みんなの議会

訓子府町議会 平成24年第1回定例会 2012年3月9日

本町における地域農業マスタープラン

2012年3月9日、訓子府町議会の一般質問で、工藤弘喜議員が「本町における地域農業マスタープラン」について質問し、町長 菊池一春、農林商工課長 佐藤正好、農業委員会事務局長 遠藤琢磨が答弁しました。

質問者
工藤弘喜 議員
答弁者
町長 菊池一春、農林商工課長 佐藤正好、農業委員会事務局長 遠藤琢磨

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 3番 工藤弘喜

3番、工藤です。それでは、質問の通告書に従いまして私の一般質問をこれから行います。今回は、1件だけでありますが、本町における「地域農業マスタープラン」についてであります。農林水産省は、2012年度予算に「力強い農業構造実現に向けて、人と農地の問題を解決しよう」と「新規就農支援」と「農地集積のための対策」を柱とする「人・農地プラン」いわゆる「地域農業マスタープラン」を盛り込んでいます。この「地域農業マスタープラン」は「人と農地の問題を抱えるすべての市町村や地域で策定することを目指す」とされ、農業を基幹産業とする自治体にとって、その責務は重いものがあると考えます。同時にプラン作成にあたっては、農業問題としてだけではなく、そこに住む地域住民の福祉や暮らしの観点からも検討することが、自治体としては、求められると思います。よって、次の点について、町長の見解を伺います。1、この度出された「地域農業マスタープラン」について、どのような見解を持っているのか伺います。2、本町農業の現状と課題をどのようにとらえているのか伺います。また、課題があるとするとその要因と解決策について、どのような考えを持っているのか伺います。3、「地域農業マスタープラン」作成の進め方について、どのような方法で取り組もうとしているのか伺います。4、プランの正式決定は、いつまでを考えているのか。また、プランは何年間のものを作成するのか伺います。5、作成したプランの拘束力は、どの程度になるのか。また、実効性に対しての検証や評価というものがあるのかを伺います。以上です。

答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)

ただいま「本町における地域農業マスタープラン」について、5点のお尋ねをいただきましたのでお答えをさせていただきます。まず、1点目の「地域農業マスタープランについての見解」についてであります。国は、このプランを持続可能な力強い農業を実現するために、それぞれの地域・集落において徹底的な話し合いを行い、集落・地域が抱える人と農地の問題を解決するための「未来の設計図」と位置付けておりますが、兼業農家が多く、耕作放棄地が発生しやすい他府県の農業をイメージした施策でないかと不満に感じております。北海道のように経営規模の大きい専業農家が大半を占め、さらには規模拡大傾向の強い本町においては、農業者のほとんどがこのプランでいう「地域農業の中心となる経営体」に位置付けされるものと思っております。また、新規就農の全てが親元就農である現状などを考えますと新たに制度化される青年就農給付金の対象となる可能性はほとんどないこと、農地集積における経営転換協力金の交付要件に、離農を前提とする農地の出し手は6年以上の貸付けを農地利用集積円滑化団体に白紙委任しなければならないことと、保有する農業機械を廃棄あるいは地域の中心となる経営体に無償譲渡しなければならないことなど、実態に合わないものが多く、総じてこのプランと、これに付随する施策については、北海道内及び本町向きでないと感じているところでございます。次に、2点目の「本町農業の現状と課題」についてでありますが、ご案内のとおり本町では歴代町長が農協と連携し土地基盤整備や農業近代化施設の整備に積極的に取り組んできたこと。さらには、農業試験場などの農業関係機関のご協力や農家個々の血のにじむような努力があり、今日の安定した農業があるものといえます。しかしながら、一部には後継者の関係や経営的な理由で規模縮小や離農せざるを得ない農家も現実におりますので、これまで取り組んできた担い手対策をいかに効果的なものにするか、また、経営安定化のための土地基盤整備等を継続するための補助制度をいかに確保していくかが重要といえます。近年の農業基盤整備予算の削減やTPP交渉への参加など、本町のみならず、我が国の農業の根幹に関わる問題が矢継ぎ早に噴出している現状にあり、これらをいかに早く正常化させるかが、安定した農業経営を継続していく上で最大の課題であると感じておりますので、今後も引き続き、北海道や農業関係団体等と連携し、国に対し改善要望を行ってまいりたいと考えております。次に、3点目の「マスタープラン作成の進め方」についてでありますが、2月17日に北海道農政事務所主催のマスタープラン作成に係る担当者説明会において作成要領が示されたところです。町としましては、このプラン作成のメリットの1つであるスーパーL資金の金利負担軽減措置が、本年4月1日から適用されることを受け、農業者に不利益を生じさせないことを最優先に考え、まずは本年度中、すなわち今月の末までに、このプランを完成させることとしたところであります。このプランには、農業者個々の情報のほか、作物別経営面積等の現状と計画を盛り込むことが必要なため、農協とも協議し、急きょではありましたが、3月5日に町内の全農業者を対象に説明会を開催したところでございます。その中で、農業経営改善計画を基にプランを作成することについての了承と個人情報の取り扱いについての同意書の提出をいただいたところであります。なお、集落数については、通い作が多い本町の実態を考慮し、全町を1地区とし、将来、分割の必要が生じた時点で見直しを行うことで説明をし、農業者の理解を得たところでございます。次に、4点目の「このプランの決定時期と計画年」についてでありますが、町としましては、今回の説明会を初回の地域協議の場と位置付けるとともに、プラン作成には膨大な事務が伴いますので、既存の情報を最大限活用しながら作成することを基本に、本年度中にマスタープランを完成させたいと考えております。なお、目標年につきましては、国の戸別所得補償経営安定推進事業実施要綱の参考様式の中で、平成28年度とされておりますので、向こう5年間の計画といえます。次に、5点目の「プランの拘束力と実効性に対しての検証や評価」についてでありますが、このプランは町が認定するものであり、原則として1年に1回の見直しを行うことにしております。また、農地集積に係る事項については、事案が出た都度、見直すこととしておりますので、このプランが足かせになって、農業者に不利益が生じることはないと理解しております。町としては、このプラン作成のメリットである青年就農給付金や農地集積協力金の交付と、スーパーL資金の金利負担軽減措置を受けられるようにするためのマスタープランと位置付けたいと考えております。以上、お尋ねのあった5点についてお答えしましたので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

