小樽市議会 平成25年第3回定例会 2013年9月9日
「アベノミクス」、消費税増税と小樽経済への影響について
2013年9月9日、小樽市議会の一般質問で、新谷とし議員が質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 新谷とし 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 21番 新谷とし
アベノミクス、消費税増税と小樽経済への影響についてお聞きします。参議院選挙中、安倍首相はしきりにアベノミクスで景気がよくなりつつあると言っていましたが、実態はどうでしょうか。アベノミクスは、2パーセントのインフレ目標を掲げ、六、七月ごろから物価は一斉に上がりました。円安で輸出企業の利益は増えていますが、原材料費が上がったため中小企業の経営は大変で、中小企業同友会全国協議会による 2013 年1月から3月期の同友会景況調査報告でも、とりわけ製造業が厳しく、後退が続いているという状況です。大胆な金融緩和では、月7兆円もかけて銀行が持っている国債を買い上げ、出回るお金を増やし、国内の設備投資が増える計画でした。しかし、大部分が銀行の内部留保としてため込まれたり、国債に再投資しているという実態です。銀行から企業や個人への貸出しは9兆円ほど増えたものの、ほとんどが海外の土地、建物、株への投資に使われています。住宅は、消費税増税前の駆け込み需要が起きていますが、景気の先食いをしているにすぎませんし、一方で住宅金利は上がっています。参院選前に自民党本部で開かれた中小企業・小規模事業者緊急政策フォーラムで、全国商工会連合会の石澤会長は、「アベノミクスの恩恵は、大きな企業が感じること。地方の小規模事業者には全く感じられない」と訴えていました。その後、内閣府が8月8日に発表した7月の景気ウォッチャー調査にも、言葉だけがひとり歩きしている感が強く、一般大衆レベルまで好景気の恩恵を受けていない、大企業の流れがアベノミクスのほうに傾いていて、地方のまちではみじんも感じられないなどの声が寄せられています。アベノミクスは、小樽経済にどのような影響が出ているでしょうか。小樽商工会議所が行っている2013 年度第1四半期の小樽市経済動向調査結果と見解を伺います。また、市長は、アベノミクスで小樽市民の暮らしや景気はよくなったとお考えですか。消費税増税についてです。安倍内閣は、消費税増税を予定どおり進めようとしています。その際、最も重要な判断材料になるのが、2013 年4月から6月の国内総生産です。内閣府が発表した8月 12 日の速報値は、3四半期連続のプラス成長となったものの、物価変動の影響を除いた実績で前期比 0.6 パーセント増にとどまり、年率換算でも 2.6 パーセント増にすぎませんでした。GDPが伸び悩んだのは、経済活動を引っ張る設備投資が実質 0.1 パーセント減と6期連続のマイナスだったこと、さらにGDPの約6割を占める個人消費は、実質で前期比わずか 0.8 パーセント増にとどまったことによるものです。しかも増加した中身が問題で、4月から6月の家計調査によると、総世帯で最も消費が増えたのは保険医療費と食料費で、節約しづらい費目が伸びています。一方、7月の消費動向調査では、半年後の明るさを示す消費者態度指数は2か月連続で悪化しています。個人消費が伸び悩んでいるのは、雇用が安定せず、所得が伸びていないからです。6月の労働力調査では完全失業率は 3.9 パーセントに下がりましたが、昨年4月から6月期と比較すると 0.7 ポイントの下落です。さらに正規雇用労働者が 44 万人も減少する一方で、非正規雇用労働者は 215 万人も増大し、給料は全体として下がっているのが実態です。住宅投資は、資材価格の上昇などで実質 0.2 パーセント減でした。小樽市内でも「景気はさっぱりよくない。円安による灯油やガソリンの値上がり、食料品、電気代の値上がりに加えて、10 月から年金が下げられるのは本当に困る。その上消費税を上げられたら暮らしていけない」、商店の方は「消費税増税されたらやっていけない。消費税を払うだけでも大変」という声をたくさん聞いています。