小樽市議会 令和4年第4回定例会 2022年12月13日
国の施策の本市への影響について
2022年12月13日、小樽市議会の一般質問で、丸山晴美議員が「国の施策の本市への影響について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 丸山晴美 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 丸山晴美
第2項目めの質問をいたします。国の施策の本市への影響について質問します。まず、マイナンバーカードについてお聞きします。この間、政府は国民のマイナンバーカード取得について最大2万円分のマイナポイントを付与し、新聞広告やテレビコマーシャルまで打ってカード取得を促進してきました。また、平日役所に行けない人のために申請窓口を特別に設けるなど、自治体職員の労働環境にも一定の負担をかけています。しかし、今年11月末現在のマイナンバーカードの人口に対する交付枚数率は総務省ホームページによれば、全国で53.9%とようやく半分を超えたところであり、北海道では52.2%、小樽市では47.5%と聞いています。このことから、日常生活において、いかにマイナンバーカードが必要ではないかを露呈しています。加えて、物価高騰が続く中、困窮する国民の弱みに付け込むようなポイント付与というカード取得とは何ら関係のない手法を取る政府のやり方は姑息というほかありません。その上、10月13日、河野太郎デジタル大臣は会見で、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けた取組を前倒しするために、これまで政府が説明してきた健康保険証の原則廃止を廃止とし、その期限を2024年秋と表明しました。あまりにも乱暴です。行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆるマイナンバー法第16条の2で、「住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係る個人番号カードを発行するものとする。」とあります。マイナンバーカードの取得は任意であり強制されるものではありません。また、健康保険証は現状の国民皆保険の下で、被保険者が医療機関にかかる際には健康保険証を提示し、制度を利用しています。現在の健康保険証が廃止となれば、マイナンバーカードを持たないものは公的保険診療から遠ざけられる結果となりかねませんから、現在の健康保険証を廃止とすることは事実上マイナンバーカードの取得が義務化、強制されることになります。マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴って現在の健康保険証を廃止することはマイナンバーカードの取得の強制になると考えます。市長の見解を伺います。マイナンバーカードに健康保険証が一体化され、現在利用されている健康保険証が廃止となった場合にどんな困ったことが起き得るかについて聞きます。マイナンバーカード保険証で医療機関を受診する場合、本人がカードリーダーにカードをかざし、4桁の暗証番号を入力するかあるいは顔認証をする必要があります。例えば、現在は具合の悪い子供を受診させる際に、保護者が医療機関の窓口に健康保険証と診察券を提出し受付を済ませることはよくあることです。同様に高齢の方が医療機関で受付をする際、御本人に代わって御家族や介護者が窓口に健康保険証を提出し手続をする事例は特別なことではありません。-54-マイナンバーカード健康保険証では、子供や高齢者が医療機関を受診しようとするとき、現在と同様に、代理で受付することは可能でしょうか、お答えください。マイナンバーカード保険証を利用しようとして、暗証番号を失念し、うっかり3回入力ミスをしてしまうとカードにロックがかかります。そのまま医療機関を利用する場合どのような影響がありますか。マイナンバーカードに書き込まれた電子証明書には5年の有効期限があり、有効期限が過ぎた場合には健康保険証として使えなくなります。その都度電子証明書の更新手続を市町村窓口で行う必要があります。事前に有効期限のお知らせは通知されるのでしょうか。また、更新の手続には何が必要でしょうか。さらに、代理人が手続する場合には何が必要かお答えください。うっかりマイナンバーカードの電子証明書の更新の手続をしないまま有効期限が過ぎ、保険証が使えなくなった場合、やむなく医療機関を受診することになった際の影響についてお答えください。デジタル庁は今年1月25日から2月4日にインターネットモニター2万人にマイナンバーカード取得状況に関するアンケートを実施し、その結果をまとめています。マイナンバーカードを取得していない理由については、「情報流出が怖いから」が35.2%、「申請方法が面倒だから」が31.4%、「マイナンバーカードにメリットを感じないから」が31.3%を超えて第一の理由となっています。