訓子府町議会 平成22年第3回定例会 2010年9月14日
農作物における鳥獣被害の現況と対策
2010年9月14日、訓子府町議会の一般質問で、上原豊茂議員が「農作物における鳥獣被害の現況と対策」について質問し、町長 菊池一春、農林商工課長 佐藤正好が答弁しました。
- 質問者
- 上原豊茂 議員
- 答弁者
- 町長 菊池一春、農林商工課長 佐藤正好
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 上原豊茂
次の質問ですが、農作物における鳥獣被害の現況と対策についてであります。鳥獣被害対策については、カラスの駆除対応、鹿柵の設置など行政として対策を打ち一定の成果を上げてきたものと認識をしています。鳥獣の環境への順応性や繁殖力は被害対策をはるかに超え増殖しているのが現状だと思います。これらの被害拡大は、農家の生産意欲の減退やさまざまな面での資材投資も含めた生産コスト高へとなり、農家経済に大きな打撃を与えていくと思います。このような状況は、全道的なものとして報道されていますが、町としての施策とともに北海道としての対策も明確にするべきだと私は考えます。道・国への対策要請活動も含め、町として今後の取り組みについて、どのように考えているのか町長の考えを伺いたいと思います。1点目は、鹿柵設置効果と鳥獣被害の現況についてであります。2点目は、狩猟に係る実態と今後の対応についてであります。3点目は、広域的な取り組みへの考え方とその対策についてであります。以上、3点お聞きしたいと思います。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
ただいま「農作物における鳥獣被害の現況と対策」について、3点のお尋ねをいただきましたので、お答えをさせていただきます。まず、1点目の「鹿柵設置効果と鳥獣被害の現況」についてであります。鹿柵の設置につきましては、平成16年度、17年度、この2カ年に総事業費約2億2,600万円を投入し整備したものでありますが、整備年であります平成16年度の農作物被害は、面積で64.5ha、被害額で約5,500万円となっておりました。これが直近で把握できている平成20年度には34.7ha、被害額で約2,400万円となっておりますので、設置効果はあるといえますが、一方では、これまで被害のなかった地区に出没し、被害をもたらしている実態もございます。次に、2点目で「狩猟に係る実態と今後の対応」についてのお尋ねをいただきました。鹿の駆除につきましては、猟友会に頼らざるを得ないというのが実態でありますが、猟友会会員の高齢化や猟銃所持の規制が強化されたことなどにより、現在の会員数は19人となっており、鹿柵設置時の3分の2に減少しているところでございます。急増しているエゾシカの食害を防ぐためには、狩猟により個体数を減らすことが基本といえますので、そうした意味ではハンターの育成が急務であると感じているところでありますが、猟銃の所持や狩猟免許を取得するためには多額の費用と大きな管理責任が伴うほか、家族の理解が必要との話を聞いておりますので、容易なことではないものと思っているところでございます。有害鳥獣駆除を行う上での課題として、駆除の要請があっても耕作者の了解がなければ立ち入りができないことのほか、射止めた後の残滓ざ ん し処理の際に作物を傷めることへの理解や搬出時の協力が必要となりますが、鹿は移動するものでありますので駆除活動にも限界があるといえます。また、何よりも要請を受け現地到着までの間に逃げてしまうことが多いというのが最大の課題といえることから、この対応として、昨年より農業者から猟友会員に直接、駆除を要請できるように見直しを行ったところでありますが、町としては、種々検討の結果、被害の当事者である農業者自らが自分の作物を守るといった意識をもっていただき、狩猟免許を取得していただくことが必要との考え方に立っております。今後、実践会を通じ農業者の皆さんに問題提起をさせていただき、その推移をみながら猟銃の取得等に係る経費の助成等についても検討したいと考えておりますが、比較的容易な緊急対策として、農業者の皆さんに罠の狩猟免許を取得いただき、町が罠を貸し出す体制を構築するため、本定例会に関係予算の補正を提出させていただいたところであります。次に、3点目の「広域的な取り組みへの考え方とその対策」についてであります。有害鳥獣駆除につきましては、猟期以外の期間、春先から秋にかけて行うものでありますので、先ほどお話したような課題があるほか、自治体によっては、自衛のために猟銃を保有している農業者が多い地区もあるとの話も耳にしておりますので、本町的には難しい部分もありますが、広域的な取り組みの必要性は認識しておりますので、オホーツク総合振興局とも協議を進め具体的な検討を進めてまいります。このほか、エゾシカの被害防止対策としては、ご質問のあった有害鳥獣駆除もさることながら、猟期における捕獲頭数を増やす対策が重要といえます。例えば、国有林や鳥獣保護区等における狩猟を可能にすることも効果的な対策であるとお聞きしておりますので、こうした取り組みを北海道町村会や管内町村会などと連携しながら積極的に北海道に要請するなど、鹿の駆除に大きな役割を果たしている猟友会の皆さんの意見等を聞きながら取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
