小樽市議会 平成28年第2回定例会 2016年6月13日
人口減少対策について
2016年6月13日、小樽市議会の一般質問で、千葉美幸議員が「人口減少対策について」質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 千葉美幸 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 千葉美幸
第3項目め、人口減少対策について伺います。地方創生の実現に向け、全国の自治体では人口ビジョンや地方版総合戦略に基づき、平成 28 年度は具体的な事業が本格的に進み、今後、各自治体の取組には大きな差が見られるとも言われ、地方創生戦略の競争が既に始まっております。本市の人口対策は急務であり、人口減少のカーブを緩やかにしていくためにも、小樽の魅力を生かした戦略や小樽が抱える課題を人口減少対策へ結びつける積極的な取組が必要と考えます。まず、小樽の建物を生かした人口減少対策についてですが、現在、本市の人口対策である移住促進はどのような事業が進められているのか、主な事業の内容、その事業を行っている理由、現在までの効果について説明願います。市内を歩いていると、昔懐かしい木造住宅や三角屋根の家、住宅に隣接する石蔵、それらは現在も使われ、小樽らしい景色として残したい財産だと感じております。先月、NPO法人小樽民家再生プロジェクト代表の講演で、明治から現在までの建物が連なるようにある風景は小樽の宝であり、古い建物を使いたい人は大勢いると話をお聞きしました。実際に移住を希望する人と市内の空き家など5事例のマッチングを成功させているそうです。中には起業移住者もいて、小樽住民が古くて住みづらいと感じていた住宅は、現役世代の移住者によって再活用され、小樽らしい景色が残ることになっています。このような民間での取組は人口対策として、また、小樽観光の振興にも寄与すると考えますが、市長の御所見をお聞かせ願います。次に、講演を聞いた中で課題として感じたのは、使ってほしい人と使いたい人のマッチングについてです。古い住宅や石蔵は高齢者の持ち主や住民が多く、使いたい人がいることすら知らないまま、いつの間にか取り壊されてしまうことは残念です。現在、本市の空き家・空き地バンクを見ますと、登録物件情報がないようですが、本バンクの運営上の課題について説明願います。今後、使ってほしい人と使いたい人のマッチングのため、不動産業者はもちろんのこと、NPO法人などと連携協力を強化し、小樽の魅力ある建物を生かした移住促進にも努めていただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。次に、地方創生の有益な取組、ふるさとテレワークについて伺います。テレワークの定義は、離れた場所で働くICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方をいいます。今まで地域活性化のため産業創出や企業誘致が行われてきましたが、ふるさとテレワークは人材の誘致になります。都市部の仕事を地方でも同じようにできる環境をつくるふるさとテレワークは、人口減少に悩む自治体と地方への移住希望者にとって魅力的な事業で、総務省では、地域の既存施設や古民家、廃校など、遊休施設を活用したサテライトオフィスを設けて都会の本社業務の一部を行ったり、移住した企業家が都会の仕事を受注したりするなど、総務省が四つの類型を想定し、今年度は企業や自治体に導入費用上限 4,000 万円補助する事業費を盛り込んでいます。今年度の公募締切りは今月 10 日でしたが、東京や大阪などで進めている企業誘致活動のツールとして有効であると思われることから、本市でふるさとテレワークの推進が検討できないか、市長の見解を伺います。次に、地域の課題を移住に結びつける取組の推進についてです。4月下旬に開催された政府の一億総活躍国民会議で紹介され注目を集めた先進事例は、島根県浜田市のシングルペアレント介護人材育成事業で、地方創生のための交付金を活用し、高校生までの子供がいるひとり親世帯の保護者が介護職につくことを条件とした移住対策でした。これは育児と仕事の両立に悩む親世帯の支援、介護の担い手の確保、そして人口対策という三つの対策を同時に進める点が高く評価されているそうです。先日、本市の介護関連事業者の方からお話を伺う機会がありましたが、近年、介護従事者を確保することが難しく、ハローワークで事業者説明会を何回か行っていましたが、最近は参加者が一人もいないと聞きました。このままでは市内でも深刻な人材不足で事業所を閉鎖するところが出てくる可能性が大きいといいます。本市の介護従事者不足の状況はどのようになっているのか、伺います。また、人材不足が理由で閉鎖した事業所はあるのかについてもお答えください。厚生労働省では、団塊世代が全て 75 歳以上になる 2025 年にはおよそ 38 万人の介護職員が不足するという推計を出しました。生産年齢人口の転出超過割合が約8割と大きく、高齢化が進む本市は人材不足が深刻な状況に陥るのではと懸念しています。本市の介護従事者不足の対策は検討されているのか、課題についても伺います。また、島根県浜田市のように自治体が抱える課題を現役世代の移住に結びつける特徴ある事業として検討できないか、市長の見解をお聞かせ願います。以上、第3項目めの質問を終わります。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
