小樽市議会 平成22年第1回定例会 2010年3月3日
(1)社会福祉サービスに係わる応能負担と応益負担について/(2)社会福祉サービス内容の評価等について/(3)保育制度における地方自治体のあり方について/(4)予防接種等の取組について/(5)自治体所有コンピュータのシステム開発と保守管理について
2010年3月3日、小樽市議会の一般質問で、吹田友三郎議員が「社会福祉サービスに係わる応能負担と応益負担について」「社会福祉サービス内容の評価等について」「保育制度における地方自治体のあり方について」「予防接種等の取組について」「自治体所有コンピュータのシステム開発と保守管理について」について質問し、市長 山田勝麿、総務部長 山﨑範夫が答弁しました。
- 質問者
- 吹田友三郎 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、総務部長 山﨑範夫
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 吹田友三郎
一般質問をさせていただきます。初めに、社会福祉政策の中で、福祉サービスの利用者には利用料としての応益負担と応能負担があります。国民にはさまざまな所得階層があり、適正な制度を国、地方自治体が主体となって進めなければならないものと考えます。全国的には、福祉サービスを利用料等の影響で受けられない福祉難民が潜在的に拡大しているとの指摘もあり、大きな問題と考えております。まず、現在行われている高齢者、身体障害者、児童、乳幼児にかかわる各種サービスは、利用者に適正な応能・応益負担の制度となっておりますか、お伺いいたします。また、今後、総体的に応益負担の方向に進むことが危ぐされますが、本市は少子高齢社会の中で、利用者の負担にかかわって、どのような政策を考えておりますか、お伺いいたします。次に、各種福祉サービス内容の評価についてであります。福祉サービスの利用形態の変化により、サービス内容の基準の担保が必要と思われますが、行政のチェック機能がしっかりと働いていないと言われております。本市は、各種サービス内容のチェックは、どのようにされておりますか。また、サービス利用者の苦情、意見、要望などについて、どのような対応をされておりますか、お伺いいたします。北海道社会福祉協議会の運営適正化委員会など、各種福祉サービスにはさまざまな苦情解決などの機関がかかわっておりますが、各機関との連携はどのようにされておりますか、お伺いいたします。次に、保育制度における地方自治体のあり方についてであります。少子化は我が国をじゅうりんしており、本市の自然動態も年間およそ1,000人の減となっております。国全体では、平成17年には死亡数が出生数を上回り、平成20年で出生数109万1,000人に対し、死亡数は114万2,000人と自然動態で5万1,000人の減となっております。合計特殊出生数も平成17年に1.26人と過去最低を更新し、出生数で106万2,530人、18年からは出生率は前年を上回ってきましたが、平成20年でも合計特殊出生率1.37人、出生数で109万1,150人となっており、依然として厳しい状況であり、新人口推計(中位)によれば、2055年に生まれる子供の数は現在の約4割、高齢化率は現在の2倍、40.5パーセント、生産年齢人口15歳から64歳も現在の2分の1近くに急激に減少するとされており、我が国の人口は完全に減少局面に突入したと認めなければなりません。子育て支援の重要な部分を担う保育所は、一般財源化の問題を抱えており、平成16年度より公立施設運営費の一般財源化により自治体財政を直撃したと見ております。例えば、青森県では、B市は公立保育所10か所を毎年2か所ずつ民営化し、全施設を民営化、C市は町と合併する中で公立施設の統廃合を条件に民営化、D町では公立施設7か所全部を一気に民営化と、市町村事業としての公立施設は一般財源化されては財政上無理と結論づけられております。本市では公立保育所の運営は、一般財源化の中で十分に確保されているのか、お伺いいたします。また、国では民間保育所運営費の一般財源化を検討しているようですが、そのことは本市財政に影響を及ぼさないと考えておりますか、お伺いいたします。そして、保育所の設置基準等を地方自治体にゆだねることが地方分権改革推進計画の中で進められており、保育所の基準については、条例委任する、その場合、国の基準については、原則従うべき基準又は参酌するべき基準とされ、東京などの一部の区域に限って例外的に標準とするなど、児童福祉法の精神を逸脱する流れにもなっております。乳幼児の健全育成に必要な基準は、国がしっかり守ることが必要と考えますが、市長はどのような御見解を持っておられますか、お伺いいたします。次に、予防接種等の取組についてお伺いします。昨年は新型インフルエンザの流行に市民の皆さんが大変不安を感じられたと思います。予防接種は対象者を段階的に拡大し進めていると思いますが、新型インフルエンザワクチン接種の状況と今後の取組と課題についてお伺いいたします。