幕別町議会 平成26年第1回定例会 2014年3月12日
消防広域化を中止することについて
2014年3月12日、幕別町議会の一般質問で、増田武夫議員が「消防広域化を中止することについて」質問し、町長 岡田和夫、副町長 高橋平明が答弁しました。
- 質問者
- 増田武夫 議員
- 答弁者
- 町長 岡田和夫、副町長 高橋平明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 増田武夫
通告に従いまして、質問させていただきます。無線のデジタル化と分離して、消防広域化を中止することについてであります。北海道は、平成 20 年3月に北海道消防広域化推進計画を策定して、広域化を進めてまいりました。しかし、平成 21 年4月1日に富良野広域連合消防本部が、平成 24 年4月1日に広域再編された砂川地区広域消防組合消防本部があるだけでありまして、一向に広域化が進んでいない現状にあります。道は、平成 25 年 12 月の第2次広域化推進計画で、「広域化が進まない地域事情」について「広大な本道においては、広域化によってもスケールメリットを見いだせない地域もある」として、一つには、本道においては消防本部の管轄面積が全国平均の3倍と広大で、消防署所間の距離が大きく、現場への到着までに相当の時間を要するため、初動の出動体制増強、現場到着時間短縮が見込めない場合がある。二つ目として、本道においては、本部要員が警防要員を兼務し、専任の指令員等を配置していない消防本部が多いため、広域化を行っても本部要員の警防部門への配置や救急業務等の専任化が困難であり、人的スケールメリットが見込めない場合があるとしています。十勝圏は、1万 831 平方キロの面積を有し、秋田県(約1万 1,636 平方キロ)、岐阜県(約1万 621平方キロメートル)に匹敵する広大な地域であります。既にこの地域を帯広市と五つの事務組合に広域化されており、これ以上の広域化は道の言うように「スケールメリットを見いだせない地域」の典型ではないかといえます。にもかかわらず広域化ありきの強引な進め方によって、道自身が懸念している事柄をしっかりと検証して納得いく答えを出さないまま広域化に突き進むべきではないと考えるものであります。しかも、「自賄い方式」の解消、職員の均等待遇への移行など、懸案事項は先送りされ、解決の方向さえ明らかにされていないではありませんか。東日本大震災で明らかになったことは、地域に密着した消防力の重要性でありました。そのかなめとなるのが、地域の消防団や自主防災組織と自治体の消防組織が日ごろから連携をとって協力関係を構築することであります。こうした教訓を生かすことなく、広域化によって十勝を一つの指令塔にすることで、地域からますます遠ざかる組織に改編するということは、結果的に地域の防災力を弱めることになることは明らかではないかと考えるものであります。以上のことから、次の点について伺いたいと思います。一つ、広域化スケジュールによれば、十勝圏広域消防運営計画の成案化を3月末までに行おうとしておりますけれども、地域住民にとって安心・安全の確保に最も重要な消防組織の広域化を住民に説明責任を果たさないまま進めることは許されないのではないか。最低でも住民説明会の実施や議会での議論を尽くすべきではないかと思うがどうか。二つ目、運営計画(案)では、メリットばかりを挙げているが、町長はデメリットをどう考えておられるか。東西約 100 キロ、南北約 200 キロの広大な地域で、いざというときに、遠く離れた地域の状況を把握して適切な消防・防災活動が可能と考えるか、伺いたい。三つ目、5年間は現状を維持するとしておりますけれども、その後はどうなるのか。自賄い方式などの解消はできないのではないか、伺いたい。四つ目、スケールメリットを生かそうとすれば、忠類支署は最初に閉鎖の対象にされるのでないか。忠類地域にとっては消防支署が生活の安全・安心のよりどころであるけれども、閉鎖しないという担保はあるのかどうか。五つ目、無線のデジタル化の広域化と切り離して、十勝圏での消防広域化は中止すべきと考えるが、いかがでありますか。以上であります。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
