小樽市議会 平成21年第3回定例会 2009年9月28日
(1)子育て支援について/(2)小樽市奨学金制度について
2009年9月28日、小樽市議会の一般質問で、菊地葉子議員が「子育て支援について」「小樽市奨学金制度について」について質問し、市長 山田勝麿、教育長 菊譲、教育部長 大野博幸が答弁しました。
- 質問者
- 菊地葉子 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、教育長 菊譲、教育部長 大野博幸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 菊地葉子
通告に従い、一般質問をいたします。初めに、子育て支援です。さきの総選挙でも大きな争点になった子育て支援、各党が競って政策を発表し、有権者にアピールしました。今定例会には小学校就学前3年間に属する児童を対象に、子育て応援特別手当が補正予算として上程されています。既に昨年度は、経済対策の一環として一部の子育て世帯に子育て応援特別手当が支給され、定額給付金を含めこれら臨時収入がどう使われたのか、総務省の家計調査を分析した一民間の調査ではありますが、興味深い記事が新聞で紹介されていました。「1回限りのお金は貯蓄に回り、経済効果はあまり期待できない。継続的な子ども手当のほうが消費を刺激する。景気をよくするならインフラ設備のほうが経済的効果は大きい」、これが家計調査を分析された方の指摘です。また、「財源が危うくなったり景気がよくなったら支給がやめられるような政策は家計にあっては信用されず、政策的な優先順位は現金給付より保育サービスの整備といった現物給付を」との大学教授の指摘も紹介されています。さらに社会制度や企業の子育て支援の充実を求める声、子供は一生お金がかかる、幼少期のみの支援では意味がないと、体系的・継続的な施策の必要性を訴える子育て世代の声の記事も紹介されています。保育サービスの整備で何より急がれているのは保育所不足の解消です。厚生労働省の調査で本年4月の認可保育園の待機児童は、前年同月との比較で 29.8 パーセント増の2万 5,384 人に上ると発表されました。これはいわゆる新定義での数値ですから、旧定義でカウントすれば数倍の数値になるだろうと言われています。国と自治体の責任で待機児童の解消を図ることは緊急の課題です。小樽市の認可保育所の定数は現在 1,530 名です。待機児童数の定義が変更になり、厚生労働省への報告では小樽市の待機児童数はゼロ人となっていますが、旧定義で見ますと9月1日現在で既に 19 名となっています。うちゼロ歳児が 13 名、1歳児が4名と9割近くになっています。この5年間の利用状況を見てみますと、新年度の4月時点でゼロ歳児の待機児童が生じており、圧倒的にゼロ歳児の定数枠が不足していますが、市長はそのように思いませんか、お伺いします。子供の成長は待ったなしです。まずはすべての認可保育所で産休明けからのゼロ歳児保育を実施し、さらに既に実施済みのところで毎年のように待機児童がいるところではゼロ歳児枠を拡大すること、また年度途中には1・2歳児の待機が増加していきますから、1・2歳児定数枠の拡大が急がれますが、市長のお考えをお示しください。次に、出産を理由とした保育所の利用について改善を要求し、質問します。第2子以降を出産したときには上の子は保育所に入所できますが、これは里帰り出産でも適用となります。小樽市での出産及び里帰り出産での認可保育所の利用実態の推移をお尋ねします。先般、小樽市在住の親元で出産された方から、「出産後あと一月保育所を利用できると考えていたが、規定で今月末で退所と言われた。飛行機に搭乗させての帰郷は心配なのでもう一月親元にいたいのだが、保育所の利用はだめなのでしょうか。」との相談を受けました。利用期間を変更できるどの理由にも該当せず、結局退所となりました。無制限に利用を延ばすべきではないと思いますが、出産時期は予定どおりにいかないこともあり、出産後の利用については柔軟性を持つべきではないでしょうか、お伺いします。高校生の奨学金についてお伺いします。「お金がないと学校に行けないの?」首都圏高校生集会が本年7月に埼玉県内で開催されました。