みんなの議会

新冠町議会 令和元年第2回定例会 2019年6月21日

厚別川及びJR日高線からの土砂流出と農業、漁業に及ぶ現状と影響と対策

2019年6月21日、新冠町議会の一般質問で、竹中進一議員が「厚別川及びJR日高線からの土砂流出と農業、漁業に及ぶ現状と影響と対策」について質問し、町長 鳴海修司が答弁しました。

質問者
竹中進一 議員
答弁者
町長 鳴海修司

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 6番 竹中進一

6番竹中です。議長より発言の許可を得ましたので、通告に従い一般質問いたします。なお、お手元にお配りさせていただきました資料につきましては、許可いただいていた時間が余りございませんので、後段説明させていただきます。平成 15 年以前に厚別川水系比宇川の上流太陽地区に設置されている砂防ダムに、一時22全国的にブームになり行われたスリット化が施工されました。これによって尐し多めの降雨によっても比宇川の濁りが極端にひどい状況となり、特に河川の水を利用していた農家の農作物関係に打撃を与える等がございました。町もその対応に当たってこられた経過もあると思いますが、最近は当時よりは改善が見られているのではないかと感じておりましたが、一旦濁流となった際には、以前のような澄んだ比宇川までに回復いたすのに相当な日時を要しており、まだまだ回復がおくれている現状がございます。町もそのことに対してどのように認識されているのでしょうか。今後どのように対応され、万全を期してまいるのかお考えなのでしょうか。当時、砂防ダムのスリット化がなされたことによる影響への措置なのか、堤体内に溜まっていた土砂を相当数の大型ダンプによって搬出いたしておりました。この搬出だけにかかった予算はおおよそ1億円になっていたと思います。このとんでもない予算をかけたスリット化、土砂の搬出などの事業はどこからかの要請などがあって施工されたものなのでしょうか。また、事前に町にどの程度の相談や説明があったのでしょうか。下流で農業や漁業を営む方々をはじめ、関係住民に対する丁寧な説明などはなかったのではないかと思います。川からの土砂は流入対策として、えりも町の植樹による取り組みは全国的に知られておりますが、この事業はそれに逆行いたしていると言えるのではないでしょうか。いまだに堤体内には大量の土砂が堆積しており、大水が出た際には大量に流れ出るような状況とともにこの奥地の山は切り立っており、急勾配が多く、ネット検索いたしますと山の斜面の崩落が各所に認められている現状にございます。まず、この悪影響を回避するためにはスリット化した部分の復旧を強く申しでて、土砂の流出を止めなければならないのではないかと思います。この影響は今まで述べました農業にとどまらず、最近減尐著しい漁業へも相当の悪影響を与えているのではないかと思います。そこで、本年5月 21 日に新冠町新和のアメダスで 52.5 ミリ、浦河地方で 50 ミリの降雨があった3日後の 24 日に鵡川から幌別川までの主要な河口と漁港、海の状況を見てまいりました。結果、河川で一番の濁りは厚別川でしたが、海の汚れは海域によって相当の違いがあるということは、素人の私にもはっきりと見える状況が見てとることができました。まず、海の状況は厚賀漁港を境に、西側はきれいで東側は極端に濁っており、違いが一目瞭然でした。その濁りは東に向かっていて、当然節婦漁港にあってはさらにひどくなり、入り船漁港付近までに広がり、東静内漁港でようやくきれいな状況が見てとることができましたので、結果的には濁っている川による影響が大きいのではないかということを感じました。このことは、漁業に対し著しい悪影響を及ぼしているのではないかと思いますし、JR日高線、大狩部地区の護岸の崩落も長い期間放置されている状況となっており、節婦漁港の極端な汚れはこのことも重なり、重大な状況ではないかと痛感いたしております。これの一日も早い復旧がなされなければならないと思いますし、復旧に当たっては万全なものにしなければならないと思います。最近の海の汚れ方を見てもJRが施工する護岸では恒久的な対策にはほど遠いことになるので23はないかとの不安がございます。かたや、国の施工する工事では節婦の西側踏切付近を境とした護岸の状況を見ても明白ですが、万全の工事となっており、このような工事を行わなければさらに漁場に泥が溜まる事態になりかねないのではないでしょうか。今は泥を好むといいますか、濁った海でも大丈夫な魚しか住めないような状況に陥ることになっているのではないでしょうか。日高振興局産業振興部水産課様のご協力を得て、北海道水産現勢から見た新冠と日高管内の平成 20 年から平成 29 年までの 10 年間の漁獲高を見ても、漁獲数量の激減が見られ、日高管内は 66.54%の 33.46 ポイントの減、新冠町では 52.9%の 47.1 ポイント減、おおよそ半減にまで迫る結果となっております。我が町の漁獲別漁獲数量で極端に減尐しているのは、鮭が 54.63 ポイント減、たこが 53.72 ポイント減の半分以下となっており、コンブの激減も大きく、日高の特産となっていて、前任の振興局長、そして新任の局長もウニを日高の戦略産物にしていくことを発信いたしておりますが、残念なことにそのウニの漁獲高新冠はゼロとなっております。辛うじて漁獲卖価の上げ傾向により、10 年間の漁獲数量減尐は漁獲金額卖価の高騰によって幾分かはカバーしているかもしれませんが、日高管内の金額では 26.2 ポイント減、新冠町の漁獲金額では 20 ポイントの減となっております。このような状況が続くことになれば、先般同僚議員の一般質問にありましたように、持続可能な豊かな新冠町の漁業のあり方に暗い影を落としかねない大事なことではないかと思います。この際、比宇川砂防ダムのスリット化を止め、元の形に復旧をいたし、町長も汗をかいておられるJR日高線の崩落いたした大狩部地区の護岸の万全かつ早急な工事への取り組みが必要と考えますが、これらの件につきまして町長の考えを伺います。ここでお時間をいただき、資料1から9を説明させていただきます。この資料の作成に当たり、日高振興局産業課振興部水産課漁政係様のアドバイスをいただきました。掲載されております資料1から9までの写真データは、本年5月 21 日浦河地方で 50 ミリ、新冠町新和で 52.5 ミリの降雨があった3日後の同月 24 日に撮影した画像でございます。資料1厚別川支流比宇川上流砂防ダムスリット化と堤体前には川より高く土砂がたまっている状況と、途中で合流する小沢との汚濁具合の差及び厚別川本流との合流地点での濁りの違い。資料2から4、鵡川から幌別川までの主要な河川と海の汚れ。鵡川は既に澄んでいる状況と厚賀漁港を境に西はきれい、東は汚れている状況がはっきりと見ることが出来ると思います。節婦漁港付近の汚れがピークとなり、入船漁港付近までの汚れ、資料5、新冠町平成 20 年から 29 年までの漁獲数量の減尐。資料6、新冠町の平成 20 年から 29 年までの漁獲金額の減尐。資料7、新冠町の平成 20 年から 29 年までの漁獲種別漁獲数量推移と販売金額推移で主力魚種の抜粋。資料8、新冠町の平成 20 年から 29 までのサケの漁獲高の推移。別表としたのは卖位が大きいため、他の業種差よく表せないためでございます。資料9、日高管内の平成 20 年から 29 年までの魚種別漁獲高、金額と数量。管内も新冠町も減尐傾向ですが、サケとコンブ、タコ等の主力である新冠町の落ち込みは大きいと読み取れると思います。24

