラーに関しての認知度は、国での政策やメディアで見かけることも多少増え、徐々に広がりを見せておりますが、学校内での取組は、成長期とともに変化する子供の生活環境を考慮して、また、保護者へも繰り返し伝え続けることが必要ではないかと考えます。こども家庭庁のサイトには、令和5年度版として、啓発動画や元ヤングケアラーが経験を語る動画を配信、自由に使うことができるポスターやリーフレットのデータも取得できます。小樽市でも、昨年、市内全小・中学校でチラシやリーフレットの配布やポスターの掲示をしたとのことですが、そのような啓発への取組は内容を更新するなど、定期的に行われているでしょうか。また、こども家庭庁での啓発動画の利用促進に向けた取組についてお示しください。これまで、ヤングケアラーの存在を認知するタイミングが、ケアをしていることに周りが気づかず、相談することもできず、ケアが長期化する中で学校生活を諦めてしまうことによる不登校や問題行動が生じてから初めて認知され、認知が遅れることで支援につながりづらい状況がありました。早い段階で支援につなげるために、学校での役割は大きく、自尊感情や自信を失う前の段階でつながることが大切だと言われています。これまで校長会や教職員の方々が研修を受け、情報を共有するとのことでした。今年度に関しては、どのような形で行われたか、参加人数、内容、感想、また、その効果についてもお示しください。市庁舎内でも研修が行われているようですが、こちらについても同様にお示しください。迫市長の2期目の公約の「安全・安心のまちづくり」の中に、ヤングケアラーへの確かな支援につなげる体制を整備するとあります。様々な課題がある中、このようにヤングケアラー問題への重要性を感じられていることには、やはり本市の独り親世帯の多さが関係しているのではと思います。ヤングケアラーの実態調査の結果からも、独り親の家庭では、ヤングケアラーになるリスクが当然ながら高くなっています。実際、私もシングルで子育てしてまいりました。独り親世帯には、常に保護者の自分が病気になったら、働けなくなったらなどの不安や危うさがあるものですし、経済的に長時間労働になることや、子供へも家庭内で求められることが増える傾向があります。本市の特性を考えますと、迫市長の考えている今後の支援体制の整備は大変重要であります。小樽市における現段階でのヤングケアラーに対する支援体制はどのようになっているのか、お示しください。令和4年の時点では、北海道や独自に調査を実施している札幌市の調査結果を参考にすることで、小樽市独自の調査を検討しているとのことでした。札幌市が令和3年度に実施しました中・高生への調査結果を見ますと、大変興味深い情報を得ることができますが、学校側への聞き取りの中に、ケアをしている生徒がいることを把握しているとの答えが4割を超えていますが、同様に、把握していないという答えも4割近く上がっています。意識を持って対応している反面、ヤングケアラーへの気づきづらさも浮き彫りになっているのが印象的でした。このような参考資料データを基に行った取組はありますでしょうか。実際に行った施策などがあれば、具体的にお示しください。ヤングケアラーには、ケアに至るまでの経緯や時間、誰をケアし、どのぐらいの時間を費やしているかなど、状況は様々でありますが、中には物心ついた頃からケアすることが当たり前のように生活している子供もいます。そのような状況ですと本人がヤングケアラーである自覚を持っていないことから、支援につながりづらくなることがあるといいます。札幌市の調査は中・高生を対象にしていますが、もし小樽市で実態調査をする場合は、小学校からすべきではないでしょうか。子供たちと教職員の生の声を拾い、臨場感のあるデータを共有できて見えてくる支援の形があるのではないかと考えます。今後、小樽市独自の実態調査をする必要性に関して、お考えをお聞かせください。本年7月に厚生労働省が公表しました介護保険の指針案に初めてヤングケアラーへの支援が盛り込まれ、年内には正式決定される見込みだと大きく報道されました。これまで要介護者に目が向きがちだった状況から、介護者へも目が向けられ、ヤングケアラーも包括的に地域で支援していけることの意義は大変大きいと思います。ヤングケアラーは18歳未満を対象としていますが、大学生や社会人になっても介護の担い手として奮闘する若者ケアラーの問題も含めて、孤立することなく社会生活が送れるように、地域における支援体制の構築、拡充が必要です。ヤングケアラーについては、これまで学校が中心となって支援してきましたが、今回の指針案では、各市町村の包括支援センターも活用することを打ち出されています。このような国が示す方向性を踏まえ、確かな支援につなげる体制の整備について、市長のお考えを改めてお聞かせください。次に、重層的支援体制整備事業の推進について質問いたします。地域住民が抱える課題に、8050問題、ダブルケア、ヤングケアラーなど、複雑化、複合化する中、本市においても、重層的支援体制整備事業の実施に向けて取り組んでいるところだと思います。先ほどの質問にもあるように、困り事のある住民全てが自ら支援を求められるとは限らないことや、問題の本質が別のところにあったり、一つの家庭内に問題が重複することもあります。また、老齢人口が多い本市は老老介護世帯も多いです。先日、市民の方から御近所の御年配夫婦が心配だとの御相談を受けました。