幕別町議会 平成22年第4回定例会 2010年12月8日
通告いたしましたTPP参加問題と本町への影響について
2010年12月8日、幕別町議会の一般質問で、増田武夫議員が「通告いたしましたTPP参加問題と本町への影響について」質問し、町長 岡田和夫が答弁しました。
- 質問者
- 増田武夫 議員
- 答弁者
- 町長 岡田和夫
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 増田武夫
それでは、お許しを得まして、通告いたしました TPP 参加問題と本町への影響について質問させていただきます。民主党政権は、農業、環境、雇用を破壊し、国民の食料に対する安心・安全を奪うと同時に、地域社会を崩壊させかねない道に大きく踏み出そうとしています。菅首相は、10 月1日、臨時国会の施政方針演説の中で、環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆる TPPへの参加方針を明らかにし、11 月9日の閣議で関係各国との協議を開始することを決定いたしました。11 月、横浜で開かれました APEC、アジア太平洋経済協力機構の議長として、菅首相は、アジア太平洋自由貿易圏の推進、TPP 協議参加の旗を振ったのであります。一方、アメリカ・オバマ大統領は、みずから議長を務めることになる来年 11 月の APEC で、日本を含む TPP への動きを加速させ、支持率の落ちた国内対策として、アジア、日本への農畜産物の輸出拡大をねらっております。これにこたえて菅内閣は、来年6月までに TPP 参加の結論を出したいとしており、事態は急を告げております。TPP へ参加することになれば、農林水産省の試算では、即時関税撤廃の場合、農業生産 4.5 兆円減尐、食料自給率が 40%から 13%へ低下、農業の多面的機能 3.7 兆円喪失、国内総生産 8.4 兆円減尐、雇用 350 万人減尐するとしています。また、北海道の試算による道内への影響は、影響額合計で2兆 1,254 億円、そのうち農業産出額 5,563億円減尐、関連産業 5,215 億円減尐、地域経済 9,859 億円減尐などとしておりまして、雇用 17 万 3,000人減尐、農家戸数は3万 3,000 戸と、70%以上の農家が離農する事態と試算しております。一方、十勝への影響も甚大であると、十勝総合振興局が試算しています。農業生産額で 1,382 億円、関連産業 1,298 億円、地域経済 2,357 億円、合計で 5,037 億円の影響があり、酪農の2万 1,000 人を筆頭に4万 400 人の失業が生まれるとしています。本町においてもその影響を試算して、全町民と認識を共有し、今後の幕別町のまちづくりを考えていくことが緊急に求められております。農林水産省は、関税を撤廃した場合の国内農産品へ影響を試算した全 19 品目の内容を明らかにしておりますが、小麦は 99%、ビートなど甘味資源作物 100%、でん粉原料作物 100%、小豆 71%、牛乳乳製品 56%、牛肉 75%減尐するとしておりまして、本町の基幹作物への影響は甚大であることが容易に想像されるところであります。農林水産省は、こうした数字だけで推し測ることができない機能を持っていると言われております。日本学術会議は、政府の求めに忚じて多面的機能の評価額を試算し、答申しています。農業の洪水防止機能、土砂崩壊防止機能で年間8兆円、森林では、表面浸食防止機能、水質浄化機能などで年間約 70 兆円、水産業漁村では、物質循環の補完機能、生態系保全機能などで年間 11 兆円という、各分野の評価額を試算しております。農業では、この機能の 3.7 兆円が関税撤廃で喪失するとされております。こうした機能を大きく損なうのが TPP だということを知らせていかなければならないのではないでしょうか。しかしながら、新聞、テレビなどのマスコミから流される大量の情報は、TPP に参加しなければバスに乗りおくれる、世界から孤立するなどとするもので覆われて、世論誘導されている状況もあって、参加すべきだとする世論が強い現状を軽視することはできません。さまざまな試算が示すように、TPP参加は農業分野だけの問題でないことは明らかであります。町の存亡に係る問題として真剣に取り組まなければなりません。そこで、次の点についてお伺いいたします。一つは、TPP による本町への影響について。農業生産額、関連作業、地域経済、雇用、農家戸数など、具体的に試算し、町民の前に明らかにすること。2、町長の TPP 参加に対する考え方について。3、本町でもしかるべき時期に、全町を挙げた反対集会を開くなど、TPP 参加阻止の行動を起こすべきと思いますが、いかがでしょうか。以上です。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