答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)

竹中進一議員からご質問の厚別川上流及びJR日高線からの土砂流出と農業・漁業に及ぼす現状と影響と対策についてお答えいたします。まず始めに、1点目の厚別川上流の砂防ダムスリット化における現状と影響、スリット化した部分の復旧を申し出る事は出来ないかについてでございますが、林野庁及び北海道の管理施設についてのご質問と思われますので、お答えできる範囲で答弁させていただきます。ご質問の河川汚濁や土砂流出は林地開発、開墾、土壌土質などが大きく起因すると言われているのはご承知のとおりですが、その時々の国、道、町の政策あるいは自然条件によるものであることをまずもってご理解願います。また、当該砂防ダムは、比宇川上流の太陽地区の国有林との境にあり、既設ダムを改築したものでありますが、スリット化は全国各地の河川発生災害の主たる要因が立木流出にあるとされ、これをある程度堤体内で食い止めながら水を流し、さらには流木止めも併用した方式で国民の生命財産を守るために導入された工法でありまして、平成15年8月の台風10号災害により、厚別川流域全河川においては、国有林からの大量の流木及び土砂が下流域に流出し、4人ものとうとい犠牲者を出した上、さらに営農や生活基盤にも甚大な被害をもたらせましたが、まさにこれに起因したことはご承知のとおりであります。このことから、再度このような災害が起こらないよう、比宇川の大規模な災害復旧を計画するに当り、砂防ダムについては北海道の所管事業として、砂防指定区域内の管理をしているところであります。ご質問の砂防ダムのスリット部分の復元要望につきましては、先に申し上げた採択要件と台風10号災害の教訓を踏まえ、国土交通省や北海道と慎重に協議検討していかなければならないと考えてございます。次に、2点目の当初、農業に対する影響もあり、町も対策を致した経過と今後は万全かについてですが、比宇川につきましては平成19年度から22年度までは、北海道による護岸補修、河床の堆積土砂の除去などが実施され、22年度からは町において河床の著しい土砂堆積箇所の除去など、毎年河川維持にて対応してきているところであります。また、北海道におきましても、砂防指定区域内の堆積土砂除去工事や流木除去も実施されており、日高单部森林管理署に対しましても、国有林からの濁水について、国有林内の状況監視の徹底や民有林も含めて必要に応じた治山や山腹要望、あるいは小規模治山事業による対応をお願いしている現状をご理解願います。3点目の平成20年から29年までの10年間における当町及び管内各町の漁獲量の減尐と川の汚濁水による海水との関連性についてでございますが、当町の漁獲量の推移を簡卖に申し上げますと、20年に1,037トンであった漁獲量は21年の1,492トンをピークに減尐し、22年から27年までは900トン前後を繰り返しながら、28年には777トン、29年には576tにまで減尐いたしました。このような傾向は管内各町とも共通しておりまして、主に減尐している魚種はサケやタコ、昆布となっております。この要因につきましては議員がご指摘25のとおり、海水の濁りが漁獲量の減尐に影響を及ぼしているものとも考えられますが、海水の濁りが尐ない浦河以東も同様に減尐していることを踏まえますと、海水温の上昇や潮流の変化あるいは外敵による補食、漁業者の減尐、資源量そのものの枯渇などさまざまな要因が漁獲量の減尐に影響を及ぼしているものと推測されますのでご理解願います。4点目についてですが、護岸の取り扱いにつきましては、海岸法により鉄道海岸は鉄道事業者が行うこととなってございまして、護岸擁壁の損壊箇所はJR北海道において、応急工事がなされているものの財政的な事情等から抜本的対策が講じられなく、日高町村会として国に対し護岸整備要望をした際、法令を盾に護岸対策については、まずはJR北海道が主体との見解が示され、国が直轄した形での護岸対策は困難であると認識してございます。