集会開催の実行委員会が 2,092 人の全日制、定時制、通信制の高校生から集めたアンケート調査からは、高校生の8パーセントが高校の学費が高く、高校に通い続けられるか不安と感じ、アルバイトをして授業料や経費などを支払う高校生は 31 パーセントいるとの結果が出ました。さらに、学費のことで家族に迷惑をかけて申しわけないと考えている高校生が 26 パーセント、4分の1に上っています。高校生集会でのアピールの一部を紹介します。「この 10 年間で経済的格差や貧困が広がりました。この中で私たちは襟をつかまれて学校からつまみ出される息苦しさを背負って毎日学校に通い、学校生活を送っています。先進国のほとんどが高校、大学の授業料は無償なのに日本は有料です。また、奨学金や就学奨励金制度も基準が厳しく、卒業できない場合の返還する率も高く、返却できるか不安を抱かせる制度になっています。」、このように言いながら、授業料の無償化や私学助成補助の増額などを求めています。経済不況や企業戦略によって家計所得がこの9年間で 100 万円も減少したことに加え、国際的に見ても教育予算への公費負担は、OECD加盟国中比較可能な 28 か国の中では下から2番目、国内総生産比3.3 パーセントといった教育政策が子育て世帯の負担を増大させている大きな要因です。5月末に国会で成立した補正予算には高校生の授業料減免等に対する緊急支援が盛り込まれました。これを受けて北海道議会第3回定例会には、高校生の就学資金を基金として 18 億円を積み立てる補正予算案が提案されるといいます。我が党は、国政でも地方政治でも家計を気にしないで学ぶ環境の整備を訴え続けてきましたが、さきの高校生のアピールなどとあわせて国民世論の成果だと考えます。しかし、さきの高校生集会のアピールにもあるように、貸付けだけでは多くの高校生が利用できない状況であり、今、高校卒の就職状況が一段と厳しくなっている状況では、制度利用に当たって二の足を踏む現状が広がるばかりです。授業料免除だけでは高校生活を送っていけないことも確かです。教育費負担の軽減、無償化に向けた取組も、また急がれる課題です。小樽市の奨学金制度については、昨年の第2回定例会で我が党の中島議員が質問しました。対象枠の拡大、給付額の増額、申込締切りが早すぎることについて改善を要求しています。今年度の募集枠と応募人数について、まずお尋ねします。今まさに百年に一度の経済不況です。家計の事情で勉強を続けることに困難を極めている学生の実状をよくつかみ、実態に即した募集枠の拡大をすべきではないでしょうか、お尋ねします。再質問を留保して質問とします。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
菊地議員の御質問にお答えいたします。まず、保育所のゼロ歳児の定員でありますけれども、9月1日現在の入所状況を見ますと、定員 102名に対して入所児童数が 157 名と、定員を大幅に超えた児童数が入所しており、保育需要は高いものと認識をしております。現在、銭函保育所においてゼロ歳児の待機児童が6名おりますので、保育士を新たに配置し、当面2人を受け入れることにしておりまして、今後も引き続き児童の受入れに努めてまいりたいと考えております。次に、ゼロ歳児の定員の拡大でありますけれども、本年の4月1日からあおぞら保育園でゼロ歳児の定員を3人から6人に拡大するとともに、新たに産休明け保育を実施し、ゼロ歳児の受入れ拡大が図られたところであります。また、市内の認可保育所におきましては、ゼロ歳児を含めた3歳児未満児について、国で定める施設の最低基準等の範囲内で保育士を新たに配置するなどして、より多くの児童を受け入れるよう努めているところであります。なお、産休明け保育の充実や定員の見直しについては、今後の保育需要の動向や保育所のあり方検討委員会での議論を踏まえて対応していく必要があると考えております。次に、出産に伴う保育所の利用でありますけれども、里帰り出産を含め年間 10 人程度の方が利用しております。利用期間については出産予定月と前後各1か月、合計3か月を限度としておりますが、期間の延長につきましては、保育所の入所状況等を勘案し、個々のケースに柔軟に対応していきたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 菊譲(教育長は2011年3月まで)
