みんなの議会

小樽市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月9日

人口減少対策について

2019年12月9日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「人口減少対策について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
横尾英司 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 1番 横尾英司

次に、人口減少対策について質問いたします。小樽市の人口は年約 2,000 人のペースで減少しており、日本全体の少子化による人口減少ペースをはるかに上回っています。小樽市の人口減少段階の区分は既に日本の 2060 年以降に当たる老年人口減少、生産・年少人口減少の最終段階の第3段階であるとも言われ、2045 年には小樽市の人口が半分の約6万人になると予測されています。また、2014 年、日本創成会議が、将来の人口推計をもとに 2040 年時点で 20 歳から 39 歳の女性人口が半減する自治体を消滅可能性都市と呼び、小樽市も少子化や人口流出に歯どめがかからず存続できなくなり、消滅するおそれがあると指摘されました。働く世代の人口が減り、市財政の悪化や公共施設の老朽化など課題が山積しており、このままでは公共サービスを維持することも難しくなります。そのような中、平成 30 年7月に、小樽市と小樽商科大学の共同で設立した小樽市人口減少問題研究会において、小樽市における人口減少の要因分析及び有効な施策に関する研究報告書が取りまとめられました。この報告書において、小樽市の人口減少に歯どめをかけるための政策的ターゲットは子育て世代とすべきであるという提言がなされました。-35-令和元年4回定例会 本会議録小樽市と同じく消滅可能性都市と発表された東京都豊島区は危機意識を持ち、すぐに豊島区に在住・在勤・在学の 20 歳以上の女性の参加者を募集して、ワールドカフェ形式で、としま 100 人女子会を開催したところ、参加者たちからは豊島区のイメージや現状、課題、どんなまちにしたいか、子育て事情、住まい、地域のつながりについてなど、さまざまな意見が挙がったと聞きます。その後、女性に優しいまちづくりを目指し、としま 100 人女子会の参加者などで構成したとしまF1会議を立ち上げ、2017 年には、全国で最も「共働き子育てしやすい街」に選ばれ、実際人口も増加しています。この事例では、住民がまちづくりの当事者として意識を持ってもらったことが重要な鍵となったようです。小樽市では、小樽市子ども・子育て支援事業計画を策定するため、平成 25 年7月に小樽市子ども・子育て会議条例を制定し、子ども・子育て会議を設置しました。しかし、幾ら計画に基づいた施策を実施しても、子育て世代の女性がほかの市区町村ではなく小樽市で子育てをしたい、子育てをするなら小樽市でと実際に感じてもらわなければ意味がありません。そこで確認ですが、小樽市で子育て世代の女性の意見を直接聞く機会を設けたことがありますか。もし設けていた場合は、いつ、どのような目的を持って開催し、どのような議論がなされ、どのような結果となったのかお聞かせください。子育て世代の意見を聞くとともに、当事者意識を持ってまちづくりを一緒に進めたりするような仕組みも必要であると思いますが、市長の見解をお聞かせください。次に、ベッドタウン化と公共交通サービスについてお聞きいたします。報告書の提言の中に、札幌と小樽の所得差が子育て世代の流出、合計特殊出生率の低さに影響を与えており、現状とり得る方策として、小樽市に住み札幌で働く人をふやすことがあるとされています。いわゆるベッドタウン化というものですが、主な生活圏が札幌市となっている銭函地域は、実際にベッドタウンとなり得る可能性がある地域ではないかと思いますが、見解をお聞かせください。さらに提言では、「公共交通サービスの充実は、観光客、市民ともに満足度を改善する重要なツールであることを認識すべきである。」ともされています。地域公共交通活性化協議会でも、地域公共交通網形成計画を策定する際に行った調査において、「銭函地区において、公共交通に対する不満足度が高い傾向にありました。さらに詳細な地区で分析してみると、特定の地区において、不満足度が高い傾向にあることが分かっています。」と説明されており、私もこの銭函地域、とりわけ桂岡地域においては交通への不便さを感じている声を聞いております。しかし、桂岡地域内には札樽自動車道が通っているため、高速おたる号のバス停を新設することができれば、新たな路線の拡充や変更、増便などをしなくとも札幌への交通の便が格段によくなり、地域の魅力向上、住民満足度の向上につながると思いますが、見解をお聞かせください。