80歳代の御夫婦で、御主人のトイレの介助もしている奥さんが室内で倒れてしまい、起こすことができずに慌てていた様子を御近所の方がたまたま見かけたことで私への相談につながりました。福祉の支援を受けているその御夫婦でも円滑に支援につながることばかりではなく、今回のような近隣地域の見守りも重要なのだと教わりました。このように、福祉の支援につながっていく、また、つなげていくためには、困り事を抱えた当事者に幾つもの手だてが重なって用意されていることが望まれます。令和3年に第1期小樽市地域福祉計画・小樽市地域福祉活動計画「たるたる支え愛ぷらん」が策定され、福祉総合相談室が開設されました。このたるたる支え愛ぷらんの概要と、現在行っている周知の方法をお示しください。福祉総合相談室の開設後、それ以前と比べて、相談支援など改善された利点についてお示しください。重層的支援体制には、庁内の体制の構築と多機関協働・アウトリーチを通じた支援が重要だと思いますが、それに向けての人材育成・確保が必要になるでしょう。例えば、全国的にも民生・児童委員の成り手不足、高齢化の問題が言われておりますし、町内会の役員や子ども食堂など、地域での協力も必要になります。通常は、たとえ何らかの気づきがあっても、これまで福祉につなげる役割として深く関わることのなかった方の協力体制の構築も必要です。このたび、委員会視察で伺いました愛知県春日井市では、地域支援研究会・育成プログラムという地域支援に求められる知見・技能を養成する研修会を持つ公民連携の取組がありました。そして、このプログラムのさらによい点は、受講生が次の養成する側になるところです。本市において、重層的支援体制整備事業の実施に向けての課題をお示しください。最後に、春日井市でのお話で私が一番心に残ったのは、とにかくまずやってみようと移行準備期間を持たずに事業を始めたとの言葉でした。本市においても、福祉総合相談室での事業をベースに、一年でも早い重層的支援体制整備事業の支援体制の構築を期待するものであります。以上、再質問を留保し、一般質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
橋本議員の御質問にお答えいたします。初めに、ヤングケアラーについて御質問がありました。まず、令和5年度におけるヤングケアラーに関する研修につきましては、7月5日に、こども未来部の職員研修として、外部講師による研修を実施いたしました。職員25名が参加し、ヤングケアラーへの支援内容等について講師の実践を基にした講義を受け、参加者からは、ヤングケアラーの視点を踏まえて今後の相談支援に取り組みたい等の感想があり、職員の理解が深まったものと認識しております。次に、本市におけるヤングケアラーに対する支援体制につきましては、市内の学校や福祉・介護関係者等において把握した情報を、本市のこども未来部こども家庭課に設置をしているヤングケアラー支援対応窓口において集約し、適宜、ケース検討会議等において関係機関と情報を共有し、必要な支援を調整することとしております。次に、北海道などによる調査結果のデータを生かした取組につきましては、これらの調査結果では、本人や家族にヤングケアラーの自覚がないといった理由から表面化しにくいことが指摘されていることから、周囲の大人が子供の置かれた状況を日頃から把握していくことが重要と考えております。このため、具体的には、啓発のためのポスターやリーフレット等を、学校、子育て関係施設に配布をしているほか、市のホームページで周知を行っております。また、市職員や介護事務所の職員を対象とした研修会を実施し、ヤングケアラーに対する理解を深める取組を進めているところであります。あわせて、学校の教職員がヤングケアラーを把握し、こども家庭課の対応窓口に情報共有を図るためのツールとして、統一様式の連絡票を整備し、各学校において活用していただいております。次に、ヤングケアラーの本市独自の実態調査につきましては、これまで、国や北海道、札幌市が児童や教職員等にアンケート調査を実施しておりますが、その調査結果に大きなばらつきがないことから、本市においてもヤングケアラーとして捉えられる児童が一定数いるものと推測しております。アンケート調査は、ヤングケアラーへの認識を広める効果があるものの、個々のケースの把握ができないという問題点も考えられますことから、関係機関との協議や情報共有等により、ヤングケアラーの個々のニーズの把握を行いながら、適切な支援にいち早く結びつける取組に重点を置いて進めてまいりたいと考えております。次に、ヤングケアラーを確かな支援につなげる体制の整備につきましては、本市の支援対応窓口を中心に、学校や福祉・介護関係者、地域住民などから得られた情報を共有し、連携して対応できる体制を整えていくことが重要であると考えております。次に、重層的支援体制整備事業の推進について御質問がありました。まず、たるたる支え愛ぷらんの概要などにつきましては、この計画は、本市における地域福祉の方向性を示し、基本理念と三つの基本目標を柱に、市民、地域、事業者や団体、行政などを地域福祉の推進主体とし、地域共生社会を実現するための取組を示したものであります。計画期間は、令和3年度から5年度までの3か年としております。また、周知につきましては、市のホームページへの掲載のほか、福祉総合相談室や各サービスセンターで計画書概要版を配布しております。次に、福祉総合相談室開設後の相談支援体制の改善点につきましては、高齢や障害、生活困窮の複合的な課題に対して、福祉総合相談室内の横断的な対応や情報共有が密となり、連携が強化されました。また、生活困窮の相談窓口である「たるさぽ」が本庁に移転したことで、税や保険料の納付相談に来られた方を生活相談につなげやすくなったことも改善された点であると考えております。次に、重層的支援体制整備事業実施に向けた課題につきましては、市民が抱える複雑化・複合化した課題の解決に向けた包括的な相談支援体制を構築するには、庁外の相談窓口の理解と協力が不可欠であることから、多機関協働を進めていく体制づくりが課題であると考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)
