小樽市議会 平成25年第2回定例会 2013年6月18日
まちづくりについて
2013年6月18日、小樽市議会の一般質問で、秋元智憲議員が「まちづくりについて」質問し、市長 中松義治、教育長 上林猛が答弁しました。
- 質問者
- 秋元智憲 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治、教育長 上林猛
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 秋元智憲
2項目めについて質問いたします。小樽のまちづくりの観点から伺います。小樽は、ニシン漁や北前船の入港に伴う港湾の発展、そして石炭輸送のかなめとしての鉄道整備で早くから栄えてきました。今でも市内随所に当時の面影を感じることができ、改めて小樽のよさを再認識しているところです。日本国中どこに行っても小樽の知名度は高く、特に視察などで行ったまちの職員や議員のほとんどが一度は小樽に行ったことがあるとの話を聞くと、大変にうれしくも感じます。現在の小樽市が抱える問題や課題、社会情勢などを考えるとき、現状を打開し、小樽市が将来発展していくためには、中松市長が言う市民力と協働が必要であり、不可欠であると思います。くしくもあの昭和40年代から約10年にも及んだ運河論争が小樽の名を全国に広げたように、賛否は別とし、市民の小樽に対する愛着や郷土愛を育んでいくことが必要なのだと考えますし、まさにまちづくりは人づくりと言われるように郷土小樽に誇りを持って生きる人材を育てることが重要であります。それにはまず小樽を知ることでありますが、これまでいろいろな形で市民に対して、小樽市のあらゆる情報を発信してこられたと思いますが、私自身議員という立場になり、初めて知ることも多く、改めて本市について勉強する機会もあり、もっと早い段階で郷土小樽について詳しく学んでおくべきだったと痛感しているところであります。そこで、教育に関連して伺いますが、本市について社会科の副読本、わたしたちの小樽を使い、学ぶ機会もあると認識しておりますが、それ以外で地域学習など、小樽市の景観や歴史などを学ぶ機会については、どのような現状なのか伺います。また、その中で学ぶ内容についてもお知らせください。小樽では、明治9年には太政大臣三条実美が小樽八景を選んでいたということもあり、小樽八区八景を選定していますが、そもそもこの選定に当たり、どのような考え方、理念に基づき進められたのか、その効果や市民への周知、今後の考え方について伺いたいと思います。第6次総合計画には、都市景観意識啓発事業が記載されています。この事業は、歴史的建造物めぐりと八区八景めぐりなどの実施により、景観に対する意識の向上を図り、市民の自主的、積極的な景観形成活動を促進するとされております。第6次総合計画は、今年度で前期実施計画が終了し、現在、後期実施計画の検討を行っていると思いますが、目標値があまりにも過小ではないでしょうか。目的や理念に照らし、小樽市の本気度が伝わってきません。例えば、オープンハウス・ロンドンなどを参考に、民間と行政が協力し、市民の意識を高めていくなど考えられないでしょうか。市長はいかが感じられますか、伺います。次に、歴史的建造物について質問します。小樽を語る上で、歴史的建造物は、後世に残していかなければならない重要な歴史遺産であり、産業遺産であることは今さら言うまでもありません。しかしながら、年月とともに経年劣化が進行していくのも避けられない事実であり、いかに一番いい形で保存をし、活用していくかが課題であります。市では昭和58年3月、小樽市歴史的建造物等保全審議会から歴史的環境の保全についての答申を受け、同年第4回定例会に小樽市歴史的建造物及び景観地区保全条例案が提出され、満場一致で可決し、文化財保護法によらない全国的にも珍しい条例が施行されました。この条例は、平成4年、小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例の制定により廃止されましたが、当初の理念は引き継がれ、現在に至っております。そこで伺います。昭和60年、同条例に基づき初めて歴史的建造物13棟が指定されてから約28年が経過しておりますが、歴史的建造物の指定数の推移についてお知らせください。