小樽市議会 平成21年第2回定例会 2009年6月17日
(1)公教育の取組と奨学金制度について/(2)保育料の無料化と児童手当について/(3)おたる水族館の今後について
2009年6月17日、小樽市議会の一般質問で、吹田友三郎議員が「公教育の取組と奨学金制度について」「保育料の無料化と児童手当について」「おたる水族館の今後について」について質問し、市長 山田勝麿、教育長 菊譲が答弁しました。
- 質問者
- 吹田友三郎 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、教育長 菊譲
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 吹田友三郎
一般質問をさせていただきます。世界を巻き込んだ金融の混乱は、日本の経済に大きな暗雲となって押し寄せており、この問題に直面してからの政府の政策はタイムリーと思われるものに乏しく、国民に安心感を与えることができるものとなっていないと考えております。この問題が発生する前は景況感はプラスでありましたが、一般国民は基本的な収入が増えないまま、さまざまな負担が増え、可処分所得の減少が続いてきました。このたびの世界恐慌のような荒波の中、日本の2次産業を中心に大幅な減産体制等により、正社員、臨時社員、季節雇用者を含め、大量の失業者を生むこととなり、低所得者の増加により、国民の間に看過できない所得格差を生んでおります。統計的数値を見ますと、先進諸国の中で、就学前及び大学段階での公費負担と私費負担割合では最下位のグループにあり、前者で私費が50パーセント、後者で58.8パーセントとなっており、我が国の学校教育費は特に乳幼児、高等教育の負担割合が高いところにあります。我が国の社会保障給付費は、2006年度で89.1兆円で、その内容は高齢者関係が社会保障全体の69.8パーセント、子供(家庭、家族)関係が3.4パーセントと政策の軽重がはっきりと表れております。本来、安定した国民生活、経済活動の中で適切な所得配分が行われている中でも、その範囲から外れた方を文化的な最低限の生活を可能とするために大切な税金を活用するものでありますが、現在は最低限度の生活を下回る方が月ごとに増加し、直近統計で生活保護対象者が一月で2万人ほどとなっているとのことです。このような経済情勢の中で、家庭の所得格差が子供の受けられる教育の質や量の違いにつながらないよう、国が必要な投資を行うべきと、ある懇談会の報告では出されております。これから、人間社会の最重要課題の少子化問題について取り上げます。まず、少子化対策の一つとして、家庭の幼児教育から高等教育までの教育費の負担の抜本的な削減を行い、安心して産み育てることができる施策が必要であります。ある報告には、塾に通わなくても確かな学力を身につけられるよう、保護者から信頼される公教育の確立が必要と言われており、本市の小・中・高という初等中等教育における公教育の学力の強化策について、どのような取組をされ、そしてどのような好結果を出しておられるか、お尋ねいたします。政府の教育再生懇談会の第4次報告の分析では、平成20年度全国学力・学習状況調査結果における就学援助との関係(小学校6年生)では、就学援助を受けている割合が高い学校のほうが、その割合が低い学校よりも平均正答率が低い傾向が見られる。また、就学援助を受けている児童の割合が高い学校は、各学校の平均正答率のばらつきが大きく、その中には、平均正答率が高い学校も存在するとの結果も出ております。初等中等教育の就学援助制度及び高等教育での貸与型奨学金制度の充実、そして給付型奨学金制度への積極的な取組を、地方自治体として一段目線を上げた施策が必要と思いますが、この点についてどのようにお考えか、お伺いします。また、奨学金の返済をされる新卒者の方で、本市に在住して就業された場合に、本市の単独補助制度で返還金の2分の1なりの助成制度を行うことにより、若年者の転出による人口減を防ぐ手だてとして、また他都市からの転入による若年人口の増加に寄与する施策の検討も必要と思われますが、御見解をお伺いします。次に、第2の少子化対策は、このような国民生活の中、結婚適齢期の若年労働者の生活は、多くの方々が家庭をつくり、子育てをすることができる経済的状態となっていないことが、少子化の最大の原因と認識しており、国レベルを含め、行政はこの点についての対策は非常に寂しい限りであると考えます。これまでは、企業も家庭の子育てにかかわって扶養手当によるバックアップもありましたが、大きな流れは女性の社会進出の影響もあり、個々人の働きに対しての報酬のみとし、扶養家族への配慮をなくす傾向となっております。現在の中小企業の多くは人件費の縮減を進めており、夫婦2人で働いて旧来の1人分程度の給料を考えているところであり、現在のような労働環境は自己実現のためとはいえ、あまりにも問題を抱えているものと思われます。最近の数値では、合計特殊出生率は1.37と1年間で0.03ポイントの上昇となっているようで、国は少し改善傾向が見られると言っておりますが、少子高齢化の速度はこれからトップスピードに入っていくこととなります。これまでも申し上げておりますように、少子化は子供を産み育てたい方にしっかりとした経済的サポートをすることが必要であり、保育費用の国庫負担を旧来の10分の8に戻し、市町村は保育料の保護者負担無料化の方向にシフトすることと、そして3人目、4人目の社会的な子育てをする方への児童手当の大幅な増額により、社会保障給付費に占める子供、家庭関係の割合を15パーセントぐらいにすることにより、少子化の流れを食いとめることができると考えますが、市長はどのような御見解を持っておられますか。また、地方自治を行う本市として実施できることをお尋ねいたします。次に、観光都市小樽についてお尋ねします。小樽観光の一翼を担っておりますおたる水族館は、本市が発行済株式総数47万株のうち24万株51.06パーセントの過半数を取得し、筆頭株主としての責任を持っております。