菊地議員の御質問にお答えいたします。小樽市の奨学金制度についてですが、奨学生の定員は 70 人としておりますが、今年度は 27 人の枠に応募者が 53 人おりました。対象枠の拡大につきましては、長引く預金利率の低迷などにより基金残高が毎年減少し、厳しい運営となっておりますので、難しいものと考えております。(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
再質問 7番 菊地葉子
再質問をしたいと思います。ゼロ歳児や3歳未満児の保育については、市長も需要が高いことは認められています。この間、あおぞら保育園の努力などもあり、産休明け保育や、それから定員枠の拡大を行っていますが、それでもここのところずっと数年間、待機児童が生じているのです。しかも、ちょっと調べていただいたのですけれども、小学校就学前の子供たちで認可保育所あるいは認可外保育所、また幼稚園、そういうところにどれだけの子供たちが行っているのかということを平成 20 年度の状況で見ますと、認可保育所のゼロ歳児の枠 99 名に対して 181 名の入所があり、充足率は 182.2 パーセントと非常に高くなっています。4歳児では、21 年度で幼稚園とか保育所を利用していない子供たちは5人、0.6 パーセントしかいないのです。5歳児では 27 人で3パーセントなのですけれども、ゼロ歳児、1・2歳児は、もし保育が必要になってくると幼稚園もありませんから、本当に保育所しかないのです。この間ずっと出生率は下がりながらも、入所率は高くなっている。それだけゼロ歳児、1・2歳児の保育を必要としている家庭が増えてきているというのが現状なのです。私が言いたいのは、子供の成長は待ってくれないので、必要なときにはきちんと保育を提供する責任が自治体にはあるのではないかと。市長は在り方検討委員会の結果あるいは今後の需要の推移を見たいというふうにおっしゃっていますけれども、その検討委員会の結果が出て、それから対応を検討するのでは遅すぎる。緊急にそういうゼロ歳児あるいは1・2歳児の定員枠を拡大することが待たれているのではないかということを改めて訴えて、検討委員会の結果待ちというふうにならないでいただきたいということを訴えたいと思います。そのことについてもう一度市長の御見解をお尋ねしたいと思います。それから、里帰り出産に関しては大変前向きな御答弁をいただきました。必要に応じて個々にあきぐあいを見て検討していただけるということですので、特に自分のふるさとである小樽で出産をして、保育所の利用も含めて大変いろいろ便宜を図っていただいたというふうに感じて、今お住まいのところ、住民票のあるところに帰っていただくということが、私たち地元小樽市民にとってもそれは誇りだというふうに思っていますので、今回のケースはそういう思いを抱かないまま帰られたということが大変残念だと思っていますので、次回からはぜひ前向きに検討していただきたいということを改めて要望したいと思います。高校の奨学金なのですけれども、中島議員の質問についても対象枠の拡大は難しいと大変あっさりとした御答弁をいただきました。高校の授業料の無償化については、新政権の下でも積極的に対応していただけるということで大変うれしく思っていますけれども、授業料の無償化だけでは安心して高校生活を送っていけないということが一方ではあります。所得がどんどん厳しくなっている中で、せめてアルバイトをしなくてもいいというように勉学の環境を整えていただきたいと思うときに、この自治体における高校の奨学金というのは、そういうサポートをしていく大事な事業だというふうに考えています。今回、北海道のこの基金の積立ての中で出されています資料を見ましても、平成 16 年度との比較で言いますと、18 年度、19 年度、20 年度と、公立高校において貸付金を受けている生徒の割合がどんどん伸びてきているのです。まさしくこういう社会情勢を反映したものだというふうに思っています。私は、先に枠ありきというふうに考えますと、本来社会情勢だとか家庭の状況があって、子供の勉学を保障するという趣旨から外れていくのではないかというふうに思っています。まさしく百年に一度の経済不況ですから、せめてこの数年は枠を拡大して状況を見ようかという、そういう対応はできなかったものなのかということについて、改めてお尋ねしておきたいと思います。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