質問 9番 上原豊茂
ただいま、回答の中で平成16年、20年の鳥獣被害の数字を示されました。これを見ますと確実に今までとってきた対策は効果があったと認識できると思っております。しかし、先ほど町長の回答の中にもありましたが、今まで出没が見られなかったところに被害が出ているのも例えば議員仲間でいろいろ話題として出てくる状況にあります。そのような面からしますとある意味では集中的に被害を受けている農家。もうあきらめムードに入っているようなことも感じるところであります。この被害対策の関係でありますが、たまたま町有林を背にしている駒里地区の農家の面々が一時期、もう10年、20年ぐらい前になりますか、自分自らが農地を守る意味合いを持ち、猟銃の資格取得に入りました。しかし、20年経ちますと40代の人も60代になるということであります。そのような意味では、年代を経るとなかなか野山を駆け巡るような状況も難しくなることと先ほど町長の回答にもありましたように非常に管理に対する規制が厳しくなった。銃の弾、一発一発についても確実にチェックされる。当然のことでありますが、しかし、その自分の畑の被害を守るために猟銃を発射する中で、なかなかその辺の数の管理として、何発撃って手元にどれだけ残っているか。当然ですが、いくら利用するからそれを求める対応は難しいということであります。要するに狩猟に対応するために一定の量を確保しておかなければならないが、それを使わなかったら戻さなければならないのです。結局使わないのだったらあなたはこれ以上必要ないと指摘を受けることもありまして、非常にその面では難しい状況もあると思います。当然自らが自らの作物を守ることも当たり前のことでありますし、そうあるべきだと思います。同時に行政や農協からすると例えば広範囲の中で、対策を取ることになれば銃の管理も含め、すぐ出動できるような状況として、例えば行政や農協の中で対応、対策を取れないのかと感じる訳であります。当然いろいろな意味で先ほども言いましたように自らが守るという保護活動、その必要性の広報活動も行政として、農家並びに森林所有者の被害対策としての広報活動をすることもやっていかなければなりませんが、一方でそれを補完する対策として、行政や農協がその対策の一役を担うことも大切でないかと感じる訳であります。その意味で例えば私は今申し上げましたような対策に踏み込む考えがあるのかどうかお伺いしたいのと今予算提示しておりますくくり罠の関係でありますが、例えば取得しなければならない罠を使う資格がいかなるものなのか。そのことも含めた情報をきちんとその人たちに伝える。また、残滓ざ ん し処理の問題は、例えば、罠にかかったから必ずしもそこで死滅しているとは限らない訳です。ある意味では足にかかれば当然息絶えるまで生きている訳ですから、それを処理する手法等々も含めた1つの方向が示されていくべきだと思いますが、その辺についての考えも伺いたいと思います。
答弁 農林商工課長 佐藤正好(農林商工課長は2012年9月まで)
ただいま、鹿柵の関係で何点かのお尋ねをいただきました。鹿柵につきましては、議員おっしゃるとおり町長からも申しましたが、自衛する以外に抜本的な解決策はないというのが私自身感じているところであります。そうした中で実際に現地行った時には、鹿がいないようなこともございまして、各実践会には農協のFAX等を使いまして、すぐにでも猟友会会員に直接出ていただけるような連絡をしていただき出動いただくような体制を昨年からとったところであります。実際に広報関係と申しましても皆さん全てに関わることではない。先ほどの話の中にもありましたように今まで鹿柵がなかった場所につけたことにより、例えば森林地域にある草地の中でほかに行けなくなったことで、そこに集中的に入ってきていることもあり、被害者も限定的になっていることがございまして、新たな広報活動までは考えてございませんが、ただ、いずれにしても今回補正予算にあげさせていただいたとおりせめて、銃を持つのは非常に危険性を伴いますし、経費的にも非常にかかることがございますので、せめてくくり罠を仕掛ける資格だけでも農家の方自ら持っていただき、当然、農地管理していますと鹿の通り道はある程度把握できているとのことでしたので、そこに設置できるように、まず許可を取っていただくこととくくり罠そのものについては、町で何とか用意したいという考え方にたったところでございます。先ほど言いました残滓ざ ん し処理の扱いにつきましても農協のFAXを通じまして、農家の方の協力をいただくことが前提で鹿の駆除に出動するようなことでお知らせをしているところであります。将来的には、今回はくくり罠ということなのですが、最終的にくくり罠にかかった状態であっても最終的な殺処分は、銃による方法しかないものですから、いずれにしてもハンターの育成は必要なことだと認識しておりまして、次年度以降の検討することでご理解を賜りたいと存じます。
質問 9番 上原豊茂