自然の地形を活用し、さまざまな海洋動物の観覧施設としての企画等に現場の役職員が取り組んでおりますが、老朽化した施設を今後どのようにするかは、今後の小樽観光の大きなポイントと考えております。先般、旭川市の旭山動物園の前園長の小菅さんにお時間をいただき、旭山の40年の取組についてお聞きする機会を得ました。旭山を育てたのは、小菅さんをはじめとした施設職員に、行政のトップである市長、そして議会の三者のさまざまな努力により現在に至っていることがわかりました。現在では、新規の施設整備費用は動物園の収入で返済を賄える状態で、公立施設の手本のようになっております。お伺いしますと、今後の取組のアイデアがたくさんあるようで、とても楽しみにしていることが伺えました。おたる水族館は、今後の事業展開について筆頭株主の本市の考えが大きく影響するものと考えており、小樽港は貨物を中心とした港から、海洋観光を中心とした港へとシフトすることが必要と考えており、その中でおたる水族館の位置づけが重要と考えております。旭山動物園は第2の旭山も検討の中にあり、今後リニューアルではなく、全く新しい水族館を考えられてはと思いますが、このことについて市長はどのような御見解をお持ちか、お伺いいたします。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
吹田議員の御質問にお答えいたします。最初に、若年人口の増加に寄与する施策として、御提案のありました奨学金等の返還に対する市の単独補助制度についてでありますが、奨学金の制度は平成20年度で約122万人が利用している独立行政法人日本学生支援機構をはじめ、各都道府県や市町村、各学校法人、民間企業など、全国各地で多種多様に運営・実施されておりまして、未返還者に対する取り扱い方法、返還する年数や金額なども異なることから、一概に助成といっても制度設計上の課題も多く、実施は難しいものと考えております。市といたしましては、若年人口の定着を図るためには、何よりもまず若年者の雇用の場を確保することが重要であると考えておりまして、引き続き地場産業の振興や企業誘致を積極的に進めてまいりたいと考えております。次に、少子化対策に関連して保育料の無料化と児童手当の拡充についての御質問でありますが、これらはいずれも経済的負担の軽減につながるものではありますが、仕事と家庭を両立できる雇用環境や多様化するニーズに対応した子育て支援など、総合的な対策が必要であると考えております。本市では、これまでさまざまな子育て支援事業への取組や保育料の独自軽減を行っているほか、全国市長会を通じて保育料の徴収基準額の見直しや児童手当の充実などを国に要望しているところでありますが、実効性のある少子化対策につきましては、今後とも国が中心となって推進していく必要があると考えております。次に、おたる水族館の今後についてでありますけれども、おたる水族館は既に築30年以上経過し、施設の老朽化が著しいことから、平成17年に水族館職員によります新館基本構想委員会が設置され、主に新館建設に向けての展示内容について検討が行われました。その中で、本館については現在地での新築を前提とし、現在も検討が継続されていると聞いております。市といたしましては、今後その検討結果を踏まえつつ、将来の整備方法や資金調達などについておたる水族館と一緒になって検討していきたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 菊譲(教育長は2011年3月まで)
吹田議員の御質問にお答えいたします。初めに、小樽市における学力の強化策についてでありますが、保護者や市民から義務教育の学校において質の高い教育活動を願う声が多くあったことから、平成18年度にあおばとプランを作成し、その重点目標の1点目に確かな学力の育成を掲げ、3年間取り組んでまいりました。また、市教委では全国学力・学習状況調査等の実施により、その実態を把握し、学力向上に向けた改善への五つのポイントを示すとともに、学習意欲を高める指導方法などについての研修会の開催や家庭学習についての家庭向け啓発資料の発行、教員向け研究資料の作成などを行ってまいりました。一方、各学校においては、独自の学校改善プランを作成するなどしながら、保護者にこの取組を公表し、朝のドリル学習や放課後の補習学習などを通して、基礎・基本の定着を図る取組を行っております。子供たちの学力は、小学校1年生から組織的、計画的に、そして継続的に指導することによって、身についていくものであります。今後も、第2次の小樽市学校教育推進計画に基づき、授業の改善はもとより、家庭との連携の下、家庭学習の定着などに取り組んでまいります。最後に、就学援助制度及び奨学金制度についてでありますが、まず小中学生を対象とする就学援助については、その対象となる世帯の収入基準は各自治体で異なりますが、小樽市は生活保護基準の1.3倍を収入基準としており、道内10市の中でも平均的水準にあります。また、高校生を対象とする奨学金については、各自治体や日本学生支援機構、社会福祉協議会など幾つかの団体がさまざまな形で実施していますが、その多くは学資金を貸し付ける形態をとっております。この形態をとることによって、経済的な理由で就学が困難な生徒に学資金を貸し付けし、就職後償還することにより、次の就学困難な多くの生徒の学資金貸付けにつながるものと思っております。小樽市では篤志者からの寄附により奨学資金基金を設置し、これを原資として運営しております。年間の対象者を70人として、月額4,000円の給付と3,000円の貸与の計7,000円を支出しておりますが、長引く低金利の経済状況の中で基金原資が減少傾向にあり、事業の拡大は困難と考えております。(「議長、4番」と呼ぶ者あり)
質問 4番 吹田友三郎
今、御答弁をいただきました内容を含めまして、予算特別委員会、また常任委員会で確認させていただこうと思いますので、これで終わりたいと思います。