上富良野町議会 平成17年第2回定例会 2005年6月21日
(1)町の将来像をより具体的に町民に示しては/(2)産業振興策として、町で宅地造成し分譲してはどうか
2005年6月21日、上富良野町議会の一般質問で、米谷一議員が「町の将来像をより具体的に町民に示しては」「産業振興策として、町で宅地造成し分譲してはどうか」について質問し、町長 尾岸孝雄が答弁しました。
- 質問者
- 米谷一 議員
- 答弁者
- 町長 尾岸孝雄
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。
質問 6番 米谷一
私は、さきに通告いたしました2項目について、町長にお伺いいたします。国の三位一体の改革で大幅な補助金、交付金の縮減、また財源移譲がままならぬ中で、地方財政は一層逼迫してきています。そんな中で、町行政は歳入歳出に合った財政運営を旗印に、一層厳しい行財政改革を断行しようとしています。今日の置かれている状況を考えると、十分評価に値するも、果たしてこのことが町の再生になるのか、そんな疑念もぬぐい切れません。今は隆盛を誇るトヨタ自動車も、以前に厳しい財政改革に乗り出し、鉛筆1本、紙1枚の使い方まで徹底したと聞いております。しかし、彼らには夢がありました。むだを省き不合理性を徹底的に議論し、お互いの意識の高揚に努め、さらに高いハードルを設定し、再生産に励む。意識改革も同時進行で進められた結果が今日の姿と聞いております。官と民では性格は大きく違いますから、一概に同じに論じることはできませんが、一方は社業の発展であり、株主に対する責任、従業員に対する生活の安定であり、町においては恒久的で安定的な住民生活、社会福祉、社会資本の整備と、目指すところは変わらないように思います。そんな中で、私たちがもろ手を挙げて今の行財政改革に賛成できないのはなぜだろうか。まず一つには、町の将来が見えない、この町が一体どういう方向に進もうとしているのだろうか、まちづくりの具体的な姿をつかむことができない。町長は執行方針やいろいろな会席でまちづくりの概念を示してきたが、私たちには全容が見えない。厳しい状況であるがゆえに、今こそ町の将来像をより具体的に町民に示してほしいと願うわけです。町は町営施設を指定管理者、民間に移譲しようと考えていますが、町民の税金が直接・間接的に投じ― 28 ―られた施設であり、採算面だけで論じるだけでなく、前段で述べたように、将来像をしっかり示し、今後のまちづくりに欠かせないものはしっかりと論証し、官が運営していくべきと考えますが、この点について伺いたいと思います。次に、町長は、自立か合併に関する同僚議員の質問に答えて、合併は選択肢として否定はしていませんが、現時点では自立でいくと明言しております。私も合併は時期尚早であると考えます。今、合併に走ると、富良野市への一極集中と、行政権限は一層強固になり、私たちの町が置き去りになる可能性があります。今は将来を見据えて基盤整備をしっかりしていくその時期と感じております。このまま厳しい財政運営を続けると、経営・経済的打撃を受けるのは、土建業者であり商工業です。町の基幹を成す産業ですので、何とか安定成長と願うわけです。公共事業が縮減された分、町が事業を誘発できないだろうか。産業振興、雇用の創出、さらに人口、少子化対策を含めた定住化促進、そして、恒久的な税収の確保等を考えると、低価格での宅地造成を供給することが最も効果的と思います。都市計画、市街化区域の見直し、あるいは債務保証、販売等々、多くの問題がありますが、官と民が知恵を出し合うことで解決できると思います。官が民を圧迫するといった考え方ではなく、官が民に仕事を創出するという大同的な見地から、施策として取り組むべきと思います。市街地周辺の農地をこのまま放置すると、後継者のいない農家は売るに売られず、将来荒廃する可能性が残されています。また一方では、上川地区は景観にすぐれ、農作物も美味です。この点を勘案されて、官民一体となって宅地分譲をする考えはないかを伺いたいと思います。
答弁 町長 尾岸孝雄(町長は2008年12月まで)
6番米谷議員の2項目の御質問にお答えさせていただきます。まず、1点目の町の将来像に関する御質問についでありますが、本町は平成11年に、豊かな心の人のまち、活力ある産業のまち、住みよい快適なまち、ともにつくるまちの4本の柱から成る「四季彩のまち・かみふらの~ふれあい大地創造」を将来像と定めた第4次総合計画を策定し、その実現に向けて取り組んでいるところであります。私は、これまでこの4次総計を我が町の将来像として常にお話をしてきており、今後も平成20年度までは、この将来像に向けて努力を重ねていきたいと考えております。しかしながら、その基盤となる本町の財政は、元来自主財源に乏しく、国の中央財政対策の影響を強く受ける脆弱な構造であることに加え、三位一体改革に伴う地方交付税や補助金の削減など、一層の歳入減が予測されます。行財政改革はその改革過程及び成果で生み出される行政資源を戦略的、重点的に活用し、「四季彩のまち・かみふらのづくり」を展開していくことを目的の一つとして進めているところであります。