増田議員のご質問にお答えいたします。地域社会を根底から揺るがす TPP 参加問題と、本町への影響についてであります。政府は、11 月9日、包括的経済連携に関する基本方針の中で、「アジア太平洋自由貿易圏に向けた道筋の中で唯一交渉を開始している環太平洋パートナーシップ協定については、その情報収集を進めながら対忚していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始すること」を閣議決定いたしました。TPP は、原則関税撤廃の例外を認めていないため、もし仮に交渉が締結され、農畜産物の関税が撤廃された場合には、幕別町や北海道はもとより、日本全体の農業や経済に甚大な影響を及ぼすものと認識をいたしております。ご質問の1点目、TPP による本町への影響についてであります。ご質問の要旨にありますように、TPP による影響の試算については、農林水産省を始め、北海道、十勝総合振興局においてもなされているところでありますが、市町村の数字を積み上げたものではなく、マクロ的な試算であり、詳細な積算根拠も不明なことから、農業生産額、関連産業を除いて市町村レベルでの試算はお示しできないことをご理解いただきたいというふうに思います。始めに、農業生産額でありますが、基本的には北海道や十勝総合振興局の影響試算の例により、影響の大きい小麦、てん菜、でん粉原料用バレイショ、酪農及び肉用牛の5品目について試算したものであり、積算内訳が不明なものについては、十勝における幕別町のシェアにより推計したところであります。推計結果では、影響額は5品目トータルで 107 億円に上り、この数値は幕別町全体の農業生産額の約2分の1に当たる大きなものとなっております。次に、関連産業についてでありますが、北海道や十勝総合振興局の試案における関連産業は、小麦については製粉工場、てん菜については製糖工場、でん粉原料用バレイショについてはでん粉工場、酪農については乳業工場、肉用牛については屠蓄場といった直接的に関連する工場を想定しているものであり、本町においてはこれらの工場が存在していないため、直接的な影響はないものと考えております。また、地域経済、雇用については、先ほど申し上げましたとおり、具体的な数字はお示しできませんが、関連産業がない分、製糖工場など、関連産業を有する他町に比べますと、影響する割合は尐なくなるとは思われますが、農業生産額の影響額の大きさから考えますと、やはり地域経済、雇用に対する影響も相当大きなものになるものと考えております。なお、農家戸数につきましては、平成 20 年度における本町の農家戸数で申し上げますと、個人経営、法人経営、合わせまして 637 戸になり、そのうち TPP の影響を受けないであろう農家は、施設園芸農家や野菜専業農家など 20 戸程度で、残りのほとんどの農家が影響を受けるものと考えております。2点目、TPP 参加に対する考えについてでありますが、TPP が締結された場合には、自動車業界や鉄鋼業界など、輸出企業や輸入メリットのある企業などの経済界が恩恵を受ける部分があることは認識いたしております。しかしながら、幕別町、さらには北海道を考えた場合に、基幹産業である農業はもちろんのこと、地域の経済、社会を崩壊に導くものであり、到底容認できるものではないと考えております。そうしたことから、私といたしましても、農協等関係機関と足並みをそろえ、TPP 参加阻止に向けて国に強く働きかけてまいりたいと考えております。ご質問の3点目、全町を挙げた反対集会を開くなど、TPP 参加阻止の行動を起こすべきについてであります。TPP に対する反対集会は全国各地で行われておりますが、北海道においては、11 月 12 日に「地域社会のあり方等『この国のかたち』を問う道民総決起大会」が札幌市で開催されたところであり、参加団体は農林漁業団体や消費者団体のみならず、北海道経済連合会や北海道商工会議所連合会など、経済、商工団体も加わったオール北海道の取り組みとなったところであります。また、十勝での反対集会につきましては、先般、11 月 28 日に音更町の十勝農協連家畜共進会場で、「TPP から食卓と地域社会を守る十勝大会」が開催されたところであり、農林漁業団体、消費者団体、経済・商工団体、労働団体や行政など、4,000 人規模の大きなものとなり、本町からも約 300 人が参加したところであります。このように、反対集会については、既にオール十勝、オール北海道の取り組みとして開催されているところであり、本町においても相当程度の理解は進んでいるものと思っておりますが、今後、さらに具体的な数字を含め、町民の皆さんに理解を深めていただくことは重要なことでありますので、広報紙への掲載や行事・会合等における周知・説明など、あらゆる機会を通じて PR に努めてまいりたいと考えております。しかしながら、最終的には、比較的無関心層が多いとされる都府県の都市圏住民の皆さん方の忚援をいただき、国民世論を喚起することが最も重要であろうと考えており、このことは町内各農協とも意を同じくするところでありますことから、今後も農業団体と歩調を合わせ、全道、全国町村会を通して広く国民に PR し、参加反対の機運が盛り上げるよう働きかけてまいりたいと考えております。以上で、増田議員のご質問への答弁とさせていただきます。
