小樽市議会 平成18年第1回定例会 2006年3月7日
(1)道州制について/(2)合併新法と自治の在り方について/(3)後志グランドデザインと小樽市の立場/(4)政策立案への市民参加の在り方
2006年3月7日、小樽市議会の一般質問で、菊地葉子議員が「道州制について」「合併新法と自治の在り方について」「後志グランドデザインと小樽市の立場」「政策立案への市民参加の在り方」について質問し、市長 山田勝麿、教育長 菊譲が答弁しました。
- 質問者
- 菊地葉子 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、教育長 菊譲
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 菊地葉子
通告した要旨に沿って一般質問をします。去る2月4日から5日にかけて、余市町で「自立と自治体間連携を目指して」と題し、地方の時代の新展開を目指す余市フォーラムが開催されました。道州制の論議を含め、多様な自治のあり方や広域連合自治にも光を当てながら、新たな自治のあり方について道内各地から集った300名の住民、自治体職員が意見を交わし合いました。道州制特区構想については、2003年8月、小泉首相が北海道をモデルに道州制特区構想を打ち出し、27次地方制度調査会の最終答申で検討する必要ありと示され、2001年度からの北海道の道州制懇話会の報告以降、検討が進められていたものに弾みがつけられたかに見えました。平成大合併第2幕と道州制特区の進展の中で、北海道は地方自治制度の再編成のかぎを握っている。余市フォーラムはそのことを感じさせる内容でした。道州制と自治の問題についてお伺いしたいと思います。まず、道州制についてですが、機能の分担や地域の統合という観点からではなく、住民自治の原理の観点からの道州制は、どういうあり方がよいと市長はお考えでしょうか。また、道州制特区構想は、自民党の北海道道州制検討小委員会が行った関係各省への意見聴取では、道が国に対して求めていた権限移譲についてゼロ回答であり、ここに来て暗礁に乗り上げた感があります。市長は道州制の実現に期待を寄せていましたが、この一連の国と道の動きにどのような感想をお持ちでしょうか、お伺いします。これまでに示された道州制構想には、全国の知事の間から、時期尚早、広域化に伴う問題点があるなどと指摘されています。道州制をめぐっては道と国の間での協議を先行する進め方ではなく、連合自治の構想を含めた機能強化の追求など、市町村の意向に向き合って慎重に進められるべきと考えますが、市長の見解をお示しください。しかし、既にモデル的先行事業として、市町村で行うことで効率化が図れる事務事業や権限の移譲は実施されているようです。新年度に向けて小樽市に移譲される業務はどういった内容でしょうか、お示しください。次に、合併新法と自治のあり方についてお伺いします。道州制論議とともに北海道では合併新法の下、各自治体が新たな局面に直面し、自治のあり方について、それぞれの自治体がどのような展望、見通しを持つのか問われています。旧合併法の下で行われた市町村合併編入で、全国の市町村がこれまでより44パーセント減ったのに対し、北海道は15パーセントと合併は進みませんでした。北海道で合併が進まなかった要因について、市長はどのように受け止めておられますか。初めに伺っておきたいと思います。合併新法に基づく北海道の基本的な考え方と合併推進の流れが示されていますが、その点についてお尋ねします。合併組合せの基準の内容と基準のそれぞれについて、市長の見解をお示しください。基本的な考え方に基づき、市町村への意向調査が3月から4月にかけて行われようとしています。旧合併法では93のパターンがあり、一つのまちが二つから五つの選択肢があったのと比較しても、自治体の選択の幅を狭めた中での意向調査は、地方自治の根本精神を踏みにじるものとなっていると思いませんか。市長は意向調査に対し、どのようなスタンスで臨まれるのでしょうか、お伺いします。新合併法では、合併協議会設置の勧告権などが盛り込まれました。高橋知事は勧告権を積極的に行使していくと明言しています。さまざまな自治のあり方を認めない、合併ありきを推進していこうとするこのような態度は、憲法に保障された地方自治の精神をも踏みにじるものだとは思いませんか。旧合併法の下、後志管内では合併協議会が設置されながら、機は熟していないと合併見送りになったところ、自立の道を選択することとなったところなど、地方自治とは何かという根本的な問題について住民とともに意見、考え方を交え、住民参加のまちづくりの機運が大きく進みました。新しい自治のあり方を考える一つとして、今、後志グランドデザインが示されています。小樽市の立場についてお尋ねします。新合併法の下で小樽市が合併論議に加わるのははるか先と、のんびり構えるわけにはいかないのではないでしょうか。余市フォーラムの中でも、後志が自治のあり方についてさまざまに研究、前進しているのに、小樽市の動きがいまいち見えないと指摘されていました。