再質問 3番 工藤弘喜

それでは、何点か再質問になりますが、今、町長からも答弁の中でありましたが、実は私がこの質問の通告書をつくって提出したのが2月末だったのですが、その後、お答えの中にもありましたように町主催で3月5日に全農業者を対象とする説明会があったということでありまして、実はその場所に私も出席しておりましたが、今日のこの質問との関わり合いの中でいけば、この質問をつくった時点での質問は、説明を受けた後の質問ということで、やっていきたいと思いますので、5日の説明の時とダブる回答になることもあるかと思いますが、その辺、よろしくお願いしたいと思っております。まず、再質問の1点目でありますが、最初に見解について、お伺いした中で、お答えいただいたのですが、私も同じような感じを持っております。まさしく我が町だけではなくて、北海道にとって本当にこのプランが地域農業の振興になっていくのか。あるいは日本の農業全体の底上げになっていくのかという点でいけば、非常に問題のあるプランでもあるし、ある意味、意味のないものかと思っております。それで平成24年度の国の予算なのですが、昨日、衆議院を通過したということでありますが、作成のためだけに何億円もお金をかけている訳です。そういう中で本当にどうかという思いがありますが、まず、メリットがあるかどうかは別にしまして、この問題を考える大前提として、この政策、あるいは2012年度の農林水産予算のもっている性格というものを行政としても正確にとらえておく必要があるのではないかと思っているのが、私の今の思いであります。これについて、若干お伺いしたいのであります。少し長くなりますが、私の考え方というか、認識から発言したのですが、このプランがこのようなかたちでなってきたというのは、やはり背景があるのです。これは先ほど町長のお答えの中にも言葉として出てきたTPPの問題が大きく背景にあるということをしっかり押さえなければいけないのではないかと思っております。今回の2012年度の国の農林水産予算は、野田政権がいろいろ言っているのだが、やはりこの予算の中にTPP前提の農業政策をきちんと織り込んできているというところをしっかり見ておく必要があるのではないかというのは、北海道農業なり、本町農業にメリットがあるとか、ないとかということは別にしてとらえていただきたいということであります。昨年9月に発足した野田内閣というのは、発足当初からTPP参加の検討を表明し、その11月、APECの頃です。交渉参加に向け、関係国との協議に入るということを正式に表明いたしました。そして、このような動きと連動するようなかたちで、一昨年の10月でしたか、菅首相が唐突にTPP参加を言いだして、その間、やはり着々と政権側というか、政府側は準備を進めてきていた背景がある訳です。その中では、さまざまな諮問機関等々も通じながら、昨年10月での協議をもとに、高いレベルの経済連携協定と両立しうる持続可能な農林漁業を実現するとした基本方針、あるいは行動計画というものを内閣で決定しております。昨年12月には、この基本方針行動計画に基づいた施策の集中展開をしなければいけないという議決、提言のもとで来年度になりますが、2012年度の集中展開のための予算だという意味合い、意味付けを持ってたてられたのが2012年度予算だと。その1つの目玉として出てきているのが、今回の人・農地プランの示している内容だということをしっかり押さえておく必要があるのではないかというのが私の考えであります。この点について、本町の担当者含めて、どのような押さえ方をしながら、これを先ほどのような進め方、これは、私は決して間違ってはいないと思っていますが、その進め方をする以前の認識、この政策に対する認識、あるいは予算に対する認識をどのようにお持ちだったのか。この点について、見解をお伺いいたします。