この農作物における鳥獣被害の関係でありますが、今、鹿の部分について集中的にやり取りをしております。しかし、街中でも起きていることでありますが、最近カラスが群れを成して集中的に場所を移動しているのも現状なのです。そのようなことをよく目にしますし、街中では朝早くカラスの糞被害を避けるためにロケット花火を打っている人もいるというような話を聞きます。そのような状況で周りの迷惑があったり、いろいろな形でお互いの人間関係が悪くなったりすることも考えられると思います。非常に空を飛ぶものですから難しいでしょうが、これらの対策も打っていかなければならないと思いますし、もう1つ最近よく目にするのですが、路上に、車にはねられたキツネが落ちているという現状があります。夜走りますと目が光りますから道路の脇に小さなキツネがいる。それを何カ所も目にするような状況にあります。もちろん農作物に対する被害もあります。どこでも歩きますので、そのような問題もありますし、また、健康上、エキノコックス等も懸念される訳であります。これらに対する駆除対策を当然とっていかなければならないと思いますが、基本的には箱罠で仕留めたキツネを山里に持って行き放す。何でここに町の軽トラがいるかと思ったら、町有林に行って捕獲したキツネを放している。ここで放したら戻ると話をしているのですが、見事に捕獲をしたキツネに印を付けておくと数日後にまた自分の屋敷の周りに、そのキツネが出ていたという話も聞いております。ぜひそのような意味で殺処分をするのは可能な限り少ないほうがよろしい訳ですが、その対応も、例えば別な意味の問題点と比較しながら規制の変更も道、国へ要請していく必要があるのではないかと思います。先ほど言いました、町長もそのような形で要請していくことでありますが、捕獲者の数の増。また、罠や猟銃の取得に対する補助等々も一自治体でなくして国、道がきちんとやはりそのような現状を認めながら1つの支援をしていくことを求めていくべきと考える訳ですが、その辺についての考え方はいかがでしょうか。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
今年のオホーツク圏活性化期成会の中で、鹿対策予算についての要望や状況を説明し、林野庁と農水省に私もその一員として、担当の班長だったものですから行ってまいりました。鹿対策予算を削減する前夜ぐらいの時だったものですから、現場から斜里町長も一緒に行き、慌てて担当職員と1時間ほど議論しました。やはり打つ手がなかなかないことでしたが、いずれにしても今、議員からありましたようにその予算の確保も含め、継続し、積極的にやらなければいけないことを申し上げてまいりました。平成16年と17年に総事業費約2億2,600万円を投入したというお話がありました。これで解決すると思っていましたが、先ほども説明させていただいたとおりそこから外れた部分やあるいは乗り越えたり破ったりすることも含め、これらについては、農協が事務局をもっていますので、各実践会の人たちが中心になり、1年に1度、鹿ネット等の補修等の自助努力で頑張っていただいているところです。どうも最近はそれでもどうしようもない状況が出てきておりますし、北海道は今回9月道議会で3億6,000万円の予算補正を行うようでございます。全体的に追加対策として、国、道、市町村も含め、大体、鹿対策で4億4,000万円ということですが、狙いは越冬状況の調査や死がいの運搬などを効果的にどう進めていくかの調査等が中心でありますし、それから今、私どもで予算計上しております罠等の資格を取ることに対する補助等でございます。これらにつきましても先般、弥生実践会長が夜間町長室に別件で来られ、その鹿の話になりました。いろいろお話を聞いて、罠の資格はこんなに簡単に取れるのであれば、俺は今、実践会で働きかけてぜひやろうということで、要は鉄砲を頼んで、さっき言ったようにしばらくして行っていたらもう鹿はいない状況から、罠をかけて罠にかかった鹿がいるのを鉄砲で打つことが一番確率が強いのではないかとの話の中で、できるだけ我々も頑張るが罠の資格をとりあえずは広げることで、今回の補正で足りない分については、12月も含め補正対応することで、農林商工課長がその場に同席し、話をしていたところですが、今、町村会や、道の発表では50、60万頭。道内全域での実際は、全道町村長の集まりの中では、80万頭と言われています。年度内に20万頭を捕獲しなければ自然増になるとまで言われている状況ですので、この鹿は道の予算でいきますと2万頭多く捕獲し、殺傷等も含めて11万5,000頭と想定しているようですが、やはりこれでは町村会としては、足りないことで、非常にかわいそうだが、ある意味では殺傷しかないというのが全道町村会の幹部の意見でもございましたので、これは全道的にもさらに今議員がおっしゃったような要請も含め、積極的にこれからしてまいりたいと感じているところでございますので、一層の私どもの協力を要請してまいりますが、また必要な状況に応じ、予算措置も考えていかなければならないと思っていますので、実践会にもそのような働きかけをしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
質問 9番 上原豊茂
私の質問については、大分煮詰まった方向が出ましたので、これで閉めたいと思いますが、ぜひいろいろな状況をより早く情報収集をしながら、早い手当てをすることで努力をしていただきたいことを切に願って、私の一般質問を閉じたいと思います。