小樽市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月13日
(1)「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」について/(2)ライフステージに応じた女性への健康支援について
2023年9月13日、小樽市議会の一般質問で、橋本布美絵議員が「「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」について」「ライフステージに応じた女性への健康支援について」について質問し、市長 迫俊哉、教育長 林秀樹、保健所長 田中宏之が答弁しました。
- 質問者
- 橋本布美絵 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、教育長 林秀樹、保健所長 田中宏之
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 橋本布美絵
公明党の橋本布美絵でございます。先立ちまして、このたび8月26日に御逝去されました自由民主党、濱本進議員へ心よりお悔やみ申し上げます。4期16年にわたり小樽の発展に御尽力いただきましたこと、心より敬意を表しますとともに、市民の一人として深く感謝申し上げます。それでは、第3回定例会に当たり一般質問させていただきます。最初に、希望ある共生社会を築くために、認知症基本法に関して質問させていただきます。本年6月14日に共生社会の実現を推進するための認知症基本法が議員立法にて成立いたしました。認知症の問題にいち早く取り組んできた公明党は、2015年に古屋範子衆議院議員が予算委員会にて必要性を主張して以来、党派を超え議論をリードしてまいりました。世界でも最も高齢化が進んでいる日本では、2025年に65歳以上の5人に1人、約700万人が認知症になるという推計がされています。長寿化の現代で多くの人が人生の後半に認知症と付き合っていくであろうという状況にあって、認知症が正しく理解され、認知症の人の尊厳が保たれ、安心して希望を持って暮らせるよう共生社会の旗印を掲げた基本法の制定は、社会全体の意識変革につながる大きな意義があると思います。内閣に首相を本部長とする認知症施策推進本部が設置され、本人や家族らで構成する関係者会議の意見を踏まえ、国の基本計画を策定するとなっており、都道府県や市町村は計画策定を努力義務とするとなりました。小樽市でも、これまで認知症に関して様々な施策に取り組んできたとは思いますが、今後はこれまで以上に能動的にニーズに合った施策が必要ではないかと考えます。まず、認知症基本法の成立を受け、今後、小樽市にとってどのような方針を進めていくか、お聞かせください。現在、小樽市におきましても、老齢人口は40%を超える中、高齢者の単独世帯の割合も多く、今後も増えていくと考えられます。昨年1年間で認知症の行方不明者として全国の警察に届けられた数は、過去最高の1万8,709人となりました。徘回に関してのリスクを軽減するには、家に閉じ籠もるのではなく、むしろ楽しい気分で外出できるような趣味や目的を持つことや、客観的に見守りのある安全な外出に変える必要があると思いますが、たとえ同居家族がいても完全に回避することはできないでしょう。小樽市でも、はいかい高齢者位置情報検索システム導入経費助成事業をしていますが、令和元年の決算特別委員会にて当会派の横尾議員の過去5年の新規申込数への質問に対して、答弁がゼロ件で、いろいろ見直しも考えているということでした。その後、昨年度、本事業の利用者数をお聞かせください。また、見直したことがあればお聞かせください。ここ数年、GPS機器を持たせるよりも手軽に使え、破損の心配もないQRコードを印刷したシール状のものを自治体が配付しているところが増えてきています。QRコードを読み取ると身元確認ができる仕組みです。現在、全国的にも普及しつつあるQRコードを配付している自治体や、かかる費用をお示しください。また、このような時代のニーズに合ったものを検討していくことも必要かと思いますが、見解をお聞かせください。続いて、ライフステージに応じた女性の健康支援についてお伺いいたします。女性が生涯を通じて健康で充実した日々を自立して過ごすことを総合的に支援するために、厚生労働省では、3月1日から8日までを女性の健康週間と定め、女性の健康づくりを国民運動として全国で展開しています。