みんなの議会

幕別町議会 平成25年第1回定例会 2013年3月12日

学力向上対策とその成果について

2013年3月12日、幕別町議会の一般質問で、斉藤喜志雄議員が「学力向上対策とその成果について」質問し、教育長 金子隆司が答弁しました。

質問者
斉藤喜志雄 議員
答弁者
教育長 金子隆司

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 18番 斉藤喜志雄

通告に基づき、学力向上対策とその成果について質問をいたします。文部科学省は、昨年の8月8日、全国約1万校の小学6年生と中学3年生の約 70 万人を対象に、4月に実施した全国学力・学習状況調査(通称・全国学力テスト)の結果を公表しました。5回目の今回は、従来の国語と算数・数学の2教科に加え、国際学会などで指摘されている理科離れの実態を調べるとして新たに理科を加え、実施されました。その結果、小学校6年から中学3年にかけて、理科への関心や意欲が低下する理科離れの実態が得点の分析や質問紙調査から裏づけられたとしております。さらに、都道府県別の結果については、上位と下位が固定化した状況に変化はなかったが、下位県の成績に改善が見られるとしております。一方、北海道教育委員会は、平成 24 年度の教育行政執行方針の中で、本道の子供たちの学力について、平成 26 年度の全国学力テストまでに「全国平均以上」にすることを目標として掲げ、そのための重点施策を推進する中、昨年 11 月 26 日には4月に実施した全国学力テストの調査結果などを分析し、その報告書を公開いたしました。それを見ると、各教科の正答率は、小中学校全 10 教科中、中学国語Bで全国平均を上回ったが、ほかの9教科については全国平均を下回っており、上位県と比べて大幅に低い深刻な状況にあると報告をしております。また、受ける形で幕別町教育委員会も、11 月の町広報誌 730 号をもって町内児童生徒の学力を、小学校6年生は全教科で全道平均を上回り全国平均との差はわずかとなっていることや、中学3年生も小学6年生同様、全道平均以上で、特に国語の活用や数学の知識及び理科では全国平均を上回っているという結果を踏まえて、学力向上の兆しがうかがえるとコメントをしております。なお、文部科学省は、平成 26 年度の全国学力・学習状況調査の実施を、これまでの抽出方式と希望利用方式から 07 年度スタート時の悉皆調査方式に戻すとしております。子供たちの学力の実態を全国的につかむという目的なら、5%の抽出で十分であると思われます。毎年数十億円という莫大な経費をかけて全国一斉調査をやるというのは、統計的にいっても余り意味がないのではと思うところでもあります。ともあれ、何かと課題の多い全国学力テストを視野に入れた学力向上対策について、次の3点から教育長の所見をお伺いいたします。一つ、この1年間の学力向上の取り組みの事例とその成果について。二つ、道教委の結果報告書の有効活用の取り組みについて。三つ、新年度の学力向上への町としての施策について。以上、3点についてお伺いをいたします。

答弁 教育長 金子隆司(教育長は2013年3月まで)