カードの交付が進まないのはふだんの生活上なくても困るものではなく、逆に情報漏えいのリスクや悪用されるリスクがあるからです。政府はマイナンバーカードに詳しい個人情報が搭載されているわけではないと説明しています。しかし、仮に4桁の暗証番号が漏えいすれば全くの他人であってもマイナポータルにログインできます。最近の統一協会のニュースなどを見れば、本人になりすましてお金を借りるなど被害を生む可能性があります。全ての人がマイナンバーカードを適切に管理できるわけではありません。子供、高齢者、障害を持つ方などにまでマイナンバーカードを強制的につくらせることになる健康保険証の廃止はやめるべきと考えますが、見解を伺います。厚生労働省の発表では医療機関、薬局では来年4月までにマイナンバーカード保険証対応のシステムを導入することを義務付けられています。現在、市内の医療機関、薬局ではどの程度システム導入が行われているのか、市として把握していますか、お答えください。今年6月政府は、自治体ごとのマイナンバーカードの普及状況などを2023年度からの地方交付税の算定に反映させることを検討する意向を表明しました。本来、地方交付税は全ての自治体が一定の行政サービスを行う財源を補償するために国が自治体に代わって徴収し、人口や面積などに基づく算定と交付で財源の不均衡を調整するものです。マイナンバーカードの普及状況によって交付税に差をつけるのは、税に求められる所得再分配などの公平性をゆがめるものではありませんか、市長の考えをお聞きします。仮に政府が言うように、今後マイナンバーカードの普及状況で地方交付税の算定が左右されることになれば、地方交付税の意義を否定し政府が金の力で地方をコントロールすることにつながる暴挙ではありませんか。政府が地方自治体に圧力をかけることにつながるマイナンバー制度は廃止を求めるべきです。市長の考えをお聞きします。次に、インボイス制度が導入された場合に想定される市内の影響についてお聞きします。来年10月1日から消費税のインボイス制度が導入されようとしています。これまで、消費税の納税額は仕入れにかかった経費の総額から消費税相当分を割り戻して仕入税額を算定し、売上げの総額から割り戻した消費税相当分の売上税額からこの仕入税額を差し引いて消費税納税額と計算していました。-55-しかし、インボイス制度導入後は、仕入れのときに受け取ったインボイスに記入されている消費税額だけを仕入税額とします。そのため、インボイスが発行できない免税業者からの仕入れでは仕入税額として控除できず、消費税納税額が増えてしまいます。このことから、消費税が免税されている仕入業者に対して、インボイス制度を導入し、課税業者にならざるを得ない状況を迫る事例が心配されています。市の特別会計もインボイス制度の対象となります。消費税の免税業者であることを理由に市との取引から排除されることはあってはならないことです。しかし、福島市では9月1日に令和5・6年度入札参加資格審査申請の手引きを公表しました。そこには、「インボイス制度の登録がない場合、水道局及び下水道室発注の工事等の受注ができなくなりますので、ご注意ください。」とし、申請様式に新しく記載項目を追加しました。加えて、手続中であれば登録完了後速やかにインボイスの登録番号が確認できる書類の提出を求めており、インボイス制度の登録のない事業者では申請が認められないかのような記述は問題です。小樽市では来年度からの入札参加資格にインボイス制度の登録を要件とする考えはあるのですか。お答えください。また、市では取引業者に対して、インボイス制度について説明会などを実施して登録を促すような考えはありますか、お答えください。そもそも、年間売上げが1千万円以下の事業者では市場での競争力が弱く、売値への消費税分の転嫁が困難であること、また事務負担軽減のために消費税免税業者とされているものです。そうした業者が課税業者にならざるを得ないインボイス制度では営業を続けられない事態を引き起しかねないと、インボイス制度反対の声が上がっています。市内で手作り作品を販売している店舗のあるオーナーは、販売先が個人ばかりなのでインボイスの登録はしないと言いました。もし、消費税を納税することになれば、もうお店は無理と言っています。また、別の手作り作品を販売している店舗のオーナーは、年に数回札幌市のデパートでの出店があるため、インボイス登録をして課税業者になるか免税業者のままで販路開拓を諦めるかその対応に苦慮しているというお話でした。事業規模は決して大きくない消費税免税業者ですが、顧客との関係を大切に商売を続けてきたわけです。そうした個人事業者がいよいよ販路拡大しようとするときに、インボイス制度に登録をして消費税課税業者にならざるを得ないというような大きな足かせをはめることになります。インボイス制度の導入は小樽市の経済活性化の阻害要因になると考えませんか。お答えください。個人タクシーは全国個人タクシー協会と日個連事業協同組合の大きく二つの組織があり、この二つで全国の個人タクシーの95%に当たる約2万5,700人の組合員を持つといいます。