橋本議員の御質問にお答えいたします。ヤングケアラーについて御質問がありました。初めに、小・中学校での啓発内容の更新につきましては、児童・生徒用の啓発資料に相談窓口を追記したり、最新の情報が掲載されている、児童・生徒向けヤングケアラーハンドブックの2次元コードなどを周知したところであります。こども家庭庁の啓発動画につきましては、令和5年1月に各学校に活用するよう周知しているところですが、改めて教職員の研修や特別活動等の授業で活用するよう、校長会議において指導してまいりたいと考えております。次に、令和5年度のヤングケアラーに関する教職員研修につきましては、こども未来部及び福祉保険部職員を講師として、7月31日に、市教委庁舎において、ヤングケアラーの発見方法や連絡手段についての説明のほか、参加者によるグループ協議や情報交流などを実施し、小・中学校及び市教委から31名が参加いたしました。また、参加者からは、どのような基準で、どこに相談したらよいか分かった、小樽市ヤングケアラー連絡票があれば発見の目安になる等の感想があり、効果といたしましては、実際にこの連絡票を活用して、こども未来部への報告がなされ、新たな発見につながったケースも見られております。(「議長、9番」と呼ぶ者あり)
再質問 9番 橋本布美絵
再質問させていただきます。ただいま御答弁いただいた、学校での研修の結果を今年度に関して御答弁いただきましたけれども、ここで生かされている連絡票が実際に作られたということで、研修がきちんと生かされているということも確認できたのですけれども、こういった研修は一部の教職員の方が参加して、現場では情報を共有するという形になっているかと思うのですが、実際に受けていない方の感想などを聞くことがあったか、もしあればお聞かせいただきたいと思います。あと、小樽市での独自調査というのは、国や札幌市での調査があまり差がないことから、小樽市では設けないということで御答弁いただきましたけれども、私としては、やはり実際に実態調査をせずに実態が知れるのかという思いで質問させていただきました。先ほど質問の中に、北海道や独自に調査を実施している札幌市の調査結果を参考にすることで小樽市独自の調査を検討しているというのが、令和4年第1回定例会での市長の御答弁だったのですけれども、その間、実際に支援につながったようなケースも恐らくあったということで、こども未来部につなげるような形にはなっているのですけれども、個々のケースのニーズを把握するためにも実態調査というのが必要ではないという判断に少し違和感があるというか、実際に見えづらいために個々にケースに当たっているという話でしたけれども、ヤングケアラーを見つけづらいという認識があるならば、やはり独自の実態の調査というのは必要なのではないかと思いますので、これに対して、もう一度お答えいただければと思います。
答弁 こども未来部長 安部俊克(こども未来部長は2025年3月まで)
橋本議員の再質問にお答えいたします。私からは、市独自の調査の実施について必要ではないかというお話でしたけれども、市長の答弁の中でも申し上げましたとおり、また、議員も再質問でおっしゃられたとおり、個々のケースの把握というのが難しいということで、例えばこのような調査を記名式で行うということは、できないのではないかと思いますので、それをもって、どこの誰にそういったケアを行うような負担が子供にかかっているかというのは非常に把握が難しいと思っておりますので、実際に連絡票などを使って実態を把握する中で必要な支援に結びつけていくといった体制づくりをこれまで進めてきて、これからも一層強化していきたい、そういう方向で進めていきたいというふうに考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)
橋本議員の再質問にお答えをさせていただきます。質問の要旨は、研修を受けていない教職員についても感想を聞いているかということでございます。研修の持ち方なのですけれども、通常、各学校の代表者が研修に参加して、それを各学校に持ち帰って、その研修の内容であるとか成果、それから課題というのを校内研修だとか会議において広めていただくというようなことを主に狙いとしているところでございます。そういった意味で、持ち帰った中で、どのような感想が出たのかということについては、押さえているわけではございません。そうは言いましても、これは非常に大切な問題でございますので、今後、いろいろな学校で、校長会議などにおいてもいろいろな感想を取ることもできますので、そういった意味で学校の代表者に集まった意見を私どもに寄せていただくということも可能なのかというふうに思っていますので、そういうような方向で進めていけたらいいなというふうに思っているところでございます。