増田議員のご質問にお答えいたします。「無線のデジタル化と分離して、消防広域化計画を中止することについて」であります。近年、急速な高齢化の進展の中、災害・事故の多様化や大規模化を初め、都市構造の複雑化や住民ニーズの多様化等を背景に、消防はこれらの環境の変化に的確に対応し、今後とも住民の生命、身体及び財産を守る責務を全うすることが求められております。しかしながら、人口減少社会を迎え、小規模な消防本部においては出動態勢を維持し、保有する消防車両や要員を確保していくことに限界があることや、組織管理や財政運営面での困難さなど、今後に向け、消防の体制として十分な機能を維持していくために、十勝 19 市町村は消防の広域化の検討協議を進めてまいりました。ご質問の1点目、「住民説明会の実施や議会への説明について」であります。これまで十勝 19 市町村は、平成 20 年8月から十勝支庁の参加をいただき「十勝圏広域連携検討会議」を発足し、翌 21 年4月に十勝圏複合事務組合内に設置した「消防広域推進室」が中心となり、市町村長会議、副市町村長会議、消防広域化担当課長会議、署長会議などで議論を重ねてまいりました。十勝圏広域消防運営計画(素案)は、これらの会議での議論を経て、決定されたものであり、その内容につきましては、25 年 12 月定例会中の総務文教常任委員会で報告させていただき、自賄い方式解消への懸念や広域化にならなかった場合のペナルティーの有無などについて質疑をいただき、お答えしてまいりました。十勝圏複合事務組合では、各市町村の 12 月議会の状況を踏まえ、12 月 27 日から1カ月間、十勝圏広域消防運営計画(素案)に対するパブリックコメントを行い、2月4日に開催された副市町村長会議において、その実施結果が報告され、原案どおり最終案を策定することが確認されたところであります。パブリックコメントでは、3人の方から、市町村ごとのメリット・デメリットについて記載してほしいことや広域化後の人事は役所間の縄張りを取り払うべきといった意見など6件が寄せられ、その扱いは、今後の参考とするものが2件、意見としてお伺いするものが4件とし、計画の修正は行わないことといたしました。本町においては、広報1月号でパブリックコメントの実施の周知を行うに当たり、広域化の基本的な考え方やその方法、スケジュールなど、計画(素案)の概要を掲載いたしましたが、今後におきましても計画概要を広報紙やホームページを用いて、わかりやすく住民にお伝えしてまいりたいと考えております。ご質問の2点目、「デメリットをどう考えているか」についてであります。北海道では、平成 25 年5月の消防庁告示「市町村の消防の広域化に関する基本方針」やこれまでの広域化に関する地域論議、市町村の意向を踏まえ、25 年 12 月に新たな「第2次北海道消防広域化推進計画」を策定いたしました。広域化に関して、「スケートメリットがない」あるいは「その効果が少ないため、広域化について賛同できない」と回答した後志、檜山、留萌地方の市町村の意見を踏まえ、道の推進計画の一部が見直されました。その中では、「広域化が進まない地域事情」として、消防本部の管轄面積が広大で消防署所間の距離が長く、現場への到着までに相当の時間を要するため、初動の出動増強、現場到着時間の短縮が見込めない地域や専任の指令員等を配置していない消防本部にあっては、広域化を行っても本部要員の警防部門への配置や救急業務等の専任化が困難であり、人的スケールメリットが見込めない地域があると追加記載されたところであります。一方、十勝圏においては、現在 19 市町村の消防本部や消防署ごとに行っている通信指令業務を一元化し、指揮命令系統の統一や指令業務の一元化を図ることにより、直近署所からの出動や携帯電話からの 119 番通報に係る転送回避による現場到着時間の短縮、加えて大規模災害等に対する初動出動態勢や応援出動態勢の強化や通信員の効率化による現場出動員の増強のほか、デジタル無線と指令センターの共同整備による財政負担の軽減などのメリットがあるものと認識いたしております。実際の災害時の指令は、消防局指令センターに入電と同時に、これまでのように市町村の区域にこだわることなく、至近の署所からの出動となり、管轄消防署に予告指令が流れ、おおむね1分以内に自動的に災害種別、出動種別、住所といった本指令と地図を示した出動指令書が管轄消防署に伝送されます。管轄消防署は、予告指令により出動態勢をとり、出動指令書が伝送された時点で出動するため、現場到着時間が現状より遅くなることはなく、かつ地図情報の活用が可能となりますことから、適切な消防・防災活動が可能となるものと考えております。ご質問の3点目、「自賄い方式の解消について」であります。これまで、消防広域化に向けて 19 市町村が、さまざまな論議を重ねてまいりましたが、「自賄いを全て解消し広域化をスタートすべき」、あるいは「自賄いを残すべき」など市町村間での温度差があることから、それらの論議に多くの時間が必要な状況でありました。そのため、24 年6月4日の市町村長会議において、広域化の時期を平成 28 年4月とし、スタート時点では「どういう形が望ましいのか」という観点から、19 市町村の全てが越えられるハードルの高さに調整した「十勝圏広域消防のスタート時の姿」、いわゆる調整案のたたき台を作成し、これをもとに論議をすることとし、10 月 30 日に「スタート時の姿」が確認されたところであります。