みんなの議会

訓子府町議会 平成28年第1回定例会 2016年3月9日

農業委員会の制度改正による影響と課題について

2016年3月9日、訓子府町議会の一般質問で、西山由美子議員が「農業委員会の制度改正による影響と課題について」質問し、町長 菊池一春、農業委員会事務局長 竹村治実、農業委員会会長 清井敏行が答弁しました。

質問者
西山由美子 議員
答弁者
町長 菊池一春、農業委員会事務局長 竹村治実、農業委員会会長 清井敏行

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 10番 西山由美子

10番、西山です。農業委員会の制度改正による影響と課題について、町長にお伺いいたします。農業委員会は戦後の農地改革を経て「農地の番人」と位置付けられ、1951年に農業委員会法が制定されました。農業者の「自治」を表わす組織は、このたびの法改正で委員の公選法から首長の選任制へ、また定数削減や推進委員の設置、必須業務として農地等の利用の最適化の推進など、制度の根幹が見直されました。制度改正に対する委員や農業者からは不安の声も聞かれています。平成29年の任期満了後における本町の農業委員会のあり方について、任命権を持つ町長の考えを伺います。一つ目、このたびの制度改正について、本町の場合、どのような影響や課題があると考えますか。二つ目、本町の農業委員会が果たしてきた役割と今後の委員定数削減や推進委員の設置について、どのように考えていますか。

答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)

ただいま「農業委員会の制度改正による影響と課題について」2点のご質問がございましたのでお答えをさせていただきます。まず、1点目の「このたびの制度改正について、本町の場合、どのような影響や課題があると考えますか」とのご質問でございます。農業委員会は昭和26年施行の農業委員会等に関する法律に基づき、市町村長の指揮監督を受けることのない独立した執行機関として、農地がない、または農地が著しく少ない市町村を除き、全国の市町村に設置されている機関であります。本町の場合は、選挙による委員10人、選任による委員3人の計13人で構成されています。法改正によると「議会の同意を要件とする市町村長の選任委員に一元化する。その際、事前に地域から推薦・公募等を行えることとする」とされています。農業委員会が現場で活動し成果を得るためには、地域の代表として選ばれ、地域から信頼を得ていることを制度的に担保することが重要であります。地域から信頼を得た農業委員だからこそ、地域の貴重な資源である農地の権利移転などの仕事を進めることができると考えております。そのようなことから、公選制から町長の選任制への移行においても、現行の公選制の下での地域の話し合いを中心とした取り組みに留意した上で、町長の恣意し い的な選任を防ぎ、地域の農業者からの推薦を基本とした透明性のある手続きを構築することが重要であると考えております。次に、2点目の「本町の農業委員会が果たしてきた役割と、今後の委員定数削減や推進委員の設置についてどのように考えていますか」とのご質問でございます。農業委員会の主たる役割は、農地法等の規定により、専属的な権限に基づき行う農地の権利移動や転用に関する農地行政の執行をはじめ、優良農地の確保や遊休農地の解消、認定農業者等への農地の利用集積等の取り組みを行う業務を担っております。今回の法改正の柱の中には農業委員の選出方法の変更の他に「農地利用最適化推進委員の新設」がございますが、「農業委員とは別に農地利用最適化推進委員を設置し、農業委員と密接に連携し、担い手への農地利用の集積・集約化、耕作放棄地の発生防止・解消等の地域における現場活動を主に行う」となっております。また、この農地利用最適化推進委員につきましては、遊休農地率が1%以下および担い手への農地の集積率70%以上の市町村にあっては農地利用最適化推進委員を設置しなくとも良いとなっております。本町の場合は、昨年10月に国の公告では遊休農地率0%、農地の集積率は90.9%となっており、農地利用最適化推進委員を設置しなくとも良い町に指定されております。制度的な委員定数の考え方で言いますと、農地利用最適化推進委員を委嘱する農業委員会については、総会を機動的に開催できるように、現行の定数の半分程度とし、農地利用最適化推進委員を委嘱しない農業委員会については、農業委員が農地利用最適化推進委員の機能も兼ねることから、現行の定数とほぼ同数としています。参考までに農業委員会等に関する法律施行令では農地利用最適化推進委員を委嘱しない農業委員会にあっては、本町の農地面積と農業者数では委員の定数の上限が27人となっております。近年は農家戸数が徐々に減ってきて、農地の集積化が困難な状況にあって、ますます農業委員会の役割も重要となってくると考えており、今後におきましては農業委員会の定数や農地最適化推進委員の設置の有無について、農業委員会とも協議し対応を行ってまいります。以上、ご質問のありました農業委員会の制度改正による影響と課題についてお答えさせていただきましたので、ご理解賜りますようよろしくお願いを申し上げます。