また、バス停設置を検討する際にクリアしなければならない課題や条件などがあればお示しください。次に、子育て世代への防災対策についてお伺いいたします。報告書の提言では、教育以外の子育て環境の整備が満足度向上には効果的であるともされています。そこで、第2回定例会の予算特別委員会において質問させていただきました乳児用液体ミルクについてお聞きいたしますが、常温保存可能でそのまま飲める乳児用液体ミルクは、災害時などにとても役立つものであり、男性の育児参加の促進にも寄与するものです。内閣府及び厚生労働省から、令和元年 10 月 25 日付事務連絡「災害時における授乳の支援並びに母子に必要となる物資の備蓄及び活用について」が通知されました。内容については、ライフラインが断絶された場合においても、水等を使用せずに授乳できる乳児用液体ミルクを母子の状況等に応じて活用することや、平時から育児用ミルク等の母子に必要となる物資の備蓄の推進をすること、さらに災害のために備蓄-36-令和元年4回定例会 本会議録した育児用ミルクについては、ローリングストック等により有効に活用することが可能であることや、啓発活動において災害への備えとして正しい使用方法等を説明した上で活用することなどが考えられるとされ、参考とする取り組み事例には箕面市の乳児用液体ミルクの備蓄の例が示されており、第2回定例会の予算特別委員会で私の質問内容と同様の通知となっております。質問をしてから5カ月が経過いたしました。その間に9月の台風第 15 号や 10 月の台風第 19 号が発生し、全国各地に大きな被害をもたらしました。予算特別委員会で事例として紹介した千葉県の山武市も台風第 15 号の被災地となり、停電や断水などの被害が出たため、発災の日から5日間、市役所を訪れた母親らに液体ミルク 415 本を配布し、住民から「水を沸かせない中、とても助かる」との声があったと聞いています。前回の質問の後に検討した内容とその後の対応、国からの通知に対する今後の対応について、見解をお聞かせ願います。次に、子育てをしている方の災害時の避難について、子供がいる家庭はどのように行動したらいいのかという漠然とした不安を持っているとの声を聞いておりますが、東日本大震災以降、さまざま被災した保護者の体験談などをもとに防災対策をまとめた書籍も数多く出版されていることからも、その思いは全国的なものだと感じています。ほかの自治体の事例として千葉県船橋市では、災害時の避難やその後の避難生活に配慮が必要となる妊婦や乳幼児のいる家庭向けに子育て防災手帳を作成し、横浜市西区では、パパ・ママのための「もしもにそなえる防災ノート」を作成し、妊産婦や子育て世代に確実に渡すため、母子健康手帳とあわせて配布しているそうです。このように、市民にとっては、実際に住んでいる小樽市で被災した場合の子供を守る防災対策がよりわかりやすくなることにより安心して子育てをすることができると思いますが、このような事業の必要性について見解をお聞かせください。また、すぐに一つの冊子のようにできなくとも、小樽市子育てガイドブックの中に防災対策について追加で掲載するなどの方法もあると思いますが、実現の可能性について見解をお聞かせください。次に、子育て世代の避難所対応ですが、災害時の避難所には子供も避難することがあります。避難所で子供に必要な環境とは、少しでもふだんの様子に近づける環境だと言われています。子供にとってふだんの様子で過ごせるとは、遊び場をつくることです。ユニセフは、避難所では子供たちが安心して安全に過ごせる場所が必要としており、その指針として、「子どもにやさしい空間」ガイドブックを作成しています。内閣府も避難所運営ガイドラインの中で、キッズスペースの設置を検討すると言及しています。小樽市の避難所運営マニュアルでは、「施設管理者と協議のうえ、可能であれば子ども用のスペースを確保し、日中は遊び場、夜間は勉強部屋などとして利用できるよう配慮します。」となっていますが、現場で判断するには具体的な広さのイメージや生活スペースとの位置関係など、少し判断材料が足りない印象を受けます。この子供用スペースについて、どのような場所で、どのくらいの広さで、どのような設備を想定しているのかお聞かせください。災害時には、母親の心身に負担がかかったりすることで、母乳が一時的に出にくくなる方もいらっしゃいます。安全で安心できるスペースがあることで母乳栄養を継続することができますし、ミルクを飲んでいる赤ちゃんも落ちつける場所は安心につながります。