斉藤議員のご質問にお答えいたします。「学力向上対策と成果について」であります。全国学力・学習状況調査につきましては、平成 19 年度より文部科学省が義務教育の機会均等とその水準の維持向上を実現するために実施しているものであり、本町におきましても、子供たち一人一人が将来自立して生きていく上で、日常生活に直結し、特に必要となる基礎的な内容を確実に身につけさせるため活用しようとするものであります。ご質問の1点目、「学力向上の取り組みの事例とその成果について」であります。ただいま申し上げましたとおり、学力向上の取り組みの狙いは、子供一人一人が将来自立して生きていく上で必要となる基礎的な内容を確実に定着させることであります。そのためには、いわゆる形成的な評価の視点から、ここまではできるがこれはできないといった、子供一人一人の定着の状況を捉えることが第1ステップとなるものと考えております。子供一人一人の定着状況につきましては、これまでも単元テストや定期テストなどで把握しておりますが、より基礎的な内容に焦点化し、しかも系統的につまずきのポイントを把握するため、全国学力・学習状況調査や道教委が発信しているチャレンジテスト、さらに学校によっては CRT 学力検査などを活用しているところでもあります。このようにして把握した定着の状況を念頭に置き、いわゆる「振り返り学習」「繰り返し学習」「ノート指導」「読書指導」「望ましい生活リズムの定着」などの具体的な手だてを講じることが、学力向上に向けた第2のステップとなるものと考えております。町内の小・中学校では、学校全体の取り組みとして、例えば「書く」という領域の単元テストにおいて8割以上できる児童を 80%以上にするとか、毎日 30 分以上、家庭学習をする5・6年生を 90%にするといった数値目標を設定し、授業改善や家庭学習の習慣化に取り組んでおり、小学校6年生につきましては、こうした取り組みの成果を毎年2月に実施する CRT 学力検査でも検証し、その後の指導につないでいるところであります。学力向上の取り組みについては、一人一人の持ち味やつまずきを見取ることや、個々に対忚した学習支援、学習指導の取り組みが大切であります。本町における実践例を申し上げますと、書くことが苦手な子供の多い学校では、国語科を中心に個に忚じたノート指導や短文記述の指導を展開し、尐しずつではありますが、書く力の向上が見られているところであります。また、授業の中では十分理解できなかったところについて、放課後、個別に指導を受けることができる体制を整えている学校もあり、子供たちが放課後学習に自発的に参加しているところでもあります。次に、ご質問の2点目、「『全国学力・学習状況調査・北海道版結果報告書』の活用について」であります。昨年 11 月に公表された本報告書の構成は、「結果のポイント」「教科に関する詳細データ」「質問紙に関する詳細データ」の3点から成っておりますが、本町の小中学校では、これらを二つの視点で活用しているところであります。その一つは、それぞれ自校の傾向と全道的な傾向を比較分析し、学校としての重点や方策を検討する際の資料として、また、もう一つは、子供たち一人一人の課題を分析的に捉えるための資料として活用しているところであります。例えば、教科に関するチャート図は、書くこと、読むこと、数と計算、図形など、小学校は 20、中学校は 17 の領域等について、全国、北海道、十勝、秋田の平均正答率を図にしたものですが、このチャート図に子供一人一人のデータを重ね、個別の指導ポイントを探る際の資料として役立てております。ご質問の3点目、「新年度の学力向上に向けた施策について」であります。学校現場においては、子供一人一人のつまずきや可能性を見取り、個に忚じた学習指導、学習支援の充実を図っていくためには、マンパワーが必要になってまいります。そのため、平成 25 年度については、現段階での話ではありますが、指導方法工夫改善に係る加配措置等で道費負担職員 10 名の配置が見込まれており、この中には、「小学校における教科担任制の試行的実施」により、小学校の理科を専門に担う職員の配置も予定されております。さらに、平成 24 年度は3名配置されておりました退職教員等人材活用事業についても、引き続き配置要請を行っているほか、特別支援教育支援員につきましては、平成 24 年度は 23 名の配置でありましたが、今年度は8名増の 31 名を配置する予定であります。また、学校を離れてからの学習支援につきましては、長期休業中、町内4会場で実施している夏休み学び隊、冬休み学び隊を今年度もボランティアの方々の協力を得る中で、継続してまいりたいと考えているところであります。以上で、斉藤議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。

再質問 18番 斉藤喜志雄

それでは、再質問をさせていただきますが、最初に、ただいまの答弁を受けて、幕別町の教育関係者あるいはその教育活動等々の充実、努力、そんなものがあって、過日の新聞報道等でも示されているとおり、非常に高い水準の中で本町の児童生徒の学力が推移していることに対して心から敬意を表し、取り組みがきめ細やかに行われている証拠なのだろうな、そんなふうに評価をしつつも、しかし先ほども申し上げましたとおり、この学力テストについては、全道的にはさまざまな波紋を呼んでいるというところから、尐し質問をさせていただきたいというふうに思います。とりわけ、この学力向上の取り組みをめぐっては、平成 26 年度の全国学力調査までにこの本道の学力を全国平均以上にするという道教委の大きな目的のもとで、道内においては低い地域、低い学校、そういったところが非常に心配な動きをしてございます。ご案内のとおり、ある市では、13 年度から5年間で全道平均を上回る数値目標を掲げた○○市教育推進基本計画、いわゆる何かというと、学校教育に数値目標を取り入れてその現場に実践を求めるという動きや、あるいは議会が基礎学力を保障する条例、それも学力向上に特化した条例を制定する動き、今さら私が申し上げるまでもなく、国語、算数、理科、学校教育というのは3領域にわたってトータルとして子供たちが将来生き抜くための学力を培っていくという、そういう性質からいえば、こういう、ある一部に特化した形で学校教育を推進していこう、強化を図っていこう、非常に危ないなというふうに私は思っております。とりわけ、読み書き計算の知識・技能、これをもって基礎学力と、こういうふうにして定めて、そして基礎学力保障条例なるものを制定して、各現場に努力を迫っていこうというスタンスは、非常に全人格を形成する学校教育としては、課題が多過ぎるのではないかというふうに思っています。一方、家庭の責任を過度に強調する余り、低学力の原因を個々の家庭の子育ての問題に矮小化していくような、そういう動きすら見られるという状況になっております。私は、こうした一連の動向を踏まえるとき、道教委の全国平均という目標設定は平均点を上げることそのものが目的にこのテストはなっているのではないかな、ひとり歩きしているのではないかなと思うところであります。ぜひこういった動き、そういったものについて現場を預かる教育長として、どのような所見をお持ちか、お伺いをしたいと思います。