質問 10番 西山由美子

今、改革についての町長のお考えをいただきましたが、その前に私たちの町の今の農業の実態がどういうふうになっているかということを私なりに数字はつかんではいるんですが、正確な数字をもしお答えいただければと思います。まず農地面積です。それから現在の農業の戸数と農業に携わる人たちの人数、それから認定農業者数、それから先ほど町長の回答の中では遊休率が0%で担い手の集積率が90%を超えているということで回答いただきました。集積率が90.9%というふうに回答いただきましたので、それはわかったんですけれども、あとですね、後継者のいない農家数、もしこれが人数的にわかりましたら教えていただきたいと思います。

答弁 農業委員会事務局長 竹村治実(農業委員会事務局長は2016年3月まで)

ただいま、農業の現状についてのご質問でございます。まず農業者の数でございますけれども、現在、戸数でいきますと、農業者戸数が291戸、それと法人の数が18戸で戸数的には309戸となっております。それと農地面積でいきますと、現在、農地台帳で把握している面積でございますけど、6,938.7haとなっております。それと認定農業者の数でございますけれども、ちょっと資料的にはないんですけれども、訓子府の場合はほとんどがですね認定農業者となっております。大体比率にしますと96、97%ぐらいが認定農業者の割合ですので、今、法人も含めてですけれども309戸のうちですから、290数戸が認定農業者と考えてよろしいと思います。それと後継者のいない現状でございますけれども、現在ですね、訓子府町で20歳から60歳までの世代でいきますと、少し古いんですけれども27年6月現在で85人の方がですね、現在、独身の方です。その中には1名の女性の方も含まれていますけれども、現在、独身の方というのはこのような人数になっております。

質問 10番 西山由美子

今、私たちの町の農家の現状を教えていただきましたが、農地面積が6,938haといいますと、今の現在の13人の農業委員さんの1人平均でいきますと500haを超えているわけですね。これは全国の平均から見ましても大変なことでありまして、私たちも産業建設常任委員会で1月に農業委員会の11人の委員の皆さんと懇談をしました。その中でやはり今年度からの制度改正について、大変不安な声が聞かれました。今の定数、やり方でベストであると。これ以上減らしてもらっては本当に仕事がやれなくなる。あと一般の人にもこの改正の情報を知らせてほしいというのは、中には今期で初めて農業委員になって、その仕事の大変さがすごくよくわかったという声がありました。それから、これから今、菊池町長はこういう考えで農業委員会の人たちともきちんと話し合って最良の方法をというお答えでしたけれども、今後いろんな人が首長になるわけで、その首長になる方たちの考え方によっては、またその人選もとても心配であると。地主の話をよく聞いて、その判断をもとに話し合いを進めていくということが、やはり地域から選ばれた農業委員さんの最良の務めであるということで、さまざまなご意見をいただきました。それで広報の中に3年に1度の選挙の年に必ず農業委員会委員の名簿が公表されています。平成23年度の改選から26年度の改選、選挙はありませんでしたけれども、そのときに農家戸数が個人では27軒減っております3年間でですね。法人は10軒増えて14軒になっております。農業人口は112人減って、法人ではプラス31人ですから全体では81人減っております。26年から来年度、改選期になるわけですから、今、局長の方から現状291戸ということは、また26年度よりも減ったんだなということが改めてわかりました。それで私は農家といいましても、40年間農村で仕事をしておりますけれども、農地を持っているわけでもないし畑作ではありませんので業種が違います。私たちも認定農家制度になって初めて平成18年に認定農家として認められたわけですけれども、農地のことに関しては本当にあまりわかりません。それでさまざまな意見をいただきたいと思って、農家の方の声を拾ってみました。まず30代の後継者です。「制度改正については知らなかった。どこで周知したのか、今後するのか、そこをはっきりしてほしい」ということです。「自分も今後20年先のことを考えると、これから面積が増えても大変だし賃借の方がよいと思う。まだ実感がないけれども農業委員は大事な仕事なのでちゃんと考えてくれる人を選んでほしい」そういう声でした。40代の後継者です。「知っています。署名とかの話も聞いたことがあります。町長の任命で農家が納得するのか、定数は減らさない方がいいと思います。自分も役員になって前回のときに二つの地域で交替で出しているんですけれども、お願いにあがったということを経験しているので、地域のことを把握している人をぜひ選んでほしい。新規就農の支援も今回出されているけれども、よいことだけれども、農村というのはどうしても閉鎖的なので、お金だけじゃなく地域の中に溶け込めるようこれからも育てる役割を行政が担ってほしい」という声でした。50代の方です。「国が決めたことだから諦めている。農家のことをよくわかっている首長ならいいけれども、将来的には不安がある。任命制になるにしても現役の委員の意見をよく聞いて任命してほしい。あと企業参入の心配がある」そして「自分のところでは後継者がいない農家がおそらくこの5年以内に7戸ぐらいやめるだろう」と。「余った土地は自分たちも買うにも限度がある」あと60代の方です。「現在ほかの地域と交替で決めている。地域のことをよく知った人になってほしい。定数は減らさない方がいいと思う」そして「町民、あるいは農業人に対して詳しい説明をしてほしい」と。こういうご意見をいただきました。今回のこの答弁に関しては、あまり町長の考えというのは、はっきり出されていないような気がいたします。おそらくこれから来年度の改選に向けて、また12月の条例制定に向けて話し合いが進められてくるからかなと思うんですが、もう少し町長ご自身の考えと、それから今後の条例制定に向けての話し合いの計画について、具体的にわかりましたら教えていただきたいと思います。

