小樽市議会 令和元年第3回定例会 2019年9月9日
幼児教育・保育の無償化について
2019年9月9日、小樽市議会の一般質問で、酒井隆裕議員が「幼児教育・保育の無償化について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 酒井隆裕 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 酒井隆裕
日本共産党を代表して質問いたします。第1に、補正予算関連について質疑をいたします。幼児教育・保育の無償化についてです。10 月から、3歳から5歳までの全ての子供及びゼロ歳から2歳までの市民税非課税世帯の子供の幼稚園、保育所、認定こども園の保育料等が無償化されます。この中で3歳以上児の保育園給食費の負担の取り扱いが焦点になっています。おかず代である副食材料費は、国基準では月額 4,500 円ですが、公的給付の対象から外され、保育施設が実費徴収することになります。国は無償化に伴い、年収 360 万円未満相当の世帯を副食費の免除対象としましたが、年収 360 万円以上相当の世帯は新たな負担となります。自治体独自の負担軽減の対応が広がっていますが、市独自に副食費等の助成を求める観点で質疑をいたします。保護者の負担についてです。小樽市では、国の考え方に準じ、これまで保護者に負担を求めてきたとされる副食相当額として、対象児童当たり月 4,500 円を徴収するとしています。民間保育園では、この国の考え方を目安として、施設が定める額を徴収するとしています。保育所では、ほかにおやつも提供しています。こうした保護者の新たな負担はどのようになるのかお示しください。副食費の実費徴収によって、市町村が保育所などに払う3歳から5歳の子供1人当たりの運営費が実質的に 590 円引き下げられることが明らかになっています。内閣府が各自治体に送付した 10 月からの特定教育・保育の費用告示案で、保育所の3歳から5歳児の公定価格を 5,090 円引き下げると通知しました。内閣府は、公定価格に含めてきた副食費の費用を 5,090円削減するのに、副食費の実費徴収の目安は 4,500 円にとどまるため、保育所などが副食費や教材に充てる一般生活費は、実質的に 590 円のマイナスとなります。標準的な定員 90 人の保育園で、年間 60 万円以上の減収です。運営費引き下げは保育所の運営に打撃を与え、保育の質を低下させかねない大問題です。内閣府の通知を小樽市としてどのように捉えられているのかお答えください。実費徴収の実務を行うのは各保育施設です。保育所は一人一人に新たに副食費の請求書を出す必要が出てきます。免除対象者には請求しないなど、複雑な対応が求められます。説明、請求、徴収管理などの負担が新たに保育所や保育士にかかってきます。長時間・過密労働につながりかねない問題です。給食費の各園での実費徴収が、人手不足で苦しむ保育園現場の中でさらなる職員の負担増になるのではありませんか。こうした保育所や保育士の負担はどのようになるのか、また、どのように考えるのか伺います。副食費の徴収対象者数と徴収額についてです。民間保育園でも月額 4,500 円を徴収するとした場合、全体では延べ 3,480 人、年間 1,566 万円ということですが、市立、民間それぞれの人数、額を示してください。世帯収入 360 万円以上相当の世帯といっても、月 4,500 円は決して低い負担とは言えません。小樽市教育委員会のホームページで、就学援助の対象となる世帯の収入額の目安では、父 35 歳、母 32 歳、小学校4年生、幼児4歳、おおむね 370 万円以下の例が示されています。まさに就学援助の対象となる収入に近い世帯にも負担を求めることになります。また、市長は子育て支援を公約に掲げていますが、こうした経済的な理由で、学用品費や給食費などの負担が困難な世帯に対して支払いが発生する可能性があることをどのように考えるか伺います。-24-令和元年3回定例会 本会議録滞納の問題です。これまで保育料を滞納した場合でも、それを理由に退所させることはできないとされていました。しかし、内閣府は幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQにおいて、利用者が副食費を滞納する場合には、「利用調整の実施者である市町村は、副食費の滞納がある保護者から事情を聞き、その理由や改善策、利用継続の可否等を検討することが求められます。」としています。副食費の滞納を理由に保育の利用の中断を示唆しているのは問題です。