答弁 教育長 金子隆司(教育長は2013年3月まで)

全国平均以上を目的とする考え方についてでありますが、全道の平均正答率が低いという部分につきましては、習得することが望ましいと国が判断した個別の学習内容が、他県から比較して低いと、身についていないという事実を示すものというふうに理解をしております。これを我々はしっかり押さえて、社会に出て自立するための必要最小限の学力を保障する、自立して取り組むということが、私どもの改善の責務ではないかというふうに思っております。いずれにいたしましても、道教委が言うところの全国平均以上という考え方につきましては、一人一人の学力を向上させた結果として、北海道全体では全国平均以上を目指しているのではないかという趣旨であろうというふうに認識しているところであります。

再質問 18番 斉藤喜志雄

あえて言わせていただければ、本来、学力テストの目的というのは、全国の小中学校の学力・学習状況を調査して、そして学習状況の改善に役立てるためにとして実施されているものであることは、もうご案内のとおりであります。現在の自治体間やあるいは学校間、さらには児童生徒個人の順位づけ、ランクづけばかりを競うような方向での、これは後からの本町の新しい施策とのかかわりも出てくるかと思いますけれども、非常にそういう意味では心配なところがあります。そんな観点から尐し申し述べておきたいというふうに思いますが、顧みますと、全国テストは小学校6年、中学3年生の全員を対象にした悉皆調査で始まりました。10 年度からは3割の抽出となりました。しかし、北海道を初め全国の多くの県は、いわゆる希望調査制という形をとりながら、実態としては悉皆調査に限りなく近い状況でこの調査が行われております。しかし、北海道もそうなのでしょうけれども、その論の背景となっているものは何かといえば、全校調査にして、各校の全国レベルの位置づけ、ランクづけができるようにすべきという意見も、これはもう間違いなく根強くあったわけでありまして、したがって国は数年に1回悉皆調査をすることとしました。たまたま今年度の今年は、その年に当たるのですね、5年に1回という形の中での悉皆調査ということになっておりますが、ただ、前段の質問のときにも申し上げましたとおり、非常に危ないのは、恐らく全国の要望もあるからという形で悉皆調査でやろうということで、文科省予算の中に約 50 億円の予算を盛っているところであります。なぜ私がここのところを非常に心配するかなというと、ぜひ思い起こしていただきたいなと思うのは、旧テスト、僕たちはよく一般的に昭和のテストと言っていますが、昭和のテストのときも悉皆と抽出があったわけですけれども、悉皆については多くの識者の間でも疑問の声があったところです。とりわけ、一斉というテストがもたらす弊害を考慮すると、児童生徒の学力の実態を全国的につかむというそういう目的であるならば、5%の抽出で十分ではないかということが大勢を占めておりました。そんなに被害があったのかとおっしゃられるかもしれませんけれども、これはもう僕たち現場に立っていた者にしてみれば、ご存じのとおりです。都道府県間、これ現状、既に起こっております。都道府県間、市町村地域間あるいは学校間、もっと激しくなっていってクラス間の激しいテスト競争が起きて、点数を上げるためには手段も選ばないというような方針が全国のあちこちで起こり始めた。もっと端的な表現をさせてもらえば、いわゆる障害児学級所属の子供たちはあした休みなさいまで起こったところもあった。これはご案内のとおり、四国のある県ではそういうことを行いました。そういう事態にまでいってしまうということで、そこが非常に悉皆調査というのは心配な、なおかつランクづけをすると、だんだんエスカレートしていかないかな、そういう心配を持っております。要するに点数を上げるためには手段を選ばないという事態までがあらわれる中で、子供たちはそのはざまで翻弄されていたと。一番被害を受けるのは子供だ。のけ者にされる。先ほどチャレンジテスト、決して否定するものでありません。否定するものではありませんけれども、北海道においても上げるべくしてチャレンジテストの導入を盛んに行って現場に押しつける状況があるのですよ。いや、教育長、ごめんなさいね、私の町村はやっていないかもしれません。しかし、そういう実態があって、それも正規の授業の時間の中で行えないから放課後行う。これ先ほど放課後フォローするというのは、教育長おっしゃったとおりだと。