「スタート時の姿」では、今後一定の投資を行う通信指令システムの効率的な運用を第一に考え、消防本部を統一し、指揮命令系統の一元化を図ることを第1ステップとし、各市町村の署所の運営等については、現行どおりスタートし、いわゆる「自賄い」の解消については、広域化後5年を目標に、給料表の統一や広域人事異動を実施するなどの効率化を図り、人員、車両、水利などは広域化のメリットを最大限に生かせるよう、今後検討していくこととしたものであります。十勝圏広域消防運営計画(素案)は、この「スタート時の姿」をもとに作成したものでありますことから、職員の処遇など組織管理上、早期に統一が必要な事項については、広域化後5年時点で帯広市の諸制度に合わせることを基本とし、その他の事項については、広域化後の検討を継続し、段階的な解消を目指すこととしたものであります。ご質問の4点目、「忠類支署が閉鎖されるのでは」についてであります。広域化スタート時においては、署所の運営は現行どおりの体制を維持することとしており、十勝圏広域消防運営計画(案)の中でも、「地域における消防サービスを維持するため、現行のまま広域消防に引き継ぐものとします」としたところであり、将来にわたって現署所体制を維持することを約束したものとはなっておりません。しかしながら、平成 25 年4月に改正された「市町村の消防の広域化に関する基本指針」には、広域化により消防力が低下するようなことはあってはならないこととしており、広域化後5年を目標として作成される「消防力の整備指針」では、現行の施設、車両、出動態勢を維持する水準を設定するものとなりますことから、地域の消防力については維持していくものと認識いたしております。ご質問の5点目、「無線のデジタル化と分離し、消防広域化は中止すべき」についてであります。消防救急無線は、平成 15 年 10 月の電波法関係審査基準の改正により、平成 28 年5月 31 日までにデジタル方式に移行しなければならないこととなり、消防庁では、整備費用軽減の観点から、消防救急無線を広域化・共同化し、また消防指令業務も共同運用していくべきと考え、各都道府県に消防救急無線の広域化・共同化や消防指令業務の共同運用の推進について通知したところであります。デジタル化の整備に当たっては、システムの機能と整備費用のバランスをとった上で、当初の整備費だけではなく、その後の長期にわたる保守費用も考慮する必要がありますことから、十勝圏での共同設置と 19 市町村単位で整備した場合の比較検討を行ってまいりました。平成 24 年度に実施した基本設計では、十勝圏で共同整備した場合、19 市町村がそれぞれ単独で整備した場合と比較し、整備費で約 13 億 9,000 万円、機器等の維持管理に係る毎年の保守運用費用につきましても、広域化後 10 年間の合計で約2億円の減額となり、合計で約 16 億円の削減効果があるとの報告がなされております。また、通信指令業務を一元化し、指揮命令系統の統一や指令業務の一元化を図る高機能指令センターの整備は、先ほども申し上げましたが、直近署所からの出動や携帯電話からの 119 番通報に係る転送回避による現場到着時間の短縮のほか、大規模災害等に対する初動出動態勢と通信員の効率化による現場出動員の増強など大きな効果を発揮するものと認識いたしております。この高機能指令センターの運用には、広域化し一部事務組合を設置し管理する方法のほか、消防本部が他の消防本部に司令管制業務等を委託する「事務委託方式」や、一つの消防本部に他の消防本部の通信員を加えて指令管制業務を共同で実施する「協議会方式」が考えられます。いずれの方式も高度な設備を効率的に整備できるメリットはあるものの、一部事務組合方式以外の方式では、責任はそれぞれの消防本部や市町村が有したままとなるため、指揮命令系統の一元化による効果に限界があり、管轄区域の撤廃もなされないことから現場到着時間の短縮にはつながらない結果を招いてしまいます。十勝圏では、指揮命令系統の統一による指令業務の一元化、それに伴い必要になる指令設備の高機能化によって、現場到着時間の短縮や初動態勢の強化、通信員の効率化などの消防力の充実強化と財政負担の軽減が図られるとし、広域化と同時に高機能指令センターを始動できるよう整備を進めてきたものでありますことから、このメリットを実のあるものとするためにも消防広域化を推進してまいりたいと考えております。以上で、増田議員のご質問への答弁とさせていただきます。
再質問 17番 増田武夫
