小樽市議会 平成26年第1回定例会 2014年3月3日
人口減少時代への本市の対応について
2014年3月3日、小樽市議会の一般質問で、鈴木喜明議員が「人口減少時代への本市の対応について」質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 鈴木喜明 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 12番 鈴木喜明
次に、人口減少時代への本市の対応についてお聞きします。国内では、2013年に生まれた赤ちゃんは、過去最少だった前年より約6,000人少ない約103万1,000人となりました。死亡した人は対前年比約1万9,000人増の約127万5,000人、死亡数から出生数を引いた人口の自然減は約24万4,000人で、減少幅は過去最大になったとの記事が今年初めに載っていました。また、本市では、市外への転出者が市内への転入者を上回る転出超過数が921人となりました。転出超過数の全国順位では14位となり、人口流出の歯止めがかかりません。我が自民党は、現状の打開策を探るため、一橋大学大学院法学研究科辻琢也教授の「人口減少時代のこれからの自治体行政」というセミナーを受けてきました。それによりますと、日本の総人口は、鎌倉時代、室町時代の800万人前後から江戸幕府成立時代の約1,200万人を経て、明治維新には約3,300万人に達し、以後2回の世界大戦を経て高度経済成長時代を迎え、2004年の1億2,784万人をピークに減少傾向に転じました。国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口を基に国土交通省国土計画局が試算した2030年の人口は1億1,522万人で、高齢化率31.8パーセント、2050年になると9,515万人、高齢化率39.6パーセント、2100年には4,771万人、高齢化率40.6パーセントとなるそうです。世帯類型に関していえば、これまで家庭類型の主流であった夫婦と子から成る世帯は2050年には少数派になり、かわって単独世代が約4割と一番多い世帯類型となります。また、単独世帯のうち高齢者単独世帯の割合は5割を超え、2050年まで増加し続けます。これまでの住宅ストックと世帯数の関係から見ると、世帯数の伸び以上に住宅ストックが増加し、ストック超過が拡大し、また、これに伴い、空き家数も増加傾向になります。2040年の地方都市の姿として、これまでの人口流入の受皿としての郊外部の開発が進展することはなく、市街地の拡大がとまり、市街地では空き家化、空き店舗化が進展し、低・未利用の土地が増加し、建物が歯抜け状態に点在し、拡大した市街地で人口が減少することになり、一定の人口密度に支えられた各種の生活機能が成立しなくなり、都市の生活を支える機能が低下することになります。それに伴い、生活に不便なまちにおいては、雇用の確保が困難になり、企業の撤退が進むなど地域経済が衰退し、結果的には社会保障制度やインフラ更新費用の増大を招き、住民税収や固定資産税収の減少により地域活力が衰退することになります。加えて、生活利便施設へのアクセスが困難である高齢者単独世帯が急増することにもなります。人口規模、人口密度が低下すると、1人当たりの行政コストが増加することは明確で、そのことは生活関連サービスの提供が困難になったり、割高になったりする可能性もあります。2040年、2050年の地方都市の状況を類推するとして講義を受けたわけではありますが、実際、本市では既に前述の状態であり、平成23年12月に、22年の国勢調査を基に本市総務部企画政策室が発行した小樽市の人口によりますと、65歳以上の人口は20年間で1.61倍に、65歳以上の高齢単身者は2.17倍にも増加し、2年には65歳以上の6.1人に1人がひとり暮らしとありましたが、22年では65歳以上人口の4.5人に1人がひとり暮らしとなっています。講義の後段で、これからの行政のあり方と対処法が述べられておりました。注目したい一つ目は、総務省からの特別交付税等の財政措置にすぐれている定住自立圏構想のさらなる推進とあります。市町村間の役割分担による生活機能の強化として、特に医療、福祉、教育、産業振興の分野で取組が増しているそうです。また、事務の共同処理や内部組織等の共同設置、自治体クラウドは、自治体運営経費を削減する手だてになるとありました。既に本市は、中心市宣言をし、定住自立圏形成協定を結び、定住自立圏共生ビジョンを策定した上で、包括的財政措置などを受けながらこの構想を進めておりますが、現状の取組状況と成果、本予算に関連した事業の有無、また今後の構想と地域活性化事業債や外部人材の活用に対する財政措置等の活用のお考えがあればお聞かせください。二つ目として、集約的都市構造化戦略が重要であるとのことです。まちづくりの目標は、快適な暮らしと活力ある経済活動が営まれるまちづくりで、もう少し具体的に言うと、健康、快適なライフスタイルを送ることができるまちで、人口や年齢構成の変化に対応した経済活動が営まれるまち、財政面を含め持続可能な都市経営が可能なまちの実現です。そのためには、前述した人口減少による行政コストの増加などに対応するため、集約型の都市構造が必要となります。実現に向けた戦略として、第1に、中心市街地も含め人が集まり住むこと、すなわち集住の推進、集住エリア内の住宅立地、土地利用計画制度と税制・金融等の誘導策等をあわせた住み替えを促す制度の構築、郊外部における新たな市街地整備に関する事業の抑制などです。新年度は新たな住宅マスタープランの策定年度に当たりますが、市長の市街地も含めた集住の考え方をお聞かせください。第2は、都市機能の集約立地の推進です。具体的には、空き地の集約化、空きビルの活用等の核となるエリアへの都市機能の立地を促す制度の創設です。民間事業者による都市機能の整備に対する税財政・金融支援、学校、公有地等の公不動産の有効活用の促進、活用されていない建築物の除去などです。本市では、市内中心部をはじめ、商業地では至るところでシャッターがおり、空き家化、空き店舗化が進んでいます。