小樽市議会 平成22年第2回定例会 2010年6月9日
(1)保育制度について/(2)医療扶助費の請求について/(3)周産期医療の救急について/(4)議会の見直しについて
2010年6月9日、小樽市議会の一般質問で、吹田友三郎議員が「保育制度について」「医療扶助費の請求について」「周産期医療の救急について」「議会の見直しについて」について質問し、市長 山田勝麿が答弁しました。
- 質問者
- 吹田友三郎 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 吹田友三郎
一般質問をさせていただきます。初めに、日本の人口構造の変化を考えますと、1945年、昭和20年に7,200万人の人口数から、戦後の平和社会と経済活動の拡大等により人口数の増加が始まり、1967年、昭和42年に1億24万人と、初めて総人口が1億人台へ進み、2004年、平成16年に1億2,779万人となり、戦後の人口統計上におきまして人口のピークとなりました。しかし、翌2005年、平成17年に1億2,777万人となり、日本は人口減少へとシフトを変え、スタートしました。今後の推計では、2046年、平成58年には9,938万人と1億人を下回り、2055年、平成67年には8,993万人となり、65歳以上の人口を示す高齢化率では、私が社会人となりました、今から40年前の1970年では、高齢者が800万人程度、およそ7.5パーセントであったものが、40年後の現在では、高齢者が2,900万人、率にして23パーセントとなり、今後40年がたちますと、高齢者が3,700万人、率にして40パーセントに迫ります。数字上では、現役世代1.25人で高齢者1人を支えることとなりますことは現在の動きでは確定的な数字となると考えております。現役世代5人で4人の高齢者の医療、年金、介護の負担をしながら、国民全体の生活に必要な1次、2次、3次産業にかかわらなければならないこととなります。現在の年金制度の骨格は、GDPの一定の成長力を維持し、出生数の確保も視野に入れたものであり、今後の予測では、40年後の現役世代の人口は、現在の8,130万人程度から4,800万人となり、3,300万人の減少となる中、高齢者は、現在2,930万人程度から40年後には3,730万人と800万人ほど増加することとなります。これらの数字は多くの国民が共有していると思われますが、国の行う政策の中でこれらの対策を考えているようにはとても思えません。ある専門家の見方では、日本のこの状況が進む場合は、現役世代の方々がその負担に耐えられず、グローバル化の中であり、海外移住などが起こることも十分考えられると言っており、このままでは戦後生まれの者たちが頂点となる人口構成の時点において社会全体が破綻することとなります。私は、返済不能のような国債の発行等により、公共事業と銘打った重要度があまりないと考えられる事業を含め、多くの財源を消費していることは決して許されません。今、学業を修業し、社会に出てさまざまな職業を得て社会に貢献しようとする若者たちに、その機会すら与えられない戦後最悪の社会環境の脱却に最大限の取組が必要であります。現在の少子化の中では、就職先の確保による地域間の人口の争奪戦があると言われておりますが、乳幼児の確保においても、地域間の格差により争奪戦が進んでくるものと考えております。これらの状況を踏まえて、何点かの具体的な質問をさせていただきます。初めに、児童福祉施設(保育所)にかかわり、地方分権改革会議は、第3次勧告(平成21年10月7日)において、保育所の基準について、廃止または条例委任の動きから、平成21年12月15日の閣議決定による地方分権改革推進計画に児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の制定主体を都道府県、指定都市等に委任し、国の法律から地方自治の条例にシフトすることとし、保育所の児童処遇の大切な給食についても、外部搬入方式を地域を限定することなく全国においてなど、乳幼児を取り巻く環境の充実とは逆方向へ進んでいることが危惧されます。また、少子化対策特別部会の議論を整理すると、少子化対策としてすべての子供の健やかな育ちを基本に置きつつ、保育、放課後児童クラブ、地域の子育て支援をはじめとするサービスの基本的拡充、そして、持続可能な我が国の社会を構築するための未来への投資を社会全体で費用を負担する仕組み、財源確保が必要であるとともに、ニーズに応じて質を確保されたサービスが増えていくような子育て支援のための包括的・一元的な制度づくりが必要と示されています。現在進行形の「子ども・子育て新システムの基本的方向」の内容について、何点か問題点を申します。まず、①利用者本位のサービスの包括的・一元的提供では、利用者は保護者と子供の両方であることを前提に、特にみずから要望・意見等を述べることができない子供みずからが権利を有する主体であることの認識の下、国は子供の育ちに対する理念を明確にした制度設計をする必要があります。②すべての子供に対して、質の高い幼児教育・保育を保障するためには、保育の質の確保・向上を担保する仕組みが必要不可欠です。