母子が滞在する避難所にはこのような区画があることはとても大切なことではありますが、小樽市の避難所運営マニュアルには、要配慮者に対する配慮事項として、「授乳やおむつ交換の場所の確保」と記載されています。今ある小樽市内の避難所で子供用スペースや授乳スペースを明らかに確保できない場合が想定される避難所はありますか、お示しください。-37-令和元年4回定例会 本会議録また、乳児に限定するなど対象者を限定するなどし、子育て世代が避難するための避難所という機能を子育て支援センターに持たせる取り組みを行っている市もありますが、小樽市で取り組むことは可能でしょうか、見解をお聞かせください。この項の最後に、人口減少に対応した取り組みについてお伺いいたします。このたびの人口減少に関する研究は、課題となっている移動による人口減少を中心に検討を行っていますが、それ以外にも、合計特殊出生率が日本の平均よりかなり低いことも課題の一つかと思いますが、見解をお聞かせください。仮に 2030 年に合計特殊出生率が人口置換水準である 2.1 まで回復したとしても、それまでに出産適齢期の女性の人口が減ってしまうため、実際に人口減少がとまるのは 60 年後になると言われており、人口減少対策は一刻の猶予も許されない状況であると感じておりますが、市長の見解をお聞かせください。また、妊娠期を含むゼロ歳から 18 歳まで一貫して子どもの育ちを描ける小樽市ならではの、または小樽市の特色を生かしたストーリーがあればお聞かせください。さて、これらの提言にもある目指すべき小樽市の将来像を実現するためには、政策的財源を生み出す必要があります。そのために最も有効な手だては、過去の政策決定のランニングコストである経常的経費の削減です。つまり、今やっていることを見直すことになります。令和2年度予算編成方針においても、収支改善プランにおいても、既存の事務事業の見直しを早急かつ具体的に進める必要性について記載されています。小樽市の現状を見れば、この先は急激に人口減少が進むことを前提に、少なくとも 10 年から 20 年先を見越しながら課題を解決していかなければならないという厳しい市政運営をしていかなければなりません。今までやってきたことを見直すことは、市民にとって受け入れがたい選択肢になることもありますが、その見直しは新たな政策推進のためのものです。そこには、市民の皆さんとともに、10 年先、20 年先の小樽市の姿を描きながら、市民と約束したその理想の姿を実現することと引きかえに、過去の政策決定に基づきこれまで実施してきた事業を見直す、縮小する、廃止するということになります。決算特別委員会では、例示して、市の事業に対する廃止や見直しも含めて、事業について市民が納得できるようきちんと評価する視点の必要性について質問してまいりました。今までも事業見直しをしておりますが、これからやらなければならない事業の選択と集中においては、現在の事業見直しでは困難であると考えます。やはり今までの内部での事業見直しだけではなく、事業仕分けと言われるような公開の場で、業務に精通した民間企業に勤務経験のある市民の方などが評価し、担当者も活発に議論をするなどして、市民にも理解していただける見直しをしていくことが必要であると考えます。そもそも現在の事業が必要なのか、誰がやるべきなのか、実施方法や事業規模が適正なのかなどについて真剣に議論することが職員の意識改革にもつながり、また、市民の行政、まちづくりへの参加意識の高揚にもつながると考えますが、見解をお聞かせください。以上、2項目めの質問を終わります。

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、人口減少対策について御質問がありました。初めに、子育て世代の意見を聞く機会についてですが、まず子育て世代の女性に絞って直接意見を聞く機会につきましては、これまで設けたことはありません。-38-令和元年4回定例会 本会議録次に、子育て世代とともにまちづくりを進める仕組みづくりにつきましては、私はまちづくりの基本方針の一つとして対話の重視を掲げておりますので、子育て世代の方々との対話も有効な手段の一つであると考えております。次に、ベッドタウン化と公共交通サービスについてですが、まず銭函地域のベッドタウン化につきましては、本地域は札幌市に近接しており、現状においても札幌市へ通勤されている方が多く、小樽に住み札幌で働くというライフスタイルにも対応したベッドタウンとしての可能性を有した地域であると認識をしております。次に、桂岡地域への高速おたる号のバス停新設につきましては、現在、桂岡地域に住む方が札幌へアクセスするためには、バスやJRを乗りかえて向かうことになりますが、桂岡地域から高速おたる号などに乗車できることになれば、乗りかえることなく札幌駅へ行くことができることから、バス停の新設は地域の魅力向上につながる要素の一つであると考えられます。