小樽市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月13日
人口減少について
2021年9月13日、小樽市議会の一般質問で、面野大輔議員が「人口減少について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 面野大輔 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 5番 面野大輔
3項目め、人口減少について伺います。まず、国勢調査の結果について。令和2年に実施された国勢調査が終了して、随時各集計が正式に公表されています。また、本市でも独自に各月末ごとの世帯数及び人口や住民基本台帳を基にした数値が公表されています。まず初めに、基本的なことを伺いますが、国勢調査と住民基本台帳の目的について伺います。また、それぞれの人口数には差異がございますが、その理由をどのように分析しているのか、御説明ください。次に、現在、集計結果が示されている人口速報集計について、前回調査時と比較してどのように推移しているのか、御説明ください。次に、段階的に集計結果が公表されている令和2年国勢調査ですが、現在まで示されている集計値と将来人口推計で用いられる国立社会保障・人口問題研究所が示す差異について、本市がどのような状況になっているのか、お示しください。次に、国の交付税算定に関して国勢調査の結果が反映されると伺いますが、その結果が初めて反映された令和3年度普通交付税等交付決定額が8月上旬に財政課より示されました。令和2年度と比較すると普通交付税は微増、臨時財政対策債は4億円を超える増額で、合計では約7億円の歳入増となりました。単純に交付税が増額した結果を評価してよいのか、それとも本市の特性が経常的経費が人口減の中でも必要な自治体であると算定されたのか、様々な算定を重ねた上でこのような決定額に至ったことは理解しますが、本市の分析としては今年度の交付決定額についてどのような見解をお持ちですか。また、来年度以降の見通しについての見解もお示しください。小樽市の人口は毎年およそ2,000人減少しています。市役所正面玄関には、市内の人口を示す表示板が掲げられており、時とともに人口減少が進んでいると認識させられています。月並みですが、人口減少を解決する特効薬はなく、常に人口問題と向き合い、それに対する施策を講じていかなければなりません。社人研の将来推計では2040年の人口は7万人を割り、65歳以上の老年人口が生産年齢人口を上回るとされています。年代別人口比率の変化に伴い、行政サービスに求められる施策も変わってくることと考えます。将来的に市民が安心して暮らせる行政サービスの在り方を検討していただくようお願いを申し上げます。次に、MaaS推進について伺います。MaaSとはモビリティ・アズ・ア・サービスの略で、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通や,それ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービスなどとの連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるものと言われております。本市の現状を鑑みても、地域公共交通網形成計画、立地適正化計画の策定を通して、公共交通の課題や-31-多様化する地域の課題を解決するために、MaaS推進は具体的な事業として効果が見込めるものだと考えます。一つ、道内の先進事例である室蘭市の取組を御紹介させていただきます。室蘭市では、地域公共交通網形成計画の事業実施概要の中で、最先端技術の調査研究としてMaaSを推進することとしています。先日、室蘭市のMaaSプロジェクト「いってきマース」について室蘭市の担当者、MaaSシステムの開発・提供を担うパナソニックITS株式会社の代表と担当者の方から、オンライン勉強会を通して、これまでの経過、現在の取組、今後の事業展開についてお話を伺うことができました。室蘭市では、平成31年3月に、人口減少や少子高齢化が進んだ社会であっても、コンパクトで暮らしやすく持続可能なまちづくりを進める目的で、地域公共交通網形成計画、立地適正化計画を策定しました。本市と同様に、人口減少、少子高齢化、加えて立地的にも坂の多いまちという背景があり、今後、人口規模に合わせたコンパクトなまちづくりを推進し、高齢者の移動ニーズに合わせた交通手段の創出が喫緊の課題であると位置づけ、現在、交通事業者をはじめとするMaaS推進のための官民連携体制を強化し、課題解決に向けて動き出しています。現在、本市の公共交通の課題解決に向けてMaaSに関連した動きがあればお示しください。室蘭市の試みとして、アプリの開発や実証実験を担うパナソニックITS株式会社と2020年2月に地域課題解決連携協定を締結し、その後、パナソニックITSの社員へ市企画財政部企画課内にデスクが配置され、最低週に1度登庁して進捗状況などを共有しプロジェクトを進めています。パナソニックITSでは、人材育成、ものづくり・技術革新、地域の課題解決を社風として力を入れており、室蘭市との連携に関する人件費や開発費、実証実験などの経費は投資と捉え、現状、無償で事業を推進しているそうです。