利用調整の実施者である小樽市において、副食費の滞納を理由に保育の利用の中断はあり得ないことを確認します。いかがですか。保護者や関係者から、全ての子供の給食費を無償化してほしいと求める声が上がっています。秋田県横手市は、8月 20 日、10 月に始まる幼保無償化に合わせ、県が新たにつくった助成制度に独自の上乗せを行い、全ての世帯の副食費を無料にする方針を示しました。また、明石市、板橋区などで副食費の助成をすることを決めています。小樽市の保育料は、国基準と比較して低く設定されています。今回の無償化に伴い、これまで保育料軽減に使っていた財源が浮くことになりますが、保育料の国基準と市の保育料との差額はどれだけ生じることになるのですか。また、こうした浮いた財源も活用して、市独自に副食費等の助成を行い、保護者負担の軽減を図るべきではありませんか。市長の考えを伺います。本市でも入所待ち児童は深刻な問題です。今回の無償化によって新たな保育需要が発生することは明らかであり、保育士不足がさらに進みかねません。ことしの3月1日では、102 人の入所待ち児童がいました。ここがピークとなり、4月に一旦減少、5月から徐々に増加しております。そこで、8月1日現在の入所待ち児童数をお示しください。また、入所待ち児童数は昨年と比べてどのようになっているのかもあわせて伺います。政府は、今回の無償化によって、いわゆる待機児童問題は深刻化しないという立場ですが、小樽市としてどう捉えられていますか。入所待ち児童の解消には保育士の待遇改善と経済的な負担軽減こそ必要です。以前に、奨学金の肩がわり返済を提案いたしました。今回の無償化を契機に、保育士の待遇改善と負担の軽減を真剣に検討していただきたいと思います。市長のお考えを伺います。次に、損害賠償について伺います。2018 年7月7日、市所有の多目的荷役機械、タイヤマウント式ガントリークレーンが故障しました。復旧がおくれ、代替のクレーンでの作業もできず、石狩湾新港での荷役作業をやむなくされました。今回の事案は、小樽市が船社に損害を与えたため起こったことであり、賠償自体はやむを得ないと考えます。しかし、故障がなぜ起きたのかが問題です。市は故障の原因をどのように分析しているのですか。損害賠償額として 4,623 万円は余りにも巨額です。これまで小樽市の判決によらない損害賠償額は、一番高い額で幾らですか。同様に、判決による賠償額はどうですか。今回は何番目に高い損害賠償額なのですか、お答えください。これまでも 2011 年に発電機の故障、2014 年に通信ケーブルの劣化による停止、2016 年に発電機の制御基板などの故障がありました。余りにも故障が連発しているではないですか。このように故障が連発したことからも老朽化が進んでいることは誰の目にも明らかであったのではありませんか。ほかにも劣化があり、さらに故障することは容易に推測できたのではないですか。なぜバックアップ体制が機能しなかったのかということです。故障時のバックアップ体制について甘い考えだったのではありませんか。責任の所在がどこにあるかということです。仮に容易に推定できたとすれば責任は免れられません。結果として市民が 4,623 万円も損害をこうむることになるのは重大です。同様のケースではどういった責任が課せられたのですか。今回は検討され-25-令和元年3回定例会 本会議録たのですか。これから検討するのですか。2016 年第3回定例会での中村岩雄議員の質問に、「今回の事態を改めて検証し、荷役作業に支障を来さないような方策についてメーカーなどと検討してまいりたい」と答弁されています。改めて検証とは具体的にどのようなことが行われたのですか。メーカーなどと検討とはどのような検討ですか。結果として、きちんとした検証や検討はしなかったことになるのではないですか。いかがですか。今回のケースとは直接関係ないですが、北防波堤が崩壊するおそれがあることは問題です。小樽港の北防波堤は建設から 100 年余りが経過していますが、捨塊と呼ばれる根固め用の石材が崩れ、防波堤が崩壊するおそれがあります。このまま放置され、防波堤が崩壊することにより、フェリーの航路存続が困難となるといった損害があった場合、どこに責任の所在があるのですか。改修工事が中断しているのは小樽市の意向であることが報道されています。報道では、観光振興のため大型クルーズ船誘致を目指し、新たな発着場所として第3号ふ頭の早期整備を求めている。市産業港湾部は第3号ふ頭を先にと要望している。国の限られた予算でやりくりしてもらうしかないと説明、と記されています。小樽市の意向により損害があった場合、責任は免れられないのではありませんか。日本遺産、炭鉄港の関連です。貴重な歴史遺産であり、日本遺産の構成文化財でもある北防波堤の改修は急務ではありませんか。石狩湾新港との関連です。石狩湾新港の北防波堤延伸工事では、9月に始まるサケ定置網漁に配慮するならば、予算要求されている工事は実施不可能となります。石狩湾新港の北防波堤は、実施不可能であるのに 32 億 5,000 万円という巨額な予算要求がされ、一方で小樽港の北防波堤は予算措置されないというのはおかしなことではありませんか、お答えください。
