みんなの議会

上富良野町議会 平成19年第1回定例会 2007年3月9日

(1)病院事業の方向性について/(2)農業の活性化について

2007年3月9日、上富良野町議会の一般質問で、米谷一議員が「病院事業の方向性について」「農業の活性化について」について質問し、町長 尾岸孝雄が答弁しました。

質問者
米谷一 議員
答弁者
町長 尾岸孝雄

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 6番 米谷一

私は、さきに通告しておりました2項目について質問をさせていただきます。病院事業の方向性について。先日、病院事業の現状と課題の説明を受けました。当初から予想されていたが、経営環境はますます厳しく、さらに累積欠損金を増大させる結果となっています。医療制度の改正等もあり、経営陣もより緊張感を持って臨んだ1年だったと思いますが、経営の好転は見えません。このまま病院経営を自治体主体で取り組むことに強い危機感を抱いており、全町、全町民挙げて心血を注ぎ行財政改革に取り組んだ成果を、病院にすべて食いつぶされる結果となっています。地域の活性化という観点から見て、過度の行財政改革は活力をそぐのではないかという疑問を持って― 112 ―いる私としては、どうしてもその結果に承服できるものではありません。本来、行財政改革というものは、その成果を地域振興に、地域のより安全・安心、さらに次世代育成につながるものでなければならないと思っております。町立病院が持っている使命、役割は十分理解できても、今のままで推移すると重大な結果を招くおそれがあります。町長は、小手先の再建策で時を稼ぐのではなく、今こそ強力なリーダーシップを発揮され、トップダウンによって抜本的な改革が必要と思われます。これは私見ではありますが、行政はすべての債権を放棄し、全債務を完済し、さらに運営資金を助成してでも民間委譲を考えるべき時期だと考えます。ケアハウスのような手法をとるべきと考えますが、町長の所見を伺いたいです。次に、農業の活性化についてお伺いいたします。北海道において、農業は経済のかなめとなる大産業であります。しかしながら、その農業が大規模化し、効率最優先、作物の単純化などで活力が弱まってきています。さらに、ことしから実施される担い手に的を絞った品目横断的価格安定対策や日豪の経済連携協定(EPA)の締結に向けた交渉が開始されるなど、北海道農業は重大な岐路に立たされています。農家戸数も1960年から2000年の40年間で4分の1まで減少しており、府県を超える高い離農率の実態にあります。さらに、2005年までの6年間で17%減少し、65歳以上の割合は全農家の30%以上、離農と高齢化が進んでおり、さらに弱体化の一途をたどっております。我が町とて例外ではなく、65歳以上が72戸あり、そのうちで後継者のいるのは2戸だけであります。近い将来、農地の未流動化、不作地の荒廃は避けられません。将来を見据えた施策の展開が必要と思われます。農家人口をふやす唯一の手だては、新規就農者を積極的に迎え入れることだと考えています。既存農家と連携をとりながら、政策誘導、支援をもって取り組む、企業誘致と同じ観点で取り組まなければならない重要課題と考えております。次に、肉用専用牛の積極導入についてでありますが、今後、国際的影響が最も少なく、消費需要から見て十分期待されます。農家経営の安定、所得確保等をかんがみ、さらに積極的な貸与牛導入資金の助成を含めた施策の展開が必要と考えられますが、この点についてもお伺いしたいです。次に、家族内での役割分担や報酬、休日などを明文化する家族経営協定の促進について。農家地位向上に果たす役割は大きく、経営環境の改善にもつながります。農業委員会と連携をとりながら強力に進めるべきと考えております。国や道の施策に追従するだけではなく、町の基幹産業として町長の所見をお伺いしたいと思います。以上です。

答弁 町長 尾岸孝雄(町長は2008年12月まで)

6番米谷議員の2項目の御質問にお答えさせていただきます。まず、1項目めの病院事業の今後につきましてのお答えをさせていただきます。当町立病院の役割につきましては、町民の健康保持に必要な医療を提供するとともに、救急医療や不採算医療を担うなど、地域医療を守ることであり、そのために日夜努めているところであります。しかしながら、近年の道内における医師不足や偏在の問題は、開設者であります町長と院長だけで改善することが極めて困難な状況にありますことは、御案内のとおりであります。また、昨年の診療報酬の改定によりまして、どの医療機関におきましても急激に経営が悪化し、経営の維持すら懸念されるという危機的状況が続いているところであります。このような状況の中で、当町といたしましては、地域医療の確保の観点からも、経営の維持を前提としてあらゆることを想定し、改善策を講じることができるよう、内部の検討に着手をいたしているところであります。なお、議員御発言の民間委譲については、否定するものではありませんが、現状での可能性は極めて低いものと考えます。いずれにいたしましても、その方向を定める経過では、地域の皆さんとの意見を交換するなど、合意を形成することが重要であると思っております。次に、2項目めの農業の近代化についての御質問にお答えさせていただきます。議員の御質問のように、国は平成19年から品目横断的経営安定対策を導入し、担い手を明確にした上で規模拡大を目指す農業者を対象として位置づけし、施策の展開を図ろうとしております。また、日本とオーストラリアとの経済連携協定(EPA)の問題や、高齢化等によって離農が進行し、不作付地や遊休農地が発生することを懸念いたしているところであります。農地を守る観点から、新規就農者を受け入れることについては議員と同様の考え方でありますので、町の示す新規就農者誘致等特別対策事業要項等に基づきまして、農業委員会、農協とも連携を密にしながら取り組んでまいりたいと考えております。次に、肉専用牛の導入につきましては、平成15― 113 ―年度北海道農業開発公社の事業を活用し、複合経営や育種改良を目的に、黒毛和牛種繁殖雌牛29頭の導入を行っております。肉専用牛の導入については必要性を感じておりますので、資金の融資等を含めて事業を実施できるよう検討をしてまいりたいと考えております。家族協定につきましては、農業を営む経営体の大部分が家族単位で占められており、家族だからこそよい点もたくさんありますが、一方で経営と生活の境目が明確でなくなり、労働時間や報酬等の主要条件があいまいになりやすくなるため、家族の約束ごととして、経営方針の決定や就業条件等を協定することは必要なことと考えております。家族協定を締結することで、農業制度資金の融資や、農業者年金の基本となる保険料の国庫補助等を受けることもできるようになっております。本町では、現在、家族協定の締結が6件ありますが、経営環境の改善にもつながりますので、農業委員会、農業改良普及センター等々との関係機関と連携をし、普及促進を図ってまいりたいと思いますので、御理解賜りたいと思います。

再質問 6番 米谷一

まず、病院の方向性について再質問をさせていただきます。私は、現状において、病院の再建は非常に難しいと思っています。院長を初め病院のスタッフも一生懸命に頑張っていることは認めます。先日、説明を受けた現状と課題についても、本当によくできていると思いますし、内部改革の熱意は十分感じ取られました。ただ、収支改善となると別問題ではないかと感じています。経営体質以前の問題ではないかと思います。根底にあるものは、上富良野高校も同じ土壌なのかなとは思っております。つまり、私たちの持っているというより、町民の大多数の価値観が、実利からブランド嗜好というか、権威主義というか、お金をかけてでも人よりいいものを、そんな風潮があるように思っています。どうせ看てもらうなら、多少不便を感じても名の通った先生に、また、入るならいい高校、就職するなら公務員、これは番外にしても、死ぬときはいい戒名、これは大方の住民が持っている安全・安定志向であり、住民感情ではないかと思います。私は、こういう観点から難しいのではと言っているのです。内部で議論する、問題を拾い上げる、大いに結構ですし、内部改革を否定するものではありません。前回の一般質問で、そのことを提唱したことを記憶しております。しかしながら、南に車で30分も走れば協会病院があり、北へ1時間も走れば医大があり、その他の名の通った総合病院があります。そこで看てもらいたいという患者心理を考えれば、至極当然のように思います。今後、町立病院に対する患者離れを、また経営環境の悪化を懸念する要因はここにあります。また、給付患者の4分の1にも満たない利用率は、このことを如実にあらわしていると思われます。町長は、私とは視点が違うし、大所高所から町長として、また経営者として、立場を変えて町民サイドからものを見る立場にあります。軽はずみなことを発せないのはよくわかっているつもりです。しかし、財政健全化に向けた補助金見直しで、私どもも35万円をあきらめた経過があり、日々精励の中で、このお金は延べ30人の提供を受けられるものです。また、ある住民会の会長は、5万円の補助金を減額されたことに、このお金は地域の子供たちと焼き肉を1回食べれるし、このことは地域の子供と親しくなれる機会を1回失うことだと。本当に子供たちの安全を考えるならば、地域の子供たちを知ることなのに、また地元食材を使えば地産地消になるのにと嘆いていたことを思い出されます。私たちは、少なくても何らかの形で、財政健全化という代償に犠牲を伴っていることを考えていただきたいと思います。病院の置かれている状況が外的要因に占められているとは言え、経営の責任は町長にあります。町長は、行政が運営する病院に黒字経営はないとよく言われていますが、これは、赤信号、みんなでわたれば恐くない的発想で、説得力のある説明とは思いませんし、これは問題のすりかえです。本来、事業というものは収支均衡が大前提です。しかしながら、町民生活の必要性から、すべて受益者負担で補えないものもあります。一般会計からの繰り出し措置を、私も必要と考えています。病院とて例外ではないことは十分承知しています。しかし、現実を考えると光明が見えない。暗いトンネルを突っ走っているとしか思えません。存続を前提に考えると、看板のすりかえも一手法ではないかと提案しているのです。聖域なき改革を標榜している町長です。聖域とは何を指しているのかを含めて、町長の考えをお聞かせいただきたい。次に、農業の活性化についてであります。新規就農者の受け入れですが、全国的にも微増ですが増加傾向にあります。農業が産業として認められつつある証として、私もうれしく思っております。― 114 ―私も、美瑛で新規就農者として5年の実体験を持っておりますので、ことさらこのことについては思いが強く思っています。しかしながら、利害が伴い、行政としても慎重に対処していかなければならないことは、担当課長のお話しを伺いながら承知いたしました。ただ、今後とも門戸を広げ、政策的に後退することのないようにお願いいたしたいと思います。さらに、新規就農者は財政的基盤が脆弱ですので、経営内容を精査しながら融資等の窓口を広げていっていただきたいと思っております。次に、肉用専用牛の振興でありますが、外的にはFTA、あるいは国際化の影響を受けにくいと言われています。知的財産権の登録が検討されていますし、遺伝子の流出が抑えられれば、外国での多頭飼育の心配はほとんどなくなります。内的には、府県を中心に、小規模層や高齢化層で離農、離脱、減少傾向にあります。在来種ですので、当地の風土にもよく合っていますし、所得確保の補完的な意味からも、耕種農家にも推奨すべきだと考えています。ただ、投資が大きいことと回収に2年以上かかることから、助成事業、資金融資制度の活用を含め、さらに管理料の助成措置もあってもいいのではなと思い、支援をお願いしたわけです。さらに、一部事務組合である串内草地組合は、入牧牛の減少に悩んでおります。1,180万円余の分担金を負担している当町としては、入牧頭数をふやすことが間接的な還元利益になります。ホルスタイン種は生産調整下にあり、さらに栄養生理面から生産月量を下げることは、コスト低減、所得増につながるとする考えがあり、放牧主体の育成管理を嫌う傾向にあります。一方、繁殖和牛については、放牧主体で十分飼育ができますし、串内牧場は繁殖管理、分娩管理、子つけ放牧も行っておりますので、農家側としては夏山、冬里で帰るという利点があります。串内牧場の有効利用で地域経済の活性化を図ることができますので、和牛についてはさらなる振興をお願いいたしたいと思います。家族経営協定については、家族間のルールですので、明文化する必要があるのかという議論もあります。しかしながら、おのおの個人を評価してくれますし、責任感を植えつけるもってこいの制度と感じています。取り決め範囲は多岐にわたっておりますし、なかなか難しい部分もありますが、広報活動等を通じて周知していただきたいと思います。以上です。

答弁 町長 尾岸孝雄(町長は2008年12月まで)

6番米谷議員の再質問にお答えさせていただきます。まず、病院事業の件でありますけれども、議員御発言のとおり、今日まで担当部署におきまして経営改善を図りながら、また節減を図りながら取り進めているところでありますけれども、これらももう既に改革、改善の限度が来ているという状況にあります。基本的に、自治体病院の経営が黒字になるということは、全く不可能であるということは、逃げるわけではありませんが、現状の制度の中では難しい課題でありまして、どこの自治体病院も赤字経営という状況であります。その中で、行財政改革を図りながら、爪に火を灯しながら節減した部分が、病院経営のためにみな消えていくというようなことは、何としても避けなければなりません。私も議員の考え方と全く同じ考えを持っておりまして、このたびの医療制度の改革等々におきましては、抜本的な町立病院の改革を果たさなければならないというふうに思っております。昨日も、議員の御質問にもお答えさせていただきましたように、基本的には自治体病院として対応するのか、公設民営化として対応するのか、あるいは全く民営化で対応するのか、そういった部分をまず十分に町民の皆さん方と議論をしなければならないなというふうに思っております。今現在、約2億二、三千万円の繰り出しをしております。結果的に言えば、町民1人当たり2万円近くの費用をかけているわけでありまして、なおかつ18年度におきます8,000万円相当の赤字が見込まれていると。8億円を超える累積欠損金を抱え込もうとしているというような状況の中で、町立病院の抜本的な改革は急を要しているというふうに私も認識いたしております。今現在、町民の皆さん方が町立病院を利用していただくのは、議員の御質問にもありますように、平成15年ごろは、大体国保会計で見ますと20%相当であったのが、18年はまだ出ておりませんが、17年ではもう既に17%台にまで落ち込んできていると。ほんの一部の方々が町立病院を利用している現状にあるということは、大半の町民が町立病院を必要としていないという認識に立たざるを得ない。しかしながら、今なお17%でも利用している住民がいるのだということを起点としながら、その住民の皆さん方に不便をかけないような施策も含めて考えながら、町立病院の方向性を定めていきたいなというように思っています。そのためには、さきにもお答えさせていただきま― 115 ―したように、今、上富良野町内を第1次医療圏として見る、富良野圏域を第2次医療圏として見る、旭川周辺を含めたものを第3次医療圏として見ているこの制度を抜本的に見直して、1次医療圏というものを富良野圏域全体の中で見きわめていけないものなのかというようなことも含めて、今後十分検討を加えていかなければならないというように思っておりますので、これらのことにつきましては今内部で協議をしておりますけれども、これはもう基本的には町民の皆さん方の御意見を承る、町民の皆さん方との議論を交わしながら、そして議会議員の皆さん方のお考え等々も協議をさせていただきながら方向性を定めていかなければならないというふうに思っておりますので、今後とも御理解を賜りたいと思います。次に、新規就農者に対する対応でありますが、これらにつきましては、さきにもお答えさせていただきましたように、町の要項に従いまして対応していきたいというふうに思っております。議員御心配のとおり、新規就農者の皆さん方が財政的にも非常に弱い立場にあるというようなことも十分承知をいたしておりますが、ただ基本的に、これらにつきましては、農協さんとも農業委員会とも十分協議を重ねていかなければならない課題であるというふうに思っておりますけれども、たまたま途中で辞退をされる方々が、債権を放棄してしまうというような部分もありますので、そういった部分も十分見きわめつつ、新規就農者の対応につきましては、議員御心配のとおり、この問題が十分に対応でき得なければ、不作地の増加にもつながるということを考えますと、これらの部分の対応も十分に煮詰めていかなければならないというふうに思っております。また加えて、次の肉専用牛の対応でありますが、さきにもお答えさせていただきましたように、現在も実施させていただいております。これも継続して、その対応を図りながら、議員御指摘にありましたような課題につきましても十分検討をさせていただいて、この事業の推進を図っていきたいというふうに思いますので、御理解を賜りたいと思います。次に、家族協定でありますけれども、過去におきましては1件しかなかったのが、現在は6件まで家族協定が結ばれて対応してきているということにつきましては、より一層この協定を促進していかなければならないというのは、議員のお考えと全く同じであります。例えば、新規後継者を対応するに当たっても、あるいはUターン、I ターンの方々を対応するに当たっても、Uターン、Iターンの方々も毎月今までは給料をもらっていたわけであります。ところが、帰ってきて農業後継者となったとたんに、たばこ銭ちょうだいと一々親に言わなければならないというような課題等々があるわけですから、そういった部分を十二分に見きわめながら、今後の後継者の確立のためにもこの家族協定を促進していくことを、農業委員会並びに農協さんと調整させていただきながら行政も対応していきたいというように思っていますので、御理解をいただきたいと思います。

再々質問 6番 米谷一

病院について再々質問をさせていただきます。町長の言うことは、いつも聞かさせているのでよくわかりますけれども、僕もこんな観念論だけを交わしても立場の違いは埋められませんので、一歩譲って、ならば19年以降の改善目標、あるいは具体的な数値目標をお聞かせいただきたいと思います。

答弁 町長 尾岸孝雄(町長は2008年12月まで)

6番米谷議員の再々質問にお答えさせていただきます。19年度以降の病院の目標等々について述べよということでありますが、今現在は医師が1人いなくなると、これの補充をどうするのだと、現状の病院の診療体制を維持できるのか、できないのかと、この大きな課題が今山となっておりますので、これの対応について4月1日から現状の診療体制が堅持できるように、旭川医大とも十分調整させていただきながら取り進めていくのが、現時点での私の最大の対応であります。ただ、これらにつきましては相手のあることでありますので、私どもだけで簡単に結論を出すことができ得ません。万が一今の診療体制が崩れるようなことになれば、今現在町立病院を利用していただいている方々を、どのような形で圏域の中で、あるいは町内の中で診療体制を見きわめていくかということを、これから考えていかなければならないなと思っております。ただ、言えますことは、さきの議員にもお答えさせていただきましたように、私としては平成23年の療養型病床群が使用できなくなる時点までに病院の将来性を確保すればいいなと思っていましたが、今回の予算審議の中で、町長そんなゆっくりとしたことはできないのだと。少なくても20年までに、どういう形に改善するかということを報告しないと補助金の対象になりませんという御指摘を受けておりますので、これはうちの町立病院の療養型病床群36床の変更も含めて、町立病院のあるべき方向性― 116 ―を早急に位置づけしなければならないというふうに認識いたしておりますので、今後も町民の皆さん方、議員の皆さん方の御理解と御協力をお願い申し上げたいなというふうに思っております。

出典:上富良野町議会 平成19年第1回定例会 2007年3月9日 議事録 PDF(124ページ) 間違いを知らせる