③子ども・子育て基金(仮称)の創設による負担金・補助金の包括的な交付だけでは現在の待機児童問題は解消されません。新システムの具体化に向けては、国としてそれに基づく基盤整備と、供給に必要とされる財源の確保を図るべきです。④内閣府と経済産業省により、児童福祉施設の運営主体である社会福祉法人から株式会社、生活協同組合、NPO法人を含めた競争原理導入による効率性の追求を考えておりますが、利用者の信頼感を確保することが難しいと考えられ、安心という支援の方向性が出ないものと考えられます。さまざまな問題を抱えております改革と思います。今後、システムを段階的に進めると考えられますが、市長は、この問題について国にどのような要望をすることを考えておりますか、お伺いいたします。次に、生活保護に関する問題であります。市民の中には病気で収入の確保が難しくなったり、離婚等により母子世帯となって生活が立ち行かなくなって公的な扶助を受ける方たちがおられます。自立に向けての生活基盤の確保は大変重要なものと考えており、支給に当たっては、真に必要とする方をサポートすることを担当である所管の皆様においてしっかりと行い、一般市民から疑義の指摘等を受けないようにすることも必要であります。扶助費には、生活扶助費が年間で30億円程度かかっておりますが、それよりも多くの支出が医療扶助費であり、年間40数億円の支出となっております。先般、NHKのニュース番組の特集で指摘されておりましたが、保護受給者は医療機関での受診時に自己負担の必要がないことにより、悪意を持った医療機関が必要以上の医療行為を行ったり、薬剤を含め、さまざまな不正請求が行われていることが指摘されておりました。私も、過去に、再三にわたり、医療請求の正確性を確認することが必要と言ってまいりましたが、このたびの全国放送による指摘は、指摘した一事象だけではないことが考えられ、報道したものと考えております。本市では、医療請求の概括的なチェックのみを少人数の医療専門職でない者に行わせていると考えておりますが、私は、レセプトの中身についても専門的なチェックをすることにより扶助費の削減を行うことが必要と考えます。このたびの指摘を踏まえ、市長は、この問題に取り組まれる考えはありますか、お伺いします。また、取り組むといたしましたら、どのような方法を取り入れますか、お伺いします。また、監査委員は、適切な支出をしたかを監査する立場にあると思いますが、このような問題が提起されておりますときはどのような対策をとるのでしょうか、お伺いいたします。地方自治法における監査委員の職務については規定がありますが、法律は、最低の職務を定めていることが基本であり、特に、税金の不正な支出を見逃すことは絶対に避けなければならないものと考えており、この点を踏まえ、どのように取り組まれるか、その内容をお伺いいたします。次に、総務省は、地域ICT利活用広域連携事業化について取組を始めております。ICT(情報通信技術)は、医師不足や少子高齢化への対応をはじめ、地域の安全・安心の確保、地域の公共サービスの維持・向上を即効的に実現するものとして多大なメリットを有しているが、市町村ごとに個別導入するケースが散見されています。ICTの有するメリットは全国あまねく広域に及ぶものであり、関連システムの開発、設計、サーバ等が一つに機能集約・統合により導入経費の削減が期待できる、また、限られたICT人材の地域間での交流・補完、他地域のICTスキル・ノウハウの移転など有効な活用が期待できるものと考えております。このような観点から、周産期医療の救急体制について、札幌市では、一昨年10月より、産婦人科救急医療対策協議会の設置により、救急医療におけるテレホントリアージシステムの導入を始めました。トリアージは、災害医療等において大事故、大規模災害など多数の傷病者が発生した際においての順序を決めるため、標準化が図られて分類されているトリアージは、最大効率を得るために、一般的に直接治療に関与しない専任の医療従事者が行うこととされており、可能な限り、何回も繰り返し行うことが望ましいとされております。札幌市では、このシステムを利用し、産婦人科救急電話相談の対応を行い、年間3,000件ほどの利用があり、近隣市からの問い合わせもあるとのこと、本市からも2年間で約30件ほどあったようです。私は、安心して子供を産み育てる最初のステップである周産期医療の充実、特に救急対応のテレホントリアージシステムは大変有効なものと考えております。このシステムには、民間の活用も可能であるようで、また、緊急度の判断により、救急対応でなくてもよい患者は翌日に一般病院での受診が可能となり、より緊急度の高い患者を優先対応することが可能となると考え、本市においても検討の価値があると思われますが、市長の御見解をお伺いいたします。次に、私は、過去に何度も市長にお尋ねしておりますが、地方議会のあり方についてであります。今、名古屋市では、市長サイドと議会が議会改革で火花を散らしております。