答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)

ある意味では、国の農業政策に対する私自身への問いかけというように理解させていただいた。1つは、特徴的なこととして今、TPPの問題の話をされましたが、本当にこのところの農業政策というのは、非常に唐突的ということはゆがめない事実であります。例えば、戸別所得補償政策が民主党のマニフェストによって新たに打ち出されて、品目横断から戸別所得補償というかたちで出てまいりました。これは1年間やってみて、全国的な見直しを含めていく。戸別所得補償というのは、基本的には、小規模経営でも対象としていくというマニフェストの基本的なスタンスだったと私は思っています。これは水田農家も畑作もそうですが、しかし、現実的には、このプランを見る限りでは、集約化をして、そして、大型化を図っていく。これは今、工藤議員がご指摘のとおりTPPに備えた新しい農村、あるいは農業体系をどのようにつくっていくかという1つの政策ではないのか。もう1点申し上げますと昨日の山本議員の質問でしたが、体質強化の基盤整備事業についてのご質問がありました。私は一貫して、この2年間、農業基盤整備、暗渠等の整備を予算を削ってはならないということを要望してまいりましたし、そのことに応えたかどうかは分からないがと昨日言いまわしをしました。今回、900億円の緊急的な補正の中で、こうした部分が出てきた。実は、私は少し勘ぐりもありますが、1つは、あまた多い、そういう農村からの基盤整備とあわせて、やはりTPPに対抗する農業をどのようにつくるのかということの1つのほか緊急的な表れではないのかというように私はとらえています。しかし、今日の北海道新聞や朝日新聞などを見ていますと大体8月から9月くらいに米国を含めてTPPの日本参加が具体的になるのではないかということまで言われております状況の中ですから、私は現時点ではTPP含めた北海道農業を破滅的といいますか、本町にとっても、輪作体系が崩壊するであろうこのTPPについては、断固反対ということを表明しておりますが、関連して私は一方では、良い方が悪いのですが、と言ったほうがいいのでしょうか、得を取る、いろいろな政策を吟味しながら、やれることはやってしまう。その基本は、農家の人のために、やはり農家のために取るものは取るということが、私は職員も今回急いでL資金等々含めたことをやらざるを得ないと思ったのは、どこの町にも先がけてこのプランを今月中に作成し、全農業者に呼びかけて、実態を言っていろいろな課題がありますが、うちの町にとっての得を取る。こういう政策のやり方というのは、私は間違っていないのではないかと思っていますので、ここの点は、ご理解をいただきたいと思います。

再質問 3番 工藤弘喜

今、町長からお答えをいただいた訳ですが、予算も含め、農地プランも含め、それについての基本的な考え、見方等については、異論はないと思いますし、もう1つ、いわゆる得を取るという部分、出てきた予算の中で使えるものは使っていく。、まさに、当然だと思います。これはやはり自治体の長として、責任を持つ者として、やはり使えるものは使いながら、農家のためになるものは、どんどんやはり活用するという方向でやっていかなければならない。それは、まさしくそのとおりだと思いますので、ぜひそういう方向で進めていただきたいと思います。それと個別にあと何点かあるので、具体的にお聞きしていきたいのですが、このプラン作成にあたって、先の説明会でも私も聞いていましたが、先ほどの回答の中にもありましたが、この施策のほとんどが北海道農業、あるいは本町農業にとって、活用が困難というか、不適合だといわれるようなことでありましたが、具体的にこのプラン、実は私も2月はじめに読んで、はじめて見て、1月の末でしたか、これはやはり相当問題があるということで質問しようかと思い準備していたのですが、先ほども言ったように3月5日に説明があって、少しほっとしていたところなのですが、その説明会等々を踏まえて、本町としては、先ほどの回答にありましたように、どこが北海道農業なり、本町の農業にとって活用が困難なのか。そのように判断したのか。具体的に説明をお願いしたいと思っております。特にこのプランの2つの柱になっています農地集積の問題、対策があります。農地集積をこのプランどおりに進めることが、どのようにこのプランが言っていることと本町の実態とあわないのか。もう1つ、新規就農という、もう1本の柱がありますが、この新規就農対策が本町にとって、あるいは北海道農業にとって、どう意味のないプランの進め方になっているのか。国がいうプランの進め方になっているのか。具体的に説明をお願いいたします。