次に、バス停設置に係る課題などにつきましては、東日本高速道路株式会社によると、バス停間隔に関する条件があり、さらにバス停を設置する際は高速道路の拡幅工事などが必要となり、地元からの要請の場合、こうした費用の負担は基本的に地元負担になるとのことであり、財政上の課題があります。このほかにもバス停へのアクセス道路整備などの課題があると認識しているところであります。次に、子育て世代への防災対策についてですが、まず乳児用液体ミルクにつきましては、国は本年 10月に乳児用液体ミルクの備蓄と活用について通知を発出しており、本市としても検討を行いましたが、現状では費用や保管上の課題などがあるため備蓄はせず、既に災害協定を結んでいる企業から非常時に提供いただけないか、協議を進めてまいりたいと考えております。加えて、乳児のいる家庭に対しても、健診などの機会を利用し、災害発生時の母乳代替食品の一つとして乳児用液体ミルクの備蓄・活用を周知したいと考えております。次に、子育て世代への防災対策などにつきましては、市では平時の備えや災害発生時にとるべき行動などの情報について、ホームページや津波ハザードマップ、防災マップなどに掲載しているほか、まち育てふれあいトークなどの機会に防災知識の普及啓発を行っております。しかしながら、議員も御指摘のとおり、子育て世代にとって特に必要な防災対策もあることから、その周知、情報発信の必要性は認識をしております。次に、子育てガイドブックへの防災対策情報の追加につきましては、記載内容などを含めて、庁内関係部局において検討してまいりたいと考えております。次に、避難所における子供用スペースにつきましては、学校を含む大規模な避難所では、施設管理者と協議の上、教室などを解放し、机や椅子を用意することで子供用スペースを確保できるものと考えております。次に、子供用スペースなどを確保できない避難所につきましては、避難者の状況にもよりますが、小規模で部屋数が少ない避難所では子供用スペースを確保できない場合があるものと考えており、想定されるのは塩谷と銭函の両サービスセンターであります。次に、子育て支援センターを子育て世代の避難所とすることにつきましては、現在は想定しておりませんが、今後、庁内で検討してまいりたいと考えております。次に、人口減少に対応した取り組みについてですが、まず合計特殊出生率が低いことに対する見解につきましては、議員御指摘のとおり、本市の数値が全国平均の約8割にとどまっていることは人口減少が続く大きな要因の一つと考えているため、この数値を引き上げることが人口減少の抑制につながるものと考えております。-39-令和元年4回定例会 本会議録次に、人口減少対策が一刻の猶予も許さない状況についての見解につきましては、私もそのように認識をしております。出生数の減少が続くと将来の親世代が少なくなり、さらなる出生数の減少につながることから、出生数の減少に歯どめをかけるためには、先ほどお答えした合計特殊出生率の引き上げとともに、将来の親世代となる若年層や子育て世代の社会減を抑制する必要があると考えております。現在も雇用や子育てに関しての支援策を実施しておりますが、内容の拡充や見直しを継続的に行うことで人口減少の抑制に努めてまいりたいと考えております。次に、18 歳までの施策につきましては一貫したストーリーはありませんが、私の公約や若年層の流出といった現状を踏まえ、まず子育て世代に対しては、来年度に子育て世代包括支援センターを設置し、妊娠期から切れ目のない相談体制を構築するほか、安心安全を念頭に置いた子育て支援策の充実に努めます。また、次代を担う児童たちには、スポーツや文化、芸術を通して豊かな感性を育み、潜在的な可能性を引き出す教育環境づくりを進めるとともに、ふるさと教育の推進により地元への愛着心を醸成いたします。さらに中学校や高校の生徒たちには、高い技術力を有し国内外に広い販路を持つ地元企業などへの理解を育み、若者就職マッチング支援事業などを通じて地元への定着を促すことにより、人口対策の面からも若年層の地元定着につなげてまいりたいと考えております。次に、市民の方も交え事業の必要性などについて議論を行うことにつきましては、第7次総合計画の推進にあわせて事業評価の視点を取り入れた施策評価を行い、その結果を有識者や市民の皆さんにも評価していただく市民評価を検討しており、それらを実施する中で、職員の意識改革の醸成及び市民の皆さんの行政、まちづくりに対する参加意識の高揚などにつながるよう取り組んでまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月9日 議事録 PDF(51ページ) 間違いを知らせる