この二つの団体では、組合員全員がインボイス発行事業者になることを目指しています。しかし、免税事業者でいることを選択した場合には、車体にインボイスには対応していませんとステッカーを貼ることを検討しているそうです。このように消費税免税業者であるという情報の周知を余儀なくさせるようなインボイス制度をこのまま進めるべきではないと思いますが、お考えをお聞きします。また、高齢者の働く場として提供されるシルバー人材センターも、インボイス制度の開始で大きな影響を受けます。センターの会員は個人事業主とされますが、消費税を納税するほどの収入にはなりません。会員がインボイスを発行できないため、センターは仕入税額控除ができなくなり、その分消費税額が増えてしまいます。しかし、公益事業を行うシルバー人材センターの運営は、収支相償が原則であり、インボイス制度で増える消費税を負担する財源はありません。小樽市シルバー人材センターにお話を聞いたところによる-56-と、多額の収入をもらっているわけではない会員に課税業者になることを求めるわけにはいかず、さりとてセンターに税負担をする財源はなく、対応に苦慮しているとのことでした。小樽市でもシルバー人材センターに業務を発注しており、センターが消費税の新たな負担によって運営が成り立たなくなるのを何もせずに見ているわけにはいかないと思うのですが、何か対応策を検討していますか。お答えください。そもそもシルバー人材センターは、おおむね60歳以上の高齢者が働くことを通じて社会参加をし、自らの生きがいの発見と健康の増進を図るとともに、活力ある地域社会づくりに貢献することを目的とするものです。このような会員にまでインボイス登録を迫り、消費税を課税しようとするインボイス制度の導入には明確に反対をするべきではないでしょうか。お答えください。米国艦船の小樽港入港についてお聞きします。11月15日、各議員に産業港湾部港湾室から来年2月6日入港、2月10日出港の予定、入港目的を通常入港として米国艦船アンティータムの入港要請が伝えられました。日本共産党は11月22日に米国艦船の小樽港入港を拒否することを求める申入れを市長に対して行ったところです。今回の通知についてお聞きします。今回は入港予定の3か月近く前の通知となりました。これまでと比較して、かなり早い時期に通知が行われています。なぜこの時期に通知がなされたと考えていますか。お答えください。入港目的についてです。これまでは親善入港とされてきました。ところが今年7月11日に入港したパトリオットは6月30日の通知において、入港目的を通常目的としていました。その後7月4日に小樽港長から港湾管理者である小樽市長宛ての通知書で目的を親善入港と変更しています。入港の目的について、通常入港と親善入港ではどのような違いがあるのか、お答えください。小樽港は、中国やロシアとの間に航路を持つ商業港です。毎年繰り返される米国艦船の入港により、小樽港が実質的に軍港化されていくのではないかと、強い懸念を持っています。特に入港の判断をする際の3要件のうち、核搭載の有無について、明確に核を搭載していないと確認することなしに米国艦船の入港が続けられていることは、市民の安全に責任を果たす姿勢として不十分です。核搭載の有無については、外務省が搭載していないことに疑いはないと答えていることをもって、核搭載なしと判断し、入港を許可していることは問題です。明確に搭載していないことを確認する必要があると考えますが、いかがですか。小樽港は、今後も平和な商業港として発展を図っていく姿勢を明確に示すためにも、米国艦船の入港を許可しないこと、特に核を搭載していないと明確に示されることなしに入港を許可しないことを求めます。お答えください。以上、第2項目の質問となります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、国の施策の本市への影響について御質問がありました。初めに、マイナンバーカードについてですが、まずマイナンバーカードと健康保険証の一体化につきましては、国はマイナンバーカードを持たない人も保険診療を受けられる新たな制度を整備するとしており、マイナンバーカードの取得の強制にはならないと考えております。次に、受診の際の代理受付につきましては、医療機関の方が本人の顔とマイナンバーカードの顔写真を目視で確認した上で、オンライン資格確認ができることから可能となっております。-57-次に、カードがロックした場合の医療機関の受診につきましては、受付窓口において医療機関の方の目視による本人確認により、オンライン資格確認を行うことができるとしていることから、医療機関等への受診に影響はありません。次に、電子証明書の有効期限の更新につきましては、電子証明書の有効期限のお知らせは、有効期限通知書として地方公共団体情報システム機構から直接本人へ有効期限の3か月前を目途に送付をされます。更新手続には、本人のマイナンバーカードと送付された有効期限通知書が必要となります。