河村市長は、市民の目線で議会を進めることとし、議員報酬年間1,600万円、政務調査費600万円、その他の諸経費がかかっていることを示し、議員報酬の半減、そして議員定数の削減等の議案を市長部局から提案し、進めるとして、現在、議会側と論戦をしているようでございます。北欧のスウェーデンでは、市町村議会議員は非常勤で本市と同じでありますが、議会に出席したときだけ報酬を払うシステムをとっており、年間50万円程度の報酬をもらっているようです。また、スウェーデンでは、国民の基本的な考えで、議員をする者は職業を持って社会とつながり、そして、国に税金を納めることで国を支え、議員活動をするものと理解されているとのこと、私も、市町村議会議員は無報酬で行う方向に進めることが必要と考えております。また、現在のように、多額の財源を必要とする議会運営をするのであれば、議員定数の削減、私は、24名ないし21名程度とし、常任委員会を3委員会に統廃合して行うことが必要と考えます。与えられた条件の中で、そのものをこなせる人材を市民が選ぶことが求められます。小樽の人口は、日本の総体的人口の推移よりも速いスピードで減少し、高齢化が進むものと考えられますので、人間社会の根幹をなす地域社会のその対策に限られた財源を投入し、措置することが問われているものと考えられており、市長は、今後の本市の将来像を描くときに、この問題は避けて通れないものと思います。このような条例案の提出が検討できるか、今後の展望を含め、お伺いいたします。再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
吹田議員の御質問にお答えいたします。最初に、保育制度についてでありますが、国が検討する新たな次世代育成支援のためのシステムは、平成25年度の施行を目指しておりまして、今後、制度の詳細について議論、検討がなされていくものと思いますが、社会全体で子育てを支えることにより、子供や保護者が安心して必要なサービスを利用でき、安定した事業運営ができる仕組みづくりが必要であると考えております。また、市町村が事務を進める上で、社会保障制度改革の全般に共通する幾つかの課題があると認識しており、一つ目は、市町村のシステム開発費及び人件費などを国で保障すること、二つ目は、新制度への移行時には法令の公布や関係通達をできるだけ早期に行い、市町村のシステム開発に係る十分な準備期間を設けること、三つ目として新制度発足後の事務費について、市町村の負担をなくすることであり、これらの点につきましては、国に強く要望してまいりたいと考えております。次に、生活保護の医療扶助におけるレセプトのチェックについてでありますけれども、まず、当市においては、レセプトの内容の点検については、平成13年度より、専門の業者に全件委託をしており、嘱託員による資格点検も含め、平成21年度で5,800万円ほどの効果を上げております。また、国においても、生活保護の不正受給は大きな問題としており、医療扶助に対する緊急のサンプル調査を実施しているところであるため、その調査結果により何らかの対応がされるものと考えております。いずれにいたしましても、レセプトの点検については、適正な医療扶助の実施のためには重要なことと考えておりますので、引き続き、市の嘱託医や委託業者などと連携し、医療扶助の適正化に取り組んでまいりたいと考えております。次に、産婦人科救急におけるテレホントリアージについてでありますが、産科を取り巻く厳しい医療環境の中、救急においては医療が適正に行われるために、事前の電話相談が有効な方法であるとされております。市内にある産婦人科の医療機関では、従来より、通院中の患者からは夜間も電話での対応を受け付けており、テレホントリアージは実施されてきているものと考えておりますので、当面、特別の体制については考えておりません。最後に、議員の定数、報酬、議会の見直しについての御提言がありましたが、私は、このような問題につきましては、議会において十分議論されるべき問題であり、市長部局からの提案については考えておりません。(「議長」と呼ぶ者あり)
質問 監査委員 前田清貴
吹田議員の御質問にお答えします。医療扶助に係る不正請求の問題について、監査委員としてどのように取り組んでいくのかということでありますが、このような報道がなされた場合であっても、特に、市長から監査の要請がある場合などを除き、直ちに監査を実施しなければならないとは考えておりませんが、通常の定期監査の際には、そのような社会情勢なども考慮し、書類審査にあわせて、レセプト点検がどのような方法で行われているかについて事情聴取などをしなければならないと考えております。しかしながら、医療扶助費の支出についての監査を行うに当たりましては、レセプトの内容が適正なものかどうかを判断するための医療事務に関する専門的な知識が必要であることから、現状の監査体制では限界があるものと考えております。(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
質問 4番 吹田友三郎
質問につきましては、これから行われます予算特別委員会等でまた続いてやりたいと思いますので、これで終わりたいと思います。