それでは、再質問させていただきます。この消防広域化につきましては、この一般質問でも過去に取り上げられてまいりました。平成 23年の9月には中橋議員が、23 年の 12 月には寺林議員が取り上げたわけであります。そのときに問題になったさまざまな懸案がなかなか解決に至っていない。そのとき、問題になったのは、一つには自賄い方式が今後どうなるのかという問題でありますとか、また地域住民に対する説明はしっかりと行われていかなければならないというようなことが問題にされていたところでありますけれども、なかなかそうした点での解決がおくれたこともあって、広域化そのものも先送りされてきたわけであります。そうした中で、国が出した広域化に対する基本指針によりますと、推進計画を定める市町村の組み合わせ及び都道府県における必要な措置に関する基準という中で、自主的な市町村の消防の広域化の推進に関する基本的な事項ということを定めておりまして、その中には広域化は市町村、住民、消防関係社等の理解を得て進めていくことが肝要であり、これらの関係者のコンセンサスを得ながら推進していくように努めることと、国の指針でもそうされているわけであります。そうしたことを考えますと、その1問目の質問にありますように、やはり住民とのコンセンサス、住民との理解を得ながら進めることが基本でなければならないと思うわけでありますけれども、残念ながら、これまで過去の一般質問の中では自賄い方式の合意なんかがとれないので、住民説明会は今の時点では開ける状態ではないというようなことを答弁されているわけですけれども、いまだに住民説明会などは開かれていないと。やはりそうした国や道の方針からいっても、きちんと住民の合意を得る手だてを踏まなければならないと思うわけであります。この1月に住民の意見を聞く機会を持ったということで、なかなか、3件ほどしか集まらなかったようでありますけれども、この背景にはやはり広域化そのものに対する説明が不足しているということも一因にあるのではないかと思います。今からでもしっかりと説明していく必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
住民説明会、実は他町村の例を聞きましても、どこもほとんど現実的には行われていない状況にあります。おっしゃられるように、そういう意味ではまだまだ配慮が足りなかったかなという反省もありますけれども、往々にして必ずしも住民の皆さんに周知をし、理解をしていただく中では、全てが住民説明会にかかわるものでもなく、あるいは広報での周知ですとか、いろんな周知の方法もあったのだろうと思いますし、もちろん消防団の皆様を初めとする関係の方々にはこういったことについての説明もなされてきた経緯があります。もちろん今さらということですか、帯広市もこの間2月に実施したら、わずかに5名か6名しか集まらなかったというような実情も聞いておりますけれども、私どももう一つは帯広市の場合も担当者に聞きますと、やはり住民の皆さんからすると、広域化に対してそれほどの、いわゆる直接かかわってくるものがない、いわゆる関心度が少ないのではないかということもひとつ言われております。今、住民の皆さんに広域化になるから、例えば皆さんの生活がこうこうこうこういうふうに変わります。今までの防災活動、今までの消防活動とはこういうふうに違いますというようなことが、なかなか直接本人、住民の皆さんには伝わらない部分があるのかなというようなことで、いわば住民の皆さんに対する私どもの説明あるいは理解を得るための努力というようなことが生かされていない、伝わっていない部分があるのかなというふうに思っておりますけれども、一面ではなかなか関心が薄いという場面もあるやにも聞いております。
再質問 17番 増田武夫
この問題、広域化問題はそもそも住民の要望から出てきたものでないわけですよね。やっぱり国の組織編成、消防組織の法改正から始まって、やはり上から広域化を進めてきたことから住民の関心がないということにも結びついているわけで、そうした点ではやはりもう少し丁寧に説明してこの広域化を進めていく必要があるのではないかというふうに思うわけです。2番目のメリット・デメリットの問題に移りますけれども、国の広域化に関する基本指針では、広域化のメリットといいますか、目的として、一つには災害発生時における初動態勢の強化、それから二つ目には統一的な指揮のもとでの広角的な部隊運用、それから本部機能統合の効率化による現場活動要員の増強などがありますと同時に、消防署所の配置や管轄区域の適正化による現場到着時間の短縮などなどがその目的として挙げられているわけであります。こうしたものが本当に広域化によって達成されていくのかどうかということをやはり検証してみなければならないというふうに思います。道では、平成 20 年3月に計画を策定して、富良野が平成 21 年4月、それから 24 年の4月に砂川地区の広域化がなされたわけでありますけれども、その広域化された富良野でありますとか、上砂川に研修に行かれた方々の話を聞きますと、広域化によるメリットを感じられないと、そういう説明はされていないという話も聞いているわけです。