放課後ということになってくると、みんな一定程度の点数を超えた者はグラウンドで部活動をやっているけれども、僕は残されてこの補習授業、名目は何ですかといったら補習授業、補習を受けなきゃいかんもんねと言って、そういう常に被害を受けてきたのは誰かなといったら、くどいようですけれども子供たち、子供たちがそのはざまの中であえぎ苦しんできたと。やがて何にこれが発展したかといったら、校内暴力ですよ。校内暴力へとつながっていった。そんなこともあって実は、悉皆調査というのはなくなっていった。なくなった。学習指導要領改訂の1年前、したがって5年に1回という形で全国的な状況を把握して、そして、施策としての改善につなげていくという、そういう方式がとられた。そういう意味で言うと、私はこの悉皆調査というのは必ずしも望ましくないな、本当に大丈夫なのかなという心配をしております。幕別町に怒っているという意味ではないので、そこのところは誤解のないようにしておいていただきたいと思います。そこで、もう尐し話を進めさせていただきたいのですが、毎年公表されている調査結果の報告を見ても、最後はともかく、この道新だとか、それから勝毎にも報道されているように、最後はそんなにあれだとしても、毎年違ってきているとしても、大筋はいつも同じ結論が繰り返されている感が私は否めません。特に学力の相対評価について、知識問題に比べ忚用・活用問題が苦手(国語、算数・数学)といった傾向ですね。これは 07 年度の現行テストが始まって以来、ほぼ変わりがありません。一体これはどうしたことかと思うのであります。調査結果にあらわれてきた本来の目的は、欠陥を見つけてそれに対処する手だてを打つのが調査の目的だというふうに考えるところですが、毎年のように同じ欠陥が指摘されるのは、その手だてが必ずしも十分に打たれていないということを意味する。このあたりについては、教育長はどのようにお考えか聞かせてください。

答弁 教育長 金子隆司(教育長は2013年3月まで)

確かにご指摘のとおり、知識と活用の力につきましては、活用に課題があるというふうに一般的に言われております。子供たちの側に立って考えますと、活用する力は基礎的な基本的な知識の定着、これがベースになっていると、そういうことだろういうふうに私は思います。したがいまして、一人一人の個に忚じた基本的な知識や技能、そういったものをベースにすべく、教育活動、指導工夫があっていいのではないかというふうに理解をしているところであります。以上です。

再質問 18番 斉藤喜志雄

そういう点では思いが一致しているところがあるのかなと、こんなふうに理解をしたところであります。調査はあくまでも手段ですよ。目的ではないというところを前段の目的というところから含めて、どうしてもお話をしておきたいのですが、目的はない。したがって、どんな精密なテストを繰り返しても、改善すべき問題点に対忚する手だてが十分に打たれていなかったとしたら、そういう状態が続いたとしたら、これはまことに 50 億円というお金は、それ以上言いませんけれども。と私は思っているのです。そういう意味で言うと、ぜひともこのあたりは国に再考、一考を求めていっていただく手だても必要かなということを思っています。もっと、とりもなおさず突き詰めて言えば、抽出5%、毎年やる必要はなく、3年ないし5年に1回で足りる。そこで整理された問題点あるいは課題、そういったものを学校の教科書等に転嫁していくことが最も合理的であり、かつ効果的であろうと思うところであります。もっと細かいところは、先ほども幕別町がやってある CRT なんていうのがあって、そしてもっと広い教科を含めた中で、実は子供をしっかり手だてを講じていってくれている。私は、ある意味で幕別の子供たちの学力水準が、そういう形で全国あるいは北海道の中でもトップ、自分でそう言ってはいかんのかもしれませんが、そういう位置にいるということは、そういう実は現場での涙ぐましい努力と、教育委員会のそういう予算手だて等々が施策の中で打たれているからだというところを、僕はぜひ全道に訴えていっていただきたい。間違っても条例制定で学力向上を求めるだとか、そういうスタンスには立たないでほしいなと、こんなふうに思っております。そういう意味で目的論のところは終わらせていただきますが、もう一つあるのだな、ごめんなさいね。全国学力テストの目的の一つに、各答案を児童生徒のその後の指導に生かすとされています。具体的にどのように生かされているかお伺いをしたいのですが、先ほどもちょっと述べていただいておりますので、繰り返しになって恐縮ですが、そこで答えていただいても結構ですので、どのようにお考えかお聞かせください。