連携協定から1年半が経過し、現在「いってきマース」の具体的な実証実験として、3者に対する相乗りタクシーの取組を進めています。そのターゲットが通院、買物客、大学生の登下校です。利用者からの声としては、「交通費が安くなるから利用したい。」「帰りの重たい荷物も苦にならない。」「冬場は特に助かる。」など、各利用者へのアンケート結果では肯定的な意見が多かったと実証結果に示されています。今後さらにMaaS推進の取組として、相乗りタクシーとバス連携、買物客とデリバリー、通院とサブスクリプション、MaaS利用者への地域通貨の発行や商業施設での割引クーポンの発行などインセンティブを発生させ、利用者、事業者の両者に対してMaaSの利用促進や協力体制を高める方法を進めていくと説明がありました。このような取組を進める上で幾つかの課題も把握したようです。コロナ禍の今、相乗りという行動に抵抗があることや、ICT・アプリの利用についてはターゲットとなる高齢者は操作に不慣れな方やICTに対して抵抗を持たれている方も相当数いらっしゃるようで、スーパーであればサービスカウンター、病院であれば総合窓口の方がサポートを行っているということです。MaaSに限ったことではありませんが、やはりICT化の推進は人的なサポートも欠かせないということも感じることができました。室蘭市では、今後の課題解決に向けて、コストを抑えるためのサービス効率化にはデジタル技術の活用、特にスマートフォンなどによるサービス提供が望ましいものの、高齢者の利用実態を踏まえると高齢者も使いやすいようにするため、デジタルだけではなくアナログを組み合わせた仕組みも必要だと位置づけています。また、交通事業者が抱える課題としても、経営の安定化、運転手の高齢化に伴う事業継続への懸念など、新しい公共交通の在り方を検討し、交通事業者の収益向上につなげていく必要があると考えられているそうです。こういった取組は一朝一夕で成し遂げられるものではなく、地域の実情-32-に見合うサービスの分析や、実証実験を繰り返し行っていかなければならないものだと考えます。将来的には地域公共交通の課題解決に向けて、行政も避けて通れない取組になってくるのかもしれません。今後、国の方針などで受動的に取組を進めるのではなく、自発的かつ積極的にMaaS推進について、連携体制や本市の課題解決に向けた有効な取組を進めていただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。以上、3項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、人口減少について御質問がありました。初めに、国勢調査の結果についてですが、まず国勢調査と住民基本台帳の目的につきましては、国勢調査は国の最も基本的な統計調査で、地方交付税の算定など多くの法令に利用規定があるほか、少子高齢化などの各種行政施策の基礎資料として、住民票の届出に関係なく実際にその地域に住んでいる人口や世帯数などを把握することとされております。それに対しまして、住民基本台帳は、住民の居住関係の公証や選挙人名簿の作成など住民に関する記録を管理することとされております。また、それぞれの人口数の差異につきましては、住民票の異動届を行わず他の地域に居住している学生や、仕事などで本市を離れていることによるものと考えております。次に、令和2年国勢調査速報値における人口と前回調査との比較につきましては、令和2年国勢調査速報値の人口は11万1,422人であり、前回調査と比較いたしますと1万502人、8.61%減少しております。次に、国立社会保障・人口問題研究所による推計人口との比較につきましては、令和2年の推計人口は11万1,129人であり、速報値の人口が推計人口を293人上回っております。次に、今年度の普通交付税等交付決定額の見解につきましては、基準財政需要額では地域デジタル社会推進費が創設されたほか、地域振興費や高齢者保健福祉費の増などにより、約2億3,400万円増加するほか、基準財政収入額では個人市民税所得割や法人市民税法人税割、固定資産税、地方消費税交付金の減などにより約4億8,700万円減少となり、調整額も含めて実質的な普通交付税は前年度よりも約7億300万円の増加となりました。また、来年度以降の見通しにつきましては、現時点での地方交付税を含めた今後の地方財政の見通しは不透明であることから、今後とも国の動向に注視をしてまいりたいと考えております。次に、MaaS推進についてですが、まずMaaSに関連した動きにつきましては、本市が関わるさっぽろ連携中枢都市圏では、連携事業の一つとして圏内のバス路線のシームレス化を図ることを目的に、現在、運行情報のオープンデータ化に取り組んでいるところであります。また、将来の北海道新幹線開通に向けた二次交通対策として、おたる新幹線まちづくりアクションプランにMaaS等の推進を位置づけたところであります。次に、MaaSの自発的な推進につきましては、MaaSは移動の利便性向上や地域の課題解決に重要な手段と考えておりますので、現在、本市として産・学・官で構成される北海道MaaS推進研究会に入会をし、先行事例の研究や情報交換に取り組んでいるところであります。