また、そのほかの各種予防接種の取組、接種状況の推移と今後の課題について、どのように認識しておられますか、お伺いいたします。若い女性の患者が増えている子宮けいがんのワクチンなど新たな予防ワクチンの開発には大変期待しておりますが、その接種等については、公的助成がなく、高額な接種料金となっているケースが多いことと考えられます。このことについて、市民の健康を守る行政機関としてどのような方針で進められますか、お伺いいたします。最後の質問となりますが、自治体所有のコンピュータのシステム開発と保守管理について、お伺いします。業務の処理、管理には、コンピュータが必要不可欠なものであります。しかし、その維持管理及びシステム開発にはばく大な費用を投入してきております。今後も政策の変更の都度、事務処理を含め、コンピュータシステムの変更、開発の頻度が上がることが予想されます。現在、さまざまな技術開発が進む中で大胆なコスト削減のために、システム開発と保守管理の積極的な一般競争入札を取り入れることが必要と考えますが、その導入と課題について、どのような認識を持っておられますか、お伺いいたします。また、現在、総務省が進めております自治体クラウドコンピューティングの導入に対する有効性とその方向性について、どのような御見解をお持ちか、お伺いします。新しいシステムの一つでありますシンクライアントは、道内の自治体でも導入しており、別海町では情報システムの管理を容易にするためにターミナルサービスの導入を検討する過程でシンクライアントシステムを知り導入を開始し、基本的目的は、システムの管理負荷の軽減、管理コストの削減、データの持ち出しを防ぐことによるセキュリティの強化を進めることであったとのことです。シンクライアント端末を導入することで故障が激減し、以前5人だった情報システム担当者が現在は2人で対応可能であり、iDCの活用により、システムの保守費用、電気代を含め、試算上、年間1,300万円の削減が見込まれるとのことです。シンクライアント化とともに外部メモリの使用を原則禁止し、セキュリティの向上を図り、端末が職員に帰属しないため、出先機関に外勤したときでも、そこの端末を使ってID、パスワードで容易に自分の環境を再現でき、業務が継続できる効果を見込めるとのことです。本市では、財政危機の解決策に人件費削減を中心に置くだけでなく、電算システムにかかわって、これらの導入の有効性と今後の検討課題について、どのように考えられますか、お伺いします。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
吹田委員の御質問にお答えいたします。初めに、福祉サービスに係る利用者負担の問題でありますけれども、介護保険制度については、平成12年のスタートから応益負担となっております。一方、障害者については、平成18年の障害者自立支援法施行時には応益負担でありましたが、利用者などからの強い要望を受け、毎年のように負担額の軽減が行われ、平成22年4月からは、低所得者層の利用者負担が無料になるなど、事実的には応能負担となるものであります。また、児童・乳幼児へのサービスである保育所につきましては、所得区分ごとの応能負担となっております。このように福祉サービスの利用者負担につきましては、国において低所得者層に一定の配慮をしながら、制度が構築されているものと考えております。次に、今後の利用者負担についての考え方ですけれども、現状においても介護保険においては、ホームヘルパーの利用者負担への助成、障害者サービスでは、地域活動支援センターの利用料の無料化や児童デイサービス利用料の減額、児童・乳幼児では、保育料を国の基準より軽減していることなど、市として利用者負担の軽減策に努めているところであります。今後の福祉サービスの利用者負担については、さきに述べましたように、低所得者層の方にもより利用しやすい制度になるよう期待しておりますし、市といたしましても、必要に応じて要望してまいりたいと考えております。次に、福祉サービスに対する行政サイドのチェックでありますけれども、まず施設や事業所の設置には、社会福祉法や児童福祉法、介護保険法などの規定により、知事の許認可が必要であります。これらの事業所に対しては、北海道が定期的に人員や施設運営の基準などの監査や実地指導を行っており、市としても必要に応じて立ち合い、状況を確認しております。また、介護保険のグループホームなどの地域密着型サービス事業所については、本市で定期的に実地指導を行っております。次に、サービス利用者の苦情、意見、要望等に対する本市の対応でありますが、福祉サービスの事業所には、社会福祉法に基づいて、利用者等からの苦情などに対して適切な解決に努めるよう規定されておりまして、第三者委員を含めた苦情解決の体制づくりが求められております。市の福祉施設についても同様でありまして、苦情解決責任者や福祉サービス苦情相談員を設置しております。福祉施設の利用者などから、市に苦情が寄せられた場合には、その事業所に対し、必要に応じて聞き取り調査を行い、状況の把握に努めるとともに、解決に導くよう助言を行っております。