やはりそこではいまだに自賄い方式などは実現していないわけでありますし、今、広域化、国は広域化による規模の基準として、人口 30 万人以上の規模にすることが一つの目標として掲げられているわけですけれども、その中で面積の目標というのは持てないのですよね。なぜかといいますと、その中でも述べられておりますけれども、しかしながら、各市町村は管轄面積の広い狭い、それから交通事情、それから島嶼部などの地理的条件だとか、広域行政、地域の歴史、日常生活圏、人口密度及び人口減少などの人口動態等の地域の事情をそれぞれ有しているため、広域化対象市町村の組み合わせを検討する際には、上記の規模目標には必ずしもとらわれず、小規模消防本部の広域化を事業に推進するいことが望ましいと。結局、30 万人という目標は置くけれども、広さだとか、いろんな条件でそれにこだわらないでやらなければだめだということも国の指針の中でも出されているわけなのです。ところが、この十勝の広域化の場合は、質問でも述べましたけれども、十勝の面積が1万平方キロを超えて、そして秋田県や岐阜県とほぼ同じような面積になっていると。富良野の広域化の面積を見ますと、2,183 平方キロだと。現在の東十勝の消防の面積は 2,116 平方キロだと。富良野の広域と同じ面積なのです。全道の管轄面積の平均は 1,264 平方キロ、北海道を除く全国平均は 420 平方キロ。北海道は今でも全国の3倍の面積を有していますと。町長の答弁にもありました、私の質問にもあるように、道はなかなか広域化のスケールメリットが出てこないようないろんな事情があって、初動の出動体制の増強や現場到着時間短縮が見込めない場合もあると。それから、人的なスケールメリットが望めない状況もあると。指令の部門なんかは、みんな兼務でやっているというようなこともありまして、通信要員などが。そういうような状況があると。やっぱり国や道が第2次の計画で指摘しているように、そうしたスケールメリットやいろんな効果が出てこられない、出せない最も典型がこの十勝の広域の合併でないかと。一つにすることによって岐阜県や秋田県と同じような地域を一気にカバーしなければならないというような、そういうことを道が心配するようなことの典型になっているのではないかと思いますけれども、それに関してはいかがでしょうか。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
面積的なことについて今ご質問いただきましたけれども、確かに岐阜県に匹敵するぐらいの十勝の面積を一つの消防で対応していくということですから、当然困難な部分もあるのだろうというふうに思いますけれども、ただ、私どもはそうした、今、五つの事務組合、さらに帯広市を含めたものを一つにすることによって、さらに十勝の消防力を向上し、そして地域住民の皆さんの安全・安心のために消防行政を消防の活動を続けていこうということで、いろんな困難を一つずつ乗り越えてよりよい消防広域化を成し遂げようと。それで、何年もかかって苦労をしてきたわけであります。そんな中で、やっぱり一番多くのデメリットと言われたのが、やはり今ある自賄い方式の解消ですとか、署員を今後は一括採用してそれぞれの地域に配置するというような、いわゆる今はそれぞれの消防署がそれぞれの職員を採用しておりましたから、いわゆる消防署員と団とあるいは地域との密着というようなものがかなり強いものがあるわけですけれども、今度は帯広市で採用されたのが陸別に行ったり広尾に行ったりするわけですから、そういった面がデメリットとしてあるのではないかと、こういったことが言われておりますけれども、消防力ですとか、今言う救急業務に対してのデメリット、これは今の段階ではそうはないと。ないというよりは、逆によくなって、メリットが大きいという判断の中で今進められているわけでありますから、ましてや住民の皆さんに広域化になったから逆に不便になったとか迷惑をかけるというようなことには私はならないだろうというふうに思いますし、もちろんなってはいけないのだろうというふうには思っております。
再質問 17番 増田武夫