また、昭和58年の条例制定時には、外観の修理に要する経費について3分の1、限度額1,000万円を補助していましたが、現在までの維持・補修に係る助成額の推移と助成限度額変更に至った理由について伺います。これまでに指定を受けた建物が維持できずにやむなく解体された件数と、解体されるまでには市としてどのような対応をされてきたのか、お聞かせ願います。市外から来られた方の話を伺うと、確かに外観は見られるが内部はなぜ公開されていないのかと、よく言われます。やはり小樽へ観光に来る方の中にも歴史的建造物の見学を楽しみにして来る方も多いのではないでしょうか。そこで、現在の市の助成制度では、内部の維持・保存は助成の対象とはなっていないために、改修費用などの面から維持できずに歴史的価値が失われていくという現実もあります。今後、老朽化や耐震化等の相談があった場合は、これまでどおりの対応をされるおつもりなのでしょうか。この点について、対応などを伺いたいと思います。第6次小樽市総合計画前期実施計画では、歴史的建造物等保全推進事業として、平成21年度から25年度までの5年間で5,070万円しか予算がない中で、本当に歴史、産業遺産を守っていくことができるのか、大変不安に感じます。まだ最後の年度途中ではありますが、現在までのこの5年間の歴史的建造物等保全推進事業の執行率と執行金額についてお知らせください。また、この結果を踏まえ、内外部の維持・保存、活用について、現条例の助成率や限度額等見直しを考えるべきと思いますが、市長の御見解を伺います。次に、歴史的建造物周辺の景観についてです。市は、今年度当初予算で、重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店を改修するために1,197万円が計上され、まずは来年度までの現状調査を行い、補修計画策定に取りかかるとのことであります。これまで修繕をされてきた経緯や明治39年に落成した建物の老朽化の進行状況は大変に心配するところであります。平成21年度には、周辺の電線類地中化事業費9,000万円を使い整備されましたが、周辺整備という観点では、まだ課題があるのではないかと感じます。そこで、一つだけ例を挙げ質問しますが、小樽運河クルーズは、比較的当時の面影を残す北運河の石づくり倉庫や旧日本郵船を船上から見られるという魅力ある取組であります。先日、市民の方から要望がありましたが、市民の方いわく、電線の地中化により運河公園の噴水や南防波堤にゆかりのある伊藤長右衛門、北防波堤にゆかりのある広井勇両氏の胸像があり、この一体となったロケーションは誇れるものであります。しかし、この周辺には運河公園を利用している人などの車が駐車され、すばらしい景観の妨げになっておりますが、市として対策を講じる考えはないのか伺います。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、まちづくりについて御質問がありました。初めに、小樽八区八景についてでありますが、小樽八区八景は、次代を担う子供たちが郷土を愛し、未来に誇りが持てるように小樽の個性と文化を育て、良好な都市景観を後世に残し、潤いと活力のあるまちづくりを進めるという景観条例の理念を市内各地域に広げるために、市内を地形的な特徴などから八つの地区に区分し、それぞれ地区を代表する景観八つを選び出したものであります。選定による効果としては、市民の景観に対する理解や意識の向上につながっているものと考えており、市民周知につきましては、ホームページにその内容を掲載するとともに、市民参加による八区八景めぐりやパネル展の開催などを行っております。今後も、市民の景観意識をより高めるために、小樽八区八景を活用していきたいと考えております。次に、都市景観意識啓発事業の目標値の設定についてでありますが、歴史的建造物めぐりと八区八景めぐりの平成30年度の目標値につきましては、過去の実績を踏まえて決定したものでありますが、今後もより多くの市民に参加していただけるよう、開催方法などについて検討してまいりたいと考えております。また、景観形成活動での民間と行政の協力という観点から御紹介のありましたオープンハウス・ロンドンにつきまして、今後その手法などについて研究してまいりたいと考えております。