次に、各種福祉サービスの苦情に対する運営適正化委員会など関係機関との連携でありますが、北海道社会福祉協議会に設置されている運営適正化委員会への苦情の申出は、利用者や家族が直接行っており、委員会がサービス提供者と利用者の間に立って、その申出の内容に対する調査、助言、あっせん、解決を図るもので、市と直接連携しながら、問題解決を図る体制にはなっておりません。また、障害者相談支援センター、地域包括支援センター、国保連合会などに寄せられる苦情への対応については、随時情報交換を行うなど連携しながら解決を図っております。次に、保育制度について何点か御質問ありましたけれども、まず公立保育所の運営費についてでありますが、平成16年度から一般財源化されましたが、十分かどうかは別にしまして、一応交付税において同程度の財源措置がなされたところであります。次に、民間保育所運営費の一般財源化についてでありますけれども、平成23年度以降の子ども手当の費用負担を議論する中で、民間保育所運営費の一般財源化についても検討されるということでありますが、自治体の財政や民間保育所の運営に支障を来すことのないように、国が責任を持って財源措置を講じていただきたいと考えております。次に、認可保育所の設置基準でありますが、地方分権改革推進計画では、都道府県、指定都市、中核市においては、保育士の配置や東京などを除く地域の保育室の面積については、国の基準に従って条例で定めることとされております。また、園庭などの基準については、都道府県などの裁量で定められることになっておりますが、保育所は子供が1日の大半を過ごす場所でありますので、保育環境や子供の安全に配慮した対応が求められるものと考えております。いずれにいたしましても、地方自治体への条例委任は地域主権の観点からも必要なことだというふうには考えております。次に、予防接種等についての御質問でありますが、まず初めに新型インフルエンザワクチンについてでありますが、昨年10月下旬から接種が開始され、本年1月末までに市内の医療機関で接種した方は、基礎疾患を有する方6,653名など各対象者の合計で、1万4,277名となっており、接種率は10.5パーセントとなっています。市内では、現在、新規の患者がほとんど発生しておらず、全国的にも患者数が減少傾向にあることから、接種への関心が低くなっていることが課題として考えられます。しかし、新型インフルエンザは完全に終息しておらず、国においては新年度も引き続きワクチンの接種を行う方針であり、また感染による重症化防止の観点からも、本市においても引き続き接種の勧奨を行ってまいりたいと考えております。次に、各種予防接種についてのお尋ねでありますけれども、まず定期接種の接種状況の推移について、過去5年間の接種率を見ますと、BCG、ポリオ、3種混合はいずれも毎年約90パーセントの接種率となっています。麻しん・風しんワクチンは1歳児を対象とした第1期、小学校就学1年前の児童を対象とした第2期とも毎年約90パーセントとなっています。なお、昨年度から定期接種化された中学校1年生、高校3年生の年齢層を対象とした第3期、第4期は、ともに約75パーセントの接種率となっています。高齢者等のインフルエンザワクチンにつきましては、16年度は42.6パーセントでしたが、年々増加し、平成20年度には51.4パーセントとなっています。任意接種につきましては、おたふく風邪ワクチンと水ぼうそうワクチンの接種状況を調査しており、ともに毎年約30パーセントの接種率となっています。接種率向上に関する取組でありますが、定期接種につきましては、新生児を有する家庭への訪問指導の際に、接種の勧奨を行い、未接種者につきましては、乳幼児健診などで勧奨を行っています。また、高齢者等のインフルエンザワクチンにつきましては、広報おたる、ポスターの掲示等により接種を勧奨しています。さらに、任意接種を含む各種ワクチンの情報に関しては、ホームページや子供の予防接種週間に合わせたパネル展により市民への周知を図っております。課題といたしましては、麻しん・風しんワクチンの第3期、第4期の接種率の低迷が挙げられます。各種予防接種の接種率向上が必要と考えますが、特に麻しん・風しんワクチンにつきましては、接種対象に対する接種勧奨の個別通知のほか、予防接種の意義や効果などについて情報提供に努め、さらなる接種率の向上に取り組んでまいりたいと考えております。次に、子宮けいがんワクチン等、新たなワクチンに対する小樽市の方針についての御質問でありますけれども、近年女性の子宮けいがんワクチンのほか、肺炎球菌ワクチンやHib(ヒブ)ワクチンなどが国内で認可され、任意接種として行われています。本市では、ワクチンで発病や重症化を防ぐことが可能な疾病は、予防接種を推進すべきと考えております。しかし、一方で予防接種には副反応による健康被害のリスクがありますので、接種対象者に対する十分な補償が担保されている必要があります。任意接種の場合の補償は、定期接種と比較すると十分な内容となっていません。