答弁 市長 迫俊哉
酒井議員の御質問にお答えいたします。ただいま、補正予算関連について御質問がありました。初めに、幼児教育・保育の無償化関連予算についてですが、まず保護者の新たな負担につきましては、これまで保育料の一部として支払っていた副食費について、保育料の無償化に伴い、3歳以上の児童においては、別途、施設へ支払うこととなります。次に、内閣府の通知に対する見解につきましては、今回の通知では、公定価格の単価の案のみが示され、当該単価を構成する一般生活費や事務費などの金額の内訳については何も示されておりません。また、一方で、1、2歳児や乳児に係る単価が若干引き上げられているほか、副食費の徴収免除に係る加算措置が拡大されていることなどもあり、一施設全体として運営費が引き下げられるということは現時点で明言できないものと考えております。次に、副食費の実費徴収に伴う施設や職員への負担につきましては、これまでの行事費や通園送迎費などに加え、副食費の請求や徴収などの事務も行うこととなりますので、担当職員の業務量はふえるものと考えられます。市といたしましては、各施設での徴収事務が円滑に進められるよう、相談・助言などの対応を随時行ってまいりたいと考えております。次に、副食費の徴収対象者数と徴収額につきましては、市立保育所では年間延べ 952 人、428 万 4,000円、民間保育所では年間延べ 2,528 人、1,137 万 6,000 円と試算しております。-26-令和元年3回定例会 本会議録次に、就学援助の対象となり得る所得の低い世帯からの徴収の可能性につきましては、副食費の徴収対象世帯は年収が 360 万円以上相当の世帯かどうかについて、市町村民税の所得割額に基づき判断いたします。一方、就学援助の対象は、年収額そのものに基づいて判断しており、それぞれの基準が異なるため、就学援助の対象となる収入に近い世帯に対して副食費の負担を求める可能性があるとは一概には申し上げられません。このたびの副食費の実費徴収に当たりましては、従来の生活保護世帯やひとり親世帯などに加え、年収 360 万円未満相当の世帯についても徴収免除となる範囲が拡大されたことから、比較的所得の低い世帯に対して一層の配慮がなされたものと考えております。次に、利用者が副食費を滞納する場合の対応につきましては、まずは施設から利用者へ支払いを促すこととなりますが、たび重なる督促を経てもなお滞納が解消できない場合には、市が保育の利用調整の実施者として仲介し、施設と利用者から事情などを確認しながら支払いを促していくこととなります。この場合、保育料と同様、滞納のみを理由として保育の利用を中断することはありません。次に、国基準と市との保育料の差額につきましては、本年9月時点での認可保育所、認定こども園及び新制度幼稚園の入所児童をもとに申し上げますと約 1,700 万円。一方、無償化が始まる 10 月の差額は約 670 万円になる見込みであり、保育料軽減により市が負担している差額は一月当たり約 1,000 万円軽減される見込みです。また、こうした財源を活用して、副食費等の助成を行い、保護者負担の軽減を図るべきとの御意見につきましては、給食に係る食材料費については、これまでも保育料の一部としての徴収又は施設による徴収により保護者の負担となっております。食材料費は、在宅で子育てをする場合でも生じる費用であることや、既に授業料が無償化されている義務教育においても実費相当の負担がなされていることなどから、比較的所得の低い世帯などの免除対象を除き、引き続き保護者に負担をいただくべきものと考えております。次に、8月1日現在の入所待ち児童数につきましては、認可保育所と認定こども園の保育所部分との合計で 44 名となります。昨年同期が 26 名でありましたので、18 名増加しております。次に、無償化による待機児童問題に対する見解につきましては、本市においては、全ての児童が無償化の対象となる3歳から5歳までの児童については、既にほとんどの児童が幼稚園や保育所などを利用しております。