しかしながら、日高線が仮に廃線となった場合には、海岸法により建設海岸の扱いとなり、北海道に所管が替わることから、護岸対策については道が責任を持って対応していくとの姿勢を示しておりますし、道庁内部での検討やJR北海道との協議を重ねているところと町長会議でも報告を受けてございます。さらに、JR北海道としても日高線を廃止する際に護岸整備の範囲、金額、費用負担などについて、道と協議しながら対策に取り組んで行くことの考えも示されてございますし、国費の充当は、所有権移転後、道と国との中で取り進められるものと考えてございます。高波や台風時には土砂の海中流失が続いていることや、時間の経過とともに被害箇所の護岸务化も進み、漁業者におきましては漁業被害を懸念する声を伺ってございますので、早急な対応の必要性は十分認識してございますが、一方で、日高町村会として、JR日高線の交通モードの方向性が一本化とならない状況でもございますので、協議の加速化についてはこれまで同様、町村会で意見を申し述べて行きたいと思ってございますし、道やJR北海道とも護岸対策についても協議して参る所存でございます。

再質問 6番 竹中進一

スリット化に対して町及び農業者、漁業者への説明はあったかのことについて再度質問をさせていただきますとともに、こうした漁獲高の減尐傾向は新冠町、管内また他の地域でも深刻な状態であることが今の町長の答弁の中でもございました。しかし、新冠町の減り方がやや極端ではないかということを私としては申し上げたいということでございます。海の中のことは専門家でも的確な予測や対策をとることが困難であると思います。自然相手、海を取り巻くさまざまな要因は到底私にははかり知れないわけでございますけれども、日高漁協協同組合新冠支所の組合員数についても平成 20 年には正組合員に 41 名、準組合員5名在席いたしておりましたが、31 年現在では正組合員数 23名、準組合数1名と激減いたしております。漁獲高の減尐による漁師さんの減尐なのか、高齢化によるものなのか、原因はさまざまであると思いますが、中には後継者がいて浜で生計を立てていく意欲のある方も見受けられております。日高振興局日高地区水産技術普及所静内支所様から伺ったお話では、新冠の海の汚れは 20 年ほど前に見た状況とさほど26変わりがないように思うとのことでございました。しかし、最近の漁獲される魚種を見ると、この 10 年間で量と種類に相当の変化が見られると思います。節婦の海には相当数のタコのアパートが投入されていますし、漁師さんたちもタコ箱を相当用意して必死に漁に備えておりますけれども、一向に効果が見えてこない。水産普及所のお話では、タコは 10年サイクルでたくさんとれることがあるとのお話がございましたので、一縷の望みをもっているかもしれません。しかし、このまま漁獲量の右肩下がりの状況が近年、10 年の傾向で続くようなこととなれば、深刻な状況に陥ることが想定されるわけです。素人考えかもしれませんが、泥を好まない卖価の高い魚種が減り、泥を好むというか泥に強いのではないかと思われる松川を含むカレイ類やツブは増えており、微増ですが卖価の高いナマコもとれています。しかし、サケやタコの漁獲減を補うだけには至っていないので、相当前から続いているこの海の濁りをきれいにして、漁獲量の回復に本格的に取り組むべきではないかと思い、冒頭申し上げました砂防ダムのスリット化協議をしていただくということでございますので、なんとかこれを復旧し、緊急性が求められるJR日高線護岸の本格的に工事や将来性のある魚種の見きわめ、開発など、その他考えられる有効な事業に取り組み、襟裳の浜のようにきれいな海を取り戻し、数年前にはとれていたウニやコンブなど、卖価の高い魚種の回復などを行い、浜の活気を取り戻すために汗をかく必要があるのではないかと思いますので、再度町長にお伺いいたします。