代理人が手続する際は、申請する本人のマイナンバーカード、必要事項を申請者本人が記載した照会書兼回答書、送付された有効期限通知書、代理人の本人確認書類が必要となります。次に、カードの有効期間が過ぎた際の医療機関の受診につきましては、国ではマイナンバーカードがない場合でも保険診療を受けられる制度を整備するとしており、今後対応が示されると考えております。次に、健康保険証の廃止につきましては、国は保険証とマイナンバーカードの一体化を進めている中で、令和6年に向けて健康保険証の廃止を検討しておりますが、今後整備される予定の新たな制度が医療を受ける市民の皆さん、医療機関関係者などから理解を得られるよう国として慎重に取組を進めてもらいたいと考えております。次に、市内医療機関、薬局のシステム導入状況につきましては、厚生労働省のホームページに掲載をされている令和4年11月27日時点における小樽市内のシステム導入件数は、医療機関20件、歯科17件、薬局46件の合計83件となります。次に、国が各自治体のマイナンバーカードの交付率を地方交付税の算定に反映させる検討をしていることにつきましては、現時点では具体的な算定方法が明示されておりませんが、私としては基本的には交付税とは切り離すべきものと考えております。次に、マイナンバー制度の廃止につきましては、マイナンバー制度は行政の効率化、国民の利便性向上、公平公正な社会の実現のための社会基盤として、国が法律を定め運用しているものであり、市としては国の方針に基づき運用をしていくものと捉えておりますので、廃止を求める考えはありません。次に、インボイス制度導入の市内の影響についてですが、まず来年度からの入札参加資格につきましては、インボイス制度の登録を資格要件にはしないため、インボイス制度に登録がない場合でも入札参加資格審査申請は可能であります。次に、取引業者への対応につきましては、インボイス制度の登録を入札参加資格の資格要件にはしないことから、説明会などの実施は考えておりません。次に、インボイス制度導入の本市の経済活性化への影響につきましては、同制度の導入により消費税の免税事業者が課税事業者となった場合、消費税の申告、納付が発生し納税事務などの負担が生じることとなりますが、現時点において市内の免税事業者数や個々の状況を把握できませんので、同制度の導入による本市全体の経済活性化への影響は判断することができないと考えております。次に、インボイス制度を進めることに対する私の考えにつきましては、この制度の導入に当たり、内容の理解が進んでいないことや、小規模事業者への課税負担が増えることなど、様々な御意見があることは承知をしております。現在、国が令和5年10月の制度導入に向け準備を進めておりますが、国には事業者に混乱が生じないよう、制度の周知を徹底するとともに事業者の事務負担が軽減するような環境整備などを行っていただきたいと考えております。次に、シルバー人材センターへの対応策の検討につきましては、同センターはインボイス制度への対応等について現在検討中であると伺っております。シルバー人材センターは、高齢者に働く機会を提供し生きがいと健康増進を図り、活力ある地域づくりに貢献することを目的とした団体であり、市としても安定-58-的な運営が図られるべきと考えておりますので、今後の対応について国や北海道、他都市などの動向も含め注視してまいりたいと考えております。次に、インボイス制度の導入に対する見解につきましては、この制度の目的は取引の正確な消費税額と消費税率を把握することであり、標準税率と軽減税率が混在する中、正しい消費税の納税額を計算することや税負担公平性の観点から導入されるものと認識をしております。なお、社会保障の安定財源である消費税の制度については、国において議論されるべきものと考えておりますので、市として導入に反対することは考えておりません。次に、米国艦船の小樽港入港についてですが、まず入港通知の時期につきましては、在札幌米国総領事館に問合せをいたしましたが、通知の時期がこれまでと比べて早かった理由については、総領事館でも把握していないとのことであります。次に、入港目的につきましては、まず通常入港は船舶への給水や食料等物資の補給、ごみやし尿等の処理及び乗組員の休息を目的としており、一方、親善入港は、これらに加え市民との交流など親善事業が実施される場合と認識をしております。次に、核搭載の明確な確認につきましては、外交・防衛に関わる問題は国の専管事項であり、政府として非核三原則を国是としていることから、現状では外務省からの文書回答をもって核搭載なしの判断をする以外の方法はないものと考えております。次に、米国艦船の入港の可否判断につきましては、小樽港はこれまでも商業港としての港湾機能に支障を来さないよう留意しており、入出港時及び接岸時の安全性、商業港としての港湾機能への影響、さらに核兵器搭載の有無の確認の3要件をもって受入れ判断をしてきたものであり、今後もこの考えに沿って対応してまいりたいと考えております。