女性の健康を取り巻く環境は、初潮、妊娠、出産、閉経等ライフステージに応じ変化し、段階に応じた健康支援が必要とされています。さらに近年、晩婚化、晩産化が進み、仕事と育児や子育て、介護の両立など女性が置かれている社会環境は厳しい状況と言えます。小樽市において、これまで女性の健康週間についてどのような取組をしていたか、お伺いいたします。また、女性の健康週間の国民運動としての効果や必要性のお考えをお聞かせください。次に、学校教育における取組についてお伺いいたします。思春期の生徒の約80%が月経関連疾患により勉学及び体育に影響を与えているにもかかわらず、生徒の多くは保護者を相談相手とし、学校ではあまり相談ができていない実態もあると伺っております。思春期はストレスを抱えることの多い時期でもあり、また、まだ性機能が未熟なために月経の不順や不調が起こりやすい。しかし、月経痛があっても我慢している生徒も多いといいます。そのまま放置し、成人になったときに子宮内膜症を発症したり、さらには不妊や子宮摘出に至る事例もあり、初期の段階で適切な治療を受けさせる必要があるとの指摘もあります。また、生理の貧困の問題も考えると、思春期での生理に関しては、正しい知識の啓発が生徒のみならず、相談の窓口になる養護教諭や担任、運動部の顧問など学校内での支援のカードを増やすことや、さらに病院との連携があるとよいと思います。そこで、小樽市での学校における女子児童・生徒への健康支援を具体的にどのように進めてきたか、また、現状での課題があればお知らせいただき、今後の進め方について御説明ください。次に、健康経営の観点からの健康支援についてお伺いいたします。健康経営とは、経済産業省のホームページに、従業員の健康管理を経営的な観点で考え、戦略的に実践することとあります。従業員への健康投資は、従業員の活力増進や生産性の向上につながると期待されています。特に生理のある女性は、健康な状態であっても年間60日は生理による何らかの体調不良を抱えながら仕事等をしています。女性への健康支援は、早期の相談や受診につながりやすい就業環境の改善を図ることもできると考えます。平成29年度の日本産婦人科医科学会での調査では、働く女性の約80%が月経痛などにより就業に影響を受けているということが明らかとなっております。例えば、小樽市でも企業に対し、月経関連疾患に対する支援や女性特有のがん検診への啓発を働きかけることが必要ではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。44歳から60歳の約1,000万人対象のうち、50%の約500万人が更年期障害によりQOL、クオリティー・オブ・ライフが阻害を受けていると推計される結果もあり、その経済的損失は計り知れないとされています。女性の活躍を阻む生理や更年期に起こる体調不良から来る幾つもの壁は、社会全体で越えていかなければならない壁であります。女性の活躍は、日本の成長戦略の柱とされながらも、本年のジェンダーギャップ指数は、残念ながら昨年よりもさらに9ランク下がり125位と過去最低となりました。今後の月経関連疾患や更年期障害についての正しい知識の啓発が急務と考えます。近年、健康経営という考え方が注目されており、企業が従業員の健康に配慮することによって経営面にも大きな成果が期待できるという考えですので、健康経営の観点から女性の健康支援を推進すべきかと考えますが、小樽市としての考えをお伺いいたします。また、女性の健康支援という点で、今後どのような取組が必要になってくるか、お考えがあればお聞かせください。最後に、女性のがん対策について伺います。近年、女性特有の子宮頸がん、乳がんの罹患者の年齢が若くなり、罹患者数も増加傾向にあり、早期発見、早期治療が重要です。また、抗がん剤治療により貴い髪の毛が抜け落ち、外見の悩みだけでなく精神的な落ち込みも女性の場合は深刻です。私の友人も乳がんに罹患し髪の毛が抜け落ち、高額なウィッグを購入し着用しておりました。がんの治療をしている方の中には、働きながら治療を続けている方も多くいらっしゃいます。私の友人も販売の仕事をしていますが、ウィッグを着用しながら働くことは精神的にもかなりつらかったといいます。単に髪の毛が抜け落ちた頭皮を隠すものではなく、そもそもウィッグであること自体がばれたくないという思いがあったからです。そのために、自分に合った形にカットしたりすることも必要な要素であります。