保育所の定員の問題ですけれども、小樽の実態からいけば公立の保育所の定員はまだ余っているのですよね。定員が9月1日現在で 535 人に対して 442 人しか入っていないのです。ですから、全体の需要からいったらまだ枠はあるのですけれども、ただ地域的な問題で自分の行きたいところの保育所に入れないという、そういう状況だと思うのです。ですから、非常に難しい問題だと思うのです。当面、今、銭函保育所のゼロ歳児で6人の待機者がいますから、すぐ保育士を採用するように話をしまして、24 日からもう1名入所できるようになりまして、来月またもう一人入れるという。なかなか今、年度の途中で保育士も集まらない状況ですが、できるだけ採用して保育需要に対応していきたいと思います。問題なのは、公立の保育所で定員 60 人に対して 37 人というところがあるのです。ここには定員きっちりの保育士を入れているのです。そこを柔軟に対応できないのかと。今、このA保育所からB保育所に行ってくださいと、そうやってもう少し柔軟に対応して、保育需要に対応すると。60 人のところに 37人しか入っていないのですから、たぶん暇でしょうがないのではないかと思うのです。だから、そういうものを解決していかなければ、定員だからといっても実数が少ないのであれば、それはやはり問題であると思いますので、その分少し研究をして、それこそうまく人を回せるような仕組みができないかどうか、これは検討していきたいというふうに思います。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育部長 大野博幸(教育部長は2011年7月まで)
菊地議員の奨学金の問題についての再質問にお答えをいたします。御承知のとおりなのですけれども、この制度はたしか昭和 27 年に市内の企業から御寄附をいただいてスタートした事業です。その間いろいろな経緯はありますけれども、何といいますか、社会福祉制度とかそういったものではなくて、市民の方々の善意によって成り立ってきている制度だというのがベースにあるわけです。ですから、今でも毎年いろいろな方から御寄附をいただいているわけですから、私どももそういった善意を継続して奨学金という形で、高校生の方々に学資の一部にしていただきたいということで考えております。その意味からしますと、やはり先ほど教育長も言いましたけれども、原資が減り、一つの大変な状況になっているというのは事実です。私どももいろいろな形で御寄附をいただいたり、あるいは貸付けの部分についての返還というものについては、きちんとやっていただくというような努力はしております。ただ、基金が一定程度増えているのであれば、支給人数を拡大していくということもあるわけですけれども、現実には財源が少なくなってきていると。ですから、今増やすと将来的にはまた大変な時期が早く来るという、そことの兼ね合いなわけです。ちょっと冷たい答弁で大変申しわけなかったのですけれども、もう一方では、今の高校生の授業料に対する補助あるいは無償化というのが議論されている状況もありますので、そういったものも見極めながら、小樽市独自の奨学金制度については、今後、検討していかなければならないだろうというふうに思っております。(「議長、7番」と呼ぶ者あり)
再質問 7番 菊地葉子
今、市長がおっしゃられた公立保育所については、私も前に勤めていたことのある施設なのですが、ここではゼロ歳児保育をやっていないのですよね。現場からはゼロ歳児保育をやってほしいという声を何度となく上げていったこともあるのですが、なかなかそうならなかったことも含めて、保育士を異動させるよりは、ここでゼロ歳児保育をきちんとやって子供たちを受け入れていただいたほうが、より市民のニーズに対応できるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
ゼロ歳児保育を行うためには施設的にハード整備が必要だという話も聞いていますから、ただ定数を増やせばいいという話でもないみたいですから、そういったことも含めて検討していかなければならないのかなというふうには思っています。