次に、指定歴史的建造物の指定数の推移についてでありますが、昭和60年7月に市役所本館を含む13棟を初めて指定し、10年後の平成7年度末には62棟、20年後の17年度末には67棟となり、28年後となる現在は、当初より58棟多い71棟を指定しております。次に、指定歴史的建造物の外観の維持・補修に対する助成額の推移などについてでありますが、助成額の推移は、助成制度が初めて利用された昭和61年度には約180万円でしたが、北海道の補助制度があった平成4年度から14年度の11年間では、金額にばらつきがありますが、約260万円から6,400万円となっており、補助制度がなくなった15年度以降は、約200万円から800万円の間で推移しております。助成限度額の変更については、制度創設当初は建物の構造を問わず1,000万円としていたものを、北海道の補助制度の創設をきっかけに平成5年度から木造以外を2,000万円に変更しました。その後、平成15年度に北海道の補助制度がなくなったことから15年度と16年度にそれぞれ20パーセントずつ減額し、さらに17年度からは、本市の厳しい財政事情も重なり、限度額を600万円としたところであります。次に、指定歴史的建造物の解体件数と解体に至るまでの市の対応についてでありますが、これまで老朽化等により維持できずに解体された件数は2件であります。このうちの1件の例では、解体の2年前に、所有者の引っ越しに伴う指定解除の相談を受け、現地調査を行うとともに市景観審議会へ報告し、空き家となった後も指定継続に向けて協議を続けました。しかし、1年後に屋根の一部が台風の被害に遭ったことから、改めて所有者が指定解除の相談に見えられ、建物の状況から判断して指定解除申請を受理しました。その後、指定解除について、市景観審議会の意見を求め、指定解除はやむなしという判断に至り、建物は解体されました。次に、今後相談があった場合の市の対応についてでありますが、建物の使用に影響を及ぼさないために内部には規制をかけないというのが市の基本的な考えであり、内部改修は助成対象にはしておりません。しかし、たとえ内部であっても構造上必要な柱やはりなどの補強工事は、現行制度の中でも助成対象にできるものがあり、相談があった場合には説明していきたいと考えております。次に、歴史的建造物等保全推進事業のこの5年間の執行率と執行金額についてでありますが、平成21年度から25年度の現時点までの執行率は約61パーセントで、執行金額は3,083万円となっております。なお、助成率や助成限度額等の見直しについては、本市の厳しい財政事情の中、現時点では難しいものと考えております。次に、北運河周辺の駐車車両についてですが、一般的に駐車禁止措置は、駐車車両により車両の通行や歩行者の安全が妨げられる場合に実施されますが、北運河沿いの市道運河通線は、交通量が少なく通行車両等への影響もほとんどないということで、近隣の事業活動に伴って一時的に駐車する場合などを考慮して、駐車禁止措置をとっていないものと理解しております。このような状況の中、クルーズ船からの景観という見地からの駐車禁止措置が可能であるかについては、小樽警察署と協議してまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 上林猛(教育長は2015年12月まで)
ただいま、まちづくりについての御質問がありました。小樽を知る教育についてでありますが、小樽市の景観や歴史などについて学ぶ機会の現状、また、その中で学ぶ内容についてでありますが、本市においては、各小・中学校で小樽の身近な地域の自然や歴史、伝統、文化、産業などに関するさまざまな取組が行われておりますが、その特徴的なものを挙げますと、色内小学校では、おたる案内人ジュニア育成プログラムとして、ふるさと小樽への愛着と社会性を育むことを目的に小樽の歴史や歴史的建造物などについて学び、その成果を生かして観光客へのガイド体験活動に取り組んでおります。また、緑小学校では、次代を担う子どもの文化芸術体験事業の一環として、旧岡崎家能舞台の模型づくりを通して、地域の伝統的な建物や歴史について学ぶ取組を行っております。さらに、向陽中学校では、観光ガイドクラブの会員を講師に招き、小樽の歴史と職業の変遷の講義の後、青年会議所と連携を図りながら職場訪問を実施するなど、キャリア教育の充実にも取り組んでおります。