現在の行財政改革の基本方針、実施計画は、このような私の考え方を広く町民にお示しし、パブリックコメントなどの手法を講じた中で策定したものであり、改革の着実な実践に努めてまいりたいと考えております。なお、町の将来像やその実現に向けて取り組んでいる改革のあり方などは、町民の皆様と共通理解を深めていくことが極めて重要なことであり、議員と意をともにするものであります。情報の提供とあわせて、さまざまな機会を通じて町民の皆様と共通理解を深めてまいりたいと考えております。また、指定管理者制度に関してでありますが、議員が御指摘のように、公共性の実現に向け、町が果たすべきと考える公の施設については、町の責任において管理運営を担ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。次に、2点目の宅地造成の御質問にお答えさせていただきます。私自身も、地域経済の実態は議員が申されるとおりであると認識しております。この状況が長く続くことを強く懸念しております。このような中で、その打開策として御提言がありました未利用農地などを宅地造成し、今言われておる田舎暮らしを求める団塊の世代や町内在住の一戸建て住宅を求める方々に分譲できれば、地域経済の振興はもとより、新たな雇用創出や、定住化に伴う人口減の歯どめなど、期待できる効果は言うまでもないところであり、大変いいことであると思っているところであります。しかしながら、宅地を造成し、分譲地として整備することは容易でありますが、これを売り渡していくことには大きな不安があります。まずは多額な投資となることで、資金的余裕があるか否か、一定年限内に分譲地の売りさばきができるのか否かが重要な点であります。仮に分譲区画の多くが売れ残り、長期にわたって多額の不良債務を抱える事態となった場合を考えると、安易に実施できるものではありません。これらのことから、果たして未利用農地が優良の宅地造成地となり得るか、また、他の地域でも宅地造成を行っている実態にありますので、競争に勝ち残れる地の利があるのか、あらゆる角度から十分な調査分析をする必要があると思います。― 29 ―なお、現在、北海道が本州からの移住希望者を受け入れる取り組みを行っており、その体系の中で当町としても情報を提供できる体制を整えておりますが、近年、年間で10件から20件程度ある相談の中では、商売目的や単なる不動産紹介などの相談の目的は幅広く、よい手ごたえを感ずるものはない傾向にあります。いずれにしても、経済的な効果が期待できる反面、多くの諸課題も考えられますので、道内あるいは管内市町村での宅地分譲の状況などを調査するとともに、事業化の可能性についても、より一層研究してまいりたいと考えております。
質問 6番 米谷一
町長の聖域なき改革をともに汗してつくるまちづくりを掲げ、行財政改革を推進していく覚悟は聞いております。その先にあるもの、何をゴールとしてとらえて改革を推進していくのか、少子高齢化によって地域の過疎化が一段と進めば、やがて介護保険など福祉サービスすら提供できなくなるおそれがあります。また、税収の落ち込みや国の深刻な財政事情を考えると、地方交付税の縮減は確実に進むと考えられるし、また配分がさまざまな形で制限されることも予想されます。合併特例債などの優遇措置が2005年3月末で期限切れになり、今は合併を後押しする知事の勧告権を盛り込んだ新市町村合併特例法が控えています。幸いにも我が町は基礎自治体の体裁をなしているので、当面は勧告を受けないだろうと。しかし、将来、駐屯地の規模が縮小し、規模縮小が実施されれば、現状のままでは小規模自治体となる可能性もあります。そんな中での将来像を、もしお聞かせいただければと思うわけでございます。次に、産業振興策としての宅地の分譲に対する考え方ですが、単なる宅地供給という考え方なら、僕も町長と同じ考え方をしています。余りにもリスクが大き過ぎます。しかし、今町が置かれている状況を考えると、これほど大きな事業効果を生むのが果たしてあるだろうか。御承知のように、バブル崩壊後、地価は大幅に下落しました。市街地周辺の農地も例外ではありません。当時の価格の4分の1から5分の1まで下がっています。今なら坪3,000円から5,000円で宅地用の優良農地を取得することができます。公用分を差し引いて1町歩で2,000坪の分譲を可能と考えます。造成費用を坪3万円以内に抑えることができれば、4万円切って分譲できると考えます。150坪から200坪の広い区画で北海道らしさを前面に出し、庭先農園、庭園、将来はもう1棟建てて子供や孫たちも住めるような宅地供給も可能です。住宅建設まで考えると、少なくても初期投資の30倍以上は見込めます。この事業の背景になる考え方には、東京、名古屋、関西の3大都市圏の人口は日本の人口の約5割を占め、大都市部の人口集中が依然として続いています。特に東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県の東京圏には3,500万人を超える人口が集まっております。