答弁 農林商工課長 佐藤正好(農林商工課長は2012年9月まで)

今、2点のお尋ねをいただきました。まず、北海道向きではないということは言えますが、この施策自体が日本の国にとって、本当にどうなのかという部分では、コメントできる立場にないと思っておりますと申しますのは、他府県では、現実に兼業農家が離農していくというケースがあり、テレビなどを見ていますと先祖代々の土地を人に譲りたくないというようなこともあって、そのまま流動化が進まない。場合によっては、耕作放棄地につながるという事例もあるようですから、まったく国の制度そのものを否定する立場にはないということでご理解いただきたいと思います。今、お尋ねのありました農地集積協力金の関係、それと新規就農の関係でございますが、まず、農地集積協力金の関係で申しますとまず農地の提供側の問題になります。農地の提供する側については、離農が前提だということになってございます。そうすると北海道はどうなのか、訓子府はどうなのかと考えた時に比較的大きな農業者が多いという中で、実際には、離農した時には、なるべく早く現金に換えたい。土地などは手放してお金に換えて、あるいは機械も処分して離農後の生活資金に充てたいというのが一般的であろうかと思いますが、この中では、10年間土地を貸すことを白紙にしなければならない。農地集積化円滑化団体に、おそらく町でございますが、そこに白紙委任をしなければならない。どなたに貸してもいいが、とりあえず10年間貸したい。なおかつ、その中で6年間選ばれた方にその農地を貸す契約をすることになるのですが、その際、持っていた農機具のほとんどを廃棄するか、新たに経営を引き継いでいただける方に無償譲渡しなければならない。そういったことが、まず現実的に考えてあり得ないのではなかろうか。本州の府県であれば、そういうことは当然あり得るということにもなるかとは思います。それと新規就農の関係でいえば、ここでは、2つの要素がありまして準備型ともう1つは経営開始型というのがあります。準備型につきましては、農業大学などで勉強している間、年間150万円、最長で2年間給付を受けることができるものですが、実際には、卒業した後、1年以内に就農しなければならない。この就農というのは、単に農家に入るのではなく、実際に経営をしなければならないということが言えるかと思います。本町においては、どちらかというと農家のお子さんたちが新規就農するというケースがほとんどですので、ここでいっているのは、多分まったく新しく新規参入するような方が対象になるのかと思います。仮に、この新規就農される方があったとしても1年以内に就農しなければ、この給付金は返さなければいけないということがありますが、例えば、農家のご子息に置き換えますと単純に親元に就農したからといって、給付金の対象になるかというとそうではない。あくまでも国のいっている新規就農といのは、農業を経営することだということでございますので、そうしたことから、この事務方については、本町に該当する例がないのではなかろうかと思います。それと経営開始型のところで申しましても同じように新規就農という定義でいうと完全に経営するところまでいかないと対象にならない。ただ実際にUターンでもいいですし、学校を卒業して親元に就農された方については、年齢的にまだ若いということもございますので、5年以内に経営を継承するということが、要件になっておりますが、これについては、現実には、年齢的なことを考えても難しいのではないかということが言えるかと思います。うまく答えられないのですが。

再質問 3番 工藤弘喜

大きな要点でいけば、そういうことだとは思いますが、それも間違っていないですし、そのとおりだと思います。当初から言っておりますように、先ほどの答弁の中でありましたが、府県であればやむを得ないのではないかというような、これもいいのではないかというようなお答えもありましたが、ただ、少し注意しなければいけないのは、これは決して府県だからそれでいいかということももう一度考えなければならない。そういう性格のものもあるのではないかということをとらえておく必要があるのだと思います。1つの政策として、先ほど前段で言いましたようにTPPを推進する。前提とするというような農業や地域、日本の経済そのものを大きく変えていくような、そういう方向の中で出てきた政策が確かに農地の流動化、あるいは移動も含めて財産に固執するから農業が振興しないとか、そういうことだけで見るというのは、この政策の見方としては、まずいのかという気は私個人的にはしています。ただ現場を預かる身としては、そういったことも当然加味しなければいけないですし、そういうための対応もしなければいけないということからいけば分かりますが、政策をどうみるかというところでは、きちんとなぜ農地が移動できないのかというところももっともっとやり方というのは、あるような気もいたしますので、そういうことは、留意されたほうがいいのかと思っております。次に、農地流動化というのか、農地の集積という問題が今回のこのプランの大きな柱になっている訳です。いかにして大規模経営なり、法人化するとか、あるいは集落営農含めてなのですが、そうやってある意味の選別政策、農家の選別政策になっている。ふるいの政策がある意味のふるいの目になってきているということ。これは1961年の農基法農政のあの時とやはり同じような仕組みをとっている訳だと思うのです。あの時もやはりアメリカを中心とした外圧、輸入政策というか、推進する側の流れから農基法農政として出てきて選択的拡大というようなかたちで、専業化がどんどん進められていくという背景があった訳ですが、まさにそれと同じようなかたちがこの50年以上たちますが、あらためて出てきたという、そういう問題にもかぶさってくるのかなと思っております。それは、少し置きまして、農業委員会としても、今までいろいろな困難を抱えながら、この農地の移動にあたっては、本町の農地の移動も含め、あるいは担い手対策も含めてご尽力されているのですが、今回のこのプランに対して、どのような考え、思いを持っておられるのか。果たして農業委員会、農地の流動化に対して現場を預かる農業委員会としての見解というか、思い、考え等をお聞かせ願えればいいかと思っていますので、よろしくお願いいたします。