加えて社会保障の改悪も準備され、医療では 70 歳から 74 歳の医療費2割負担、入院時の給食患者負担引上げ、保険料アップにつながる国民健康保険の都道府県への移行、介護では介護保険サービスからの要支援者外しや利用者負担引上げ、特別養護老人ホームから軽度者締め出し、デイサービス削減、年金では支給額毎年削減、公的年金等控除の縮小などによる課税強化、保育では公的責任を投げ捨てる新システムの推進、規制緩和による質の引下げなど、改悪のオンパレードです。こうした消費税増税と社会保障改悪は、国民負担増と生活不安の増大、貧困と格差の拡大、景気を悪化させ、社会不安を広げるものです。景気悪化によって所得税や法人税が減収となり、財政も悪化するのは目に見えています。市長は、消費税増税と社会保障改悪は小樽市民・経済にどのような影響を及ぼすとお考えですか。日本共産党は、「消費税増税を中止し、国民の仕事と所得を増やす本格的な景気回復を」の提言をしています。市長にも読んでいただきましたが、見解を伺います。また、消費税増税が実施された場合、現在消費税を徴収している水道、下水道料金、病院の文書料、産業廃棄物手数料に転嫁すべきではありません。いかがですか。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいまアベノミクス、消費税増税と小樽経済への影響について御質問がありました。初めに、小樽市経済動向調査結果の見解についてでありますが、今期の業況については前年同期と比較してDI値は悪化しているものの、売上高のDI値は好転しており、業種別では、建設業が5期連続でDI値がプラスで推移するなど好調であります。一方、製造業、卸売業、小売業のDI値はいずれもマイナス幅を拡大しており、このことは製造業では円安による原材料価格の上昇、小売・卸売業では春先の天候不順による個人消費の落ち込みによるものと考えております。また、アベノミクスの小樽経済に対する影響等についてありますが、日本経済の再生に向けた三つの政策は、国において進められているさなかであることから、あくまでも現状における影響となりますが、円安により、アジアを中心とした海外からの観光客の入り込みが好調である一方、企業経営においては原材料費や燃料費等の上昇による収益の悪化、さらに市民生活においても電力料金や小麦などの値上げも相まって影響があるものと考えております。次に、消費税増税と社会保障改革の本市への影響についてでありますが、まず消費税増税による本市経済等への影響につきましては、消費税が基本的に全ての取引を課税対象としており、影響があるものと考えております。また、社会保障改革の影響についてですが、国民会議の報告書では持続可能な社会保障制度を実現する一方で、一定の国民負担は避けられないものとする一方、子育て支援や低所得者に対する支援なども盛り込まれております。いずれにいたしましても、消費税増税への対応や改革の具体的な内容については今後国において検討されていくことと思われますので、現時点で市民生活への具体的な影響について申し上げることは難しいものと考えております。次に、日本共産党の景気回復への提言に対する見解についてでありますが、国と地方自治体はそれぞれ国民と市民のさまざまな意見を取り入れ、創意工夫しながら政策を進めており、おのおのの役割分担があるものと考えております。その中で、国の政策に対しては、地方にも好影響を及ぼす政策に期待をしているところでありますが、私といたしましては、経済と雇用対策を重点的に取り組む方針を立て、地域経済の活性化によって雇用の場の確保を図ることを目標に、交流人口の拡大、企業誘致の推進、既存企業の底上げ、雇用支援を4本柱として、厳しい財政状況でありますが、積極的に事業展開しているところであります。こういった事業展開については、日本共産党の提言内容と共通する部分もあり、応援していただけるものと考えております。次に、公共料金への消費税の転嫁についてでありますが、御指摘のある水道料金や下水道使用料、病院の文書料、産業廃棄物処分手数料につきましては、いずれも消費税の課税対象となる企業会計や特別会計における公共料金であります。各会計は、消費税の納税義務を負うものであり、条例等で規定している料率は消費税の税率に合わせるべきものと考えております。