このようなことから、市といたしましては、国に対して、新たなワクチンについて定期接種化を求めてまいりたいと考えております。次に、コンピュータの関係でありますけれども、コンピュータシステムの開発と保守管理の一般競争入札の導入でありますが、本市の基幹業務の大部分は庁内に設置している大型のホストコンピュータを使い、システム開発をしておりますが、メーカーや機種ごとにハードやソフトの操作方法が異なり、システム開発や保守管理については、現行のシステムを開発した業者に限定されるため、現時点では一般競争入札は難しいものと考えております。しかしながら、近年、メーカーからさまざまな種類のソフトが提供されている小型のサーバを主体としたシステムが主流となってきているため、大型コンピュータの生産台数は減少傾向にあります。このため、市といたしましては、近い将来、基幹業務システムについては、小型のコンピュータへの移行を検討しており、この場合には一般競争入札も可能になるものと考えております。次に、自治体クラウド導入の有効性と方向性でありますが、総務省が進める自治体クラウド構想は、各自治体で個別に構築・運用している個々の基幹業務システムを民間のデータセンターなどに統合・集約し、各自治体は提供されるサービスに使用料を払って通信回線を介して共同利用するものであります。自治体側ではサーバなどの機器やソフトウエア、電気容量を確保するための施設整備などに係る経費等が軽減されることが見込まれ、業務の効率化や経費の節減が期待されているものであります。しかしながら、各自治体で保有する基幹業務システムは、業務の運用形態もさまざまで、都道府県単位で一つのシステムに再構築するには相当の年数がかかると言われています。また、個人情報を民間のデータセンターに置くことについての情報セキュリティ上の課題もあるため、これらの推移を見ながら、利用について研究してまいりたいと考えております。最後に、本市のシンクライアントの導入についての問題でありますけれども、このシステムは機器やソフトなどの集中的な管理が可能であるため、保守管理についての業務量の軽減が見込まれるほか、端末機の盗難や持ち出しによる情報漏えいのリスクを回避できるなど、情報セキュリティの面でのメリットもあります。しかしながら、本市の場合、1,100台以上の端末機を管理するためのサーバの導入やサーバとの通信を行う回線速度に十分な容量が必要であり、システム全体に係る経費については、現時点では現在のシステムに比べ割高になります。今後、このシステムについては、技術の進歩等による導入コストの低価格化や今後の普及状況などの推移をさらに見ていきたいと考えております。(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
質問 4番 吹田友三郎
何点かお聞きしたいのですけれども、このコンピュータシステムにつきましては、今後、そういった大きな市の中にあるものは使わないで、もう少し小型化していくような感じの御答弁でしたが、将来的にはいつごろまでに移行していく可能性があるものなのかと思うのですけれども、この辺については、具体的な計画というものはあるのでしょうか。私は希望としては、できましたら、これからもっと進化すると思われますので、こういう部分に積極的にかかわって、特にコンピュータにつきましては、ハードの面は必ず何年かでかえなくてはならないという実態がありますので、今1,000台ほどある端末機を管理するに当たり、経費の面をしっかりと考えていけばまた一つのそういうものが出てくると思っているのですけれども、いかがでしょうか。
答弁 総務部長 山﨑範夫(総務部長は2011年3月まで)
コンピュータ関係の再質問にお答えいたします。先ほどお答えいたしましたとおり、小樽市の場合には、大型のホストコンピュータを使って基幹的な業務をほぼ処理しております。道内の大きな自治体もほとんどこういう形でこれまで進めておりますけれども、市長から答弁をしましたとおり、近年、自治体では大型コンピュータから小型のサーバを主体としたシステムへの移行がかなり進んできています。いろいろなメリットがありますことから、私どもとしても、先ほど言われました一般競争入札の導入も可能になるという面も含めて、今、研究をしておりまして、何年までにという導入時期はなかなか難しくて言えないのですけれども、一遍に今やっている業務を短時間で変えていくのは難しいので、今、情報システム課と話していますのは、小型のサーバへの切り替えについて、10年ほど先を目標に少しずつ順次更新をしていくという、そういった形の中で今の大型コンピュータから小型のサーバを中心としたこれからのシステムへの移行というのは考えていかなければならないというふうに考えております。(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
質問 4番 吹田友三郎
ぜひ、進めていただければと思います。あとは、予算特別委員会とか、常任委員会の中で質問させていただきますので、これで終わりたいと思います。