答弁 農業委員会事務局長 遠藤琢磨(農業委員会事務局長は2012年3月まで)

ただいま、工藤議員から今回のマスタープランに関する農業委員会としての見解という部分について、ご質問がございました。農業委員会に関係しましては、議員ご指摘のとおり農地集積対策というのが、主な部分になるかと思いますが、農業委員会としましては、国がこのプラン作成にあたりまして、地域での農地流動化を円滑に進めて農地の確保、それによって自給率を50%に引き上げようという部分。それと遊休農地や耕作放棄地、先ほど町長の答弁にもありましたが、耕作放棄地の発生の抑制という部分も1つの目的というように考えているというように思っております。その中で、就農給付金、それから農地集積協力金などの農地集積対策を今行おうとしておりますが、委員会としましても工藤議員ご指摘のとおりこの施策について、やはり北海道農業、本町農業にあわない要件、先ほどいろいろご指摘ございましたが、そういう要件が多々あるということは、委員会の中でも認識をしております。しかし、このプラン作成によりまして農業者にメリットのある部分も一部でありますが、施策があるということもありますので、委員会としては、全面的にこのプランに対して反対するとか、そういうことではなくて、やはり今後北海道、本町農業と全国的にあうような施策、国が今後このようなプランを推し進めていくということであれば、その内容や要件、適用の緩和などについて、委員会としてもやはり声を上げて要請、要望等をしていかなければならないというように考えております。以上です。

再質問 3番 工藤弘喜

それでは、次の質問に移っていきたいのですが、このプラン作成に向けて今、本町は進めている訳ですが、行政がこのように主体的に決めていかなければならないということにはなっていますが、この件で、JAきたみらいとの協議というか、話し合い、認識の共有はどのように進めておられるのか。あるいは、実態として、どのような話し合いがされているのかを聞きたい訳です。これはやはり行政と経済団体である農協というのは、農業のあり方、目指す方向というのが一緒であれば、何も問題ないのですが、やはり少し微妙に経済団体ということと行政というのは、少し違ってくることもあるのかという思いもいたしております。その取り組みの中にあっては、行政は、もっとそこに住む人たちの問題も含めて、考えなければならない。いくら農業だけの問題とはいえ、農協も同じなのですが、やはりそういう問題も常にあるのかということもありますし、もう1つは、JAきたみらいが合併して行政区が違ってくるという問題があります。この点から、いわゆる北見市と置戸町との問題もありますから、この点での錯誤が生じないのか、どうかも含めて、どのような話し合いをもって、これまで進めてきたのか聞きたいと思っています。

答弁 農林商工課長 佐藤正好(農林商工課長は2012年9月まで)

ただいま、プラン作成にあたってのJAきたみらいと協議、話し合いの経過についてのお尋ねをいただきました。これにつきましては、認定農業者の審査をしています認定審査会、これは網走農業改良普及センター、あるいは農協、農業委員会と私どもで構成しているものですが、この中で各個別農家の農業経営改善計画の審査をしている。その中では当然、そこにも農協の担当者が出てきますので、その内容については、同じ情報を持っているということでございます。その中でもこのプランの関係の取り扱いについての協議をした経過もございますし、何よりも現実にこのプランに例えば、スーパーL資金の関係でも盛り込まないことには、農家に不利益が出るという認識では、まったく農協の担当者も同じでございますので、そういった点では、認識は共有しているということで考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。