ウィッグなどの費用の助成に関しては、本年第1回定例会において当会派の松田前議員からも質問しております。そのときの保健所長の答弁に、医療用ウィッグのレンタルの市民の利用状況、概略は相談機関等に問い合わせて確認したのですが、改めて小樽市立病院、それから、レンタルの相談に当たっている機関に再度、小樽市民が具体的にどの程度、どのような形で相談が寄せられているか、もう少し詳細に確認し把握してまいりたいと思いますとありました。その後、何か確認できたことはありましたでしょうか、お聞かせください。また、確認、調査の結果を踏まえ、どのような議論がなされてきたか、具体的にどのような取組をされているか、お考えをお聞きします。ウィッグのレンタルのような価格の安いものも必要かと思います。高額であっても購入することに大きな意味がある中で、そのようなつらい気持ちに寄り添う施策は当事者にとって励みになるものではないでしょうか。改めてレンタル、購入どちらにも費用に対して助成を考えるべきではないかと思いますが見解をお聞かせください。以上、再質問を留保し、一般質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
橋本議員の御質問にお答えをいたします。初めに、共生社会の実現を推進するための認知症基本法について御質問がありました。まず、本市の認知症施策の方針につきましては、これまでは国が定めた認知症施策推進大綱に沿って施策を実施してきたところであります。今後は、国が策定する認知症施策推進基本計画を踏まえ、地域包括支援センターや市内の事業者からの御意見なども伺いながら、認知症の方が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、本市の実情に即した施策を総合的かつ計画的に進めてまいりたいと考えております。次に、はいかい高齢者位置情報検索システム導入経費助成事業の利用件数につきましては、令和元年度以降、昨年度まで実績はありません。また、本事業の見直しにつきましては、従来は特定の事業者が扱う機器のみを対象にしておりましたが、令和2年度からは、他の事業者が扱う機器にも拡充いたしております。次に、QRコードによる身元確認につきましては、道内では北斗市など3市町で実施していることは承知いたしておりますが、事業費までは把握いたしておりません。今後の認知症の方の見守り事業の実施に当たりましては、他の自治体の取組を参考に、また、地域包括支援センターなど認知症に関わる方々からの御意見も伺いながら、効果的で実用性のある取組を検討してまいりたいと考えております。次に、ライフステージに応じた女性への健康支援について御質問がありました。まず、本市における女性の健康週間の取組につきましては、この期間に限定したものではありませんが、恒常的な取組といたしまして、市のホームページに厚生労働省が開設している女性の健康に関するサイトや、ライフステージ別に女性の健康ガイドなどを掲載しているサイトの情報を掲載しているほか、女性のための健康相談として、心の相談や性感染症、更年期の相談などにも対応いたしております。次に、女性の健康週間の国民運動としての効果や必要性につきましては、女性を取り巻く健康問題に対する社会的関心の喚起を図るため、国及び地方公共団体、関係団体などが一体となって社会全体で啓発事業を展開することは重要なことであり、女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を自立して過ごすことができる社会の実現に資するものと考えております。次に、市が企業に対して月経関連疾患への支援や女性特有のがん検診の啓発を働きかけることにつきましては、市といたしましても女性に対する健康支援を進める上で、企業が女性特有の月経関連疾患や子宮頸がん検診、乳がん検診の重要性などを理解し、就業環境の改善を図ることは大変意義があるものと考えております。次に、健康経営の観点からの女性の健康支援の推進につきましては、企業が女性特有の疾患を理解し、健康経営の観点から女性従業員に対する健康支援を推進し、働きやすい就業環境を整備することは、女性が健康で充実した日々を送ることにつながるものと考えております。市といたしましては、今後も健康経営の普及推進等に関する協定を締結している企業と連携を図るとともに、企業に対する健康教育の実施により、健康経営の観点からの女性の健康支援につきまして啓発してまいりたいと考えております。