いろいろメリット、デメリットのお話、その組合のほうでも話されているようでありますけれども、3年前に東日本大震災が起こりまして、そのときにこの一番の教訓といいますか、その地域の人々の命などを救うのに一番重要だったのが、地域の助け合いだったと。地域の自主防災組織なんかも含めた消防力ですよね。それがやっぱり最大の重要な問題だったということがずっとこの間語られてまいりました。そのことを考えますと、今回の広域化の最大のデメリットは、そうした地域との消防との結びつきをやはりそれでそれをそいでいくことになるのではないかと。そのことが一番のデメリットではないかというふうに思います。そして、やはりこの広い 19 町村の、しかも1万平方キロメートルもあるようなこうしたところに組織を一つにして、そして指令を、指令塔を1カ所に集めて、そしてやっていくことが本当に隅から隅まで自主防災組織、消防団を初めとしたそういう地域の消防力をしっかりと生かして血の通った組織にしていくことができるのかどうか、ここがやはり一番大きな問題だというふうに思うのです。やはり今でも、先ほども言いましたように、東十勝の消防事務組合は 2,000 平方キロ超える広さを持っていまして、そういう中で協力しながら、例えばその面積も富良野の広域消防と同じ面積を持っているという中で、それをさらにそれだけ大きなものにして指令塔を一つにしていくということが、地域の自主防災組織や消防団との結びつきを弱めることになるのではないかと。現在でも広域なわけですけれども、そうした中で、しっかりと地域の消防団や自主防災組織との血の通った連携をとってやっていくことが将来大きな災害起きたときの一番大きな力になるのではないかとそう思いますけれども、いかがでしょうか。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
地域の消防署あるいは消防団さらには自主防災組織、それらは広域化したからといって何ら変わるものではありません。あくまでも幕別消防署も忠類の消防署もそれぞれの消防署があり、それぞれの消防団は今のまま残るわけでありますから、そこと地域住民とのかかわりが、今言われるように連帯意識がそがれるとか、そういうことには私は結びつかないだろうと。住民にしても火事が起こって 110 番するのは今までと同じであります。ただ、受けるほうが一つになってそこから次の指令が出るということですから、そのことによって時間がおくれるとか、初動態勢に影響が出るとかということはないわけですので、面積が広いから決して消防を広域化して、さらに不利益になるようなことが住民の皆さんにはかかってくるということは私はないと思うし、逆言えば、消防団や消防署は今以上に地域住民の方々と密着な関係の中で消防団あるいは消防の活動をしていくことが求められてくるのかなと、そういう思いではおります。
再質問 17番 増田武夫
理屈はそうだと思うのですけれども、だけれども、この十勝の広域の計画の中を見せてもらいましても、地域の消防団との連携の確保ということが問題になっているというか、1個挙げられておりまして、やはり広域消防組合との連携協力体制を確保するために、消防団と定期的な連絡会議をやっていくのだと。定期的というか、一月に1回やるのかどうかわからないですけれども。そうやって十勝全体を集めて、そして連携の会議をやっぱり定期的にやっていかなければならないような大きな組織になった中での対応だということなのです。だから、今までと消防団も自主防災組織も変わらないよと言っても、やっぱりそういう大きな組織になった中で、そしてしかも指令する人がトップが十勝全体を掌握していくということ、これはやはり相当な努力をしなければ地域の防災組織をしっかりと協力体制の中に組み込んでいくことはできないのではないかというふうに思うのです。例えばこの中にも出てきますけれども、大きな災害なんかが起きたときに、もちろん市町村に防災会議があって、そういう体制起きたときに、市町村長を長としたそういう体制をつくって消防団などと連携してやっていくわけなのですけれども、この消防団への命令系統というものが町長からの命令と、それから消防局、この十勝一つの消防局からの命令系統と二つの命令系統ができるようになっているのですけれども、やっぱり私考えるのは、陸別から広尾、新得からこの浦幌というような広い状況の中で、それを消防団を指揮命令し、災害に対処していくのにやはり地元をしっかりと掌握したものがきちんと消防団なら消防団、消防の支署なら支署を指揮命令していく体制でないと、しっかりした指揮命令はできないのではないかと。その辺をすごく心配するわけです。そのことはスケールメリットだとかいろんなことで出てこないという心配と同時に、そういう図体が大きくなり過ぎたためにしっかりと機能していかない。これはその指揮命令するトップの人が万能ではないですので、あっちの町村もこっちの町村も全てを状況を把握した中で指揮をとっていくということは、恐らく不可能ではないかというふうに思うのです。そうした点で、今でも広域化されている状況の中で、さらに大きな組織にしていくということのメリットがしっかりと出てこないのではないかと。その点についてはいかがでしょうか。
答弁 副町長 高橋平明(副町長は2015年3月まで)