再質問 3番 工藤弘喜

確かに、このプランといいますか、施策をどのように使うかということについていけば、おそらく農協も使えるものと使えないものというのは、十分考えているだろうし、そこら辺の情報交換もそれぞれの行政区も同じだと思うのですが、特に、農協ということについていけば、これは良い、悪いは別にして、やはり経済活動ということになっていくとどうしても経済活動で足かせになるような部分、これは少し失礼な言い方になりますが、やはりそこを何とかをしながら、進めていこうとする。そういう方針で、もし仮に農協が事業運営を考えているとしたら、やはりそこは行政と少し違った視点に立たざるを得なくなるのではないかという思いもある訳です。その辺でのすり合わせというか、共通認識というか、これはやはり必要になってくるのかなというのも実際あると思います。特に、その主体になる農業者、いわゆる農協でいけば、農家組合員がこの問題に対しての対応を考えた時に、行政レベルで考える部分と農協での対応が少し違ってくると戸惑う人たちも出ないようなことにしていただきたいということであります。先ほどから何回も言うようにこのプランそのものは、本町はそうやって320戸余りを対象とした。皆が認定農業者というような形で、これは悪いことではなく、すごく評価するべきことだと私も思っていますが、この人たちが本当にこの将来とも、いろいろ事情があって止めざるを得ない人は、それはそれでしかたないところもあるのですが、そうではない人たちも一緒になってやっていけるか。やっていけるような方向をきちんと堅持しているかというところが問われることにもなるかと思いますので、その辺の認識の一致も必要になるのではないかと思っていますが、その点について、今一度、考えをお聞かせ願います。

答弁 農林商工課長 佐藤正好(農林商工課長は2012年9月まで)

議員言われるとおりJAにつきましては、経済活動といいましょうか、そちらのほうがどちらかというとがある分もあろうかと思います。想定される将来的な問題としては、農地集積協力金の関係だと思うのですが、ただ、私どもとしましては、この農地集積協力金については、いわゆる出し手側というのか、離農される方の意向がどうなのかということが大きなポイントになるかと思います。ただ、私どもに見えないところで、例えば、畑を処分するとか、そういった部分は、あるのかもしれないですが、町としては、あくまでもこれは農業者主体で考えていくということになりますので、この協力金の対象事例が出てくれば、その時点で計画に盛り込むことで判断しております。

再質問 3番 工藤弘喜

分かりました。次に、先ほどの答えの中でも、検討会に当然かけて、検討会の結果で正式なプランの策定ということになっていくということになっていますが、本町の検討会をどのようなかたちで、いわゆる構成も含めて、先ほど課長から、JAを含め、名称が上がったのですが、例えば、今回の国が示してきているこのプランの進め方の中には、例えば、検討会のメンバーには、JA、農業委員会、土地改良区関係機関、あるいは大規模経営、大規模戸別経営、あるいは法人経営、必ずこのプランの進め方のどこかには、その地域の中核となる大規模経営というか、それが入っていなければいけないのです。これがやはりこのプランの示す性格の大きな1つなのですが、そこを中心として、プランを立てなさい。そこが良しとするようなプランを立てなさい。そこにどうやって農地を集積するかというのを皆の話し合いで決めなさいというのが、このプランの狙いなのですが、この検討会の中にもそういう大規模個別経営だとか、法人経営者、あるいは集落営農の代表者を必ず入れなさいというようになっているのですが、この点についてのお考えはどうなっているのでしょうか。

答弁 農林商工課長 佐藤正好(農林商工課長は2012年9月まで)

現在、想定しています検討会の構成なのですが、基本は実務担当者レベルということで、先ほど言いました網走農業改良普及センター、JA実務担当者、土地改良区、農業委員会事務局長、町から私とその他に農業者代表で1名をお願いすることにしてございます。それとこの中には、要件として、女性が3割以上、女性委員も入らなければいけないということで、これについては、2名の方、公職などをやられている農業者の方ですが、お願いするということで、予定してございます。基本的には、このプランにつきましては、当初、農地集積にかかる部分というのは盛り込まない。そして、そういった事例が出てきた時点で、ここに農地の出し手側の計画をうたい上げていくことにしていますので、当面のプラン作成にあたっての問題はないというように理解してございます。