答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)

今、西山議員が地元の声として30代、40代、50代、60代のお話をしていただきました。私もこの農家の方々の意見とまったく同じだというふうに考えております。別組織、独立した組織の農業委員会ですから、現時点でこういうふうにするとかということはちょっと差し控えたいとは思いますけれども、少なからずも28年度に入りましたら、農業委員会の事務局長と会長等を中心にしながら懇談をきちんと深めていきたいというふうに思っています。推進委員の設置、あるいは農業委員会の定数等も含めて現状をどのように理解していただけるのか。それから今後どうするべきなのかという意見を十分踏まえながら任命制の施行といいましょうか、実行に努めていきたいと思っています。ただ、町長として意見を問われますと、私は何度もお話をしているように今回のTPPは大反対でございます。それから農協法の改正についても、全農の改組についても気になります。それから耕作主義を徹底した農地中間管理機構についても基本的にはちょっと気になっているところでございますし、とりわけ農業委員会については、行政からの独立という点は、やはり至上命題だというふうに考えておりますから、その点でいいますと大反対であります。しかしもう施行が決まっておりますので、できるだけ現状の地域の声を参考にして公選制を是とする考え方を基にしながら新しい改革といいましょうか、新しい制度実行をしていかなければならないというふうに思います。3年前というよりも前回の農業委員会の改選の中で川南地区の農業委員がなかなか選べなかったとか、いろいろな問題があるようですから、私はこうした実態と農業委員の皆さんの声と真摯し ん しに向き合いながら次なるステップに進んでいきたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。

質問 10番 西山由美子

今の段階でははっきりした考えを出せないということですが、農地利用最適化推進委員の設置については、条件的には私たちの町は6千haを超えていますから置かなくてもいいんじゃないかという感じがするんですが、その点はどうなのかということと、あと選出方法の変更の中にですね、認定農業者も90%以上ですから、これも問題ありませんが、農業者以外の者で中立的な立場で公正な判断をすることができる者を1人以上入れると、そういう項目があります。その点についてはどういうお考えか。あと女性や青年も積極的に登用するという項目もあります。推進委員とその点、その3点についてどういうふうにお考えなのか、お願いします。

答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)

推進委員につきましても現在の農業委員さんのご意見を十分お伺いした上で最終的な判断をしていきたいと思っています。それから女性と青年も中に入れるべきではないかということも農業委員の答弁でも申し上げましたように非常に難しい判断を迫られることもございますから、単純に何名枠とかということにはいきませんけれども、しかし現況の農業委員さんでは例えば女性を2人入れておりますので、そういったこともやはり大事にしながら今後の私自身が任命するという対象をどうするかということも総体として判断していかなければならないだろうなというふうに考えております。

答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)

十分参考にさせていただくということでとどめたいと思います。やりようによってはちょっと問題も出てくるでしょうから、逆に言うと客観性で民間の人を入れるということの是非も含めて判断してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。今、農協推薦が入っていますから、まったくの民間とはいえませんけれども、これらを含めてちょっと検討していかなければならないと思います。