また、ゼロ歳から2歳までの児童については、無償化の対象が市町村民税非課税世帯に限られるため、入所待ち児童が急激にふえることは想定しづらいことから、今回の無償化によって、いわゆる待機児童問題は深刻化しないものと考えております。次に、保育士の待遇改善と経済的な負担の軽減につきましては、これまでも無償化に伴う保育事業への影響を見据え、国が公定価格において定めている保育士等の職員給与のさらなる処遇改善や、研修充実等による幅広い保育人材の育成・確保などの支援措置が講じられるよう、全国市長会を通じ国へ要請しているところですが、保育士の処遇改善が進み、経済的負担の軽減が図られるよう、引き続き国へ要請していくとともに、御提案をいただいた制度も含め、他都市での事例も参考にしながら、効果的な取り組みについて検討してまいりたいと考えております。次に、損害賠償についてですが、まず、多目的荷役機械の故障の原因につきましては、駆動モーターの回転数を制御しているインバーターのふぐあいによるものであり、設置後 15 年を経過していることから、老朽化によるものと考えております。次に、損害賠償額につきましては、平成 11 年以降、これまでに確定した賠償額で最も高額なのは、判決によらないものでは約 1,685 万円、判決によるものでは約 3,093 万円であります。また、このたび提-27-令和元年3回定例会 本会議録案した損害賠償額は、これらを含めた中で最も高額となるものであります。次に、故障の予測につきましては、月例点検や年次点検において状態の確認に努めているところでありますが、平成 26 年度、28 年度と電気部品の故障により荷役作業に大きな影響が続いたことから、市としても、できるだけ早急に延命化対策を実施する必要があると判断したところであります。このため、保守・点検業者やメーカーと検討した上で、29 年度から予算要求の準備を始め、30 年度から延命化対策事業として健全度調査を実施することとしておりましたが、今回の故障を事前に予測することは難しかったものと考えております。次に、故障時のバックアップ体制につきましては、従前は機械が故障し早期に復旧できない場合、大型の移動式クレーンとコンテナのつり金具であるスプレッダを手配し、バックアップ体制を確保しておりましたが、今回の故障時では、スプレッダの需要の減少に伴い、機械メーカー等において使用可能なものがなく、手配できなかったことから、バックアップ体制が確保できなかったものであります。次に、損害賠償に関わる責任につきましては、先ほど申し上げた判決によらない損害賠償は施設の管理瑕疵によるものであります。本件と同様のケースとは言いがたい面もありますが、この事案では関係職員4名対し、訓告及び文書厳重注意の処分を行っております。今後、本件について、産業港湾部から提出された事故報告書をもとに職員分限懲戒審査委員会に諮問し、関係職員の処分について判断してまいりたいと考えております。次に、平成 28 年度の事態に対し、改めて行った検証や検討につきましては、検証では故障した発電機の電気部品である制御基板をメーカーに送って故障原因の調査を依頼し、その結果、接点不良などの経年劣化が明らかになったものであり、また、故障した基板の型式が古く、今後入手困難になることが判明したところであります。この検証結果を踏まえ、今後の安定的な稼働を確保するための対策について、保守・点検業者やメーカーと検討した結果、できるだけ早急に延命化対策を実施する必要があると判断したものであります。次に、北防波堤が崩壊し、フェリーに損害を与えた場合の責任につきましては、仮に危険な状態を放置するなど、管理上の瑕疵によりフェリーなど第三者に損害を与えた場合は市が責任を負うことになりますが、国からの説明では、既に老朽化の著しい区間は改良済みとなっていること、また、毎年堤体の定期点検や荒天後の緊急点検、さらには水中部の基礎捨石や根固めブロック等の状況を音波探査で調査しており、異常が見られないことから、堤体は安定していると聞いております。次に、北防波堤の工事につきましては、先ほど申しましたとおり、北防波堤の堤体は安定しておりますが、仮に定期点検等の結果から防波堤に何らかの予兆が確認された場合は、速やかに国と協議を行い、対応してまいりたいと考えております。次に、日本遺産となった北防波堤につきましては、港や市街地を波浪から守るだけでなく、歴史的、また工学的にも貴重価値が高い港湾施設であると認識をいたしております。次に、小樽港の北防波堤の予算措置につきましては、近年港湾整備事業における国の内示額が要求額を下回る状況が続いており、北防波堤改良事業の内示額が要求額を下回った結果については残念なことと受けとめております。