小樽市議会 令和2年第3回定例会 2020年9月8日
環境とエネルギーについて
2020年9月8日、小樽市議会の一般質問で、高野さくら議員が「環境とエネルギーについて」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 高野さくら 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 19番 高野さくら
3項目めの質問をします。環境とエネルギーについてです。初めに、風力発電について伺います。石狩湾を臨む海域は、多くの風力発電事業者が手を挙げています。洋上風力の環境影響評価手続に入る事業者は、現在4事業者になります。そのうち8月末に、インフラックスが説明会を実施しました。9月5日には、株式会社JERAが実施予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて説明会が中止になりました。インフラックスの説明会でも、参加した市民から様々な意見が出されています。配慮書段階での説明会の開催は義務づけられてはいませんが、環境影響評価法の趣旨に基づき説明会を実施し丁寧に市民に説明していくことが事業者には求められています。小樽市として、配慮書段階で説明会を開くことを事業者に求めていくべきです。市長の考えをお聞かせください。また、今後の対応として、風力発電事業にかかわらず小樽市内で環境影響評価の手続にする場合は、配慮書段階から説明会を開くことを義務づける制度設計が必要ではありませんか。狭い石狩湾には、石狩湾新港と小樽港の二つの重要港湾があり全国でも特殊性があります。先日、産業港湾部から小樽港長期構想素案の説明を受けました。小樽港の目指すべき姿として、将来像を、「ひと・ものが世界と行き交う北海道日本海側の物流・交流拠点 小樽港」としています。二つの港は日本海側の拠点港です。これらの物流を支える船舶の航行に対する営業について、どのように考えていますか。再エネ海域利用法により、一般海域における洋上風力発電事業は国から促進区域に指定されることが前提です。国は、そのための調査として、地域に関する情報を都道府県から情報収集するとしています。その際は、促進区域の指定を希望する都道府県から情報提供を受け付けることとしています。つまり、都道府県の意向によって促進区域指定が左右されます。石狩湾の海域を促進区域に指定することについて、小樽市としてどのように考えていますか。北海道から促進区域に対して紹介があれば、どのように対応しているかもお聞かせください。石狩市では、昨年3月に風力発電ゾーニング計画を作成しました。再生可能エネルギーの導入に当たっては、地域での乱開発を防ぐ手法として環境保全を優先するエリア、風力発電の導入促進が可能なエリアに区分けされるゾーニング導入も有効です。石狩市の例を参考にしながら、市として住民の健康・安全や環境保全を脅かすおそれがある地域への立地を規制することが必要です。市長はどのように考えていますか。洋上風力では、四つの事業者が重複する区域で環境影響評価の手続に入っています。環境への影響を不安に思う市民が、配慮書を見るにもコピーもネットからの印刷もできないのに、何百ページもある配慮書を縦覧だけで意見を出すことは大きな障害です。一度に何社もが同じ地域で環境影響評価の手続に入ることについて、制度上整理が必要だとは考えませんか。-73-石狩湾新港の港湾区域内の洋上風力の場合、先に事業者の公募があり事業者が選定された後に、環境影響評価の手続に入りました。このように促進区域指定後に事業者の公募を行い、それから環境影響評価手続を実施するような制度にする必要があると思いませんか。また、市として、そのような制度を確立する考えはありませんか。次に、核のごみ処理場についてです。寿都町長が原子力発電から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場の選定調査手続に応募を検討していることが報道され、周辺自治体や漁業者から驚きの声が上がりました。文献調査は、制度上は自治体の判断でできます。しかし、核のごみ処分では何かあれば広域に影響があることから一地方自治体で決められては困ります。応募には、周辺の自治体との協議が必要だと考えませんか、お答えください。日本共産党は、使用済みの核燃料の処分手段、方法については、既定路線にとらわれず、専門家の英知を結集して研究・開発を進め、その結論が出るまでは政府の責任で厳重な管理を行うべきと考えます。先月の記者会見で、市長が議会で高レベル放射性廃棄物の最終処分場の受入れ拒否に関する意見書が全会一致で可決されたこと。また、風評被害への影響を懸念し反対と話しました。記者からは、後志のほかの首長と何らかの行動はできないかと質問に対し、しないとの発言でしたが、反対であれば何らかの行動する必要があるのではないでしょうか。次に、地球温暖化対策についてです。今年も異常気象による大雨、台風、高温などが続いています。地球温暖化は、核兵器と並んで人類にとって早期に解決しなければならない課題の一つです。世界的な気候変動問題について、市長の認識を示してください。小樽市の第7次総合計画では、まちづくりのテーマ5「まちなみと自然が調和し、環境にやさしいまち」と位置づけられています。その施策の中で、地球温暖化対策やエネルギーの有効利用促進を挙げています。この第7次総合計画に照らして、これまでどのようなことを実施してきて、どのような効果があったのでしょうか。環境省のホームページでは、8月現在で 151 自治体が 2050 年までに二酸化炭素排出実質ゼロを表明しています。本来はまず、内閣が率先して 2050 年までの実質ゼロを宣言すべきなのですが、自治体に要請するだけです。北海道では、北海道、札幌市、ニセコ町、古平町が表明しています。