再質問 8番 増田武夫
それでは、再質問をさせていただきます。本当に、この TPP の問題というのは、将来の幕別町をも左右していく非常に大きな問題だということで、今回、こうして取り上げさせていただいたわけなのですけれども、町長もこれには反対の立場で一生懸命努力されるということを申されているわけでありますけれども、やはり町民の中にもいまだに参加していかなければ乗りおくれるのではないか、やっぱりそういう輸出産業なんかも落ち込んだ場合には、非常に大変になるのではないかということで、賛成だという意見の人もおられるわけです。そういう人たちも含めて、この参加の、これに参加していくことの重要な意味をともに考えていくという姿勢をやはりとっていかないとならないというふうに思います。まず、1番目の本町への影響についてであります。この中で、5品目についての試算だということでありますけれども、例えば小豆なども 71%の影響があるという国のものでありますけれども、この中には小豆なんかも含まれていないとか、さらに大きな影響も予想されるわけなのですけれども、これに2分の1に当たる影響額があるということで、そうしたことになると、637 戸ある農家の、道の試算では7割以上が離農せざるを得ないという状況になるということになりますと、相当な影響だということは明らかなわけです。関連産業のことでありますけれども、町長の答弁では、例えば製粉工場だとか、精糖工場、そうした直接的なことだけに触れておられますけれども、私が調べたところでは、例えば運送業などを行って、これも関連産業だというふうに思うのですが、町内には 22 社の運送会社があるようであります。例えば、忠類なんかにも何社かあるのですけれども、ほとんど農業関連の資材を運んだり、飼料を運んだりという会社、ビートが生産されれば、ビートを運んだり。だから、もろに影響を受けるのがこの運送業だというふうに思うのです。例えば、幕別のほうの運送会社の人の話では、公共事業などを受け取っていることが主な運送会社でさえも、3億 2,000 万円の年商のうちの4割は農業関連の事業だと。それから、ある会社は、7億円の年商があるけれども、6割から7割は農業関連の運送業、運送品目だというようなこともありまして、やはりこうした町内のいろんな関連産業が相当多くあると思うのです。それから、農機具会社なんかも何軒かあるわけなのですけれども、こうした会社ももろに影響を受けるということは想像がつくと思うのです。やはり今、政府は、最初の質問でも申し上げましたけれども、来年の6月までには結論を出していきたいと。来年の 11 月にはアメリカで APEC の会議があって、アメリカはこの会議で TPP をまとめたいということで急いでいるのですが、そうした日程からいきますと、やはり急いでそうした関連業者などの影響も調べたり、町内にどういう影響があるかということをしっかりと調べて、そういう人たちと一緒に運動を進めるというような働きかけもしていかなければならないというふうに思います。そうした点でなかなか試算が困難だというお話でしたけれども、可能な限りそうした数字も、調査もしながら、町民に訴えていく必要があると思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
影響額の試算については、先ほども申し上げましたように、十勝総合振興局で積算した影響額の、その内訳として先ほど申し上げたようなことで積算をされている。これを本町に当てはめるとなりますと、なかなか先ほど申し上げたように、関連工場がないところでいくと影響額が出てこないのか、そんなことは決して今言われたようにないのだと思いますけれども、その試算がない現状ではなかなか難しいというようなことで、お答えさせていただいたわけですけれども、当然のことながら、運送業あるいは農機具、あるいはまだまだいろんなところに影響はあるのだろうというふうに思っておりますので、私どもも町内で、これからどんな方向で、いろんな面で反対のことを、大変な事態であることを住民の皆さんに周知させていくか、これは今も農協関係なんかとも相談もしておりますし、あるいは看板もできたのかな、今、庁舎なんかにあの看板の設置なんかも今進めているところですけれども、いろんなことを、皆さんのご意見をいただく中で対忚していきたいというふうに思っていますし、詳しい数値等なんかについては、やはり広報紙あたりでの周知がいいのかなというような思いもしておりますので、引き続きそれらについて対忚に当たっていきたいというふうに思います。
再質問 8番 増田武夫