後志10か町村と業務提携していく上でも、後志における小樽市のあり方を示していくべきではないでしょうか。そのプランはあるのでしょうか、お伺いします。北海道の自治のあり方を研究している酪農学園大学の河合博司教授は、旧合併法の下で自立プランの策定や合併に伴う住民投票が取り組まれたことを評価し、北海道の自治体には地域にしっかりと根を張った地域住民の営みなどが背景にあり、ここにしっかり立脚してこそ道州制の論議が成り立つ、住民の生活、意向を無視した自治のあり方は未来がないと指摘しています。改めて小樽市で住民の生活や意向に立脚した自治のあり方が検討されているか、問い直してみたいと思います。これまでの政策立案・決定に当たり、市民の意向にしっかりと向き合ってこなかった結果が、小樽市の財政状況を今に追い込み、小樽病院新築の問題でも、市営プールの問題でも、小学校の適正配置と同じ過ちを繰り返そうとしてはいないでしょうか。この間、小学校の適正配置問題とのかかわりで深く考えさせられたのは、住民の政策立案への参加のあり方です。学校の適正配置は小樽市の将来展望を見据え、住民の意思も含め、検討を重ねたい大きな課題の一つです。「(仮称)小樽市立学校の規模・配置の在り方検討委員会」を設置すると聞いております。委員会構成では市民公募も含まれるとのことです。小樽市のこれまでの審議会、懇話会の設置では、一般市民の公募は構成員の数人に限られてきました。学識経験者や教育関係者といった専門分野の方も必要ですから、それぞれの分野の枠組みだけは確保しながら、全員公募という形をとり、今後の審議会や懇話会のあり方の典型をつくってみてはいかがでしょうか。教育長の見解をお示しください。再質問を留保して終わります。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
菊地議員の御質問にお答えいたします。初めに、道州制のあり方についてでありますけれども、現在、北海道が推進しております道州制特区構想は、地域が権限を持って取り組むことで住民サービスの向上や地域の活性化につながり、地域主権型社会が実現するというものであります。このことは、できる限り住民に近いところで地域の実情に応じて住民の意思を踏まえた行政が行われるようにすることを目指しており、地域の基礎的・総合的な行政主体としてより大きな役割権限を担う道州制の導入は、これまでの中央集権型社会から地域主権型社会へ移行するために必要なものであると思っております。次に、北海道道州制特区構想に対する国・道の動きの感想でありますけれども、道州制特区の北海道提案について、各省庁が権限移譲案に対し移譲は困難という考えを示したとの報道がなされており、実現に向けてはまだまだ課題が残されているという感じを持っております。道州制の推進については、北海道及び市町村の自主・自立を促進するとともに、北海道経済の回復に寄与するばかりでなく、北海道全体の発展と道民福祉の向上を図るものでなくてはならないと思っており、国、道、市町村の円滑な関係が大切であると考えております。次に、市町村の意向に向き合って慎重に進めるべきとの御意見でありますけれども、この道州制特区構想については、国と道との関係であるとともに道と市町村との関係でもあり、今後、市町村の意向を十分に反映させるべく、市長会等を通じて議論を深めてまいりたいと思っております。次に、事務事業や権限の移譲内容でありますけれども、新たに平成18年度、北海道から小樽市に移譲となる事務権限は18権限であり、内訳は建設部が所管する宅地造成工事規制区域の指定に関する事務8権限と、保健所が所管する高度管理医療機器等販売業又は賃貸業許可等に関する事務10権限が移譲となることとなっております。次に、合併新法と自治のあり方でありますけれども、まず旧法の下で北海道の合併が進まなかった要因につきましては、道内で合併協議会に参加した市町村は73.4パーセントであり、それぞれの市町村では基本的な議論をしていると思います。しかし、そのうち約6割が、合併の機運が高まらなかったことを理由に合併に至らなかったようであります。北海道の場合、合併の機運が高まらなかった具体的な理由としましては、単独での機運の高さや寂れる地域への懸念、面積・地理的条件による課題、財政力格差などの背景があるものと推察できます。次に、市町村合併に関する道の基本的な考え方による組合せ基準でありますけれども、このたび示された合併の組合せ基準及び内容については四つの点がありまして、1点目は人口3万人ということで、合併後の人口の目安をおおむね3万人となるよう進めるというもの、2点目は最大時間距離80分ということで、行政区域内での購買行動や通院・通学・通勤などの移動時間を80分以内とするというもの、3点目は旧法下の合併市町村への配慮をするということで、既に合併を済ませている市町村の意向を尊重するというもの、4点目は地域の自主的な動きということで、北海道が目安とした統計分析結果に基づく市町村の結びつきではなく、市町村同士で自主的に合併の組合せを示した場合は尊重するとなっております。