再質問 3番 工藤弘喜

先ほどから何回も言うように決して今言ったようなかたちで本町は進め方が間違っているように私は思いませんし、やはり昔からやっているように農家経営をやっている人たち全体が担い手という、基本的な方向を堅持しながらやっているということについては、大いに評価もしたいというように思っています。ただ、もう1つ心配なのが、そのような形で現在のような形で、いわゆる町が本来であれば、集落でそれを話し合いなさいという形でやっていますよね。各集落ごとに、必ずそこには、先ほどから何回も言うように大規模のこれからの集落の中心となる担い手を中心とした話し合いをしなさいということまで、この策定の進め方には、示されているのですが、そういうことをしないで、町が一本化、一体化した中でつくるプランの実効性の問題というか、こういう形でつくったプランが国からあなたたちこういうふうにして作ったが、実はこういうふうなことではだめではないかということが言われないのかどうか。その辺の確認も含めて、先ほど支庁なり、道との説明会に出て進めてきているというから問題はないのかもしれませんが、もう一度、その辺の確認をお願いいたします。せっかくつくったものが、やり方がおかしいからだめではないかということになるのかどうか。ならないのかどうかをお願いします。

答弁 農林商工課長 佐藤正好(農林商工課長は2012年9月まで)

まず、このプランにつきましては、町が認定するということになってございます。その内容は、国と道にその写しがいく訳ですから、当然、同じものは持つことになりますが、基本はあくまでも町が認定するものだということでございます。まったく地域の話し合いがない。国は地域ごとに話し合いをして作りなさいということなのですが、今回、私のほうとしては、初回のこの間の説明会をまず第1回目の協議の場だということで位置付けたこととこれまでもそうなのでしょうが、仮にこの農地集積にかかるような案件が出てきた時には、当然、地域の農業委員たちが中心になろうかと思いますが、実際に地域で協議して、どなたに賃貸をしていくかを決めていくということですから、これからもまだまだ必要に応じて話し合いの場は持つということで、考えておりますので、これについて、国、道から何か指摘を受けるようなことはないものと判断してございます。

再質問 3番 工藤弘喜

それでは、最後の質問になるのですが、最後には町長の見解も聞きたいということになるのですが、昨日からの一般質問の中で、農業の問題、この地域農業をどうするか。本町農業をどうするかという担い手の問題を含めての一般質問があり、私もそれを聞きながら、やはり皆もそうやって心配しているという思いでいたのも事実であります。その中で質問する訳ですが、いわゆる国も、あるいはTPPを推進する側も強い農業ということをすごく全面に押し出して、強い農業、強い農業ということを言っております。そして、強い農業にするために今のような農地プラン、いわゆる法的に施策として、国の大きなお金を使いながら、政策的にをする。選別をするという施策をとってきている訳ですが、本当にそうすることによって、強い農業になっていくのか。もっと言えば、行政側から見れば、強い農業だけでは、やはり地域は成り立たないという考えもなければならないのではないかと思っております。そういう面からして、この訓子府の状況、昨日の質問等々からも感じたのですが、例えば、あまり大きな視点でいうのも何なので、このオホーツク管内というか、特にこのJAきたみらい管内、足元だけで見てみても本町農業の本当の意味での強さというのは、見えてきているのではないかと思います。国がこれ以上何を強くすればいいのかというふうなのが、私の反論なのですか、例えば、農業の粗生産額ひとつを見ても訓子府はやはり非常に大きな断トツの地位を占めています。例えば、平成22年度でいっても、これは確かにこの何年間か、玉ねぎの高い収益性、価格の高さというものもありますが、22年度でいけば130億円を超える粗生産額があり、23年度では、120億円をおそらく超えていくと思います。これに比して、これで他町村をけなしているという意味で言っている訳でないのですが、例えば、JAきたみらいの中だけで見ても、昔、端野と訓子府ということで、それぞれが争ってきて、お互いに技術を競い合いながら磨いてきた端野がどうなっているかと言ってみると端野の22年度でいけば、訓子府が130億円のところ約100億円。23年度で約88億円程度だということです。北見が22年度で70億。昨年度で66億円程度ということになっております。そして、何よりも、昨日の質問の中にもありましたように、訓子府は農家戸数も非常に多い訳です。特に、農協合併以降を見ただけでも今、訓子府は大体320戸余りの農家戸数でありますが、北見で230戸、端野で219戸と非常に減少が見えております。そういう中にあって、大規模化を目指した農業が本当に強いのかどうかも改めてここが示しているのではないのかと思っています。それと同時に、そこにはやはり訓子府の農地面積そのものを見たら、他から見ても経営規模は小さいほうです。この管内的に見ても、JAきたみらいの中でも規模は小さいです。そういう中にあって、これだけの粗生産額と農家がいながら頑張ってこられた。そして、何よりも113名の後継者がいるということです。そして、6名から10名、結婚されて次代を担うかたちがとれていくということも含めて考えますと今回のプランや施策が本当に強い農業や強い地域をつくっていくことになるのかということの大きな物差しになっていくのではないか。そういう意味で、ぜひ町長に考えていただきたい訳ですが、このような、本町のような、多様な農業、お互いに認め合って、そして生きていけるような社会をつくることこそが、いわゆる本当の意味での強い農業であり、強い地域である。それを阻害する要因としての、いわゆるTPPであり、さまざまな農業施策に対して、地域がどうやって存続するためにしていかなければいけないのかというのは、その町のトップに立つ町長の姿勢、あるいは情熱というのが問われてくるのではないのかと思っております。そういう意味で、ぜひ町長には、対外的にも、あるいは町内政策としての施策の充実も含めて、これからお願いしたいと思っているところですが、この点について、町長の見解を伺って、最後の質問といたします。