けさ、入ってくるときに、玄関のわきに看板が出てるのは見させていただきました。更別の役場の前を通らせていただいたのですが、新聞でも報道されていましたけれども、3階からずっと垂れ幕を垂らしまして、「地域を崩壊させる TPP 協議断固阻止」と、こういう垂れ幕が下がっていたわけですけれども、いろんな形でやっていくことが必要だというふうに思います。町のホームページなどでも、やはり取り上げる必要があると思いますし、そうしたことをぜひ強めていただきたいというふうに思います。また、やはりこの参加の是非が、将来のこの地域に物すごい影響があるということを考えれば、質問でもあれしましたけれども、はやり来年の6月に向けてどういう情勢になっていくか、まだ予断を許さないわけですけれども、やはりそういう参加を決定する、そういうものにやっぱり影響を与えていくとすれば、散発的に十勝で 4,000 人の集会を開いたから、それでいいのだということにはならないと思います。だから、各町村卖位でもそうした集会を開いていくことが、今後、必要になってくるのではないかと思います。今、提案したような垂れ幕でありますとか、ホームページでありますとか、そうした町内での町民挙げての集会ですとか、そういうことも考えられると思いますけれども、いかがでしょうか。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
お話ありました町内での集会、何年か前でしたでしょうか、相川の家畜商協で、あのときは GATT かな、GATT ウルグアイ・ラウンドの反対集会を寒い1月の末か2月に開いたような記憶もありますけれども、そういったことで我々も集会が全くだめだということではありませんけれども、やる以上はやはり農業関係の団体、あるいは多くの皆さんと一緒に進めていくことが大事なことなのだろうというふうに思いますので、これらについては十分これからも、農協、あるいは関係団体との協議を進める中で対忚していくことが大事だろうというふうには思っております。
再質問 8番 増田武夫
ちょっと先に進み過ぎた感があるのですが、町長の TPP に対する認識を伺ったわけでありますけれども、ここにありますように、締結された場合には、自動車業界や鉄鋼業界などの輸出産業には非常にメリットがあるのではないかというお話です。確かにこの TPP の積極的な推進者は経団連であり、自動車産業、電機産業などの輸出企業であります。国会での菅首相に対する答弁、農林水産省の答弁では、こうした TPP に参加することによって、日本の GDP をどのぐらい押し上げるのかという質問に対しては、GDP の押し上げは 0.48%から 0.65%だと、このような答えをしているわけなのです。参加することによって、その程度しか GDP を引き上げないということを政府自身も認めているわけですけれども、これは町長の答弁にありますように、自動車産業ですとか、そういう電機産業などの輸出産業の利益というか、販売額になって返ってくるのだと思うのですけれども、それに引きかえて TPP 参加によるデメリットといいますか、影響額が農林水産省その他から出ているように、非常に大きなものがあるということで、まだそうした中でも、こうした農村地帯に住んでおられる方でも、農業は保護をされて過ぎているのではないか、支援され過ぎているのではないかと、そういうようなことも言われる方に遭遇しまして、そういう方々と話しすると、やはり農業といえども、自由競争に任せるべきでないかというような見方をされる方もおられます。しかしながら、やはり食料を生産するこの農業というものが、ほかの産品と同じように自由貿易で、自由に世界で取り引きしていくようなものでいいのかどうかということを真剣に考える必要があるのではないかというふうに思うのです。食料主権ということが盛んに最近言われるようになりまして、国連でも、そのことが議論されております。その国の食料は、その国がきちんと責任を持ってやっていかなければならない、手当てしていかなければならないということで、食料主権ということが非常に大きく叫ばれているわけです。例えば、2004 年の国連人権委員会では、各国政府に対し、食料に対する権利を尊重し、保護し、履行するよう勧告するという報告が出されまして、食料に対する権利に関する特別報告書が出されたわけなのですけれども、この報告書に関する議決をしたときが 2004 年にあるわけですが、そのときに、こうした食料主権は大切なことで、これをしっかりと権利として各国が守っていくべきだということで、この決議に反対した国はアメリカ1国だったのですよ。棄権した国はオーストラリアだったということで、いずれも農業が主要な輸出国でありました。この2国が反対、棄権しただけで、この報告は可決されたわけなのですけれども、それに見られますように、やはり今回の TPP の推進というものが、アメリカやオーストラリアの強い要望によってといいますか、強い意思によって非常に大きく動かされている。しかも、先ほども申し上げたように、ことしが日本の APEC の議長国だ、来年はアメリカの議長国だということで、この2年の間に何とか成就させようというアメリカなどの強い意思があって、今回、急に持ち出されてきたという経過があるわけなのですよ。だから、そういうことを考えますと、やはり食料というものが、ほかの貿易品目と別な扱いをして、きちっとそれぞれの国が責任を持って手当てしていかなければならないという、こうした食料主権の考え方を全国民に、全町民にやはり訴えていく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