東京への一極集中が依然として続いています。しかし、都心通勤者の通勤時間を見ると、1時間以上が60%を占め、これに加えて住宅難や道路の混雑、ごみ問題、地価高値といった問題が山積しています。また、国土、農水などの共同調査で、3大都市圏の住民の40%が農林地域の移住を考えており、そのうち本格的な定住を考えているのは60%にも上っています。また、年代の若い人にもその志向が強く、30代の後半から40歳代では、大半がその気持ちを持っている。何よりも豊かな自然と通勤時間が短く、ゆとりのある生活を求めているということがうかがえます。また、社会基盤、これは下水道だとか病院、公園が整っていること、家を持つことができること、文化・レジャー施設などがあること、大都市までの交通手段が整っていることなどが挙げています。我が町が、そういう意味では空港も近いことから、比較的条件に恵まれています。ただ、彼らの年収を確保する雇用の場をいかに創出できるか、この点は不安要素として残ります。しかし、今大いに話題を振りまいている団塊の世代をターゲットに絞れば、2007年から700万人以上の人が定年退職します。この人たちに老後は田舎で過ごしてもらう、地域活性化と再生化のために、ぜひ取り組む課題と考えと思います。年間160万人の人が訪れる当町です。十分勝算があると思うのですが、再度町長にお伺いいたしたいと思います。
答弁 町長 尾岸孝雄(町長は2008年12月まで)
6番米谷議員の再質問にお答えさせていただきます。まず、行財政改革の推進と将来のまちづくりについてでありますけれども、先ほどもお答えさせていただきましたように、財政的に厳しい中でこの行財政改革を取り進めることによって、今掲げております第4次総合計画の実現に向けて、そのわずかな財源をもその対応を図っていくように財源を確保していくということが目的の一つとして進めさせていただいておるところでありまして、これらの総計の実現に向けて、今後も努力してまいりたいというふうに思っております。― 30 ―また、町の将来につきまして、これからどうなるのかと、現状におきましては、基礎自治体としての、言うならば1万人規模の対応を図っておるが、将来的にどうかということでありますが、私といたしましては、最大限自立で対応を図っていけるうちは自立で対応を図っていきたいというふうに思いますが、ただ、いかんせん将来的にはその自立で対応できるかどうかということは非常に厳しい状況にあります。御案内のとおり道州制の取り組みの中で、今、自治体は10万以上の人口を一つの区切りとしてというような国の施策が展開されておるところでありまして、そういうような状況になってまいりますと、富良野盆地、旧富良野村が一つにまとまったとしても5万そこそこというような状況になるわけでありまして、これからの国の地方制度の見直し、28次地方制度の審議会の中でどのような対応が提示されるのか、そういったことをも十分見きわめながら、今後のまちづくりの対応を図っていかなければならないというふうに認識いたしているところであります。次に、宅地分譲等の件につきましては、議員の御意見にもありますように、経済活性化策としては大いに生きるものであるというふうに認識いたしておるところでありますが、今、行政として主体的にその対応を図れるかということになりますと、さっきお答えさせていただきましたように、現状では対応を図ることが難しいという認識を持っているところでありまして、ただ、民の皆さん方がこの対応を図っていく、推進するに当たりましては行政としての、先ほども前の議員から御質問ありましたように、起業その支援につきましては、行政としてできる限りの支援をしてまいりたいというふうに思っておるところであります。議員から御質問にありますように、今、現状では一極集中の状況というものがなかなか解消することができ得ない状況にあるわけでありますが、先ほどもお答えさせていただきましたように、この地域、風光明媚なところで非常に人気のあるところであるというふうに私自身も認識しておるところでありますが、先ほどお答えさせていただきましたように、今、北海道とともに対応しております中にありまして、上富良野町に問い合わせは年間10件から20件あるところでありますが、それらのすべてが分譲住宅としての対応ではなく、大半が商売目的というような部分が多いと。今、現在も深山峠地区の分譲等々も対応が進んでおりますが、これらも、言うならば商業目的の対応の中での進みというような状況下にあるというようなことから、なかなか分譲した区画を消化するには、なかなか厳しいものがあるなというふうに認識しておりますので、今後も十分に状況等を見きわめながら対処していきたいというふうに思います。ただ、議員御心配の農地の未使用農地、そして荒廃農地、これらにつきましての対応は、行政としても最善を尽くして荒廃農地が出てこないように農地の流動化策、あるいはあらゆる支援策等々も対応しながら、この対応は図っていかなければならないというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。