答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)

かつて、第1次農業構造改善事業や農基法が制定された昭和35年から45年の間に農家人口は1千万人ほどが他産業に流れていったという、私たちは非常に短期間の間に農家の異動が過疎と過密にの社会に受け継がれてきているということは、いまさら申すまでもございません。議員が心配するようにTPPをはじめとして一連の施策は、ある意味では、第2のこうした過疎や農村の崩壊につながるようなことが起きてくるのではないのかということは、私自身も町長として大変危惧し、心配しているところでございます。とは申しましても、この脈々と115年間続いてきた我が町の基幹産業である農業が、工藤議員が言われるように農家数、あるいは粗生産額、あるいは後継者等々の数をみてもまで来たという、この伝統と力はやはり農業者と自治体や生産組織、そして、経済団体である農協等が一体になってつくり上げてきた成果ではないかと私は思います。あらためて国政で申しますと農業委員会も私は市町村主義を貫いてきた結果ではないのかと思います。それは広域的なことではなくて、農業委員会こそが農業の集約化や、あるいは離農される方たちに対する土地の斡旋等々の苦肉の努力の中で何とか農業を後退させないという中で、例えば、これからいろいろな課題が出てくるであろう農業開発公社の今、いずれ土地を買い求める、そうした農業者が現実的には大変厳しい状況に立たされているということもありながらも、こうした市町村主義や耕作主義を維持しながら、生産者の側に立っている農業委員会をはじめとする農業組織の私は継続とさらなる充実を求めて、あるいは一緒になって頑張っていかなければならないのではないかと考えるところでございます。特に、昨日も上原議員からJAきたみらい等の考え方についてのいろいろなご意見もいただきました。拙速に私自身は経済団体である農協のありようが是非について言える立場ではございません。基本的には、生産者個々が農協がより生産者の身近なものであるような努力を抜きにしては、農協の発展はあり得ないと思っておりますが、しかし、地域の社会的な役割を農協がいかに果たしていくかということは、極めて重要な問題でありますので、るる、行政の責任者として、農協のリーダーにもこの農地プラン等々についても時期がきたらきちんとお話をしながら、地域の生産者をいかに守っていくのかということを述べていかなければならないと考えているところでございます。経営規模が小さくてもの傾向でいうと段々と十勝農業化していくのではないだろうか。すなわち作物が限定されてきている。これがオホーツクのうちの町でいくと多種多様な作物の中で柔軟にいろいろな困難を乗り越えてきた生産組織を中心として、技術向上や生産、あるいは所得額の拡大等もやってきたうちの町とは違う方向でひょっとしてこれが国政や世界的な農業の中で少し揺さぶられるともろい状況も一方では出てくるのではないのか。そういう心配すらしています。本当に私たちは改めて地域農業を支えていく強靭な農業づくりとそして、さまざまな課題に対応していく、例えば、地産地消の問題や、あるいは6次産業化の問題、そしてさまざまな、昨日も出ていました酪農、畜産に対するTMR等の施策をきめ細かな施策を行政として発しながら、農業を支えていく、発展させていくということが、私は町長として、求められていることではないのかと思えてなりません。最近の例で言いますと北見農業試験場がつくり上げたスノーマーチの例がずいぶん報道されるに至りました。男爵、メークインを中心としたじゃがいもが、スノーマーチによって、シストセンチュウやさまざまな病気に強いということで、農業試験場の技術者が生産したこと。普及所が普及したこと。それらを本町の生産者が確実に地元の消費者に広げながら、そして、流通にも乗せながら、また、付加価値を付けるためにというよりは、名前を売るために「訓酔」という焼酎を作り、そして、それが市場にのっかり、農協でもそれは1つの品種として認めざるを得ないという、こういう取り組みが農業というのは、実に多面的で多様な産業だということを私自身は強く感じたものでございますので、あらためて、そうした地域の底支えによる農業の発展のために全力投球をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。

再質問 3番 工藤弘喜

これで、私の質問を終わります。

出典:訓子府町議会 平成24年第1回定例会 2012年3月9日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる