幕別町議会 令和7年第4回定例会 2025年12月10日
鳥獣被害防止対策について
2025年12月10日、幕別町議会の一般質問で、山端隆治議員が「鳥獣被害防止対策について」質問し、町長 飯田晴義、農林課長 遠藤寛士が答弁しました。
- 質問者
- 山端隆治 議員
- 答弁者
- 町長 飯田晴義、農林課長 遠藤寛士
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 山端隆治
それでは、通告に従いまして質問いたします。鳥獣被害防止対策について。近年、北海道内では、野生鳥獣による農林水産業への被害は深刻化しています。北海道が公表した令和5年度(2023 年度)の調査結果では、全道の被害額は 63 億 6,900 万円で、前年度に比べ5億 2,500万円増加しました。そのうち、エゾシカによる被害が 51 億 4,500 万円で被害全体の8割を占めているとともに、ヒグマによる被害額も3億 3,200 万円で、過去最多を記録しました。これらの被害は、牧草をはじめ水稲、馬鈴しょ、デントコーン、ビートなどの作物に及び、農林業経営や町民生活に大きな影響を与えています。北海道では、令和6年 12 月に改定した「北海道ヒグマ管理計画(第2期)」において、人とヒグマの空間的なすみ分けを図る「ゾーニング管理」を導入しました。これは、ヒグマを保護する「コア生息地」、人間活動を優先する「防除地域・排除地域」、その間に設ける「緩衝帯」といったゾーンを設定し、人身被害の防止とヒグマ地域個体群の存続を両立させることを目的としています。このゾーニング管理は、国の「鳥獣被害防止総合対策交付金」等の活用においても前提とされており、今後のヒグマ対策の中核となるものです。以上を踏まえ、幕別町としても北海道からの通知や周辺自治体の取組を参考に、町民の安全と農林業被害の防止を両立させるための対策が求められていると考え、以下の点を伺います。1、幕別町における令和6年度鳥獣別捕獲数は。2、ゆとりみらい 21 推進協議会で所有している捕獲機材の種類と保有台数は。3、ヒグマのゾーニング計画について。北海道ヒグマゾーニング管理ガイドラインに基づき、近隣の池田町では既にゾーニング計画を策定していますが、幕別町ではまだ導入されていません。町民の安全確保のため、幕別町としてゾーニング計画を策定する考えは。4、鳥獣駆除を担うハンターなどの安全対策について。鳥獣被害防止のために活動するハンターや鳥獣被害対策実施隊員の安全確保は極めて重要です。活動時の安全管理体制と町の支援策についての考えは。5、エゾシカ防護柵の設置について。エゾシカによる農作物被害を防止するため、防護柵の設置は有効な手段と考えられます。幕別町の西側に位置する帯広市沿いにおける侵入防止柵の設置についての具体的な検討状況は。また、侵入防止柵を設置する考えは。
答弁 町長 飯田晴義
山端議員のご質問にお答えいたします。「鳥獣被害防止対策について」であります。北海道は豊かな自然環境を有する地域であり、多様な野生鳥獣が生息しております。一方で、特定の鳥獣による農林水産業への被害が深刻な状況にあることから、国や地方公共団体等が連携し、鳥獣の個体数管理や被害防除対策などによる総合的な対策を推進しているところであります。北海道における野生鳥獣による農林水産業被害額は、平成 23 年度の約 72 億円をピークに、国の鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業などの実施により、28 年度には約 47 億円まで減少を続けておりましたが、近年は増加に転じ、令和5年度には約 64 億円にまで増加しております。農林水産業別の被害額では、農業が約 63 億円、林業が約 5,000 万円、水産業が約 100 万円となっており、鳥獣別の主な被害額では、エゾシカが約 51 億円、ヒグマ及びカラス類がそれぞれ約3億円となっています。被害額の約8割を占めるエゾシカにつきましては、北海道において捕獲等の措置を強化する必要があるとして、令和6年1月から8年 12 月までの3年間を「緊急対策期間」と設定し、エゾシカの捕獲等の実施主体その他関係する機関及び団体と連携協力して、捕獲等を重点的に推進するとしております。本町における鳥獣被害につきましては、毎年1月に町内の農業者に対し、アンケート方式による「鳥獣被害実態調査」を実施しており、この調査によれば、平成 22 年度の約 7,000 万円の被害額をピークに減少傾向となり、その後も約 3,000 万円から 4,000 万円の被害があることから、「幕別町鳥獣被害防止計画」に基づき、ゆとりみらい 21 推進協議会を中心として、春の一斉駆除など継続的に被害防止に努めているところであります。ご質問の1点目、「幕別町における令和6年度鳥獣別捕獲数は」についてであります。本町における令和6年度の鳥獣別捕獲数につきましては、エゾシカが 1,215 頭、キツネが 201 頭、アライグマが 259 頭、タヌキ 22 頭、カラス 84 羽、ハト 41 羽、ウサギ1羽、ヒグマ3頭となっており、令和5年度の捕獲数と比較して、エゾシカが 240 頭の増、アライグマが 52 頭の増となるなど、エゾシカとアライグマの捕獲数が近年増加しております。ご質問の2点目、「ゆとりみらい 21 推進協議会で所有している捕獲機材の種類と保有台数は」についてであります。ゆとりみらい 21 推進協議会では、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用して有害鳥獣を捕獲するための捕獲機材を購入し、わな免許を有する農業者の方への貸出しや町職員が設置するなどにより、有害鳥獣の捕獲に努めております。ゆとりみらい 21 推進協議会における捕獲機材の種類と保有台数につきましては、熊用の大型箱わな3基、キツネ等の中型箱わな 154 基、エゾシカ用のくくりわな 321 基を保有しており、保有台数のうちキツネ等の中型箱わな 120 基、エゾシカ用のくくりわな 290 基については、現在、わな免許を有する農業者の方への貸出しや町職員、鳥獣被害対策実施隊において設置を行っております。ご質問の3点目、「ヒグマのゾーニング計画について」であります。ヒグマのゾーニング計画につきましては、昨年 12 月に改定された「北海道ヒグマ管理計画(第2期)」において位置づけられものであり、人とヒグマの空間的なすみ分けによって、あつれきの低減とヒグマ地域個体群の存続を両立させることを目的としております。ヒグマが主に生息する「コア生息地」、人間活動を優先する「防除地域・排除地域」、それらの間で対応を調整する「緩衝地帯」を設定し、それぞれの範囲や対応方針を計画として取りまとめ、地域関係者が共通認識を持つことで、効果的な対策立案やスムーズな判断につながることが期待されております。ヒグマのゾーニング計画の策定に当たりましては、本町における各ゾーンの定義、各ゾーンの対応方針、ゾーニングマップ、ゾーンごとの取組内容及び実施体制などについて記載する必要があり、これらの内容について、北海道猟友会帯広支部幕別部会や警察等関係機関のご意見を伺いながら、年度内を目途に策定を行う予定としております。ご質問の4点目、「鳥獣駆除を担うハンター等の安全対策について」であります。鳥獣駆除を担う狩猟者にとって、駆除活動中における安全の確保は重要であり、特に銃器を使用しての狩猟は事故のリスクが伴い、また、山間部や森林での活動では地形や動物との接触による危険もあります。本町においては、「幕別町鳥獣被害防止計画」による被害防止施策を効果的に実施するため、農林課及び経済建設課の職員 16 名に加えて、地元猟友会から推薦を受けて委嘱した4名の猟友会員で組織する「幕別町鳥獣被害対策実施隊」を設置し、鳥獣の捕獲等に関すること、鳥獣の生息状況、被害状況等の調査に関すること、鳥獣被害防止知識の普及活動に関することなどを行っております。猟友会から推薦いただいた4名の方につきましては、非常勤特別職として農業者等からの有害鳥獣出没の通報を受けて駆除を実施するほか、町からの指示に基づき、被害が多く発生する地域を中心に定期的に巡回して駆除を行っていただいており、実施隊としての活動中におけるけがや事故については、公務災害補償制度の適用を受けることとなります。また、鳥獣被害対策実施隊以外の狩猟者の方については、各個人において加入されている保険等により対応いただいておりますが、今後においては、町からの要請に基づいて銃器を使用して駆除にご協力いただく狩猟者の方につきましては、非常勤特別職となる鳥獣被害対策実施隊としての委嘱を行うなど、引き続き、猟友会のご意見を伺いながら、安全な駆除体制の構築に努めてまいります。ご質問の5点目、「エゾシカ防護柵の設置について」であります。エゾシカ侵入防止柵の整備につきましては、ゆとりみらい 21 推進協議会の鳥獣被害対策専門部会において協議され、令和元年度から協議会の構成員であります幕別町農協と忠類農協において、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用して整備が進められておりますが、この事業は、農協が事業主体となり、農業者、地域住民や事業者等の協力により、資材費が定額補助となる直営施工により実施しているところであります。また、設置場所につきましては、侵入防止柵の十分な効果を得るため、計画的で広域的な設置や維持管理の徹底が重要でありますことから、地域での協議を経て順次整備が進められており、令和6年度までに 131.7 キロメートルが整備され、本年度は 59.9 キロメートルの整備が予定されております。町といたしましては、本町の西側、帯広市沿いにおける侵入防止柵の整備については、具体的な要望もなく実施の予定はありませんが、ゆとりみらい 21 推進協議会の鳥獣被害対策専門部会において、ご意見をお聞きしてまいりたいと考えております。以上で、山端議員のご質問への答弁とさせていただきます。
再質問 3番 山端隆治
それでは、再質問させていただきます。ちょっと細かいことなのですけれども、エゾシカの捕獲した後の処分の方法なのですけれども、搬入と埋設とあるのですけれども、搬入は場所にと大体予想がつくのですが、埋設というのはどういう処理をしているのか教えてください。
答弁 農林課長 遠藤寛士
埋設についてでございます。埋設といいますのは、山間部などに埋め立てるという処分ということでございます。
再質問 3番 山端隆治
捕ったその場で埋めるということですね。ちょっと深めに、これ今、問題になっているのですけれども、熊は犬の7倍鼻が利くのですよね。土まんじゅうといって食べ残したやつをいけて、それを見張っているというのを、皆さんテレビで見て分かっている、一番駄目な方法なのです。だから、今までの感覚をまず捨てるということですね。だから、どこか搬入して焼却するなり、その場に置かないと。何で熊が増えたという原因もそこにあるのですよね。わなで捕って、苦労しないで獲物が捕れるという、それで熊が増えたという原因もありますので、その辺を協議会としても考えていただきたいなと思います。苦労されているのは分かっているのですけれども。それと次、続けて質問いたします。一応国の補助事業で年間 100 億円から 108 億円ぐらい出ていて、そのうち北海道は 20 億円ぐらい使っているのですけれども、協議体をしなければ使えないという、補助事業みたいな感じなのですけれども、この中で必要なもの、機材的に、ゾーニングするにしてもドローンだとか遠赤外線で熊を見つけられるようなものを導入したり、それから安全対策、町の職員の方が 16 名と猟友会から4名ということで、まず安全第一ですね。鹿と違いますので、ヘルメットだとか防護服だとか、一番あれは熊スプレーですか、必ず持って対処していただきたいなと思いますので、その辺の考え方はどうですか。
答弁 農林課長 遠藤寛士
議員おっしゃるように、エゾシカと違ってヒグマは最悪、人間を殺傷してしまうということでございます。熊スプレーですとかヘルメットですとか、昨日の緊急猟銃マニュアルの中でも申し上げましたとおり、現場に向かう、これから作成するマニュアルの中でも町として常備しておくものを明記していく形になっておりますので、その辺十分踏まえて対応を進めてまいりたいというふうに思います。
再質問 3番 山端隆治
非常に危険な任務を負わせて本当に申し訳ないと思うのですけれども、これも行政の責任の一環で、住民も含めていろんな情報の共有をして取り進めていきたいと思います。共生というのですけれども、これだけ増えてしまっていたら、何年かの間はそういうことにはならないのではないかと思います。まだ幕別は少ないのですけれども、ほかの自治体を見ていたら、もう熊は住宅地に出て当たり前というような状態になってきています。特に世界で8種類しかいない熊、北海道の密度が一番が高いみたいなので、外人も驚いています。ガバメントハンターは長期的には必要だと思うのですけれども、それを育てる意味でも町として少し考えを持って、そういう職員の配置も考えていただきたいと思います。その辺の考えはどうですか。
答弁 町長 飯田晴義
熊の捕獲につきましては、まだ十勝はそんなに、出没件数はあるのですが、捕獲に至る頭数というのはまだまだ少ないわけでありまして、十勝だけ見ても全部で今年 158 頭ですか、実は 150 とかという数字は、檜山管内で言うと1町でこのぐらいの頭数を捕獲しているわけで、これは昨日も申し上げましたけれども、ある町の町長の敷地内に箱わなを設置しているとか、カーテンを開けたら熊がそこを歩いていたとか、そのぐらいの頻度で熊がおりますし、また、夜間はもう一人では外を歩かないと、そういう自衛策も講じているということでありまして、ここは本当に、今、山端議員がおっしゃったように、かなりこちら側から捕獲をしていかないと被害が減っていかない状況にありますので、そこはまだ、うちはまだまだそこまでいきませんし、緊急銃猟も果たしてやるだけの価値があるかといいますか、生息地がないわけです、今のところ。生息地が確認されていないのでやりようもないのかなという、そんな状況ではあるのですけれども、やはり将来のためにしっかりと備えをしていく必要もありますし、出てきた熊についてはしっかりと捕獲をする。それと、先ほどの鹿の残滓の問題でありますけれども、今まではこんなに熊の問題がありませんでしたので、言ってみれば現場で埋設するということで大体用が済んでいたわけでありますけれども、今後においてはなかなかそうはいかなくなってきましたので、エゾシカの食肉加工に回す分は別として、それ以外のものについてはどう適切に処理をしたらいいかということについても、これはゆとりみらいの中でしっかりと検討して対処してまいりたいというふうに思います。
再質問 3番 山端隆治
幕別はもう 20 年以上も協議会、各農協が参加したり町も入って 21 推進協議会がありますので、ご苦労だと思うのですけれども、その中で十分検討していただきたいと思います。それとあと、ここ何日かで、ふるさと納税でも手数料だけ取られるのですけれども、さとふるで熊の募金をやっていますね。それと二、三日前ですか、国土交通省では、熊は整備された川や何かにすぐ移動してきますので、何年か前、帯広小学校で出たのは日高から用水路を渡ってきて、だから熊にとってはすごく環境がいいのですよね、河川改修したりなんかして。それと支障木や何か、これから手続が簡単になって、木だとか河川敷の改修ができるみたいなので、そういうのも点検して取り進めていってほしいと思います。とりあえず、危険を伴いますので、職員の方とかハンターの方には注意して取り組んでいただきたいと思います。以上で質問を終わります。