いずれにいたしましても、市町村合併は、市町村が住民の意向を踏まえて自主的に判断するものであると考えております。次に、市町村合併の組合せの意向調査への対応でありますけれども、小樽市は北海道の示した組合せの基準でもある人口規模3万人を上回っていることから、基本的には単独での自治体運営を目指してまいりたいと考えております。なお、周辺自治体の意向も踏まえる必要があるのではないかと思っております。次に、合併協議会設置に関する勧告でありますけれども、北海道の基本的な姿勢は、市町村合併はあくまでも市町村が住民の意向を踏まえて自主的に判断するものとしており、新合併法の中に合併協議会の設置の促進、都道府県知事による合併協議会設置の勧告が盛り込まれておりますが、ここでも関係市町村に合併協議会の設置の勧告をする場合には関係市町村の意見を聞くことが明記されていることからも、あくまで住民の意向を十分に踏まえて行われるものと認識しております。次に、後志グランドデザインと小樽市の立場でありますけれども、後志グランドデザインは後志町村会を構成している19町村で策定したものであり、小樽市は構成メンバーには入っておりません。しかし、北しりべし廃棄物処理広域連合のように、連合により効率的な行政運営が図られるものについては、今後も管内町村との連携を強めてまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 菊譲(教育長は2011年3月まで)
菊地議員の御質問にお答えいたします。「(仮称)小樽市立学校の規模・配置の在り方検討委員会」の構成についてでありますが、小樽市教育委員会は今後の市立学校の規模・配置のあり方について諮問し、検討をいただくため、検討委員会を設置する予定です。その構成につきましては、学識経験者や教育関係者、保護者の代表などに入っていただくほか、一般公募委員として数名予定しております。この検討委員会では、教育の制度やその効果など専門的な分野で検討していただくことも多く、学校教育全般について十分な識見のある委員の方々と、一方では保護者や市民の目線でお話しいただく委員の方によって構成することにより、幅広い論議をしていただけるものと考えております。そのため全員を一般市民の公募により構成することは考えておりません。(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
質問 8番 菊地葉子
道州制や自治のあり方の問題については引き続き意見を交わしていきたいと思うのですが、1点お聞きしたいと思います。市長は、旧合併法の下で北海道で思うように合併が進まなかった要因について、機運が高まらなかった、あるいは地方が寂れる懸念もあった、そのようなことが原因ではないかというふうにおっしゃいましたが、それでは今度の新合併法でそういう問題がクリアできるとお考えでしょうかというのが一つです。もう一点、昨日、大橋議員の質問に対しては札幌圏との合併のことも質問として出ていまして、そういう考え方もあるのだろうなと思っていたのですが、私は小樽の自然や環境や、それから歴史を生かしたまちとして、また、後志圏の中核市としてしっかりと立っていく、その役割はまだまだ大きいものがあり、後志圏の中での小樽市として、この先も自立したといいますか、そういう立場で臨んでいくべきではないか、その方がいいのではないかというふうに考えています。後志のグランドデザインの中では、それぞれ個別の自治体のあり方をきちんと保障しながら、さらにいろいろな広域でできるものをやっていくという考え方ですけれども、そういうふうに後志のほかの自治体が自治のあり方について研究、前進していく中で、小樽市はそういうところと広域の業務とか広域連合とか業務の連携とかを求められていく、その見通しを持った研究とかそういうことは庁内で何か検討されているのかどうかということについてお聞きしたいと思います。それから、教育長にお尋ねしますけれども、昨日、教育長は非常に言葉を選びながら慎重にお答えになっていたと思うのです。この間の経過を見ますと、本当に地域の住民の教育に対する思いだとか、それからこの間、小学校の適正配置のいろいろな過程の中で本当に慎重に論議していかなければいけない問題だと思いますので、あえてお伺いしたいのですけれども、教育の問題で専門的に論議をする、そのためには学識経験者や教育のさまざまな専門的な知識を持った方たちも確かに必要ですし、だからこそ、そういう思いとともに保護者や地域のそこの学校に我が子を通わせるという、あるいは昨日大橋議員の中にもありました、エゴという言葉も出ていましたけれども、本当に我が子がどうなるかということも含めた問題も突き合わせながら検討されていかなければいけないと思うのです。ですから、全部を公募するというわけにはいかないと言いながらも、教育委員会側からなってくださいというふうにして選んでいく人と、また、全く教育問題について積極的にかかわっていこうとする人の比率というのは五分五分あるいはもっと4・6の割合で、住民の方々の意見も尊重されなければいけないのではないかなと思うのですが、10人の中の3人を市民公募にするとか、そういうことではなくて、きちんと意見が尊重されるような配分というものについての考え方はどうなのかということについてお聞きしたいと思います。