言われるように、前原外務大臣が GDP の、農業はわずか 1.5%であると、そのために 98.5%の、いわゆる経済界がいう輸出が投げられていいのかというようなことがありました。私どももそういうのを聞いていて、食料の場合は、今お話ありましたように、数字ではやっぱりない、もっと大事な部分が農業、食料の自給率ということにつながっていくのだろうというような思いでいますので、先ほど来申し上げておりますように、私どもはあくまでも農業を守るという立場でこれは反対していくわけですけれども、国民の皆さんの理解をいただくのは数値的なことではなくて、あくまでも農業、食料を、自分の国の食料を自分たちが守るという、その意識に何とか目覚めていただきたいといいますか、理解をしていただくことが大事なのかなというような思いをしております。ただ、これも最初、新聞の世論調査では、反対と賛成が、反対ということは、参加することが賛成のほうが多かったというのですけれども、最近、20日ぐらいたってきますと、それも逆転してきたというようなことで、ある意味ではいろんな、先ほどから申し上げておりますいろんな集会ですとか、いろんな世論の訴えが幾分でも理解されてきたのかというような思いもしておりますけれども、お話がありましたように、数値ではあらわれない部分、食料の大事さという、尊さということをやはり我々も訴えていかなければならないものだというふうには思っております。
再質問 8番 増田武夫
本当に最近のマスコミですか、テレビにしても、新聞にしても、コメンテーターの人たちが、やはり TPP に参加しなければ、日本の経済が本当にだめになってしまうかのような議論を展開しております。もうその影響もあって、街頭のインタビューなんかでも、安い食料が入ってくればいいのでいいんじゃないかというような世論がまだ根強いことも確かでありまして、だから、そういうものをやはり打ち破っていく必要があると思うのですけれども、菅首相も国会の答弁などでは、「私どもはさきの包括的経済連携協定に関する基本方針の中で、経済連携、いわゆる開国をするという方向と農業の再生を両立させるという、そういう方針を明確にしたのだ」と。そして、「農業の現状というのは、必ずしもこの経済連携の問題を抜きにしても、例えば非常に高齢化が進んでいるとか、この間で全体の規模も小さくなっているとか、いろんな問題がありまして、私は逆に農業再生のためには、もう待ったなしのところに来ていると。ですから、この両立こそが日本の将来を開く道になると、このように考えております」と、こういう答弁をしているのですよ、国会で。この TPP をやって開国をすることと、農業の再生を両立させていくんだと。やはり農業、ある評論家に言わせれば、この TPP を行うことによって内地のほうの兹業農家の小さいところはやめることになるだろうと、その土地を利用して大規模な農業を育てていくのだと、このいいチャンスにしなければならないようなことを言って、この TPP と農業の再生が両立するかのような議論を展開している。そういうようなこともあって世論がなかなか、今言われたように、最初のころは TPP に賛成の世論のほうが大きかったというようなこともあるわけなのですけれども、その農業再生のためにも、両立させるためにいいチャンスにしていくのだというような議論をする人たちがまだ多いのも事実でありまして、やはりそういうようなことにも打ち勝った私たちからの発信がなければ、すぐ6月に結論を出そうとしているような、そういうものに世論を逆転させていくことがなかなかできないのではないかという心配もしているわけです。規模が大きくなって強い農業になるということが盛んに言われているわけなのですけれども、既に北海道の農業は、EU ですとかに比べても、そんなに小さくないのですよ。例えば、1戸当たりの耕地面積は、EU は 13.9 ヘクタールなのでありますけれども、北海道は 20.5 ヘクタール、アメリカは 186.9ヘクタール、酪農経営の頭数でも、北海道の 64 頭に対して、EU は 10 頭だと、アメリカは 138 頭だと、そういうような、もう既に北海道は EU と比べても農業の規模としては、むしろ大きいぐらいの規模になっている。その北海道がこの TPP によって崩壊の危機にさらされると、農業者始め主張しているわけなのですけれども、そうにもかかわらず、規模が大きくなれば、十分に日本の農業は強くなっていかれるのだと、そういうような主張をマスコミなどが展開していることにも、非常に大きな危機感を持つわけなのですけれども、そういうことも含めて、さまざまな機会を通じて、ホームページですとか、そういういろんな機会を通じて世論を喚起していっていただきたいと思いますけれども、もう一度お願いしたいと思います。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
農業対策再生推進本部とかがスタートして、6月までに結論を出す。それもちょっと揺れているようで、6月が 11 月に延びるのではないかといったような話もありますし、再生を両立させるためには、農業に何十兆円のお金も必要になってくるのではないかというようなことから、私は現実的には難しいのではないかという思いもしておりますけれども、ただ、さっきも言いましたように、本州の一部の小さい農家ですとか、荒廃地がいっぱいあるから、それを利用するばいいのではないか、農地法をもう一回改正したらいいのではないかとかというようなこと、いろんなことを言われていますけれども、余り現実的には合ってないような話ではないかというふうに私どもは押さえております。私も、この間、12 月1日には全国の町村長大会で、全国の町村長が一堂に会して、そこでも特別決議ということで、TPP の反対決議がなされました。けさも、農業委員会の会長さんおられますけれども、農業委員会も要請書をいただきました。そういったことでは、各農業団体、あるいは関連するところが一丸となって、こうした TPP の参加阻止に動いているということは、これからももちろん続けていかなければならないだろうし、何とかそれが認められるような方向で我々も頑張っていきたいというふうに思っています。
再質問 8番 増田武夫
いずれにしましても、町を挙げてこうした事態にならないような運動を急速に高めていかなければならない。恐らくアメリカを始めとする9カ国、4カ国で始まったと TPP ですけれども、アメリカ、オーストラリアなども加わって、来年の 11 月には恐らく発足するのではないかというふうに思うのです。それに乗りおくれるなということで突き進まれたのでは、日本の国そのものが、食料の自給できない国は独立国と言えないというようなブッシュ大統領が言ったのですけれども、そういう国を、アメリカ自身が日本にそういう国になれということを突きつけてきているわけなのですけれども、食料、できるにもかかわらず食料をつくらないというのは、今の何億、10 億人とも言われるような世界じゅうの飢餓に苦しんでいる人たちに対しても、日本が金の力で買いあさってくるということは、そういう人たちに対しても非常に犯罪的なことでもありますし、やはり日本でできる食料はきちんと日本でつくると、その手だてをしっかりとつくっていくということが非常に重要だと思うのです。菅首相は、開国だ、開国だと、閉鎖的になってはいかんということで、開国ということを今回使っているのですが、しかし各国の農畜産物の関税の率を見てみますと、平均関税率、関税のないものもあるし、日本の場合は、米などは 800%とかという非常に大きな関税をかけているのですけれども、それでもすべての農産物の関税を平均した額、パーセントが出ているのですけれども、インドは124.3%、韓国は 62.2%、メキシコが 42.9%、EU でも 19.5%、アメリカは 5.5%だと。日本はどれぐらいの平均関税率になるかといえば、11.7%で、EU などよりも低くて、アメリカよりは高いのですけれども、そうした今の平均関税率が既にもう閉鎖的どころか、既に開国しているような状態、それが今日の日本の農業が自給率 40%に下げてきたし、菅首相は年寄りばかりになって、もうほうっておいてもだめなのだから再生するのだと、こう言って、その再生するのに TPP へ入れることと両立させるのだと、こう言うのですけれども、しかし既にそういう形で十分に日本は農産物を受け入れて、そしてそのことが 40%の自給率になったし、TPP にするということになると 13%の自給率になるという、そういう側面も持っているわけなのですよ。だから、やはりそうした開国しなければならないでありますとか、孤立するだとか、乗りおくれるなだとか、そういうフレーズに惑わされて一気に TPP に参加していく事態にならないように、ぜひとも今後とも全力を挙げて頑張っていただきたい。我々も頑張るし、町民自身もみずからの問題として頑張っていかなければならないと思います。そんなことで、最後に一言お願いします。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
お話ありましたようなことを十分認識しながら、これからも対忚してまいりたいというふうに思います。
再質問 8番 増田武夫
終わります。