消防団に関しましては、本来、原則的に市町村長のもとで、市町村長が行う事務の範囲に含まれますので、現状では消防団、言ってみれば、消防団長の任命は市町村長が行うということです。広域化の中に消防団そのものは含まれませんので、あくまでも消防団が活動するのは、その市町村の範囲内ということであります。これは特別な大規模な災害となれば別ですけれども、ただそのときのために、消防局長が命令ができるようにするためには、消防団との事前協議による計画をつくってからでないと、消防局長は消防団に対する命令はできませんので、それはどんなことを想定しているかというと、これは言ってみれば、とても大きな大規模な災害が発生した場合には一元化をしてというようなことを今の場合は想定をしているわけでありまして、通常の災害あるいは消防活動に関しましては、現状と変わらず、市町村長の事務委任を受けております消防署長がその権限を持って発令するということですので、消防団がほかの町村の現場に行くということは現状では考えにくいというふうに考えております。
再質問 17番 増田武夫
こうして大きな組織になって、そしてそれが有機的に働いていけるかどうかというのは、非常に大きな課題だというふうに思うわけですけれども、さらに本部機能統合等の効率化による現場活動要員の増強が大きな課題としてあげられて、そうやって広域化することによって、現場の要員が増強されていくようなふうにもとれるのですけれども、しかしながら、今度の広域化のあれを見ますと、消防局の定員配置は 89 人から 68 人、これは 89 人というのは通信要員のカウントを3分の1ぐらいに絞ったといいますか、そうした中でのあれで、実質的には 21 人減ることになる計画になっているのですよね。そうして、通信要員などを中心に 21 人ほど合併したら減ることになるのですが、そのことによって道の心配の中にもあるように、結局、今の消防組織の中では、通信要員やほかの要員が兼務している状況の中で、通信要員を減らすということは兼務していますので、ほかの警防だとかそういうところの実質的な人員削減になってくるわけなのですよね。だから、そのことを考えれば、広域化が現場活動要員の増強にならない。逆に、減員されることに実質的にはなっていくわけで、そういうことを考えると、人的なスケールメリットがそれこそ見込めない合併になると思いますけれども、いかがでしょうか。
答弁 副町長 高橋平明(副町長は2015年3月まで)
確かに、通信員としての削減分の数で、東十勝で申しますと 12 人から4人、3分の1で計算をしております。ただ、これは新しい十勝広域消防局になったときの通信員の必要数をもとに今現状で通信員としてカウントされている方の中から、では、計算をするとこういう形になりますよということでありますので、現実的に消防署員の総数が変わるということではありません。ただ、広域化されたときに、人数が減るのはどこかといいますと、現実的には東十勝で言うと、消防本部でいいますと職員数、これらは広域化されたときには、消防本部そのものが必要なくなりますので、その分の減員数のことも含めてカウントしていますので、現実的に消防職員が通信員が3分の1で計算されたとしても、現実今、勤務している消防署員の数そのものは減らないというふうに考えております。
再質問 17番 増田武夫
どっちにしても、増強にはならないということですよね、減らないにしても。増強にはならない。それから、初動態勢の強化といいますけれども、平成二十何年でしたかに消防署員に、平成 22 年でしたか、いろいろアンケートをとった結果、現状でも初動態勢をとるのが非常に困難な場合があるという、困難だということを4割の人が回答しているというようなことも聞いたわけですけれども、そうしたことを考えても、やはり初動態勢の強化だとか、現場活動要員の増強にはなかなか広域化が減らないにしても広域が結びついていかないということだというふうに思うのです。そういうことを考えますと、なかなか意図するような広域化の、道自身も認めているように、スケールメリットだとか、いろいろなメリットが出てこないという、その現実にはなかなか応えていかれない広域化だというふうに思うのです。それから、温存せざるを得ないような自賄い方式が、その自賄い方式の検討のために広域化も少しずつ先延ばしになってきたような形だと思うのですけれども、それだけ協議しても合併後5年間は自賄い方式を温存したままいって、さらにその先はどうなるかということは、協議していかなければならないような状況ですよね。なかなかこの自賄い方式が町長自身の答弁にもありますように、いろいろな町村によって温度差があって、で、この自賄い方式の解消、これ組織を広域化してやっていく一番大きな方向としては、そういう自賄い方式なども全部解消して、組織が一つになっていくということが最終的な目標だと思うのですけれども、その一番大事なところといったらちょっと語弊があるかもしれませんけれども、組織をつくっていくのに一番大事な自賄い方式というものが温存されていったのでは、広域化のメリットというか、広域化の目標そのものがそれこそ曖昧になってしまう、ぼけてしまうのではないかと思いますけれども、いかがですか。
答弁 副町長 高橋平明(副町長は2015年3月まで)
自賄い方式につきましては、確かに議員のおっしゃるとおり、全てを解消して広域化された消防局になるのでしたら、全てが同じ条件で職員の給料含めて、スタートするのがこれが当然の姿だというふうに私どもは認識をいたしております。ただ、現実的に町長からも答弁ありましたように、それぞれの市町村がそれぞれの消防職員に対する思いといいますか、温度差といいますか、ありまして、なかなか一度に自賄い全てを解消できるという状況にはありませんことから、まずはスタート時の姿という形で現状のまま広域化をして、まず5年間で給料、それから職員採用、職員の身分、これらについては5年後をめどに自賄いの部分は解消していくと。それ以降、それ以外のものにつきましては、その後の検討、協議によって自賄いの解消を目指すことを最終目標としていますので、自賄いを解消する方向で協議を重ねるということで、今は 19 町村で統一した見解を持って進めているところでもあります。決して自賄いそのものが悪いというわけでもありませんし、その自賄いがあるから広域化ができないのかといったら、そういったこともありませんので、自賄いは解消できるものから順次解消していって、19 市町村による広域化の作業ですから、それぞれの地域の事情ですとか、それぞれの市町村の思いもございますので、そういった部分についてはやっぱりある程度の時間が必要かなというふうには思っております。
再質問 17番 増田武夫
これ広域化によるメリットというのが、誰の目にも明らかなような形ではなかなか示せないのが現状だと思うのです。例えば道が心配している広域化のスケールメリットだとか、初動態勢の強化だとか、それから現場活動要員の増強などというものは本当に示すことができない状況だというふうに思うのです。忠類消防支署の問題も取り上げさせていただきましたけれども、やはりスケールメリットを出そうとすれば、それはそうした組織にも、それは全然そのままでいいのだよというのであれば、別に広域合併する必要ないのだと思うのです。やっぱり何を問題にしてくるかといったら、忠類のような支署だとか、大樹から近いからこれ廃止だというような状況になりかねない。そして、そうならないよという担保もないと。5年間はあれだし、町長の答弁でもそういうふうにならないという保証はないけれども、保証はできないということも言われていましたけれども、そうした本当に地域住民にとっては消防支署というのが安心・安全のよりどころだと。救急車もあそこにきちっと配置されているということが合併してきたその地域の人たちにとっても、それが一つのよりどころだというふうに思うのですけれども、そうした忠類支署の存続というものについて、もう一度。
答弁 副町長 高橋平明(副町長は2015年3月まで)
現状のままスタートするということでありますので、まず忠類の現状の支署がなくなるということはありませんし、将来的にわたって、これは決して保証されているというものではありませんけれども、今現状で認識する限り、忠類から消防支署がなくなるということはまず考えにくいことであります。必ず残るというふうに思っております。このスケールメリットの話ですけれども、広域化をなぜやるといいのかというと、例えば現状でそれぞれの消防署、各町村で現有の消防車両、消防機器を抱えていますけれども、やはり最新のものに更新をしていくですとか、それからそういったときに、それぞれの市町村単独ではなかなか経費、消防車両そのものは高いですし、救急車ももちろん高いですから、大変な経費がかかってしまいます。これが広域化をやれば、広域化の中で計画的に車両の配分ではないですけれども、車両の整備計画もつくりやすいし、またそれに対する国からの財政的な支援のことも期待ができるという大きなメリットもあるというふうに考えていますので、そういった部分の消防力の強化、消防車両ですとか、消防設備ですとか、そういった部分に対する国からの財政的な援助も期待をしながら、進めていきたいというふうに思っております。
再質問 17番 増田武夫
今、最後に言われたのは、自賄い方式なのです。それが解消されていく見込みがないわけですので、だから、その点はやはり広域化によってそういうものが各町村にしっかりと保証されていくということはないというふうに思いますので、自賄い方式の解消もできないような広域化はすべきではないと、そのことを申し上げて終わりたいと思います。