答弁 教育長 金子隆司(教育長は2013年3月まで)

先ほども答弁をいたしておりますが、個に忚じた、子供一人一人ですから得意なところもあれば、つまずきもあります。これらを把握しまして、繰り返し学習あるいは振り返り学習などを徹底して行っているところであります。

再質問 18番 斉藤喜志雄

繰り返しになって申しわけございません。申すまでもなく、このテストは小中学校のそれぞれ最終学年が対象です。しかし、この目的の中では、先ほども言ったように指導といっているのですね。実際にそれが果たされているかというところが、大きく問題になるというふうに私は思っています。果たして本当に、十分にテストの結果を活用しながら指導というものが行われているのかなということ。とりわけ現場で多忙な先生方には、そのことは大変な負担になるであろうと思いますし、実際今回、中3で受けた生徒は小6のときにもテストを受けているのですよ。受けていますよね。しかし、前の指導成果が、前の指導成果というのは6年生のときに受けた成果が、それでは中3になったときの成果に出ているかといったら、それは全く見えてきませんね。全くと言っていいくらい見えてきていない。だから、そういう意味で言うと、この目的というのは果たして本当に大事なのか。僕は、もっと言うと、先ほど言った CRT をやっている。あれは3年生、4年生ぐらいで使っているのかな、いわゆる指導にも、またさらに使える余裕があるのですよ。卒業していってしまったら、子供はもう離れていってしまう。では、中学校にその申し送りがきちんとなされているかといったら、それは残念ながら、なされていない。観点別評価のところでは丸はついているかもしらんけれども、それはあくまでもそれだけであって、こういうところがというところになかなか届いていないというのが実態ではないか。中学3年生で受けた者は、高校へ行ってしまいますから。高校でそんなものの結果が報告されるなんていうことには決してなっていない、内申書の中で。そういう意味では、この目的について、いささかもっと有効な手だてを講ずる方法があるのではないかな、本当に子供に返していくとすればと考えているところであります。特別回答を求めはしませんので、そんなことを考えているということをお話して先へ進みたいというふうに思いますが。いずれにしても、私は、全国学力テストの結果を教科指導の改善に役立てることもさることながら、それはもう当然だと思っていますが、尐人数学級の早期実現やゆとりある教職員の配置といった、子供たちにとって学びやすい教育環境の整備こそが学力向上にとって最も大事であり、急がれる課題と考えるのですが、その点にかかわって所見をお伺いいたします。なお、幕別町は、先ほど前段でも申し上げましたとおり、格別の支援員等々を確保しているということを評価しつつ、しかし、もう一方で国として道としてやらなければ、平均点以上を求めるのであれば、さらに今申したようなことが当然求められなければいけないのではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。

答弁 教育長 金子隆司(教育長は2013年3月まで)

おっしゃるとおりだと思います。先ほども答弁いたしておりますけれども、全道にかかわる指導工夫改善の加配、あるいは退職員の人材活用事業、あるいは教職員の専任化・専門化に伴う試行などなど、道としても一定の配慮はしているかというふうには思いますが、それで十分かどうかとなりますと、これは十分とは言い切れない。何といいましても、国の財源が、あるいは道の財源がもとになっている教職員定数、これを早くに改善すべきだというふうに私は基本的に考えています。なお、私どもの町は、いろいろな理解のもとで、特別支援教育の支援員がそれなりの数が配置されております。いろいろ困り感のある子供を支えるというだけの職務ではありませんで、いわゆる尐人数指導や指導工夫改善等についても活用できる仕組みになっております。これらを総合的に絡めながら、子供たちの基礎学力の習得に努めていきたいというふうに思っているところです。何といっても国が人材にお金を使うというような観点に立った施策を私どもは求めているところであります。