これらの自治体の取組を参考にして、小樽市としても 2050 年までの実質ゼロを宣言することを検討してはいかがですか、お答えください。3項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、環境とエネルギーについて御質問がありました。初めに、風力発電についてですが、まず、配慮書段階での説明会につきましては、環境影響評価の手続においては、配慮書段階での住民説明会の義務づけはありませんが、本市としましては、全市民を対象とした説明会の開催は必要と考えており、全ての事業者に対し開催を要請してきております。しかし、現在手続に入っている4事業者のうち、2事業者は説明会を実施いたしましたが、残りの2事業者は新型コロナウイルス感染症拡大防止を理由に見送ったところであります。-74-また、配慮書段階での説明会の義務づけにつきましては、ただいま申しましたとおり、法的に義務づけがないため強制することはできませんが、引き続き事業者に対し開催を求めてまいりたいと考えております。次に、船舶の航行につきましては、風力発電設備の設置場所によっては影響が及ぶ場合もあることから、事業者は海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律、いわゆる再エネ海域利用法の規定に従い、船舶の航行に影響が生じることのないよう十分な配慮をする必要があるものと考えております。次に、石狩湾海域の促進区域指定につきましては、気候変動という世界的な問題に直面している中、本市としましても地球温暖化防止に寄与する再生可能エネルギーを推進する立場ではありますが、促進区域に指定され風力発電施設が建設される場合には、環境保全や眺望景観上の影響などが懸念されることから、今後の進め方も含めて慎重に対応していかなければならないものと考えております。また、これまで2回ありました北海道からの促進区域指定に関わる照会に対しましては、海洋生態系はもとより、漁業、航路、港湾事業などへの影響が懸念されることや、これらの関係者や関係自治体で協議が未実施であること、系統確保の見込みも不明であることを理由に、現時点では促進区域指定へ向けた国への情報提供は希望しない旨、回答をいたしております。次に、風力発電施設の立地規制地域の設定につきましては、石狩市の風力発電ゾーニング計画は、石狩市が国のモデル事業として風力発電施設の円滑な導入を目的に策定したものであると認識をしております。エリア分けにより規制する地域を設けることは、その一方で、導入できる可能性のある地域を設けることにもなりますので、自然景観や眺望景観を重要な観光資源としている本市においては、エリア分けのメリットやデメリットを慎重に見極めていかなければならないものと考えております。次に、同じ地域での複数事業者による環境影響評価の手続につきましては、複数の事業者が環境影響評価の手続を行うに当たり、海底調査を共同で行う例はあると聞いておりますが、環境影響評価の手続は法に基づき事業計画ごとに行われるものでありますので、個別に手続が行われることはやむを得ないものと考えております。なお、市といたしましては、閲覧する方々の声を踏まえ、事業者に対し印刷やダウンロードを可能にするほか、縦覧期間終了後もホームページ上での閲覧を可能にするなど、利便性の向上に努めるよう要請をしているところであります。次に、環境影響評価の手続を促進区域指定後に実施する制度につきましては、再エネ海域利用法では最大 30 年の長期占有を実現するためのルールや、海域利用との調整の枠組みなどを定めているものですが、一般海域における洋上風力発電の円滑な導入のため、促進区域の指定前に事業者が環境影響評価の手続を始めることは認められておりますので、指定前の手続開始はやむを得ないものと考えております。次に、核のごみ処分場についてですが、まず、周辺自治体との協議につきましては、後志地域の主要な産業である農林水産業や観光産業が、風評被害などにより影響を受けることが予想されることから、文献調査の応募に当たっては慎重に対応をいただきたいと考えております。次に、反対であれば何か行動すべきではないかにつきましては、寿都町長には、先日、議会の意思や私の考えを直接お電話でお伝えしておりますので、現時点では、これ以上のことを申し上げる考えはございません。次に、地球温暖化対策についてですが、まず、世界的な気候変動問題につきましては、温室効果ガスの増加による地球温暖化によって、世界中で様々な異常気象が観測され甚大な被害を及ぼす台風が発生-75-するなど、災害が頻発化、激甚化していると実感しており、世界が解決に向けて取り組むべき共通の課題であると認識をしております。次に、これまで実施してきた地球温暖化対策とその効果につきましては、地球温暖化防止の啓発を目的として、市民向けと事業者向けのパンフレットをそれぞれ作成し配布しているほか、平成 30 年度からは環境省の補助金を活用し、省エネ製品への買替えなど、地球温暖化対策に役立つ賢い選択、COOLCHOICEの普及啓発事業を実施してきたところであり、今年度も実施すべく今定例会に補正予算を計上したところであります。なお、現時点で事業効果を具体的な数値でお示しすることはできませんが、総合計画の指標としている「地球温暖化防止の一環として、省エネルギー対策に取り組んでいる市民の割合」が一定の目安になるものと考えておりますので、目標値を達成できるよう引き続き取り組んでまいりたいと考えております。次に、2050 年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言につきましては、昨年 12 月に環境省から都道府県や全国の市町村へ表明の呼びかけがあったことや、それを受け北海道でも本年3月に表明したものと認識しており、本市としましても、地球温暖化対策の取組は必要なことと考えておりますので、今後、他都市の取組を参考にしながら判断してまいりたいと考えております。