また、年間2,000人を超える人口減により、世帯数上位の桜、新光、長橋、奥沢地区が人口減少のあおりを受け、住民の数が減っています。この対策として、空き店舗の活用、公不動産の活用、民間支援などが考えられますが、市長の都市機能の集約立地についての御所見を伺います。また、本予算の事業費480万円のにぎわう商店街づくり支援事業や、事業費200万円の商店街活性化支援事業、事業費297万円の空き店舗対策支援事業については、関連した事業と思われますが、事業内容を御説明ください。また、札幌市に隣接し、緩やかではありますが人口減少が続く北広島市では、2014年度から市内に住宅を初めて購入して定住する人に50万円を助成するなど、子育て世代の増加を目指す施策がとられています。本市では同様の施策をとりがたい面があるとは思いますが、道内では既に64市町村での実施とお聞きしております。今後は、このような施策も念頭に置かなければならないと考えますが、いかがでしょうか。また、これらの施策は長期にわたるもので、このたびの小樽市総合計画後期実施計画にどう反映されているかもあわせてお聞かせください。関連となりますが、先ほど説明した空き家問題は、特に本市内では市民の身近な関心を集めております。今シーズンも昨シーズンと同様に本市は大雪に見舞われ、空き家での雪の放置は、近隣住民にとって事故などを考えると大変不安なものです。昨年、道が空き家条例のモデルを示しました。今年度の空き家の雪の苦情件数並びに苦情理由、その対応、空き家条例制定に向けての進捗状況をあわせてお答えください。2項目めの質問を終わります。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、人口減少時代への本市の対応について御質問がありました。初めに、定住自立圏構想の推進についてですが、現在の取組状況と成果につきましては、共生ビジョンに掲げている成年後見センターや消費者センターの共同利用のほか、周産期医療体制や生活路線バスの維持・確保、地場産品の販路拡大、圏域内の観光情報の発信などの取組を、北後志5町村と連携・協力して推進しており、平成24年度には80件程度の5町村住民による成年後見センターと消費者センターの利用が見られたほか、圏域内の観光資源が一体としてメディアに取り上げられるなど、全体の生活の利便性確保や経済の活性化の面で一定の成果があったものと考えております。平成26年度においては、これらの取組を継続するとともに、現在の共生ビジョンが26年度で期間が終了となりますので、地域活性化事業債などの国の支援策の活用も視野に入れながら、圏域の5町村と今後の具体的な取組について協議を行い、新たなビジョンを策定してまいりたいと考えております。次に、集約型都市構造とその誘導についてですが、まず中心市街地も含めた集住の考え方につきましては、これまでも中心市街地の空洞化を抑制し、コンパクトなまちづくりを進める観点から、集住の考え方の一つであるまちなか居住の推進に取り組んできたところであります。今後、新たな住宅マスタープランを策定する際には、集住の考え方を取り入れた施策を検討してまいりたいと考えております。次に、都市機能の集約立地の考え方につきましては、小樽市都市計画マスタープランの土地利用の方針において、人口の減少や少子高齢化などの社会動向も考慮した、利便性の高いコンパクトな市街地を形成することを目標に掲げており、都市機能の集約立地は、この目標を達成する上での有効な手法の一つであると考えております。次に、にぎわう商店街づくりの支援事業などにつきましては、主に中心市街地の活性化を図るために実施しており、事業内容としては、にぎわう商店街づくり支援事業は、小樽市商店街振興組合連合会に所属する商店街が、にぎわいの創出、魅力向上などの事業を行う場合に、費用の一部を助成するものであります。商店街活性化支援事業は、商店街や市場が集客強化のための催事事業、魅力向上のための宣伝事業などを行う場合に、費用の一部を助成するものであります。空き店舗対策支援事業は、小樽市商店街振興組合連合会に所属する商店街の空き店舗や小樽市場連合会に所属する市場の空きこまへ出店する際の家賃などの一部を助成するものであります。次に、定住人口の増加に向けた住宅購入などへの助成制度につきましては、多くの自治体で定住人口の確保に向けてさまざまな助成が行われており、動機づけの一つにはなり得ると考えておりますが、制度創設によって新たな財政負担が伴うこと、既に実施している自治体もあり、本市にとっての優位性が懸念されることなど、課題もあることから、慎重に検討しなければならないと考えております。次に、住居や都市機能集約の総合計画後期実施計画への反映についてですが、関連する施策としましては、まちなか居住の推進や都市計画マスタープランの推進と見直しを検討する中心市街地活性化推進事業や、地域の特性に応じた計画的なまちづくりを誘導する周辺市街地活用促進事業を登載しているほか、空き家や空き店舗への対応といたしましては、空き家情報提供事業や小売業経営基盤強化支援事業を、市の公共施設の集約化としましては、市立病院統合新築事業、市営住宅の用途廃止事業、消防署所適正配置事業、し尿処理施設整備・維持管理事業などを登載しております。次に、空き家問題についてですが、まず今年度の空き家の雪に対する苦情件数と理由、その対応につきましては、2月20日現在、52件の苦情が寄せられており、その主な理由としましては「道路に落雪しそうで危険である」「道路に落雪した」「隣の家の屋根から落雪したら建物が損傷するので指導してほしい」などであり、これらの対応につきましては、建物所有者や管理者などを調査し、所有者が判明した場合には屋根の雪おろしなどについて指導しております。また、空き家条例制定に向けての進捗状況につきましては、庁内連絡会議において、課題である所有者等の特定や危険度の判定、具体的な業務処理の流れなどについて一定の整理を行いましたが、より有効な対策を実施していくため、今後、庁内の体制整備などの課題を解決していくとともに、条例の制定については、国の特別措置法案の動向を注視しながら検討を進めてまいりたいと考えております。