ただいま、人口減少対策について御質問がありました。初めに、小樽の建物を生かした人口対策についてですが、まず、本市の移住促進事業の内容につきましては、全国からの移住希望の問合せに対し、市のワンストップ窓口において対応するとともに、ホームページなどで情報発信を行っております。今年度は、新たに首都圏の百貨店において物産展の際にコンシェルジュデスクを設置するほか、道外からの移住者を対象とした懇談会を開催し、移住者コミュニティの形成を支援する取組を行う予定です。また、平成 27 年度に初めて実施し好評でありました起業希望者向け空き店舗視察ツアーについて、今年度も引き続き実施する予定としております。なお、移住促進事業を行っている理由と効果につきましては、近年、移住相談受付件数が順調に伸びており、平成 27 年度は 103 件に達したものの、移住者数は6世帯 14 件、17 年度からの累計は 65 世帯、140 人にとどまっていることから、実際に移住するまでのハードルや移住者ニーズを正確に把握をし、効果的なフォローを実施する上で、これらの事業が必要であると考えたものであります。次に、市内のNPO法人による空き家のマッチングの取組につきましては、市内の空き家については札幌市に比べ安価とされ、起業をお考えの方や自分好みにリフォームして住みたいという方が少なからずいらっしゃることは把握をしております。そのような方々に古い建物を住居等で再活用いただくことで人口対策に寄与し、結果的に古いまち並みが保全されることで観光振興にも寄与するものと考えております。次に、空き家・空き地バンクの運用上の課題につきましては、空き家・空き地バンクは市への定住の促進等を目的に市のホームページ等を通じて優良な物件を広く紹介するために設けられた制度で、これまでに 14 件が登録され、全て売買又は賃貸借が成立をしております。しかし、登録物件の情報は、市の指定する仲介業者と共有していることから、直接仲介業者の仲介により、売買等を行うことができるため、オーナーにとっては物件の登録可否の調査などの手間が増え、登録が敬遠をされていることが課題であると考えております。次に、市内の不動産業者やNPO法人などと連携した移住促進につきましては、近年は移住者の相談も多様化をしており、特に相談の多い仕事や住居のマッチングについては、民間事業者などとの連携の必要性を感じていたところであります。昨年、起業希望者向け空き店舗視察ツアーを初めて実施した際、このNPO法人から協力の申出があり、ツアー参加者の了解を得た上で、空き家のマッチングを含めた継続的なフォローについて御協力をいただいているところであり、今年度実施する事業についても相互に連携しながら進めていくことを確認しているところであります。次に、ふるさとテレワークについてですが、ふるさとテレワークの検討につきましては、これまで実際に都市部から本市への人の移動を考えている企業、NPO法人、大学等からのアプローチがない現状であり、具体的な検討には至っていなかったものであります。また、遊休施設を活用したサテライトオフィスにつきましても、移住促進、企業誘致、雇用創出など複合的な効果が期待できると認識しておりますが、こちらも具体的な検討には至っていないことから、今後は、国の支援策などの研究を行うとともに、情報関連企業からの情報収集に努め、ふるさとテレワーク事業の可能性を探ってまいりたいと考えております。次に、介護従事者を移住に結びつける対策についてですが、まず、本市の介護従事者不足の状況につきましては、現在のところ介護職員等の人員が基準を満たさないことにより、介護給付費が減算になる事業所はありません。しかし、事業所からは新たに介護職員を募集しても応募は少なく、人員確保には厳しいものがあると聞いております。また、人材不足で閉鎖した事業所はありませんが、職員の退職により今後の人員確保が十分でなく、適切な通所介護サービスに支障が出るとの判断により、通所介護事業所1か所が平成 28 年5月1日から29 年3月 31 日まで休止をしております。次に、本市の介護従事者不足につきましては、介護職員の確保は本市に限らず、全国の自治体で課題となっております。そのため、国では介護従事者スキルアップを促進するための研修等や介護職員処遇改善など福祉、介護人材の安定的な定着を図る取組など、切れ目のない政策を展開しております。しかし、介護職員については夜勤などがあり、きつい、給与水準が低い、将来に不安があるなど負のイメージが先行し、人材確保の障害となっており、こうしたマイナス要因の解消が課題となっております。本市といたしましても、全国市長会を通じ、国に対し介護従事者の確保、育成定着と処遇改善の一層の推進を図るよう、財政措置の拡充とあわせて必要な対策を講じるよう要望をしており、国が掲げる一億総活躍社会の政策の一つである介護人材の確保の具体的な取組に期待をしているところであります。次に、自治体が抱える課題を移住に結びつけるような事業の検討につきましては、本市としても不特定多数を対象とする移住促進事業は効果が見えづらい部分もありますので、可能な限り移住者の属性を絞り込み、効果的かつ積極的にアプローチをする必要があると考えております。本市が抱える課題を改善しながら、移住のターゲットを絞り込み、戦略的に取り組んでいくことについては非常に可能性があると思っておりますので、他の自治体の事例についても研究しながら、積極的に移住促進について検討してまいりたいと考えております。