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
合併の関係で、北海道が進まなかった要因ということでございますけれども、昨日もちょっと話しましたけれども、合併を進めたところの首長のアンケート調査で一番強く意識したものとして三つ挙げてくださいという質問の中で、市町村合併の大きな流れがあると。ですから、そういう一つの機運といいますか、そういうものがやはり北海道はちょっと盛り上がりが少なかったのかなという感じがしていますので、そういうお答えをしたわけでございます。それから、後志のグランドデザインの関係は、これは北海道町村会が北海道町村会として将来のまちのあり方をどうするのでしょうかという問いかけをして、これはそれぞれの町村で考えようという中で後志の町村会としてグランドデザインというものを考えて、将来的に19町村で後志市をつくるのだと、そういう話をした中で、合併できるところからやっていった方がいいのではないでしょうかというような考え方が底流にあるようです。小樽の場合の立場で見ますと、一応後志の関係については今までもいろいろな団体で連携ができないかどうか話合いをしておりますし、特に産業振興の面で、私の方からの持ちかけで産業振興の連携会議を立ち上げて何回か会議はしましたけれども、そういう面でちょっとそれぞれの地域事情があってなかなかうまくいかないといいますか、こういうこともあって、私の立場としては大いに連携を進めるべきだと思っていますから、業務の内容によっては連携できるものは連携していきたい。北しりべし廃棄物処理広域連合のようなものも、ほかの業務についても、こういう同様な形で進められるものがあれば進めていきたいと、こんなふうに思っています。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 菊譲(教育長は2011年3月まで)
菊地議員の再質問にお答えいたします。公募のあり方についてでありますが、委員の構成につきましては、今回の検討委員会設置の趣旨から、教育分野に関して識見を有する方々を中心に各分野からバランスよく集め、さまざまな観点から学校の規模や配置のあり方について議論をいただくもので、人選につきましては、各分野の団体から最も適した方を委員として推薦していただく方法が、私は最善であると考えております。議員御提案の専門分野ごとの枠組みで公募するという方法もあろうかと思いますが、専門分野ごとにそれぞれの適正を見極めることは極めて困難であり、また、バランスよくさまざまな分野から応募を得ることは難しいものと思っております。したがいまして、公募委員につきましては、市民の貴重な御意見をお聞きするという観点から、数名を公募するという考えに変わりはございません。なお、最終的には3月末の教育委員会で、また教育委員と話し合ってまいりたいと思っております。(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
質問 8番 菊地葉子
今の公募のあり方なのですけれども、そのことについては、専門分野の方々も公募にかけた場合に来るか来ないかわからないという意見もあると思うのですけれども、そういう専門分野の立場の人たちと同じぐらいのバランスで、一般市民の方々の公募の数をきちんと確保してほしいということで私は先ほど再質問したのですが、今までの諮問会議のあり方だとか懇話会のあり方だと、どうしても一般市民公募というのはせいぜい3名だとか5名だとか、全体のバランスの中では2割とか3割の程度なのです。そうではなくてきちんと五分五分のバランス、あるいはもっと市民の多様な意見をきちんと尊重するという意味では4・6の割合であってもいいのではないかと、そういうふうに考えるのですが、その辺についてはいかがでしょうか。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 菊譲(教育長は2011年3月まで)
菊地議員の再々質問にお答えいたします。分野ごとに選考基準を定めていくということはなかなか私、困難なことであり、透明性ということもあって、課題ではないかというふうに考えてございますし、また、道内の市町村、今盛んに小中学校の適正配置に向けて検討しているようでございますが、そこの手法だとかをいろいろと情報入手しましたら、先ほど仮称ではございますが、今私がその思いを話したところですが、そのような形で一応進めているところがほとんどでございまして、昨日もちょっと触れましたが、小樽の場合も協議していく中で、途中でまた皆さんの意見を聞くですとか、そういう場も設定するということで、教育委員会ともまた話し合っていく予定でございますので、そういうことで今から何対何ですとか、総枠何人ですとか、そこまでまだ至ってございませんので、そこのところは御了解いただければと思います。