質問 10番 西山由美子

わかりました。その中で女性の委員さん、議会推薦で2名いらっしゃいまして、2期目を今やってもらっているわけですが、1人の方にお話を聞きました。やはり自分が経営者となって、いかに自分が女性であるがためなのか、農業に対するいろんな情報が今まで自分のところに入ってこなかったというか、自分が気付かない部分もあるのかもしれないけれど、農業委員になって知らされたことがたくさんある。とても勉強になっていますというお話がありました。その中で昨年度なのかな、農業者の方が経営者の方が亡くなって、男性が亡くなって、奥さまが残されたことがあって、そのときに自分が真っ先にそこのお家を訪ねようと、なぜか自分がそういう意思で動いて、家がちょっとわからなかったので迷いながらそこの家を訪ねて、自分がいざそこの家を訪ねて何を言おうかと思ったんだけれども、何か困ったことがあったらぜひ言ってくださいって、もうそのことしか言えなかったんだけれども、それは自分自身が体験してご主人が亡くなって、やはり大変な思いをした苦労がわかっているから、そういう行動に出てしまったんだというお話をされました。あっここが女性と男性の感覚が違うということの最も表れなのかなと思って私も聞かせていただいたんですが、そのことも含めて、やはりもうどの世界でもそうですが、男性だから女性だからということではなくて、やはりいろんなものの見方ができるような体制づくりが必要かと思いますので、これからの農業委員会との話し合いの中で本当に十分な話し合いをして、皆さんが納得できるような体制づくりをぜひしていただきたいと思います。この中に議会の同意権というものが、そこで出てきます。地方議会運営の実務検討委員会で今回の農業委員会の改正によって、この議会において、この農業委員会の選任をどのように提案されて審議されて議決するべきなのかということが議論されたということが議会時報の先月号に出ていました。その中で、原則として他の行政委員と同様、一人一案件として提出されるべきであると。例えば定数が10人と決まったならば、10人を一括して提案するのではなくて、一人一案にして提出されるべきではないかと、そういう意見が出されているというふうに、個別に採決するべきであるというふうに議論されているというふうに出ていました。そのことに関してはいかがでしょうか。

答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)

今、十分話し合いが必要だと。それから例えば今、議会推薦で女性2人が入っている。前議長、副議長含めて非常にご苦労されて、ご本人を説得したり、それから私自身も内閣府の男女共同参画局長の部下が私のところに来まして、ぜひ農業委員に女性を登用してほしいという声もありました。ちょうどその時期が一致したということもあって現在のお二人の女性委員が任命されておりますので、これらも含めてお二人からもご意見を伺わなければならないなというふうに思っております。ただもう一つの動きとして、例えば最近JAきたみらいの幹部からフレッシュミズの代表の方が各委員会の委員として登用されることに対して、とてもじゃないけど忙しくて出られないと。そういう意見が出てまいりました。すなわち、それぞれのセクション、それぞれの場所で女性としての発言をしていくという機会はきちんと設けていかなければならないと思いつつも、現実的には非常に難しい問題もはらんでいるんだなということもありますので、これらについてもやはり慎重に考えながら現在の農業委員さんと話し、懇談を深めていかなければならない。それから10人一括で今までやっていたことを個別、一人一人を承認を得るようなかたちが必要じゃないかということが出てますけれども、これらについても制度の中でどういうふうにしていくべきかということもまだ私のところに委任されていませんので、話し合いの柱として検討していきたいと思います。

質問 10番 西山由美子

わかりました。4月からですから本当に今の時点では、そういう回答だというふうに受け止めております。それではですね、話し合いの中でぜひ町長の考えを聞きたいという委員さんの声も聞かれました。農業委員さんを代表いたしまして、清井会長の方からもし何かあれば一言お願いいたします。

答弁 農業委員会会長 清井敏行(農業委員会会長は2016年3月まで)

私の方からも言わせていただける部分がありましたので、せっかくの機会ですので発言をさせていただきたいと思います。それで推進委員の関係につきましては、農業委員会で委嘱するかたちなんですよね基本的には。そういう中で推進委員の業務というのは担い手への農地の集積・集約化、耕作放棄地等の発生防止等の現場活動が主なんですけれども、農業委員は逆に権利の移動とか、農地の利用集積、耕作放棄地発生防止について現場を把握した上で行うというのが最善の方向だと考えておりますので、今のようなかたちで、現状のようなかたちで農業委員会がやっていけるかたちをとれれば、検討していただきたいと町に対しては考えておりますし、私どもとしても4月以降に、4月から改選になる地域がありますので、そういう地域、先進地域を視察した上で、また自分たち農業委員同士でもいろいろ問題提起、意見等を述べて町に要望していきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

質問 10番 西山由美子

今、農業を取り巻く情勢が本当に厳しいものがあります。その中で農業を職業として選ぶ新規参入の方もこれからどんどん増えていってほしいなという願いもありますので、元々、先祖代々の土地を守り抜いている農業者の方たちがやむなくやめていくことがないように、やはり農業を誇れる職業として未来に向かっていけるように農業委員会制度を行政とそれから農業委員会とがお互いにきちんと農業者の立場を考えながらやっていけるように、話し合いを進めていっていただきたいと思います。

出典:訓子府町議会 平成28年第1回定例会 2016年3月9日 議事録 PDF(17ページ) 間違いを知らせる