答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)

竹中議員の再質問にお答えしたいと思いますが、まずはスリット化の地域説明があったかということについてお答えしたいと思います。この方式採択に当たりましては、ご指摘のように地域への説明不足を認めた上で、施工主体の北海道町が陳謝し、後日現地において関係者地に説明をなしたと報告を受けてございます。ただ、先ほど申し上げましたように、これはこの工法はあくまでも大災害に備えて人の人命を第一に考えて採択した工法であることをご理解いただきたいというふうに存じます。また、他のご質問の趣旨は最初の質問内容と同様ととらえましたので、お答え内容が繰り返しとなりますことから、答弁は控えさせていただきたいと存じます。なお、漁業振興対策につきましては、日高協業組合をはじめ、関係機関と連携を図り、できるかぎり協力をしてまいりますので、あわせてご理解いただきたいと存じます。以上です。

再々質問 6番 竹中進一

答弁ありがとうございます。スリット化のことについてだけちょっとお伺いしたいと思います。スリット化が行われたその一番最初の動機といいますか、それは脱ダム宣言ではないかと思うんです。スリット化を行う最初の目的は、河川や自然を元に戻すというのが一番のねらいであったというふうに最初は伺っておりました。ということは、魚等が奥地に上ったりする自然にできるような状況に最終的にするということで、平成 15 年ごろに見たスリット化された状況とその後にまた工事が行われた状況は当27時よりもまだスリット化の状況が下げられているんです。そこで止まるのであれば当然魚道がつくわけですけれども、しかし、スリット化の究極目的は自然に還す。そのダムを魚等が乗り越えていけるような状況にするということが最終的な目的であるというふうに聞いております。ですから、これが逆にもっと下げて、本当に自然に戻すようなことも想定されているんではないかと危惧するわけですけども、その点についても強くそういうことないように要望していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)

お答えいたします。このスリット化の目的は、魚道の代わりに魚を上げるということを目的としたものではございません。あくまでも先ほどから申し上げたように、ダムを乗り越えて出てくる土石、または流木、それらを防ぐために堤体内である程度待ち受けをしておいて、さらにその下で流木止めを設置して、町民または住民の生命財産を守るというのが示してきてございます。ただ、道といたしましては、先ほども言いましたが説明不足ということは否めないということで、後で地域にご説明をしたというふうに伺ってございます。ただ、本来であれば、まだまだ下げるべきだというふうに国自体はおっしゃっておりました。それはなぜだというと、まだ土砂が議員ご指摘のようにあの中にまだ土砂が堆積してございます。ですから、あの土砂を堆積しない限りまた同じようなことが起きる可能性がございます。ただ、それがやったことが本当の原因なのか、土砂を取り除くときにどうしても重機が動きますから、土が動きますから、それに降雨が出たときにはどうしても一時的に濁ります。そういったこともあった中で地域としてはあれ以上下げないでくれという話がございまして、あそこで止めたという経緯だというふうに伺ってございます。できれば、本来であれば完全にとって、完全にダムの中をきれいにして、そうすることが今言われたような長く河川を濁すことにはつながらないのかなというふうに個人的に考えているところでございます。また、濁ってきた最大の原因は先ほども言いましたが、国有林の崩壊だとか、そういうとこがございますが、これにつきましては町がやっぱり林野庁に要求していくほかに、町自体が施工するわけにいきませんので、そういうことでご理解得ているというふうに考えてございます。以上です。

出典:新冠町議会 令和元年第2回定例会 2019年6月21日 議事録 PDF(21ページ) 間違いを知らせる