次に、医療用ウィッグに関するがん相談の状況につきましては、本年3月に確認いたしたところ、小樽市立病院における相談の多くは、がん治療やセカンドオピニオンに関するものが大部分で、医療用ウィッグに関する相談はほとんどないとのことでした。また、医療用ウィッグのレンタルに対応している事業所に確認いたしたところ、医療機関から紹介されて来店する方や口コミで来店する方の中に小樽市在住の方もいらっしゃるとのことでしたが、詳細については答えられないとの回答でありました。次に、医療用ウィッグに関するがん相談に対応する機関への確認結果を踏まえた対応につきましては、医療用ウィッグのレンタルに対応する事業所では小樽市民の利用があるとのことであり、本市においてもがん治療に伴う脱毛等の悩みを抱えている方が一定程度いらっしゃるものと考えております。今後につきましても、市のホームページにおきまして医療用ウィッグのレンタルを行っている事業所や、がん相談に対応するがん相談支援センターを紹介してまいります。次に、医療用ウィッグのレンタルや購入に対応する助成制度につきましては、市といたしましては、国や北海道の動向、他の自治体の取組状況などを踏まえ調査研究を継続するとともに、患者の気持ちに寄り添う施策の実現に向けて北海道市長会などを通じて、国や北海道に対し、助成を行う自治体を支援する制度を創設するよう引き続き要請を行ってまいります。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)
橋本議員の御質問にお答えをいたします。ライフステージに応じた女性への健康支援について御質問がございました。まず、学校における女子児童・生徒への月経関連疾患に対する支援につきましては、各小・中学校の保健体育の性に係る授業において児童・生徒に正しい知識を身につけさせているほか、特に女子児童・生徒に対しては、全校の女子トイレに急な使用に対応するための生理用品を配置するとともに、担任や養護教諭、スクールカウンセラー等による相談体制の整備に努め、保護者から相談のあった場合は学校から保護者へ状況をお伝えするとともに、必要に応じて医療機関の受診を勧めているところであります。次に、学校における女子児童・生徒への健康支援についての現状の課題などにつきましては、各学校において相談体制の充実に努めているところですが、思春期特有の性に関する悩みを学校で相談しにくいと感じている女子児童・生徒もいるという課題が見られることから、困り感に寄り添い、より相談しやすい雰囲気づくりに努めるよう各学校に指導してまいります。(「議長」と呼ぶ者あり)
再質問 9番 橋本布美絵
1点だけ再質問させていただきます。ウィッグのレンタル、また購入に対しての助成の御答弁で、これまでのように国や道の動向を見ながら要請していきたいという御答弁でしたが、今回、私がお話ししたかったのは、もちろん高額なウィッグに対しての助成をしていただくということもそうなのですけれども、働きながら治療をしている方もすごく多くいるというのが現状でして、私の友人も早い段階からウィッグをかぶって仕事に出ていました。やはり治療にお金もかかりますし、そういう方が非常に多いのかと思います。健康経営のお話もして、こちらはすごく前向きに取り組んでいただけるような御答弁がいただけたかと思うので、そういった労働人口がこれから減る中で、そういった支援をしながら女性に活躍していただきたいという思いで質問いたしました。優先順位をつけながら、いろいろな取組をしていかなければならないことは理解できるのですが、前向きに考えていただきたい。働き手としての女性の支援ということで御答弁いただきたいので、再質問させていただきます。
答弁 保健所長 田中宏之
橋本議員の再質問にお答えをいたします。医療用ウィッグのレンタル・購入に対応する助成制度に関して、特に働く女性を支援する観点で市においても何らかの制度の創設を検討していただけないかという御質問だったかと思います。私どもも、できることなら、そういった方々の御支援ということで、何らかの取組ができればというのを考えておりますが、今の時点で自治体として、そういった制度を創設するための何らかの支援制度というものがまだ全くない状況の中でありますので、ウィッグに限らず胸部補整具等もございますので、そういったものも含めて、助成を行う自治体を支援する制度の創設を引き続き国や北海道に求めていきたいというふうに思っております。