再質問 18番 斉藤喜志雄

もとより指導法の改善とそれから学びの環境整備は、もうこれは両輪であるところでの答弁かというふうにお聞きをいたしました。そこで、ぜひこれまたお願いしておきたいなというふうに思っているのですが、教育行政、数ある教育の段階の下に教育行政がある中で、最も学校現場に近い立場にあるのは町教育委員会であり、教育長であります。同時に、現場の実態を最もよく把握し、かつよき理解者でもあるというふうに私は思っております。そういった意味合いでは、定数改善や必要な予算の確保も含めて、国や道への改善に向けた粘り強い働きかけを期待しておきたいというふうに思います。再質問の次へ移らせていただきます。2月7日の北海道新聞によると、苫小牧のある市立小学校が、1月末に発行した学校便りに道教委が昨年 11 月に公表した全国と道内分に加え、市内分と同校の教科ごとの平均正答率をそれぞれ表にして掲載し、保護者に知らせたことが報道されました。結果の公表については、市町村教委や各校の判断に任されているということはもう私も十分承知をしていますが、公表のあり方について、当然教育長なりの所見がおありかというふうに思いますので、お伺いをしたいというふうに思います。

答弁 教育長 金子隆司(教育長は2013年3月まで)

数値による結果公表につきましては、苫小牧の事案が今申し上げられておりますが、まさにそのような矛盾を抱えております。序列化や過度の競争を生まないということが、文科省の学テガイドラインに明記されているところでありますから、そこから逸脱するようなことについては問題があろうというふうに思いますし、私ども十勝の教育長会議におきましては一定のガイドラインをつくっています。当然として小さな町村、小学校が1校、中学校が1校なんていう状況のところもございますので、学校ごとの成績等については公表しないというふうになっております。文科省はそれぞれ自己の判断あるいは市町村の判断といっておりますが、その前段には過度な競争優劣化につながらないという大前提がありますので、その大前提のもとでこれからも判断をしてまいりたいというふうに思います。

再質問 18番 斉藤喜志雄

そうなのですね。それぞれきちっと申し合わせをしてあれしないと。これ苫小牧も同じですね。苫小牧市教委は、学校間の序列化や過度な競争につながるとして、数値を公表しないように各校に指示をしていた。しかし、それぞれの学校が単独でこうやって破って、そしてやる。その根拠となったのは、各学校に任されているという、そこのところをとりながらあれした。こういうことが実は、前段で話したいわゆる競争をあおったり、過激なあれになってはまずいからということで配慮されているところが、ひとり歩きが始まっているというのは現実であります。こういう学力テストというのは、こういういわゆる順位が出てくるという関係からいうと、そういう極めて心配な要素を持っている、これ一つの左証だというふうに私は思っています。市教委もしたがって数値を公表しないよう各校に指示していたにもかかわらず、よその学校も含めて指標化して、恐らくここの学校はよかったのでしょう。私の学校はこんな立派なあれをやっていますというのは、これはいささか国の施策としてやろうとしてやっているものを、そういう形で売名行為に利用するというのは、極めて教育に携わる者としての扱うべきあれではないというふうに私は思っておりまして、非常に腹立たしい思いをしているところでもあります。いずれにしても、どんなになったかというと、同校は該当部分を差しかえてつくり直した、教育委員会の指導を受けてそんなふうに改めてまた配ったというふうにお聞きをしているところでありますが、ご案内のとおり、道教委は学力テストを想定した練習問題であるチャレンジテストの実施などを学校現場に求めている。その実施の有無をもって、それが全てではありませんが、教員加配の要件としている部分もあったりして、順位づけ、ランクづけにとらわれた教育を推し進めている状況を踏まえるとき、ぜひとも結果の公表については、現状十勝の教委連が申し合わせをしているような、そういう最低そのくらいなところの基準は守っていただいて、今後もご努力をいただきたいなというふうに思っております。より慎重であるべきというところを強く訴えさせていただいて、質問を終わります。

出典:幕別町議会 平成25年第1回定例会 2013年3月12日 議事録 PDF(70ページ) 間違いを知らせる